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桜安姫はハコにされてしまった!

桜安姫の迷宮結界『桜』。 その最深部にて、二人の妖怪の決着がついたようだった。 「なははは。まだまだ、うちは負けないねぇ」 最深部の湖の淵でガッツポーズを見せるは、廃村の妖怪パストだ。 その視線の先には、人程のサイズの黒い箱が宙に浮かんでいる。 「ぐぅー、だーせー!」 光を反射しないその箱の内側からは、厚い鉄を叩いたような反射音が響く。 その声に対して、パストは言葉を返すよりも前に、指を鳴らした。 「ひうっ!?」 すると、人程はあった箱がシュルシュルと小さくなっていった。 それに伴い、内部から鳴っていた叩く音も止み、やがて静かになった。 「……。よし、と」 鳴らした指を降ろし、パストは頷いた。 今となっては、先ほどの黒い箱はバスケットボール程のサイズにまで縮こまり、湖のほとりの草むらに転がっている。 パストはその箱に寄ると、ひょいっと抱きかかえた。 ーーーー しばらくして、湖のほとりに建てられた木造の家。 古めかしい日本の屋敷を思わせるその屋敷の一室にて、パストは腰を下ろしていた。 すぐ横のテーブルの上には、小さくなった黒い箱がある。 パストはちらりとそれを見ると、両手を箱の両側に起き、左右に引っ張った。 すると、カシュッという音と共に箱の中央に亀裂が入り。黒い箱は開いた。 「ぷはっ!」 殻のように開いた黒い箱。その中からは、まず両サイドに広がるように、ピンク色の髪が飛び出た。 「ナハハハ、なんとも可愛らしい姿になったねぇ」 「ううぅ…手足の感覚が無い…」 箱の中から出てきたのは、先ほど箱の中に居た、桜安姫だった。 クッションのような質感でありながら四角い形をしたその姿は、箱だった。 これも、パストが得意とする化かし術だ。箱に変えてしまうのだ。 「そりゃあねぇ。手足もない。あくまで箱だよ」 そう言うと、パストは桜安姫を抱きつつ、横になった。 「ぐえ…」

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