【Skeb】しあわせのブランケット
Added 2025-09-06 00:39:41 +0000 UTC猫又おかゆさんのファー触手えっち小説です! ↓↓以下本文… ========== そうだ。思えば、あのブランケットを買ってからだ。 こんな夢ばかり、見るようになったのは……。 きっかけはなんてことはない、ただ寒くなってきて新しい毛布が欲しくなっただけ。 おにぎりゃーからオススメを聞いたりして調べているうちに、見たことがない通販サイトにたどり着いていた。 はじめは怪しい海賊サイトかなーなんて思ったけれど、よく見るとそうでもないらしい。 売られてる商品は、どれもこれもモコモコでフワフワの寝具ばかり。そういうのの専門店なんだろうか? 「ほぉー? ふーん?」 カチカチカチ。 マウスだけ動かして、ページを見あさる。そこで売られている商品は、なんだか普通とは違っていた。 何て言えばいいか……見てくれは普通のブランケットなんだけれど、どこかが違う。 ファーのフワフワ感。普通の毛布とは比べ物にならないほどの、ふっくらとした厚み。なんとなく高級感のある毛並みの、キラキラとした光沢。 普段なら気にも留めなかったかもしれない。それでもなんだかこの時の僕は、この綺麗なブランケットにひどく惹かれたんだ。 いいお値段だったけど……しばらく悩んだのちに、僕は購入ボタンを押していた。 数日して家に届いたブランケット。その感触は、僕の想像をずっとずっと超えていた。 「ふわぁ~♡ やわらかぁ~ぃ♡」 もふん、もふん♡ ふわっ♡ もこもこフワフワ、極厚の、大きな大きなブランケット。僕の全身をすっぽりと包み込んで余りあるくらい。 とにかく毛並みの手触りが最高だった。さらさらと滑りのいい肌触りで、確かに毛束感を主張してくるのに全然ちくちくしない。毛羽だった感じはしないのに、モフモフとした優しい感触がする。 そして何より、特徴的なほどのこの厚み。掴めるほどの厚みがあって、もちもちとした感触。毛並みの柔らかと相まって、素晴らしい抱擁感を生み出していた。 これはすごい大当たりだったかも。僕はさっそくブランケットにくるまってベッドに横になる。こんな極上の感触に全身を包まれるのは、この上ない幸福感だった。 「しかもなんかいい匂いするぅ」 顔をうずもれさせれば、素晴らしい匂いが鼻をくすぐった。 着香されたものとは違う、甘くて柔らかい、まろやかな匂い。決して強すぎないそれは、なんだか安心できる匂いだった。 そしてそんな安心感に包まれていれば、あっというまに心地よい眠気が襲ってくる。 「んむ……」 どんな時でも、眠たくなったら眠っちゃう。猫だからね。 とっても満たされた気持ちのまま、僕は眠りに落ちていく。 きっと、とびきりの眠りが味わえるだろう。この時はまだ、そう思っていた。 そして、僕は夢を見た。 「……あれ?」 僕は、不思議な空間の中にいた。 どこを向いても、もふもふ。柔らかい毛並みの壁が見える。 どこから差し込んでいるのか、柔らかい光に照らされてキラキラと光るそれは、風に揺れる葉みたい。でもすべて、フワフワもふもふの、毛束。 そう、僕はあのブランケットと同じ感触の、フワフワに包まれた空間にいた。 あまり広くはないその空間の中で、僕はただぼーっと周囲を眺めている。不思議と恐怖はなかった。 と、いうより……「あぁ、これは夢だ」とすぐに気が付いた。いわゆる明晰夢というやつなんだろうか。ぼんやりとした頭ながら、直前にブランケットにくるまれてたからこんな夢を見ているのかなぁなんて思ったりしていた。 しゅる、しゅるしゅるしゅる……。 ぽやぽやとした頭でたたずんでいれば、やがてその空間全体がゆっくりと動き始める。 