悪魔の追想 25.5
Added 2019-05-24 16:08:14 +0000 UTC2019年7月22日
かったるい試験週間もようやく終わりを迎え、一人町に繰り出した辻武(つじ たける)の足取りは軽やかだった。
まだ、試験の結果次第ではさらに追試験という第二ラウンドが待ち構えていたりするのだが、今はとりあえずやるべき事を終えたという解放感に身を任せて羽根を伸ばしても罰は当たらないだろう。
友人からの誘いは断って、今日のところは彼女の瑠梨(るり)と2人でまったり酒でも楽しんで深夜デートといこう。かねてからそう約束していた。
まだ試験が完全に済んだわけではないんだから、なんて固い事を言うような彼女でなくてよかった。まあ、そんな女の子だったらハナから自分とは合わないだろうが。
駅を出てすぐ向かいにある、名前に「珈琲店」なんて付いているレトロなセンスのコーヒーショップ。
そこが、自分達がよく待ち合わせに使っている定番のスポットだった。
「あーーー、辻じゃん!」
今日の予定を思い返しながら一人で軽くニヤつきつつ、さて何を頼もうかと店に入りかけたところで、後ろから声をぶつけられた。
人を呼び捨てで呼ぶ割には妙に若い声だな、と思った。まるで10代半ばくらいの、少年のような。
どこかで聞いたような、そんな声の方へと振り向いた俺はそこに立っていた「少年」の姿に軽く目を剥いた。
「姫原……?」
脳みそから一瞬で出てきたその名前に、口に出した俺自身が戸惑っていた。
すると、少年は大きく頷いて、らんらんと輝く2つの瞳で俺の事を見上げてきた。
「わぁぁ、久しぶり~~~。中3とき以来だからさー。もう5年ぶりくらいだね。元気だった?辻も、こっちに来てたんだね。」
「あ、う、うん……まーな……。」
平静を装っているつもりだったが、うまく装えているかの自信はあまり無かった。
彼───姫原智希の前では俺はいつもこうだった。
名前を思い出したことで、5年前、彼の近くで過ごしていた中3の頃の記憶が、まるで堰を切ったように頭の中に溢れ出していた。
そうだ、少年とは言ったが、このどう見ても少年にしか見えない彼の実年齢は俺と同じ、今年で20歳になるはずだった。
正確な表現をするなら、彼は少年ではなく、青年と呼ばれるべきだ。
しかし理屈はそうでも、目の前にいる姫原智希を青年と称するのは理屈以外の面で憚られた。
ちょっと身長の高い小学生くらいの小柄な体格は、もしかすると5年前と殆ど変わってないのではないかと思えるものだ。
腕も脚も細っこくて、つるつるして、そんなところも少年らしさに拍車をかけている。
当時と違うのは、髪型くらいだろうか。当時は清潔感に溢れた男子らしい短髪をしていたが、今は少しだけ無造作に伸ばされている。
その下にある男のくせに妙にカワイイ顔も、全く変わっていなかった。果たしてこいつには第二次性徴は訪れたのだろうか。
一瞬、5年前にタイムスリップをしたかのような錯覚を、目の前の姫原の姿から感じていた。
けれど、それも本当にわずかの間の事で姫原の口から大学の話が出ると、途端に気分は現在に引き戻された。
姫原が大学生、というだけでその光景を想像すると少しおかしかったが、大学名を聞くとそこそこランクの高い理数系の大学で驚いた。
ハッキリ言って俺の通っている体育大学よりも明らかに偏差値は上だ。
「ふーん、そっかぁ。辻も試験終わりなんだ。オレ、飲み会あるからそれまで時間潰ししてるんだ。辻は?どっか行くの?」
俺は、と答えようとしたところで姫原の背後、俺の視線の先で笑顔で手を振っているショートカットの女子の姿を見つけた。
彼女の瑠梨だった。
「お待たせー。どうしたの?この子?知り合い?」
