ミニラの創作活動の裏側をじっくり深堀りする「making of CAT SURVIVORS」。
第15回の今夜は、キャットサバイバーズ第6話「青・春・猫・闘」のメイキングをお届けします。おやすみ前の読み物として、お楽しみ頂ければと思います.*
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本作の製作時期は2021年1月~4月にかけての約三ヵ月間。
日本は新型コロナウイルス禍における二度目の緊急事態宣言の真っ只中。3月下旬に一旦は解除されるものの、後に猛威を振るう事となるデルタ株の出現により僅か一ヶ月足らずで三度目の緊急事態宣言が発出となる等、事態は混迷を極めていました。まん延防止等重点措置の登場で『まん防』という略語が生まれた時期です。
この当時の私はというと、相変わらず仕事以外の殆どの時間をキャットサバイバーズ製作に捧げる傍ら、公開延期が続いていた映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を劇場鑑賞。苦難の中でも作品がつくり上げられ、ひとつの物語が完結を迎える事の素晴らしさ、美しさに感銘を受け「自分も今作っている自創作を最後までやり切りたいなぁ……」と、静かにモチベーションを高めていました。
キャットサバイバーズ第6話は、私にとって特に思い出深い作品である「バスト☆ボール!!」を題材にした回でした。
以前どこかでお話した気がしますが、バストボールの投稿を境に私は女子プロレス創作界隈の方々と交流させて頂く機会が急激に増加し、私自身それがきっかけで女子プロレス作品に強い関心を持つようになりました。その中で特に感銘を受けたのが、いわゆる学園部活モノとして描かれた女子プロレス作品の数々。これに興味を引かれた私は、バストボールで学園路線を描けないかと考え、一度はキャットサバイバーズと同時進行で “学園バストボール” を展開しようと試みます。
しかし、キャットサバイバーズは1話につき2~3ヵ月の製作期間を要する、非常に時間と気力を削られる作品。それと同時進行で別の創作を行う事は現実的に不可能で、この学園バストボールというアイデアは一度没案となります。
ですが「ガヴァラガスの影響で世界観が改変されている」というキャットサバイバーズの設定はこの没案と見事に噛み合い「猫サバのバスボ編で学園モノができるのでは……!?」という発想へ転じていったのでした。
第6話のカラー表紙絵。保存ファイル名は「6話表紙」。
毎回そうですが、キャットサバイバーズの表紙は私のアナログ製作時代の歴代ヒロインたちを初めてデジタルカラーで描く機会なので、「水の国ちゃんの決定版と言える絵にしてあげよう」と思いながら描きました。他作品のヒロインとは違う、可愛さと強さとカッコ良さを兼ね備えた雰囲気が表現できていたら嬉しいなと思う、そんな一枚です。
本編の時間軸から半年前、入学前のメメちゃん達が校内着用衣類の採寸に赴いていた回想シーンの一枚。保存ファイル名は「看板」。
右上に、後に黒メメちゃんになるガヴァラガスがいますね。この時点で既にメメちゃんを監視しています。
メメちゃんとミヤビちゃんが初めて出会ったシーン。
現在の二人よりもやや幼い印象をあたえる為に、あえて地味なデザインの下着にしました。メメちゃんはまだ髪が短く、おどおどとした態度で今より引っ込み思案な性格であることを強調しています。ミヤビちゃんとの出会いによって彼女がいかに明るい性格に変化したのかを表す貴重なシーンで、「瀬川メメ」という名前が初登場するのもココが初だったりと、実は結構大切なワンシーンなのです。
メメちゃんが待ち合わせ時刻の一時間前にシリウス君に会いに来るシーン。保存ファイル名は「osoine」。
メメちゃんがシリウス君に想いを寄せている事、ミヤビちゃんが仲間になったが為に彼と二人きりの時間が無くなりつつある事を表している場面で、彼女の些細な心境の変化を示した一幕です。
「バストボールだよっ!ふたりとも!」と張り切ってやって来たミヤビちゃんの図。保存ファイル名は「ミヤビ登場」。
普段はおっとりしているミヤビちゃんが珍しくはしゃいでいる貴重なシーン。水の国ちゃんに会いたいと語尾を強くして急かす様子は、まるで推しキャラに会いに行く前のファンのよう。ミヤビちゃんも意外とキャットファイト創作がいける口なのでしょうか……?(笑)
「バスト☆ボール!!」の世界へやってきたキャットサバイバーズの図。保存ファイル名は「転校?」。
こちらの世界の制服はノースリーブと袖有りの二種類。普段メメちゃんたちが着ている制服が比較的オーソドックスなデザインで、もうすこし冒険すれば良かったかなと後悔していたので、ここで思いきり二次元らしく自由な制服にしてみました。二の腕が見えるデザインの袖すきすき(*´ω`)