壁や床から、毛並みの"帯"が伸びてきていた。もふもふが首をもたげるようにして、僕に近づいてきている。 蛇? 尻尾? というよりも……もふもふの、触手? もふもふでできた何本もの触手が、ゆっくりと僕に伸びてくる。ぼんやりとしたままの僕は、それを眺めていることしかできなかった。 そのままもふもふの触手たちは僕の体にまとわりついて、そして……。 しゅりっ♡ 「ふ、にゃっ!?」 突然のくすぐったさに、思わず体が跳ねた。 毛並みが、服の内側の肌を撫でたのだ。袖から入り込んで手首やら、裾から入り込んできてお腹やら腰やらを撫でてくる。そのあまりの感触に、僕は身じろいで声を漏らした。 「ちょ、あは! くすぐった、ひゃぁっ!」 体をくねらせて、なんとかその感触から逃れようとする。けれど、だめだった。 もふもふの触手は僕の体にしっかりと巻き付いている。締め付けは感じない。でも、あのブランケットと同じもちもちの弾力のせいで、どんなにしても抜け出すことができないのだ。 そして、もがいてる間も触手は僕の肌を撫でてくる。その感触の性質が、少しづつ変わってきていた。 「んっ! んんっ……!?」 はじめはくすぐったいんだと思っていた。 けれど、違っていた。肌を撫でさするこの感触は、確かにあの極上のブランケットのそれ。 敏感な肌の上を、ふわり、ふわりと毛並みが撫でる。あとちょっと強く刺激してしまえばくすぐったさになってしまうだろう、その一歩手前のところ。 フェザータッチを繰り返して、その毛束の感触を教え込むみたいに。 (あ、れ? うそ、これって……) どこまでも繊細で、どこまでも甘やかな感触。背筋をゾクゾクと駆け巡る感触。 喉の奥でざわざわと、何かが渦巻く。顔に血が上ってカーッとしてくる。 毛並みの心地よさを教え込むようなその動き。気色良すぎるその感触。 (なんか、気持ちいい……!♡) それは、まさしく愛撫だった。 「ちょ、ちょっと! 僕は触手は趣味じゃな……ふやっ♡」 えっちなことをしようとしている。 その意図がわかって、ようやく僕は抵抗を強める。ぼんやりしすぎてしまったと気づいたけれど、触手は全く待ってくれない。 絶え間なく、肌の敏感な場所を撫でさすられる。そのたびに弱い弱いくすぐったさが渦巻いて、でもくすぐったいとまでは言えなくて。 繊細な刺激に、体は否応なしに反応してしまう。それが悔しくて、恥ずかしくて。僕はむきになって暴れようとした。 「もーっ! 放してってばー!」 確かにこの触手はぬるぬるでも気持ち悪くもないけど、でもやっぱりなんだか嫌なものは嫌だ! ぼふんっ! 「むぷっ!?」 そう思って手足をばためかせていると、突然1つの触手が僕の顔に張り付いてきた! もっこもこの、極上の感触が顔を包む。あったかくて、柔らかくて、あんまりにも心地いい。 そしてその感触の奥から、ふわり。あの匂いが込みあがってくるのがわかる。 (あ、これ。好きな匂い) それをひと嗅ぎした瞬間、瞼がとろーんと重くなるのを感じた。ここは夢の中だから、夢で眠くなるなんておかしいはずなのに。 それでもさっき、あのブランケットに包まれて眠った時の安心感を思い出してしまう。僕は思わず、力を抜いてしまっていた。 そうしてくたっと力が抜ければ、ふわふわの毛先がゆっくりと首をもたげて、僕を見下ろして。 (あぁ、やばい。全身くすぐられる) 次の瞬間には、その触手が僕の体に殺到していた。 「ふーっ……ふーっ……!?」 汗びっしょりで、目が覚めた。ブランケットは思った以上の保温効果を持っていたらしく、寒い季節が嘘みたいに温かい。それだけ質が良いということなんだろう。 でも、理由がそれだけじゃない事は明白だった。足の付け根、お股のところに確かに感じる、ぐっしょりとした感触は、汗のそれじゃない。 