瑠梨の目は、姫原の事を近くで見るなりみるみる好奇心に溢れてくるのが俺からしてもよく分かった。
瑠梨じゃなくても、姫原を初めて見た奴は大概こうなる。
「うわぁ、かわいいね~君~。中学生?武の弟?」
イタズラっぽく笑って白い歯を見せている姫原に代わって、俺が瑠梨の質問に答えてやった。
「中3時の同級の姫原。今ここでたまたま会ったんだ。姫原もこっちのガッコ通ってんだって。」
俺が答えると、瑠梨はへぇ、と一瞬頷いたかと思えば、次には「同級!?」と素っ頓狂な声を上げた。
「そぉで~~す。」
茶目っ気たっぷりに答えると、姫原はささっと自分のサイフから学生証を出して瑠梨に見せていた。
今の瑠梨のような反応なんて、こいつにとってはもう何十回何百回とこなしてきた日常茶飯事なんだろう。
姫原が成人男子である事実を受け入れた後も、瑠梨の目は完全に姫原に釘付けになっていた。
「すごい………もしかして、テレビに出れるんじゃない?なんかの。」
瑠梨の随分と大雑把な言い草に、姫原はあっはっは、と明るい声を出して笑っていた。
それからさらにその場で数分ほど談笑して後、姫原の方から適当に話を切り上げて、笑顔で手なんて振りながら街の雑踏の中に消えていった。
「連絡先とか、交換しなくてよかったの?」
姫原の小さい体が完全に見えなくなってから瑠梨に聞かれ、そういえば、とようやく思い当たったがもう遅かった。
でも、別に構わなかった。
「うーん、そんなによく話してたってほどじゃないからな。仲は悪くなかったけど。」
「そーなの?女なら絶対こういう時交換するけど。そんなに仲良くなくても…。」
男ってヘン、と笑う瑠梨に、俺も笑った。男の俺に言わせればそんな女の方がヘンだと思ったが。
確かに、当時の俺は姫原と特別仲が良かったというわけではなかった。
姫原は誰とでも仲良くなれるというタイプの奴だったが、奴には奴で他に黒田とか、谷本とかの特に仲の良い友達がいた。
俺も新しいダチを作るよりは長い付き合いの空手部の奴らとかとつるんでる方が楽だし楽しかった。
姫原とは友人というよりは、1年間同じ教室で過ごした仲間、というくらいの関係だった。
「でも、ほんと可愛いよね。あんな子が近くにいたら、男の子でも好きになったりしなかった?」
瑠梨の不意打ちのような言葉に、俺は過剰に引き攣りそうになった頬をなんとか力づくで留めた。
「ん、なわけねーだろ。俺がノーマルなのはあんたが一番知ってるだろーが。」
咄嗟にそう言って繕うと、瑠梨は「そうか」とあっさり頷いてくれて、俺は内心で胸を撫で下ろした。
そのあたりでようやく姫原関係の会話を切り上げて、俺と瑠梨は予約しているダイニングバーのある路地へと並んで向かった。
雲の少ない初夏の空の上では、太陽がようやく西に向かって進路を切り始めていた。
歩きながら瑠梨と他愛の無い話をしつつ、俺の頭の中では未だ姫原が近くにいた日々の事を思い返していた。
瑠梨の言った言葉は、本当のところを言えば当たらずといえども遠からずだった。
───
俺が姫原と同じクラスになったのは、中3の時が最初で最後だが、それまでにもなんだかひょこひょこ可愛いチビがいるな、と時折目に入って、顔と名前だけは知っていた。
それが中3になって、俺も周りの連中も大分男臭くなってきたな、なんて実感が互いに湧いていた中で、姫原の存在は俺達男子の中では随分と異彩を放つようになっていた。
新学期になってすぐの健康診断の時だった。
まあ、バカな男子中学生のやりがちなことではあったけど、部活で鍛えた体を空手部同士、運動部同士で自慢大会なんてやっていた。
やれこの俺の腹筋を見ろとか、胸板を見やがれとか、拳を握ってマッスルポーズを取ったり、力こぶを見せ合ったりしていた。
