【創作体験記】執筆の思考プロセスと、無興味ジャンル執筆の限界について
Added 2025-08-16 08:27:02 +0000 UTC8/17:全体調整と「なぜグッドルートとバッドルートを用意するのか」を追記
---------------------------------------------
まずはこの記事をご覧頂いている、全ての方にありがとうございます。
この文章はプランに登録している人しか読めません。
私や作品に対して、何らかの前向きな気持ちを持っていただいている方が多いはず。
別の記事にも記載した通り、執筆中は本当に苦しく、楽しみがありませんでした。
マジで辛かった……。
この文章をみてくださっている貴方の存在が救いになります。
そんな貴方に甘えまして、
ここでは、あまりX(Twitter)でも語るのもな……って事も書いていくつもりです。
最初に
本記事は、pixiv掲載分及び、ここに掲載している『バッドエンド:喪失』や、その他の文章を全て読んでくださっている方を想定しています。
また、本ページで見たものは、全て貴方のもの。好きに語ってくれても自由です。
引用目的であればスクショもOKです。『バッドエンド:喪失』についても同様。むしろ感想くれた方がありがたいってぐらい。
怒涛の全文公開みたいなのは困りますが、常識の範囲なら大丈夫です。
「常識の範囲って……分かんねぇよ!」って人は全面禁止だと思っててください。
『逃避ドミノ』執筆の思考プロセス
今回私は創作論を一切学ばずに書いてしまったので、正しいやり方を知りません。
インターネットを探れば創作論は沢山でてくると思いますが、
一方で「初心者が何も知らない状態でやる創作プロセス」は逆に少ないと思います。
せっかくなので今回、初心者である私がどういうプロセスで作ったのかを公開しようと思います。
なにが正解で、なにが間違っていたのか。
良かったらコメント欄やX(Twitter)で語ってみて下さい。参考にします。
初期構想(骨組み)
X(Twitter)上でよく「どこまで構想にあったの?」という疑問を受けたので、先にそこを回答していこうと思います。
X(Twitter)で発端となるツイートを投下した時には、粗方全ての構想が頭にありました。
<共通ルート>
・千夏先輩が寝取られる
・雛が新幹線で遅れたせいだ、と大喜が責めて「お詫び」が始まる
・それを遊佐弟・晴人が見つけてショックを受ける
・大喜の指示を受けた雛が、晴人に抱かれる
・有頂天になった晴人に真実が告げられ、脳が破壊される
ここはもう完全に『逃避ドミノ』の該当プロットそのままですね。
<グッドルート>
・絶望を乗り越えた晴人が、大喜にバドミントンで挑む
・諦めずに前を向く姿勢を見て、周囲が励まされ改心する
・ただし、"元通りにはならない"。その上で、前に進んでいく
ここもプロットは一緒ですね。
「元通りにはならない」ってところまで考えていました。
青春は後戻りできないから貴重で尊い。爪痕は残るべきなのかなと。
<バッドルート>
・性欲基準で大喜に従う晴人
・学校選びでも兄から逃げ、この学校に来ても苦難から逃げる晴人
・もう一度雛を抱かせてもらうが、人間性を失っており、冷酷な対応を受ける
こちらもラストは同じですが、完成作品では微妙にオミットされている要素が。
性欲基準で物語を進めるの、何か難しかったんですよね。
書いてて面白さが分からないのは寝取られモノも同じですが、発展性を出すのが極めて難しかった。
また、「高校選びでも兄から逃げた、お前は何からも逃げるんだな」みたいな要素も当初は全面的に入れるつもりでした。
しかしグッドルートを完成させた時に、「晴人という人物の生き方の一貫性をグッドルートで描き、その変質をバッドルートで描く」って形にすると、両方のルートの対比が強くなると感じました。
であれば、高校選びで兄から逃げた……という解釈は、「従来の遊佐晴人の一貫性の輝き(グッドルート)を棄損する情報」になるかなと判断しました。
ということで、高校選びでも逃げたって解釈は完成作品ではオミットすることに。
そんな感じで、共通・グッド・バッドと、どのルートも骨組みは変わらず。
元々執筆を決意する前から、頭にボンヤリとプロットがあり、「それをそのまま文章にするだけだから、楽かな」と思い執筆を始めた……という流れです。
いやまぁ全然楽じゃなかったんですけど。
執筆着手(肉付け)