「うーっ、あんないやらしい夢見ちゃうなんて……」 とりあえず今日は、何をするよりも先にお風呂に入っちゃわないと。そう思ってベッドから起き上がる。 その時ふと、さっきまで僕を包んでいたブランケットを見やった。 「……………」 本当に本当に、極上の寝心地だった。そして、天国のような感触だった。 でもまさか、それがあんなえっちな夢になってしまうなんて。なんだか妙に後ろめたい。それに、曲がりなりにもこの僕が触手の夢を見るなんて……。 「……っ」 そう思いつつ、どうしても頭をかすめる、あの感触。 最後のほう、すごかった。体中撫でまわされて、愛でられて。思い出すだけでぞくっとしてしまうほど。 そこではっとして、頭を振る。何考えてるんだろう、僕は。そのままシャワーを浴びるためにお風呂場へと向かう。 もう忘れよう。どうせあんな夢、もう見ることはないんだから。 けど、そんな僕の予想は外れて。 数日おきに、僕はあのふわふわの空間を夢に見るようになってしまった。 「ふっ……♡ ふっ……♡」 あの空間で目を覚ますだけで、心臓が高鳴る。 キラキラしてて、ふわふわしてる、あの毛並み。鼻腔をくすぐる、優しい匂い。背筋をかけめぐる、ゾクゾクした感覚。 へたり込んだ僕めがけて、あの触手がゆっくりと伸びる。細長いそれがゆっくりと手を取って、まるであやすみたいに揺らしてくる。 やがて触手は甘えるみたいな動きで、僕の体にすりついてくる。パジャマの隙間からその先端が潜り込んで、肌にチリチリとした刺激を与えてくるのだ。 「んんっ……♡ んふーっ……♡ ん……♡」 僕は目を閉じて、その甘美すぎる感覚に集中する。 あいかわらず、くすぐったさのその手前にあるような感覚。ここのところは、眠る前に毛布に包まれるだけで感じてしまうほどだ。 この感触と快感とが、すっかり結びついてしまってるのだ。 さわさわさわ♡ しゅり、しゅり♡ さわさわ♡ 「んくっ♡ ふぅっ、ふぅーっ♡」 でも、同時に気が付いたことがある。 どんどん全身に蓄積していく快感。弱火でふつふつと煮込まれていくかのような、この欲求。 なのに。それなのに。 「フーッ♡ フーッ♡」 イライライライラ……♡ 僕はこの夢を見るようになってから、一度たりともイくことができないでいた。 それもそのはず。毛束が体を撫でる感触はどこまでも繊細で、体の力を抜いてじっくりと集中しなければ感じ取れないようなもの。 それでいて、「大事なところ」には決して触れてこないのだ。というよりも、服を絶対に脱がせようとしない。 (あーもー! 触手のクセに、紳士的なつもりーっ!?) 頭の中で、体の奥で、イライラが渦巻く。 下腹部にぎゅんぎゅんと熱が溜まる。 足の付け根のところに、明らかに感じる湿り気がある。 こんなに気持ちいいのに、決して過剰な快感は与えられない。緩んでしまった蛇口から、ぽたぽたと垂れる雫のよう。 くしゅ、くしゅ♡ しゅり♡ もふ♡ 「んむーっ……♡ んふーっ♡」 決まって、顔の近くにも1本の触手が伸びる。もふもふに顔を埋めると、それだけであの甘やかな匂いが体いっぱいにしみ込んでくる。 そして、首や耳。とくに神経が集中してて敏感なそこを毛先が撫でるたびに、腰の浮くような快感が走るのだ。 ピンク色の電流が、ちりちりと体に溜まっていく。さながら静電気のよう。でも溜まった電気は、どこにも抜けていかない。ただただ体に溜まっていくのだ。 「んにゅぅぅぅ……♡」 イライライライラ……♡♡♡ 思わず唇に力が入ってしまう。顔をしかめて快感に集中する。でもイけない。もどかしい。気持ちいい……♡ 朝が来ると、そんな蓄積状態で僕は目覚める。 起きれば決まって汗だくで、体がかっかと熱いままで。 