当時は俺も調子ノリのガキだったし、空手部副主将なんて肩書も背負って半裸で肉体自慢をやっていた。
「腹筋すごいねー。おれも触ってもいい?」
そんな輪の中に突然、何の邪気も無い目をした姫原が乗り込んできた。
その姫原の姿に、俺は自分でも訳が分からないほど狼狽したのを今でも忘れない。
女子ならともかく、男に腹筋を触らせるなんて毎日のようにやっていたし、当たり前だがその事に何の感慨も抱いた事は無いのに。
目の前にいる姫原が男なのは知っていたし、特別女子っぽいというわけでもないのに、そんな姫原を前にして、まるで可愛い女子におねだりをされたようなむず痒い感覚を覚えて、その事が自分でも理解できなかった。
それでも断り切れずに、姫原の好きなように体を触らせてやると、その小さな手の滑らかな感触がまた他のごつごつした野郎の手とは全然違って内心ではドギマギしていた。
「わー、すっげー固いー!!男らしい!かっこい~~!」
「や………別に、そんな大したもんじゃ…。」
「いいなー……辻、体もデカいし。うらやましい…。」
ヘタをすれば、女子にお願いされるより緊張していたかもしれなかった。
それが猶更、理解できなかった。
だって、俺はホモではない。それは断言できる。
姫原はどんなに可愛くても男だし、他に可愛い女子なんて周囲にいくらでもいる。
なのに可愛い女子、は俺にとって姫原の単純な上位互換とは言えなかった。
「おれだって、部活で運動してるのに全然お腹なんか割れないんだぜー?ほらー。」
そう言って自分から大胆に裾を捲り上げると、そこから出てきた姫原の細い褐色の体は本当に男とも女とも付かないもので、俺の脳は姫原という存在をどう捉えればいいのか、もはや情報を処理することを放棄してしまっていた。
多分、俺だけじゃなく他の奴の中にも俺と同じような感想を持った奴はいただろう。
それ以来、俺は教室の中で姫原を目にするたびに胸の中に湧き起こってくる正体不明の感情に悩まされるようになっていった。
姫原は男で、そういう対象として見るべき相手じゃない。
それは理性では分かるのに、そう思おうとすればするほど俺の中の理性以外の部分が姫原の事を美味そうだと内側から訴えかけてくるようだった。
ダチと話しながら笑ってる顔や、教科書を前で唇をつんと尖らせて唸っている姿、体操着に着替えている時の相変わらず中性的な体つき。
そんな姫原の様子が目に飛び込んでくるたびについ釘付けになって、時折ふっと目が合って、思わず顔を背ける。そんなのを一体何十回繰り返したか知れない。
当時の俺のそんな様子の事を姫原は一体どう受け取っていたんだろう。
何か感想を持っていたのか、それとも何も気にしていなかったのか。そんな事を思い返すと未だに落ち着かない気持ちになる。
───
中3も半ばを過ぎたあたりだろうか。
ある夜を境に、突然夢を見るようになった。
場所は俺の部屋のような、何もない靄だけがかかった空間のような、そんな安定とは無縁の場所だった。
夢の中の世界というのは、まあそんなもんかもしれないが。
俺が一人で過ごしていると目の前にあいつが、姫原が何の前触れも無く姿を見せて、俺の名を呼ぶ。
「つじ~~」
いつものあの声で、いつもよりもずっと親しみの籠った調子で俺の名を呼ぶと、姫原は今までにないくらい至近距離で俺の顔を覗き込んで、笑いかけてきた。
どうやらこの夢の中では、俺と姫原は実際よりも親しい関係にあるらしい。
「なんだよ、なんか用?」
俺がそんな姫原の頬を両手で軽く摘まんで、笑いながら尋ねてやると、姫原は可愛い顔をくしゃっと壊してさらに愛嬌を飛ばしてくる。
「あのねー、つじー。辻にだけ、おれのヒミツ教えてあげる~。」
姫原のヒミツ?