教室全体を映した引きのカット。保存ファイル名は「教室」。
この「バストボール編」では、まず初めに舞台となる学園がグローバル化の進んだ規模の大きな学園であることを示さなければなりませんでした。ですが、学園の全景を上空からの視点で描いたり、多種多様な設備の数々をいちいち描いていくとなれば、大変な作画カロリーになってしまいます。そこで、見せるエリアを一点に集約することで「全体は見せていないけど、これだけで学園の雰囲気は何となく伝わるよね!」と思えるワンカットを最初に見せる作戦に出ました。それがこの教室のシーンだったのです。恐らく異なる国々から集まったであろう生徒たち。日本の一般的な高校とは異なる造り。これを見ただけで「違う時空に飛ばされたんだ」と視覚的に認識できる一枚にしようと思いました。
バストボール編のナビゲーター的存在となる少女、ヒスイの初登場シーン。保存ファイル名は「hisui」。
原作の「バスト☆ボール!!」では回想シーンにのみ登場したキャラクターでしたが、そんな彼女が物語の中心として登場したら意外性もあって面白いだろうと考え、今回大抜擢しました。水の国ちゃんや風の国ちゃんがメメちゃんより年上という事もあり、より近い目線でメメちゃんと接することができる、この世界における橋渡し的な役割も担ってくれました。
ヒスイと学園内をめぐるシーン。保存ファイル名は「学校を案内!」。
教室のカット同様、この学園の規模感を端的に表すために必要だったのがこのカットでした。最低限の作画コストの中で、この学園には生徒がたくさんいますよ、遠くまで敷地が続いていますよ、という情報を自然に見せるのに、このシーンは一役買ってくれました。絵にしている余裕がない部分はヒスイちゃんが説明台詞で伝えてくれるというのもポイント。予算もスケジュールも余裕がない中なんとかやりくりして映画を撮る監督の気分でした。苦笑
学園内を案内されるも、根本的に想定していた状況との解離が激し過ぎて着いていけなくなっているキャットサバイバーズの図。保存ファイル名は「おかしいな?」。
デフォルメの絵を描くのが好きなので、こういうシーンは楽しいです。笑
背景別パターン。
背景別パターン。
女子プロ部で奮闘する水の国ちゃん(アイ・オライト)の初登場シーン。保存ファイル名は「コブラ」。
水の国ちゃんをバストボール部ではなく女子プロ部員にした理由として、今回のバストボール編でガヴァラガスの歴史改変の副作用やヒロインの記憶回復条件などを明らかにしていく形にしたかったというのがあります。水の国ちゃんと風の国ちゃんは極力接触しない状況を作りたい、その中で水の国ちゃんにはプロレス(っぽい何か)をさせる事で、原作の「バスト☆ボール!!」を支持して下さった女子プロレス創作界隈の方々への一つ恩返しと言いますか、ギフトになればいいなと思った次第です。
試合を終えた水の国ちゃん。保存ファイル名は「私のお姉ちゃん」。
ユニフォーム(リングコスチューム)姿のままでオフモードに入ってる女の子って、すごくカッコよくて可愛いと思うのです。余談ですが、このバストボール編において水の国ちゃんは常時白いバンダナを着けています(本来は紫色)。これはヒスイがバストボールを引退していないからで、原作ではヒスイの意思を受け継ぐ形で彼女から紫のバンダナをもらい着けているという裏設定があります。
風の国ちゃん(シトリィ)の初登場シーン。保存ファイル名は「風の国」。
年上の先輩ヒロインという貫禄を出すために、ちょっぴり大人びた出で立ちで登場です。やっぱりバストボールのヒロインたちは ”強そう” であってほしいのです。
ちなみに奥の方で見えている大きな橋のような建造物、見覚えがある方もいらっしゃるかと思います。
そう!原作でW杯の決勝戦が行われていたスタジアムにあったあの建造物です!笑
舞台は同じ「天の国」。ワールドバストボールスタジアムは学園に隣接しているという設定です。遊び心ではありますが、こういう所も楽しんで頂ければと思いながら作画しました^^
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今回のメイキング集は以上となります。
製作期間中は「ここはこだわったポイントだから後でたくさん語りたい!」と思っていた事が数多くありましたが、いざ語るとなると忘れていて中々出てきませんね。苦笑
また後日、思い出した事などあれば加筆する事もあるかも知れません。気が向いた時にでも読み返して頂ければ幸いです。
それでは皆さま、おやすみなさい.*