「ん……♡」 そして、溜まり切っちゃった僕は……ブランケットに全身をくるんで、何度も一人で「して」しまう。 我慢するなんて到底無理。もふもふに顔を埋めて、その匂いを肺いっぱいに吸い込んで。何度も、何度も。 そんな生活が何週間も続いた。汗と、いろんな液のせいで、何度もシーツを張り替えることになった。 それなのに、あのブランケットは不思議といい匂いのままだった。 「あれ……?」 変化に気づいたのは、僕が新しいパジャマを買って眠った日の夜。 いつものように夢で目覚めた僕は、ちゃんとその新しいパジャマを身にまとっていることに気づいた。 なんで今まで気づかなかったんだろう。僕はこの空間に、寝る直前の恰好でやってくるのだ。 てことは。つまり、それは。 いつものように撫で繰り回されて身悶えしながら、僕の頭は珍しく別なことでいっぱいだった。 いつもの夜の配信を終えて、僕はベッドに向かう。 ここのところ、配信ではセンシティブな話題ばっかり。おにぎりゃーたちは喜んでくれてる。それでも、なんで僕がそんなになっちゃってるのか、みんな知りはしない。 「………」 その原因が、今目の前にある。 ベッドに敷かれたブランケット。ごくり。生唾を飲む。僕の予想が正しければいけるはず。 でも、本当にそんなことしちゃっていいんだろうか。はしたなくないかな? 風邪ひいちゃったりしないかな。予想と違ってたら? 何より、本当に無事で済むのかな。 色々な考えが頭をよぎる。それでも、それ以上に期待と興味が勝ってしまう。 何より、もうここのところ毎晩見るあの夢に。そして何週間も受けた生殺しゆえに。僕の欲求は、とっくに限界を迎えていた。 ベッドの前で、僕はパジャマに手をかけた。 しゅるり、しゅるり ぱさり 「っ………♡」 薄い布が落ちる音。ひやりとした外気に肌が晒されて肌寒い。それとは対照的に、体はどこまでも火照っていく。 僕は生まれたままの姿で、ベッドに横になった。 ブランケットにくるまれば、あの夢見心地の感触が全身の肌に触れる。どうして今まで一度もこれを試さなかったんだろう。こんなに素晴らしい感触を、全身の肌で感じられるなんて。 僕は一瞬で、頭の芯までうっとりとしていた。 あぁ、気持ちいい。柔らかい。ふわふわで、きもちいい。 意識がとろーっとして、瞼がどんどん重くなって、あっという間に僕は意識を手放してしまう。 そうして気が付けば、僕はあの空間にいた。 何一つ身にまとわない、生まれたままの姿で。 「───っ♡♡♡」 うまくいった。いってしまった。 今まで、どんなにしても触手に触れられなかった部分。パジャマで守られていた肌のあらゆる部分。 あの感触を思い出して一人で触った、大事なところ。そこをすべてさらけ出して、この空間にやってきてしまった。 もう僕ともふもふを隔てるものは何もない。その事実に、どくどくと興奮が高まっていくのを感じる。 「はっ♡ はっ♡ はっ♡」 上気して、茹だりそう。もう爆発しそう。これから起こることの予感に、はち切れそう。 そんな僕の期待を裏切らず、あのモフモフの触手たちがいつものように伸びてきた。そして僕の恰好に気が付いたのか……一瞬、その動きが固まる。 「ふーっ♡ んふーっ♡」 へたり込んだまま触手たちを見上げた。改めて見ると、まるで触手って感じはしない。ふわふわもふもふの毛並みに包まれたそれは、それこそ小動物のよう。 幾本の触手がまじまじと僕を観察するように、僕の周囲で首をもたげている。それだけでゾクゾクとした感覚が肌をかけめぐる。 じらされてるんだろうか。いつ、また撫でまわしてくれるんだろうか。 そう思っていると、触手たちに動きがあった。そして、全く予想していなかったことが起きた。 