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風羽はおにぎりにされてしまった!

迷宮結界内を進むふうわ。 辺りは適度に湿っぽく、肌も乾きにくそうな湿気を感じる。 早くここから出たい、とも思ったが。シャーロゥからの日々の鍛錬ノルマとして、迷宮結界の突入、できれば最深部の主の撃破を課せられている。 そうである以上、ここで入ったからそれで帰宅、なんてやろうものなら。シャーロゥに海のもくず(そのままの意味)に変えられそうだった。 ちょっとぶるっと身震いしてしまう。さすがに様々な変化姿にされるのは恥ずかしくて、恐ろしくもあるけど、大体は慣れた。 だが、全然知らない湾の何百メートルか深い海底に動けない体で沈められ、置き去りにされるのは。息が苦しいどうこう置いといて気が狂いそうになるお仕置きだ。 だから、こんなところで引くわけにはいかない。 「ほんっと。ひっどいんだよなぁシャーロゥ…。次代巫女を、就く前にぶっ壊す気なのかしら、っての…」 ぶつぶつと呟きつつ、おはらい棒を振るってはザコを倒していく。 しばらく進んでいくと。見知らぬエリアにやってきた。 そこは、おにぎりが無数に転がっている畳が無数に並び迷路のようになった領域だ。 遠くまで広がる畳の上には、なにやら調理器具の様な使い魔たちがウロチョロと動いている。 「うわぁ…」 ぜんっぜん知らないダンジョンだ。そう思うと、閉口してしまった。 実際の所。迷宮結界と言うのは、初見殺しの塊の、やられて覚える道場みたいなもんなのだ。 初めて見た場所で、本来の姿を保てるなんて、とてもまれだ。 「となると、ここで私は…」 自然に、近くに転がっているおにぎりに目が行く。 真っ白で綺麗なつやつやとしたおにぎり。 その姿に、自分が重なってしまった。 いや、まだ早い。そうなると決まったわけじゃない。 そんなふうになるなんて、先に決めるなんて巫女失格だ。いや、そんな想像に巫女の成否の有無なんて、あってたまるかって気分であるが。 ひとまず覚悟を決めて。先に広がるフロアに足を踏み出した。 ぴょんぴょんと、畳のダンジョンをすすんでいく。 だが、次の瞬間。畳が突然割けたかと思うと、そこから捕食生物のように臼が跳びだしてきた。 「うわぁっ!?」 悲鳴が出るが、そのまま風羽は体を拘束されてしまう。そのまま、ぎち、ぎちと風羽は臼の中に飲み込まれていく。 「だ、だから。初めての場所で、何が来るか読めるわけ、ないでしょー!!!」 そんな断末魔を残して、風羽はまるっと臼に飲み込まれてしまった。 臼はふうわを飲み込むと、カタッと蓋を締める。 そして、そのままギチギチと収縮し始め、うねりだした。 中から、んー!んーっと、悶絶する声がくぐもって響く。 声がするたびに臼がうねるが、それも段々と弱くなっていった。 最終的には、声も揺れも収まり、静けさだけが残る事になった。 かぱっと閉じ込めていた蓋が開き、中から風羽の衣服だけがほうりだされる。 それから続いて、ぽふっと、何かが宙に放り出された。 それは、おにぎりだ。 ただ、そのおにぎりは胸のようにぽっこりとしたふくらみがあり、猫耳がわりに、サバの切り身が刺してある。 つい先ほど風羽自身がドキマギしていたおにぎり姿そのものだった。 「~~~~」 ふうわおにぎりは声を上げれない。 何も身に着けてない姿で、お米になったその全身に結界内の風を受けてしまう。 くすぐったい。変な声を上げてしまいそうなほどに、ダンジョンにおにぎりの素肌は敏感であった。 そんな姿で放り投げられたふうわは羞恥心と全身の敏感さで頭がおかしそうになってしまう。 だが、そんな状態に追い打ちだ。 迷宮結界の四方の暗がりから、あまりにも長く細長いノリが突然伸びていた。 海苔たちは、ふうわおにぎりが地面に着地する前に巻き付き。そのままバンジーの感覚で風羽おにぎりを空中に固定してしまう。 「!?~~!!!」 おにぎりの体が、徐々に締められ縮んでいく感覚。それで風羽の頭は惚けてしまった。 未知の感覚でぼやけてしまった風羽を海苔は締め付け続ける。 しばらくすれば、完全におにぎりに精神を染められたふうわおにぎりが、地面に転がる事になるだろう。

風羽はおにぎりにされてしまった! 風羽はおにぎりにされてしまった!

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