「いやいやいや? これでも今を生きる学生でもありますし?妖怪としての美しさと同時に、平時の見てくれも気を使って培っているわ?」 「いーや! そんなの甘い! それならばこっちは警備隊として、日々実践! 見ろ! 鍛え上げた肉体こそ、美しさそのものだ!気を抜ける場があることなんて、長所にならない!」 シャーロゥ主催の、冬の親睦パーティーにて、珍しく風羽とモナカが口喧嘩を繰り広げていた。 「なんでねえやんとモナカ争ってるの?」 遠巻きにご飯をほおばりながら眺めていたワーフムは、ケーゼに尋ねた。 「普段、化かし合いの上手さでばかり互いの強さを認めあってたから。見た目の美しさでは誰が一番? なんて話になったところ、あの二人がぶつかりあったのよ」 「へえぇ……ねえやん、自分のみてくれとか気にすることあるんだ」 しみじみと納得するワーフム。そこに突然、お酒を飲んでいた蛇楽が立ち上がり、怒鳴りながらサングラスを外しだした。 「うるせぇっ‼ こちとら、昼間っから司書仕事で頭使いすぎて頭カリカリなんだ! そんだけ見てもらいたいんなら、最高に素敵な作品にしてやる‼」 蛇楽はそう叫ぶと、二人目掛けて目から光線を放った。 風羽とモナカが押し合ってる所に光線は直撃。二人は煙に包まれ、代わりに魅惑の女体を余すところなく晒した、魅惑の胸像が、二つ出来上がった。 お互いに胸を押し付けたまま、真っ白な石の体になってしまった二人は。体の柔らかそうな曲線を余すところなくさらけ出してしまい、見てるだけでときめいてしまう美しい胸像になっていた。 「あらまぁ。二人とも評価しやすい作品になったわね。どう?貴女はどっちの石像が好き?」 蛇楽がふて寝したのを見届けると、ケーゼはワーフムに尋ねた。 「風羽ねえやんは今晩の抱き枕にもらいます」 どっちの体が素敵か、答えをそっちのけにワーフムはそう答えた。 「じゃあ、残ったモナカは私がもらいましょうかしらねぇ。」 ケーゼもまた、答えそっちのけに自分の胸元に手を置きつつ、モナカの裸体を眺めて口をへの字にした。 宴は、そのまま胸像もいれて賑わいを絶えず続いたのだった。
狼雲
2021-12-13 13:27:40 +0000 UTCのなめ
2021-12-13 03:57:52 +0000 UTC