しゅる、しゅる ずももも…… 「え……?」 もふもふの床から、その毛並みをかき分けるようにして現れた……巨大な、触手。 ふっとい。抱き枕以上はある。もふもふなせいで、ちょっとした大型の獣みたい。 長さがあるから触手だとわかるんであって、そうでなければただの毛並みの塊にしか見えなかっただろう。そんな巨大なもふもふが、僕の目の前に伸びてきたのだ。 「え、で、でっか……!?」 一瞬、そのあまりの迫力に気おされる。でも、触手は待ってくれない。 その巨大さに全く見合わない素早さで動くと……僕の体の下に潜り込むようにして、僕を抱え上げたのだ! 「わ!? おにゃにゃ!?」 びっくりしたのもつかの間、その巨体から今度は細長い触手が伸びて、僕の手足を巻き取ってくる。そのままぎゅっと密着させられると……最終的に、僕はその太くておおきな触手に、うつ伏せに抱き着くような姿勢になってしまっていた。 厳密には抱き着かされているというほうが正しい。手足は巻き取られて、ぜんぜん動かせなかったから。 背中が少し反るくらいの姿勢で、僕の両足は地面から離れていて、全体重を預けて抱き上げられているのだ。無理のない、楽な姿勢ではある。 そして、そんな姿勢だから。僕の体の前面には、あの素晴らしい質感のモフモフがぴったりと、密着していた。 「あん、ふぁ♡ あっ♡」 頭の中がかーっと熱くなるのを感じる。ただ触れているだけでも大変なのに、こんなふうに抱き上げられてしまうなんて。 恥ずかしいような、嬉しいような、くすぐったいような。そんな気持ちでいっぱいで、ずっと望んでいた感触のはずなのに、思わずもがいて抜け出そうとしてしまう。 「は、離し……んあっ♡」 けれど、そうやってもがけばもがくほど。身じろぎすればするほど。 ようやく待ち望んだ感触が、全身に触れていることを自覚してしまう。 ふわふわ、ふわふわ♡ しゅりしゅり♡ 「う、ふ♡ ん♡ あ♡」 体の前面に広がる、天国みたいな柔らかさ。ふわふわの奥に感じるもっちりとした重い質感。顔を埋めて呼吸を荒くすると、どんどんと強まっていく甘い匂い。 両手足に巻き付かれているからほとんどみじろぎしかできない。それなのに、そのいじらしい刺激がかえって心地いい。動きが制限されてしまったぶん、小さな刺激により集中してしまうのだ。 「ん♡ ん♡ ん♡ ん♡」 もじもじ♡ もじもじ♡ しゅりしゅり♡ すりすり♡ それに、こうして体を密着させているとどうしても感じてしまう場所。 体の前面に備わった、2つの性感帯。どうしてもえっちな感度が高くなってしまう場所。 胸のふくらみごとふわふわの中に沈み込んで、包まれている。身じろぎして感じる刺激は、胸を越えて脇のほうにまで伸びてきて。 そして先端のぷっくりと膨らんだ場所。そこに触れる毛先の、一本一本まで感じ取れるかのよう。 「あん♡ う♡ ふぅ♡」 体が、震える。ピクンピクンと跳ねる。 その衝撃でさえ、体を揺らしてフワフワを感じる刺激になってしまう。 感じてしまえば、体が跳ねる。 体が跳ねれば、感じてしまう。 (うそ、これ、止まんない……!♡) こんなに弱い刺激なのに。まったく動かされてなんかいないのに。 否応なしに蓄積していく快感に、頭の芯までドロリと蕩かされていくようだった。 そして僕は、決定的に動かしてはいけない場所まで、動かしてしまった。 ぴくんっ♡ しゅりっ♡ 「んあっっ!!♡」 (あっ、まずい!♡ そ、そこは……♡) ずっと期待していたはずなのに、それでもその甘美すぎる快感を前にすると、思わず恐怖さえした。 僕は今、大きな触手を跨ぐようにして抱き着いている。だからどうしても、お股のところはもふもふにしっかりと当たってしまう。 