骨組みは頭の中にあったのですが、この肉付けが大変でした。
小説って、プロットの羅列じゃないんですね。それも知らなかったんですよ。
いや結局最後まで「小説とは何か」を勉強せずに書き上げてしまったので、今も分かってるのか怪しいんですが。誰か教えてください。
1章なんかはまだ「小説はプロットの羅列じゃない」という肌感覚すらなくて、本当にプロットの羅列に近い状況になってます。
いつかリメイクしたいですね。
で、2章あたりから「もしかして、セリフを適宜挟んだ方が心情に寄り添えるんじゃないか?」と思い、セリフをなるべく挿入する話運びを試してみました。
1章は隣人視点なので、読者の感情移入を重視しなかったのもあります。
2章以降は「主観視点の人物の心情に寄り添った方が、読者も楽しめるのでは?」と思い、試行錯誤しながら書いていきました。
3章になると大分その書き方に慣れてきたような気がします。
元々、当初想定していたプロット・物語構造を楽しむには、「読み進めるほど事態と心情が重くなる」方が面白いのでは?と思っていました。
文筆力も書き進めるごとに慣れてきたので、前向きに言うと、物語の悪化と文筆力の加速をまとめて一緒に感じてもらえた……かもしれません。
一方で、「肝心の最初が面白くないから初期に読者が離脱しやすい」という致命傷が発生している気がします。
ジャンプなら打ち切りですね。
で、共通ルートである3章までを公開した時に、「人物の心情描写を地の文だけで説明しているところがあって残念」というご意見を見まして。
「あ、やっぱダメなんだそれ」となりました。
ということで、グッドルートについてはなるべく地の文ではなく、セリフを用いるように気を付けました。
他にも色々なご意見を参考にしたので、もし共通ルートよりもグッドルートの方が読みやすいと思ってくれたら、それは感想をくれた皆さんのおかげです。
追加要素
実際に執筆(肉付け)をする中で、大きく変わった点は主に3つ。
1.御守りの描写
2.「逃避」という作品テーマの確立
3.バドミントンシーンのクローズアップ
1.御守りの描写
書く上である程度原作を読まないとな、と読み返した時に見つけた要素。
共通ルートでは、雛の大喜に対する想いの再確認を、「御守りを渡さない」という具体的行動で表現しました。
そしてグッドルートでは晴人を奮起させる材料として、バッドルートでは諦めと変質の象徴として活用しました。
この御守り、使い方はすぐに思いつきましたが、「どのタイミングでどのようにシーンを差し込むか」は少し考えました。上手くシーンを差し込めたでしょうか。
あまり伏線である事がバレバレにならないように、共通ルートでの書き方には特に気を付けましたね。
2.「逃避」という作品テーマの確立
視点が複数に移る事は分かっていたので、「作品を通して何か1本スジを通しておかないとな」とは思っていました。
そこで結果的にオミットする事にはなったんですが、バッドルートの構想にあった「遊佐弟は何にでも逃げているな」を上手く使おうかと考え、「逃避」をテーマにしました。
これに合わせて、晴人の性格を「逃げずに立ち向かう」に設定。
元々我が強くて、兄に対するライバル心のあるキャラだったので、原作に齟齬がない範囲でテーマに沿ったキャラ解釈をさせてもらいました。
現時点で晴人のキャラ解釈について、そこまで厳しい意見が出ていないので、まぁ上手くやれたのかもな?と捉えています。
3.バドミントンシーンのクローズアップ
単刀直入に言うと、エンタメ性を確保する上で必要と判断した結果です。
後述しますが、寝取られの面白さがどこにあるのか、私は分かってないんですよね。
なんとなくX(Twitter)の反応を見て「破壊がポイントなのかな?」と仮定して、その過程のもとで視点キャラの精神・常識・アイデンティティの破壊を描写しました。
しかし、グッドエンドには破壊のシーンがない。
別の見所を用意する必要がありました。
という事で、私の手持ちの価値観の中から「面白いと思うもの」を見所として提示する必要が生まれます。
その上で、原作『アオのハコ』とある程度の親和性が取れるもの……
そうして考えられたのが、『王道ジャンプ要素』です。
元々グッドエンドのシーンではバドミントンで勝負をさせる予定だったので、物語に盛り上がりを作るにはそこしかない、となりました。
そうした見所を作るという考え方から、予定外にバドミントンシーンに力を入れることが決まります。
