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魔法学院の生徒会長4――決着編(後)1

 朝、いつもより一時間早く目が覚めた。  寝直してきちんと睡眠を取ろうかと思ったが、気持ちは高ぶっているし体調に問題はない。  今日は学園祭の最終日。勝ち抜き戦の日でもある。  首尾よくことが運べば、キヨヒコと戦い、倒し、わたしは『フタバ』に戻れるはず。  ベッドの上で身を起こし、自分のメンタルを確認する。  精神は落ち着いていた。倒すべき相手への怒りは保ちつつも、心乱すような荒れとは無縁。勝負の日の朝としては、悪くないはず。 「……お風呂、入っておこう」  時間に余裕があること、身を清めるとまでは行かないが気合を入れておきたいこと、それらも理由ではあるけれど。  目覚めた時から股間で元気に暴れているコレを鎮めないと、部屋の外に出られそうにない。  湯船につかり、体を温め汗を流し、そしていつものようにペニスを弄る。  簡単に巨大化するわたしの息子。  二年前の八月に入れ替わって、その翌日からほぼ欠かさず弄り続けてきたペニス。一日二回以上も少なくはなかったから、すでに千回はこの快感を味わってきたことになるだろうか。『フタバ』として重ねてきたオナニーの、間違いなく十倍以上の回数。  今日元に戻れば、これが『キヨヒコ』の身体でする最後の射精になる。わたしは名残りを惜しむように、時間をかけてしまう。  お湯が冷めてきてから、ようやく手の動きを早くした。  脳裏に思い浮かべるのはいつもの姿。『フタバ』の身体。  艶やかな髪を、柔らかな唇を、豊かな胸を、滑らかな太ももを、大きなお尻を、思う存分満喫したい。そして、隠されている奥へ、かつてわたしのものだったアソコへ、今のわたしのコレを突き入れて……  興奮の絶頂から、覚める。  後始末をしながら、少し考えてしまう。  キヨヒコたちに勝つためのイメージトレーニングは重ねているのに、『フタバ』に戻った後の自分はどうもうまく想像できずにいた。 「今、思い悩むことじゃない」  声に出して自分に言い聞かせ、わたしは風呂を出た。  勝たないことには何も始まらない。 *  学院の中央広場は、入学式と卒業式の他、各種行事の開会と閉会の挨拶などに使われる(魔法で対処するので、大雨だろうと使用可能)。  毎回壮観な眺めではあるが、日程の都合などで全校生徒が集まることは滅多にない。  けれど今、魔法で組み上げた仮設のスタジアムは、生徒数以上の人数を収容可能なのに満席だった。  保護者やOB、入学希望者なども来ている。取材を希望したマスコミも招かれているし、伝手で学園祭に入り込めた野次馬もいるだろう。  しかし、やはり中心の闘技場を一番熱心に見つめているのは、現役の生徒たちのように思われた。  闘技場の近くに控えながら、わたしは彼らの視線をひしひしと感じる。 「お待たせいたしました! 学園祭のメインイベント、魔法勝ち抜きバトルを始めます!!」  実況役の女生徒が、魔法で声量を増幅させて叫ぶ。  ありきたりなテレビ番組のように工夫のない名前なのは、この企画が公式なものではないから。有志が毎年勝手に集まって、開催している。  それでも毎年途絶えることもないのは、魔法で戦って誰が勝つかというシンプルな問いに誰もが興味を持つからだろう。  魔力量は、格闘技における体重と身長並みに重要な要素だ。だが戦闘系の魔法を得意としていれば、または魔法運用に才があれば、自身の魔力の三割増しぐらいの相手には勝てることもある。  観客はそんな番狂わせを見たいのか、あるいは強者が強者たることを確認したいのか。  さて、この企画には本来、特に決まりと言えるほどのものはない。一対一で戦う。勝った方がスタジアムに残り次の挑戦者と戦う。それだけだ。少し調べたが、わたしがいなかった一昨年も去年も、それ以前と変わってはいなかった。  しかし今回、トシアキが一つの提案をして、それが通っていた。  わたしと戦いたい者は事前に申請し、抽選か何かの基準で選ばれたトシアキ含む十名が、わたしに次々と挑んでくるということになった。わたしが途中で負けようと、何度負けようと、お構いなしに。  まあ、トシアキの思考は理解できた。参加したわたしをぶちのめしたくても、その前にわたしが負けてしまっていてはぶちのめしようがない。それを避けたかったのだろう。そして衆人環視の元で何度も負けるというのはかなりの屈辱になるもので、それもわたしを辱める一助となるわけだ。  彼にしてみれば、身の程知らずをへこませる絶好の機会。  そしてわたしにしてみれば、十人抜きをすることで『フタバ』を自然と引っ張り出せる絶好の機会。

Comments

コメントありがとうございます。今回の投稿に際し、三話に少し加筆しました(昔話についてです)。 何はともあれ決着はつきます。次回投稿ではひとまずトシアキを倒すことになるかと。 ご支援もありがとうございます。プラン1とプラン2とであれこれ書いていますので、楽しんでいただければ幸いです(途中までのものが多いので、タイトル部分に(完)とあるものを選んでいただく形になるでしょうか)。

続きを要望したhijiです。ありがとうございます。続きが読めて嬉しいです。本当に’勝ち筋があるのか、元の体を取り返せるのか楽しみです。事情で月ごとの支援になりますが、よろしく願います。

hiji


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