SamuZai
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いつでも戻れると思うと(2)

 今の自分の身体はもちろん気になる。裸エプロンからあれこれ着せ替えさせられていた時も、全裸をじっくり眺めたことなんてなかったし。  でも、『羽留奈』の身体を当人の前でじろじろ観察するなんて気が咎めるから、自然と目の前の羽留奈――『聖仁』の身体に視線が向いた。  お互い裸で向かい合うなんて当然初めてだ。自分の身体の時は普通にしか思えなかったけれど、少し背の低い『羽留奈』の立場から見ると、意外に大きいし、筋肉の付き方もたくましく見える。本来なら威圧感を感じてもおかしくない。  でも、今の『聖仁』はすっかりしょげていて、圧迫感や怖さなんて少しも感じない。むしろ慰めてあげたい、愛おしい、そんな気持ちになっていく。 「ほら、洗うぞ」  浴室に足を踏み入れてもまだ所在なげに立っている羽留奈に、こちらから声をかけた。 「男の子の髪って短くて洗いやすいね」 「女子は……大変だな……」  手早く髪を洗い終えた羽留奈に手伝ってもらって、俺は初めて長い髪をシャンプーする。  でも、口で言うほど「大変」とは感じていなかった。『羽留奈』のきれいな髪を維持するなら、これくらいはしかたないかと受け入れられるレベル。 「あたし、小さい頃から何となく伸ばし続けてきたから慣れてたけど、短いのって本当に楽だね。今度切ろうかな」 「だ、ダメだよ」  泡で目が開けられない状態で、俺は慌てて反論した。 「羽留奈の髪は素敵なんだから、切ったりしないで。髪洗うのが面倒なら、俺が代わるから」 「それってあたしの身体で毎日風呂に入るってこと? スケベ」  シャワーを俺に浴びせながら、羽留奈は笑った。 「まあ、聖仁がそんなに言うなら、髪は伸ばしたままにする」  そしてクリップで俺の髪を手際よくまとめ上げていった。 「じゃあ、次はあたしが体洗うの手伝って」 「これ、スポンジで洗えばいいの?」  プラスチックの椅子に座り上半身を洗い終えた羽留奈が泡立つスポンジを手に俺へ訊ねる。視線の先には股間から伸びるアレ。 「いや、俺はスポンジ使ってないよ。陰毛とか絡んだら何か汚いだろ」 「じゃあ……直接、手で?」 「うん。て言うか、スポンジ使ったってどうせ触れると思うぞ」 「そりゃそうだけど……」  ためらって動けずにいる羽留奈。まあ、無理はないか。俺たちの入れ替わりは下半身を無視するように進んできたわけで、羽留奈がここで平気な顔して洗えるほど女の子を捨ててたら俺も引くし。 「じゃ、手伝うさ」 「え?!」  俺は手早くボディソープを泡立てると、羽留奈の股間をむんずと掴んだ。 「あ……っ!!」  ちょっと色っぽい声を上げる羽留奈をひとまず無視し、俺はなるべく淡々と処理しようとした。  いつもやってるように手短に……と思うのだが、向かい合った態勢で『他人』のソレを洗うなんて初めてのこと。触られる感触がないというのは、力の入れ具合もよくわからなくさせる。 「い、痛いよ……!」 「ごめんっ!!」  玉袋を揉み洗いする時にやり過ぎてしまったようだ。今度は優しく棒を撫でて洗う。  でもそれは、当然のことながら。 「あ……」 「あ」  俺の、『羽留奈』のほっそりしたしなやかな手の中で、『聖仁』の、今は羽留奈のアレが、ムクムクと大きくなっていった。 「その……これ、どうしよう」  羽留奈に問われ、俺は困り果てる。  元の身体であれこれやった関係であっても、この場面で「射精してみなよ」なんて気軽には言いづらい。  それに、入れ替わった状態で過ごす時間がすでに過去最長の今、あんまり色々やってみるのもちょっと不安だったりする。 「じ、じっとしてればそのうち収まるから」 「……収まんないんだけど」  しばらく様子を見たが、相変わらず羽留奈のアレはそそり立っていた。  羽留奈は顔を真っ赤にして、自分の股間で自己主張するものを見ている。俺も気恥ずかしい。 「と、とりあえず、風呂入ろうか」  シャワーや手桶でお湯を浴び、そもそも初夏だから寒いわけではないけれど、することもなく裸で向かい合うのは落ち着かない。 「で、でも……何か、先っちょがどんどんぬるぬるしてきてて……汚くない?」 「いや、それはしかたないことで……」 「これって……出せば収まるんだよね?」  そう言うと、羽留奈は頬を染めながら言った。 「聖仁、手伝って」  背中から『自分』をこうもまじまじと眺めたことなんてもちろん初めてのことだった。あ、こんなとこにニキビ。 「どうして後ろへ回るの?」 「え、だって、前からじゃ手の使い方がいつもと違うし」  さっき手際が悪かったのも、前からやってたせいだと思う。 「じゃ、始めるぞ」 「あんっ!!」  羽留奈の、『聖仁』の、硬くなっているアレに触れる。『羽留奈』の小さな手のせいでいつもよりもずっと大きく感じた。 「ん……少し遠いな」  間に『聖仁』の体を挟んでいることと『羽留奈』の腕が少し短いことにより、この姿勢だとあまり自由に手が動かせない。  思いきって、羽留奈の背中に胸を密着させる。これでやっと、いつもと近い感覚になった。 「聖仁……おっぱい当たってる……」 「しょうがないだろ」  本当の男子みたいに声を上ずらせる羽留奈がおかしくて、もっと強くしがみついてみた。羽留奈の背中に当てた『羽留奈』の……俺の胸が、瑞々しい弾力を保ちながらむにむにと動く。  手に握るアレが、さらに大きく硬くなったような気がした。


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