何ならこれが、実際に書いてみて一番予定外だった所ですね。
面白さを見せるためには二人のプレイヤーのプレイスタイルを見せる必要がある。そうではないと、戦術や戦略を描くことはできない。
そんな考え方で、二人のプレイスタイルと「普通にやったら大喜の方が強いよ」を予め示すために、共通ルートで先に二人に対戦してもらいました。
結果的にこのバドミントンでの敗北が、3章での晴人の自尊心破壊に一役を買ってくれたので、うまく応用が利かせられたと思っています。
バッドルートとグッドルートをなぜ両方用意するのか(8/17追記)
寝取られや二次創作に興味がない私ですが、瞬間的にパッとシナリオが頭に浮かぶ事があります。先述したとおり、今回の『逃避ドミノ』もそのパターンです。
どちらかのルートが思い浮かぶと、自然に片方のルートも思いつくんですよね。
バッドルートとグッドルートは、私の中でセットなんだと思います。
今回で言えば、遊佐晴人は絶望から「目を背けた」or「乗り越えた」が分岐点です。
この両者の対比が鮮明であればあるほど、明暗が克明になり、両方の選択肢がグッと際立つと思います。
このルート分岐の選択をうまく「逃避」というテーマに絡めたつもりです。
上手くできたかどうかは、皆さんのご評価次第ですね。
まとめ
骨組みと肉付けの思考プロセスとしては、こんな感じです。
元々のベースはそのままに、全体の構想を考えて肉付けを上手くやる。
執筆活動自体は苦痛で面倒なものでしたが、ここは論理パズルのようにできたので、多少の楽しさがあった事は認めます。
ベテランの人はもっと上手くできると思いますが、この「当初決めた骨組みに従って書きながら肉をつけていく」という方法は、初心者が無策の行き当たりばったりで創作を始めるには良かったのかなと思います。
無興味ジャンルを執筆することの限界について
全体公開では面白くないから避けるような話も、ここでは出来るかなと。
あまりエンタメ性のない話なのですが、今回実際に書いてみることで「寝取られモノを継続して書いていくのは私には無理だな」という気付きを得ました。
プロット自体は秒速で考えつくのですが、「描写が難しい」。
これに尽きます。
破壊するプロットは書けるのですが、破壊されていく側の心情描写が書けない。
書けないというか、「正解が分からない」んですよ。
寝取られものを摂取した経験が少なく、また官能小説に触れた事もない私です。
なので3章とバッドルートが圧倒的に苦戦しました。
とりあえず、なるべく破壊が際立つような書き方にはしたつもりですが……
どこまでいっても「正解が分かっていない」というのがキツい。
時間を置いてから推敲しても、正解が分からないので何か曖昧なんですよね。
自分の中で漠然としてるものを、人様にお届けして良いのかという葛藤もありました。
一方、グッドエンドは「自分の中にある面白さ」を参照して書く事ができたので、時間はかかりましたが正解の見えなさによる負担は少なかったかもしれません。
上記のような理由から、
「無興味ジャンルは自分自身がその面白さを理解できていないから、どっかで限界がくるんじゃないかな」と思ったワケです。
もちろん反証はいくらでも可能です。
・無興味だからこそ、コダワリがなく書くことができる
・面白さについて、論理的な学習をする事で汎用性の高さが出せる
・ジャンルに左右されない作家性を出すことができるかも
しかしこれらはいずれも、「その道で食べていく」予定ならやれる事かなと。
趣味ではなく、ビジネスとしての考え方ですね。
少なくとも私の方に「やりたい」という気持ちと興味がない事は確認できたので、趣味として継続していくのは……難しいでしょうね。
今回のバッドエンドは、そんな正解が分からない暗中模索の状態で書きました。
バッドエンドを読んでくれた皆さんがどのような反応になるのか、楽しみです。
「全然クソで期待外れじゃい!」みたいな反応だったら、やっぱり無興味ジャンルをやるのは限界なんだなと思います。
「いや良いですよ!刺さったよ!」みたいな事が万が一あれば、それはそれで参考にはなります。
さて、どうなることやら。
必要に応じて追記していきますが、今思いついているのは以上です。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
また追記する時は、記事の一番上に(〇月〇日追記)みたいな事を書いておきます。