営業時間外のレストラン。 ギツクモの気配がここからすると察したシアンは、自分の魔術をもってして、レストラン内に忍び込んだ。 「ど、こ。かしー、ら… !めっけ…♪」 ドリンクコーナーで、空のドリンクサーバーが目に入る。そのサーバーからは異様な気配を感じることができ、シアンはそれがギツクモだと分かった。 それがギツクモだと分かったシアンはそれに近づくと。それを討伐することも回収することもなく、その場でギツクモであるサーバーにタッチした。 「えいっ♪ひゃぁ!」 空のドリンクサーバーにタッチすると。上のガラス部分がまるで口のように大きく開き、シアンを丸ごと飲み込んでしまった。 ーーー 次の日、レストランが営業されると。ドリンクコーナーには、前日はなかったミルクサーバーがあった。 シアンの成れ果てた姿であるミルクサーバーは、客も店員も誰も違和感を感じない。 客が来ては、それが牛のミルクだと納得する。 そして、つまみをひねって。とろりとしたシアンのミルクをコップに注いでいく。 『~~~~っ♪ふあぁ、くせに、なりそう…♪』 これは、シアンの癖だった。 人間であるシアンは、魔力をもっているにも関わらず魔女連盟に入ることもなく、むしろ妖怪サイドの手順で化かし合いに参加している身だが。 仕事疲れの癒しとして、自分自身が物になって使われるという、マゾヒズムを引き起こしてしまったのだ。 今も、自分の胸からミルクが出るたびに快楽に覚えている。 以前は、自分からキノコになったこともあるぐらいだ。シアンのマゾヒズムは、治る気配はなさそうだ。