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雨宮ミズキ
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患者さんと先生 幕開け編 解説2+次回作ネーム 約2000文字

※「患者さんと先生 幕開け編」「患者さんと先生 ラブホえっち編」のネタバレ全開です。2冊読了後に閲覧することを推奨いたします。


今回は以下の2シーンの患者さんについて掘り下げて解説していく編です。


①幕開け編での患者さんの独白(P65)

②ラブホえっち編での独白(P6)


お手元に本を用意していただけると分かりやすいかな、と思います。









①幕開け編での患者さんの独白(P65)




患者さんの普通や将来への欲求を象徴するシーン。


体調を崩して苦しい時に得意なこと、将来の夢、好きな人と付き合うこと、そして結婚をうっかり想像してしまい絶望する患者さん。


(話は逸れますが、この独白に「結婚」を入れるか結構迷った部分。今の時代結婚してる人の方がマイノリティになりつつあるし、「普通」でくくるにしてはかなり乱暴すぎて時代錯誤も甚だしい。でも学生の時なら結婚やウェディングドレスに夢を見るだろうなぁという良い意味での幼さも込みで入れました。でもって、大人になった患者さん(独身if)は結婚に対してあんまり夢見なさそう。リアリスト寄りなところがあるので…)


(そうやって考えると、このアクスタウェディングドレス落書き絵ってエモくないですか?夢が詰まってる。かわいいね。首輪付いてるけど)



(…初っ端から脱線してしまってすみません、話を戻します)



苦しい時ほど自分の上手くいかない部分や不安な将来を憂いがちだし、他人と比較しがち。

持てるもの、持っているもの、持っていないもの、一生持つことができないものを数えがち。

数えてみて勇気が出る時もあれば心を打ち砕かれる時もある。

数えてみたはいいものの、患者さんはノートPCやノートどころか本とペンにも触れられていない。

身近なものに手を伸ばしても届かないところにあることを知った時の辛さは計り知れません。

得意なことですら活かせない自分の置かれている状況を苦しく思うのは別に患者さんに限った話ではなく、こと勉学であったりこと恋愛であったり仕事であったり…個々人色々あると思いますが、そういう辛さや絶望感を描きたかったところ。


今振り返ってみると、幕開け編の本のテーマは「辛さの共有」を軸にしていた気がします。

作中では「先生対患者さん」ではありますが、「患者さん対読者」、「先生対読者」のような形で出したかった…。

強く共有・共感させたいがために力を入れたら、描く側は悪夢を見るはめになったのですが…。

(それらについて詳しく書いた過去記事を読まれていない方はこちらからどうぞ)




で、上記の幕開け編の内容を踏まえた上でのラブホえっち編でのシーンがこちら↓



②ラブホえっち編での独白(P6)



めちゃくちゃコミカル。

幕開け編であれだけ暗く語ってたのに!?


しかしこれだけコミカルなのには明確な理由があります。

何故ならば先生と付き合ったことにより、将来が良い方向に不確定になったからです。

将来について明るく考えられるようになったんですね。虚弱な体は何も変わっていないのに(P5のカバンにはヘルプマークが付いてる)、バリキャリなんて言ってるし。

ある意味、良くも悪くも調子に乗っている、浮かれている状態。


「保健室の先生」と付き合っているだけで大分ギルティなのに、その先生がまあまあハードな事情を抱えたメンヘラ男で、それなのにああも明るくいられるものかと。

現実なら逮捕案件ですし、患者さんの親や姉が知ったら保健室の先生かどうかにかかわらず止めに入らなければいけない状況です。犯罪。

百歩、千歩譲って正式に付き合うにしたって、先生の心理的な問題はしっかりと解決してからでしょう。

とはいえ、患者さん自身諸々の問題が分かっていないわけでもない。

(P7「スタートが健康不良児ってところから人生設計狂ってはいたけど…!」の辺り。この状況が「狂ってる」とはちゃんと認識している)


でも、十数年間送ってきた人生においてようやく普通らしいものを手に入れられて心から救われたのだとしたら、どうしたって浮かれてしまう。


そんな感じの流れでした。

幕開け編を読んだ後に過去作を読んだ方がどれだけいたかは分かりませんが、そういう仕掛けを仕込んでみましたの回。



以下、メタ的な話。


幕開け編作業中にラブホ編を読み返していて、めちゃくちゃ浮いてるように感じたんですよね、このシーン。

そういう意味で調整した箇所でもあります。

作品を作った順番として、ラブホ編→幕開け編だったわけですが(作品内時系列は逆)、上記2シーンの仕掛けを考えたのは幕開け編を描いている途中だったりします。

先生と付き合えたことによる心の変化は絶対にあるでしょう!と患者さんの気持ちを汲み取ったら簡単に想像がつきました。


十数年間送ってきた人生においてようやく普通らしいものを手に入れられて、

普通の女の子になれた気がした」(幕開け編P69)

と思い至ったのであれば、あのシーンの異様な浮き方、浮かれ方も納得ができるなという。


「キャラが勝手に動く」というのはこういうことなのだなと実感しました。



以下、次回作のネーム。




付き合いたて編のネーム。


絵がゆるゆるだし字がアレだしでとてもアレで恐縮なんですが、大まかにはこんな感じになりそうです。(多少セリフやコマは変えるかも)

私服にときめいてる患者さん、かわいいね……………………。



以上です。

患者さんと先生 幕開け編 解説2+次回作ネーム 約2000文字 患者さんと先生 幕開け編 解説2+次回作ネーム 約2000文字 患者さんと先生 幕開け編 解説2+次回作ネーム 約2000文字 患者さんと先生 幕開け編 解説2+次回作ネーム 約2000文字 患者さんと先生 幕開け編 解説2+次回作ネーム 約2000文字 患者さんと先生 幕開け編 解説2+次回作ネーム 約2000文字 患者さんと先生 幕開け編 解説2+次回作ネーム 約2000文字

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