それは、正直に言ってなんとも興味深いもんだ。
教えてくれるっていうんなら、ぜひとも聞いてみたい。
おどけ混じりに返してやると、姫原は座った俺の見ている前でなぜかワクワク顔を浮かべながらパンツの裾に両手を宛がう。
そして、俺が思わず声を上げるより先に自分でパンツと下着を勢いよくずり下していった。
「ジャーーーーーーン!!!!!!」
そのすぐ目の前に現れたものに、俺は大声を上げ、ようとしたがそれは声にはならなかった。
きっと口をアホみたいにぱくぱくさせていたけだだろう。
そんな俺のすぐ眼前に差し出された姫原の、下着の下ろされた股間には、あるべきものが付いていなかった。
いくら姫原がガキみたいだからって、同じ男ならそこには俺と同じ男性器がぶら下がっていなくてはいけない。
成熟度とか、そんなのは違っていたとしても。それならそれで、可愛いチンチンとかがぶら下がっているはずだ。
けれどそこにはそんなものは影も形も見当たらない代わりに、つるっつるの股間のすぐ下には小さな割れ目のようなものが息づいていた。
驚く俺の事を、姫原はなぜか得意げに見下ろしていた。
「えへへー、実はおれほんとは女なんだよー?知らなかっただろぉ~」
知らなかったというか、知りようがなかったというか。
姫原の言葉に、俺は表情はそのままに何度も頷いた。
それ以外にリアクションの取りようが無かった。
そんな驚愕状態の俺の脳天に対して、姫原はさらに強烈な爆弾を落としてくれた。
「だから、おれ………辻といつでもセックスできるよ?」
「は…っ………?はぇ……セ…っ……?」
自分でも、かなり面白い首の動きをしていたと思う。
そんな俺の事を姫原はおかしそうに笑って見ながら暴走を続けた。
「だって辻、いっつもおれの事そういう目で見てるじゃん。おれの事押し倒して、ハダカにして、エッチなことしたかったんだろ?」
「いやいやいや!!!!!そんなわけ…っ………。」
ない、ことはない、のか………?
いや、絶対に俺はホモではない。それはかなり深い確信を持っている。
にも拘らず、姫原という正体不明の生き物に対してそういう欲望が全く無いと言いきることは出来なかった。
正体不明だからこそ、それを暴いてみたいという気持ちは否定できなかった。
けれど、その姫原が女だった?いきなり判明した正体に頭の整理が追い付かなかった。
そんな俺の混乱に乗じるようにして、姫原は自分の恥ずかしいヒミツのところをさらに俺の鼻先に突き付けるようにして見せつけてくる。
それは、大昔に見た幼い妹の秘部によく似ていた。
後から思えば、その記憶が夢の中の情景に反映されていたのかも知れない。
ともあれ、姫原の指先でゆっくりと割り開かれた淡いサーモンピンクの肉孔は、今この場では紛れも無い姫原自身の性器だった。
仄かに甘酸っぱい性臭がする。
まだ穢れを知らない初々しい○○○の、男を誘う匂いだった。
いつの間にか、姫原は俺の前で完全にハダカになってしまっていた。
胸の上の桃色の突起が、褐色の体の中で光を反射していて、俺は食い入るようにしてそれを見つめてしまう。
自分の指の先っぽを呑みこむくらいが精一杯なんじゃないか。
そんな○○○の入り口に、姫原は俺の前で何度か指を抜き挿してみせ、くちゅくちゅとやらしい音を立てていた。
「ん…っ……ん、く…っ…つじ…おれと、せっくすするの…?…おれのここに、つじのスケベなチンコつっこんで、やらしいこと、する…?」
いつもの姫原からは考えられないセリフをいつもの姫原からは考えられない悩ましい声で吐く。
それはあからさまな煽りだと分かってはいてもどうしようもなく俺の全身の血流を股間に集めてくれていた。
興奮で鼻の穴はこっぴらいて呼吸を荒げていると、いつの間にかオレまで下半身の服が、パンツも何もかも全部無くなっていた。
俺のチンポはもう自分でもヤバいとビビるくらいにギンギンに勃起し尽くしていた。
そんなとこまで鍛えた覚えはないのに。腹筋と同じくらいに固くなって、しかも俺の血潮の詰まったそこは思わず握ると火傷しそうだった。
「うわー!すげーデカい…固い~~~!!」
「わっ…ちょっ……いきなり握んなって………っ……。」