腰が跳ねれば、そのぶんだけ……濡れそぼったそこが、擦り付けられてしまう。 にゅり♡ にゅる♡ もふ♡ もふん♡ 「~~~~っ!!♡♡♡」 跳ねる。腰が、跳ねる。何度も、何度も。 僕のお股からあふれるトロトロを吸い込んで、毛束はすっかりウェットな感触になっていた。 でも、それがかえって気持ちいい。トロトロを含ませた筆で、何度もお股を撫であげられているかのよう。 それに、足に触手が巻き付いているから離れることもできない。跨って上に乗っちゃってるから、腰を動かすこともできない。 (気持ちいいのから、逃げられれない……!♡) ぴくん♡ ぴくん♡ にゅりっ♡ にゅりっ♡ 「んぁ♡ ふあぁっ♡ や、あぁっ♡」 声が、抑えられない。 触手は全然動いていないのに。動いちゃってるのは僕のほうなのに。 ずっとずっと焦らされていた感覚のせいで、溜まってしまった期待のせいで。僕の体はもう、僕のいうことを聞いてくれなかった。 びくっ♡ 「あ゛っ♡」 まずい。 ついに確信に変わってしまった。確かな実感が襲ってきた。 来る。来てしまう。触手は全く動いていないのに。抱き着かされて、僕が動いちゃってるだけなのに。 両手足に力が入る。力が入れば、この姿勢だからそれだけ強く抱きしめてしまう。 そうすれば、僕の体に巻き付いている触手のほうにも、かすかな締め付けが加わった。 あ、これまるで、抱きしめあってるみたい。 「ふにゃ、ぁ~……♡」 そう思うと、頭の中でとぷとぷと、幸せな感覚があふれてくるのがわかった。 今日までの数週間で、いやってほど理解している。この触手が僕に対して抱いている、優しい感情に。明確な好意に。 嫌な気なんてしなかった。理由は全然わからなかったけど、最初に感じていたわずかな警戒心はすっかりなくなっていた。 絆されちゃったのかな。それでも、今はただこの気持ちよさに身を包んでいたい。包まれて、いたい。 「はぶ……♡」 もふん♡ 思わず、顔を埋めながら毛束を口に含んでしまう。キスができるわけではないけれど、それでもそうしたかった。高まってくるこの気持ちよさと切なさを、なんとかしたかった。 けど、それを触手のほうも感じ取ったようだった。ざわざわと、全身の毛が揺れたような気がする。そしてそれと同時に。 しゅるしゅるしゅる……♡ 「あ……」 無数の、もふもふの触手が伸びた。 気づいてしまった。僕は思わず、この子を煽り立ててしまったんだと。 後悔したころにはすでに、全身に殺到する触手によって甲高い悲鳴をあげていた。 もふもふもふもふもふ♡ くしゅくしゅくしゅくしゅくしゅ♡ 「う゛ぁーーーーーっっっ!!!♡♡♡♡♡」 来る。来る来る来る。 どんどん来る。気持ちいいが来る。抑えられない。 甘い、甘い、快感。 毛先が織りなす、繊細な快感。 フワフワに包まれる、優しい快感。 抱きしめあって愛される、切ない快感。 「あ♡」 ぜんぶが、一気に、襲ってきて。 最後にお股の筋を乾いた毛先が、ふわり。お尻のほうへ向けて撫であげると。 びくっ…… びくびくびくびくびくっっっ♡♡♡ 「っ♡♡♡ っ!♡♡ ~~~っ♡♡♡♡♡」 びくんっ♡♡♡ びくんっ♡♡♡ ぎゅぅっ♡♡ ぴくんっ……♡♡ びくっ……♡ 「はぁっ♡ はーっ♡ はぁーっ♡」 ぴくん♡ ぴくっ♡ 痙攣する体。蕩ける意識。 口からよだれを垂らして、全身の力が抜けて。 腰のあたりに重量を感じることができない。体全部が雲みたいになっちゃって、ふわふわする。 一人で激しくしたときの押し上げられるような快感とは違う。優しく手を引いて、引っ張り上げるような快感。 (きもち、ぃ……♡) 頭にモヤがかかったようで、うまく思考できない。幸せの霧がかかったようで、満たされていて、指一本動かせない。 そんな僕の体を、またあの触手たちが撫でてきた。また気持ちよくされちゃうのかと思ったが、どうやら違った。 すり……♡ すり……♡ 「ん……♡」 優しく、やさしーく撫でられる。頭や、腰のあたり。そして僕を抱きかかえる大きな触手のほうも、ゆらりゆらりと優しく揺れ始める。 それはまさしく労わるような動き。気持ちよくて蕩けちゃった僕を、この上なく甘やかす動きだった。 いいこ、いいこ。そう言われているみたい。胸の中にあったかいものがこみ上げて、体中に広がっていく。 「はぁぁぁ………♡♡♡」 (こ、これ、しあわせぇぇ……♡) とろけた体がさらにとろけてしまう。脱力してるのに、手足はしっかりと抱き着かされている。それら全部の動きに確かに感じる、大きな大きな愛情。 お母さん猫に、抱き留められていたときみたい。でもきっと少しだけ違う気持ちよさ。 あんまりの心地よさに涙さえ浮かんでくる。頭の中がぐずぐずに溶けていく。幸せすぎて、おかしくなりそうだった。 しゅり……♡ 「はぅ……♡」 やがて、また触手は動き始める。ゆったり、ゆったりと。 体を撫でていた触手の動きも、労わるものから官能的なものへ、確かに移り変わっていく。 また気持ちよくされちゃうんだ。そう思えども、もう抵抗はできない。 僕はもうこの触手のことを、心から受け入れてしまっているんだから。 ふわふわ♡ しゅりしゅり♡ すりっ♡ もふん♡ 「あぅ♡ あんっ♡ んぅぅ~♡♡♡」 体の力が抜けていると、なおのこと抵抗なく快感が滑り込んでくるのがわかる。 ふわふわの体に、ふわふわの気持ちよさ。防御力ゼロで感じる、ゆるゆるの気持ちよさ。 もう、体中の神経が体の外に出てるみたいだった。敏感なそれを刺激しすぎないように、どこまでもどこまでも労わってくる、優しい感触。 「ひぅ♡ う♡ んく♡ んぅぅ♡」 (きもちい♡ しあわせ♡ すき♡ しゅきぃ♡) いつの間にか、僕はその大きな触手に強く強く抱き着いていた。 もう、手足は拘束されてなかった。それでも離れる気なんかなかった。離れたくなかった。 「は♡ あ♡ またイく♡ イッ♡」 しゅりしゅりしゅり♡ もふ♡ もふ♡ もふ♡ それが近づくほどに抱きしめる力が強まって。 それが近づくほどに刺激はどんどん繊細になっていって。 「っ♡ ぅ……♡ んぐ……っ♡」 腰を、お股を、グリグリと押し付けて。 柔らかくて、温かくて、安心できて。 すり……♡ しゅる……♡ そしてどこまでも、きもちいい。 「~~~~~っっっ♡♡♡♡♡」 びくっ♡ びくびくびくびくっっ♡♡♡ 「ぁ~~~♡♡♡ っっ~~~♡♡♡」 びくびくっ♡ びくんっ♡ しゅり♡ しゅりしゅりしゅり♡ ふわふわ♡ すりすり♡ びくん……♡ びく……♡ それからの記憶はあいまいだ。 僕はもう、ただひたすらずっと気持ちよくて、幸せで。 何度もイって。イくたびに優しく抱きしめられて、あやされて。 多幸感でばかになっちゃった頭の中、なんども優しくくすぐられて。 そのまま僕は夢の中で眠るように、目を閉じてしまった。 目が覚めたとき、やっぱり僕は汗びっしょりで、くしゃみをした。 風邪が治るころには季節も少し変わって、温かくなってきていて。 あのえっちな夢は、それっきり見ることはなくなっていた。 季節の衣替えで、僕はその毛布を押し入れに収める。 寂しくはなかった。あんなに幸せな夢を見せてくれたから、むしろ感謝さえしている。 と、いうよりも。確信があったんだ。 僕はまた1年後、寒い季節がやってきてこの毛布を取り出すんだろう。 その時には、きっとまた……。 「……♡」 淡い期待と、温かい心。 また会おうね。寒くなったころに。 友達と手を振って別れるときみたいな気持ちで、僕は押し入れを閉じたのだった。