慌てて止めると、姫原は奴らしくけらけら明るく笑いながら俺の見ている前で自分から腕を脚を広げていった。
「ん。いつでもいいよ?きて?つじ。おれとせっくすしよ?」
もうここまで来て葛藤だとかどうだとか考える余裕は俺には無かった。
言語らしい言語をかなぐり捨てた俺は開いた姫原の脚間に割入るように乗り込むと、脚と一緒に開いた姫原の○○○に俺のブツを宛がって、そのまま一気に根元までブチこんでやった。
もし本物の姫原にそんな事をしたらきっと大事な部分はぐちゃぐちゃに壊れてしまっていたかもしれなかった。
それぐらい姫原のそこは小さく狭く、俺のモノはぶっとく膨張しきっていた。
本物の姫原にそんな大事な部分なんて存在しない事は承知も承知ではあったけど。
けれど姫原のそこは俺の全部を包容力たっぷりに受け止めてくれ、セックスを「1つになる」と表現する意味を俺に分かりやすく教えてくれたが、この時の俺にはそんなロマンチックな解釈に酔っている余裕なんか微塵も無かった。
「あっ…んぁあ~~っ、つじの、おっきすぎるよぅ~~…っ…」
只でさえ初めての○○○の感触は俺の童貞チンポには過剰な刺激だったというのに、姫原のそこは熱くて狭くって、ぬるんぬるんで、まるで俺のチンポ全体に熱々のスライムをかけられて捏ね回されてるみたいなありえない感覚に俺の腰は襲われていた。
「おっ…おぉ…っ…おぅ…っ…おおおぉ…っ……。」
あまりの気持ち良さに俺はマヌケなオットセイみたいになりながら、昂ってくる強烈な射精感に堪えなきゃいけなかった。
このまま何もせずにじっとしているだけで、すぐにイかされてしまいそうだった。
全身の筋肉を強張らせ、歯を食いしばりながら腰を動かしてやると、途端に上がる姫原のオンナみたいなエロ声にも煽られた。
「あぅん、あんっ…あんっ……つじのさきっぽが、おれん中の……ごり、ぎゅぽ、て、こすって……やらしーちんこ…っ……きもちい…っ……。」
目に、耳に、鼻に、チンポに。
俺のあらゆる感覚に訴えかけて全力で俺をイかせようとしてくる。
初めての姫原とのセックスはそんな姫原との戦いのような、そんな行為だった。
部活の鍛錬や試合の時でもここまで、というほどに緊張が全身に漲り、肌は軽く汗ばんでいた。
気が付けば、姫原と唇も重ねて、音を立てながら舌まで吸いあっていた。俺はホモじゃないのに。
いや、それで問題は無いのか。だって、姫原はオンナのコだったんだから。
あとは姫原の望みどおりに、俺は犬か狼みたいにカクカク腰を振って姫原の○○○に自分のチンポを出し入れするだけの機械になっていた。
こんな事のために鍛えたわけじゃない俺自身の肉体が今は部活の時と同じくらいに役に立っていた。
「はうっ…あん、あん、あんっ……ん、へへ…ぇ……つじー…必死で腰振って……かわいー………。」
ヘロヘロ蕩けまくってる顔で、小生意気な煽りを入れてくる姫原に益々ムラついた。
夢っていうのは本当に便利なものだ。
今の今まで姫原を押し倒していたはずの俺の体は、次には立ち上がって両腕で抱え込んだ姫原の小さな体を今度は下から勢いよく突き上げていた。
駅弁ってやつだな。
「あっ…ひゃあぅっ!なんでぇ…っ……。」
いきなり体位を変えられ、重力で嫌でも俺のものを奥まで咥えこんでしまうその状況に、流石のエロ姫原もその表情から笑みが消えていた。
俺に縋り付くしか他に無くなってしまった姫原のその両腕は、咄嗟に俺の首に回され、その足は俺の腰を挟むようにして強く強く絡んだ。
そこまで密着すると姫原のとても良い匂いがして、俺をさらに楽しませてくれた。
「お前が生意気なこと言うからだぞ。俺のチンポが好きなのは、お前の方だろ?姫原。」
結局、俺は調子のりだった。おまけに自分にこんな、ロリコンの気があったなんてそれも後に気付いてショックではあった。
柔らかくてすべすべしたお尻を揉んでやりながら、ゆっくりゆっくりと腰を振って突き上げてやると、姫原は次第に甘い声を上げだす。
「はうぅ……あぅ…あん、あん……っ……つじぃ……そんなんじゃ…やだぁ……もっと、激しく、してぇ…っ……。」
自分から動くことのできない今の体位では、姫原のナカをどんな風に弄って蹂躙するかは俺の意思次第だ。
一生懸命俺に対して媚びを売る姫原に、俺は猛烈な征服感に滾りながら、優位に立ったのを良い事に姫原にやらしいセリフをいっぱい言わせ続けた。
「……あん、あん、お、おれ…はぁ…っ……つじのデカひンポ…っ…だいしゅき、のダメ○○○れす…っ…いっぱい突いて、えぐって、中に、つじのどぴゅどぴゅ、いっぱいくらひゃいぃ…っ」
適当なところまで言わせると、そろそろ可哀想だから姫原の望みをちゃんと叶えてやることにした。
というより、俺の方こそもう我慢の限界だった。
都合よく傍に現れた壁に姫原の背中をめいいっぱい押し付けて、絶対に逃げられないようにしてから姫原の奥の奥にある子宮に目掛けて溜めに溜めていたものを一気に解放した。
自分でも驚くほどの大量射精だった。直接見なくてもそれぐらいのことは自分の体の事だから感じることが出来た。
射精の直前、自分のキンタマがフル稼働してるのも実感したし、俺の尿道をめちゃくちゃな量の精液が一気に駆け抜けてくる快感に腰が砕けそうになった。
「や…あっ…あぁん…っ……!…。」
眉間に深い皺を寄せて、俺による種付けをされるまま受け入れる姫原。今のコイツにはそれ以外の事は許されていない。
射精が終わっても、しばらくはつながったままその体勢で2人揃って呼吸を整えていた。
未だぬくぬくに熱い姫原の中で、俺のチンポは微かに戦慄く。
俺と姫原の2人の色んな体液でぐちゃぐちゃに濡れそぼった姫原○○○の中から、モノをゆっくりと抜き出すと摩擦というものを失ったような中の嚢からぐちゅ、ぐちゅ、ぬぽ…という卑猥な音を立ててチンポを抜き出す。
すると、その瞬間に開いた姫原の膣孔から、ぼと、ぼと、とまるでゼリーみたいな俺の白濁がいくつか垂れ落ちて、床にシミを作っていた。
その結果に満足すると、俺は姫原に今の感想を聞こうと思った。
初めての俺とのセックスは気持ちよかったか。
俺のチンポはどれくらい良かったか。
俺に中出しされてどんな気分だったか。
聞きたい事はいくらでもあった。
だが、そんな俺が顔を上げると、そこにはさっきまでいたはずの姫原の姿はどこにも無かった。
不思議に思ってきょろきょろと周囲を見渡して姫原を探したが、地平線の向こうまで見渡せる四方のどこにもそれらしいものはいない。
というか、自分以外のものが何もない。
そんな、恐ろしさを感じ得る状況の中で、俺の意識は急速に現実へと浮かび上がっていった。
初めてその夢から帰還した朝。
俺は自分が見た夢の事が自分で信じられなくて、しばらく呆然とベッドの上で佇んでいた。
中々起床しない俺に業を煮やした母親が下の階から怒鳴り声を上げるまで、そうしていた。
そして、慌てて飛び起きた俺はそこで初めて、下着の中で激しく膨張を続けている朝勃ちが、自分の放ったものでぐっちょりと湿っている事に気づいて、慌てて下着を洗う羽目になった。
オナニー以外で射精を迎えた経験はその時まで一度も無かった。
学校には遅刻した。
───
その日から、俺は姫原に合わせる顔がこれまで以上に無くなった。どのツラ下げて、という奴だ。
それでも、そんな俺と教室で会えば、姫原はいつもの調子で「おはよー」なんて夢の中とは大違いの無垢な笑顔を向けてくる。
姫原自身は何も知らないんだから当然といえば当然だが。
夢の中で勝手に淫乱女にされ、同じ男に犯されて中に大量に射精された、なんて当時の姫原には想像する知識すら無かったかもしれない。
姫原に対する罪悪感はあったし、それは今の今までずっと持ち続けている。
けれど、それはそれとして、男として時折訪れる淫夢とそれに伴う興奮や快感にはどうしても抗うことが出来ず、中々次の夢が見られない時など、自ら女になった姫原を夢想して自慰に耽ることすらあった。
そんな俺の暴走する性欲に併走するかのように、夢の中の姫原との行為もエスカレートした。
夢の中の姫原は俺のチンポが何よりの大好物で、俺のチンポ無しじゃ生きていけない、といつだって俺に縋って、懇願して、媚びを売ってきた。
俺のチンポを上の口でも下の口でも嬉しそうにしゃぶって、俺の精液をありったけ搾り出そうとしてくる。
俺の為なら女子の制服やスクール水着、ナース服、エロ下着、どんな格好だってしてくれた。
俺は俺で、そんないじらしい姫原の唇やらおっぱいやらアソコやらを、指で、舌でたっぷりと堪能してやっていた。
3年も終わりの頃には、姫原はとっくにお腹が大きくなっていた。中にいるのは勿論俺の子に間違いはない。
そんな幼い妊婦さんな姫原の事を、俺はそれでも容赦せずに下から突き上げ続けた。
大げさにゆさゆさと揺れる姫原のお腹を見ながら、まるで俺専用の精液タンクのようだ、なんて感想を抱いた事を覚えている。
そんなふうに、俺の中学3年時代は、ある意味では姫原と共にあったと言って良かった。姫原本人だけがその事を全く知らない。
だが、当時にも薄々気が付いていたことだったが、個人差こそあれ姫原に対して俺のような妄想に取り付かれていた奴は俺以外にもいたように思う。
姫原はああいう奴だから、周りにはあいつのことを好意的な目で見る奴ばかりではあったけど、その好意の中にはその手の奴も少なからず含まれてたんじゃないだろうか。
俺みたいに姫原を女にして妄想する奴もいれば、ありのままの男の姫原でそういう事を考える奴もいただろう。
1年間クラスを観察する中でそれは割と強く確信できた。
何も、俺だけが特別なわけじゃなさそうだった。そう思って少し気が楽になったりもしていた。
高校で別れて姫原と会えなくなった後も、まだしばらくは姫原をオカズにすることはたまにあった。
それが、会わない事で少しずつ姫原に対する印象が薄れ、俺の嗜好も次第に元のただの女好きの健康な男に戻ることが出来た。
思春期も過ぎて、それが固まった今では間違っても男に気持ちを傾けるような心配もない。
───
「どうしたの?さっきからぼーっとして。」
瑠梨が、やっと来たパスタをフォークでくるくるとやりながら聞いてきたので、そこで俺の意識は現在に帰還した。
「いや、まあ……さっきのあれで、昔の事をちょっと思い出してさぁ。」
ウソは言っていないが、本当の事を言っているってわけでもない。というか、本当のことなんて絶対に誰にも話せない。
「ふーん。でもさ、姫原くんみたいのが傍に居たら、中学時代楽しそうよね。」
「まあなぁ。」
適当に相槌を打ちつつ、料理に舌鼓を打つ彼女の様子を何気なしに見ていた。
確かに、男には興味ないし姫原に対して思春期ほどの衝動を抱くことは無かったが、けれどショートカットでボーイッシュな女子を好むようになったのはあの頃の名残ではあるかもしれない。
まさにショートカットで中性的な面立ちの瑠梨の事を眺めながら、そんな事をぼんやりと思った。
「中学時代のあの子ってどんな感じ?やっぱりさっきみたいに明るい子?」
「明るい、のは昔から明るかったな。ダチもめちゃくちゃ多かったっぽいし。」
明るくて、無邪気で、それだけにエッチな妄想の道具にするのには罪悪感を感じずにはいられない。そんな奴だった。
そこまで思ったところで、ふと、さっき会ったばかりの姫原の事が思い出された。
最初に見た時には中3の時とまるで変わらない、まるで5年前にタイムスリップしたかのようだ、なんて感じたりもしたが、改めて思い出してみるとやはり5年前とは微妙に違う気がした。
髪型もそうだが、そこはかとなく受ける印象が少し大人びたというか、どこか色気のようなものを醸し出していたような。それこそ、まるで当時自分が見ていた夢の中の姫原のように。
自分でそう思って一人で軽く笑ってしまった。
そりゃあ人間、5年も経てば変わりもするだろう。
ましてや15歳から20歳なんてもはや別人と言ってもいいかもしれない。
姫原だってハタチなんだから、ああ見えて恋人でも出来てよろしくやっていたりするかもしれない。
抱く方か、抱かれる方かは知らないが。
「ねーねー、この後どうする?」
食事を終えて、瑠梨に聞かれると俺はなんとなく決めていたこの後の散歩コースについてなんて簡単に話しだす。
散歩が終わったら勿論2人で俺の部屋に帰って、夜のお楽しみタイム。
ただ、その前にちょっとだけ昔のアルバムでも覗いてみるのも面白いかもしれないな。
昔の姫原とか他のダチの写真も、もしかしたら瑠梨に受けるかも知れない。
俺自身も、久しぶりに昔の事を振り返ってみたくなった。
会計を済ませて店を出る。
ちょっと酒も入って浮かれた気分に浸りながら、瑠梨と手を繋いで夜の街をまた、歩き出す。