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シアンはのろいのキノコを見つけて…

美倉町において、数多くの妖怪が身を潜める山。 その奥にはテーブルが起き並べらた休憩場があった。 「ねえねえ、それで本当なの?マシュネス」 身を乗り出して興味津々に尋ねているのは、青い髪が特徴的なシアンだ。 二十代半ばであり、なおかつ歳の言った感じのする身なりだが。その振る舞いには子供っぽさがある。 「ええ。キノコも、私は全部を管理してるわけじゃないわよ」 コップを指でくるっくると回しつつ、マシュネスは答えた。 そちらはそちらで、首を傾げるとキノコの胞子が帽子の間からぼふぼふと漏れている。 ーーーーーー 「ここあたり、かっしらね~えほっごほっ。ごひぇっ」 「駄目だわよ、シアン。」 森の中を歩く二人。二人は隣に並んで歩いているのだが、マシュネスが足を前に出すたびに二人の顔はピンク色の胞子煙で包まれる。 シアンはその度にむせいでいるようだ。 マシュネスは、ハンカチをシアンに差し出して手を抑えさせる。 「ありがとぉ、マシュネスぅ…」 「もう…。…あ」 ふと、マシュネスが足を止めた。 「?マシュネス?」 「そこよ、シアン。 そこに、のろいのキノコがあるわ」 そう言うと、マシュネスは木の根元を指さした。 「どれ……ていっ」 シアンは胸に手を添えると、そのままスパイダーマンが糸を出すときのように前へ手を振った。 振り指した手の先からは、線とハートを織り交ぜたマインドマップのような紐が飛び出した。 シアンの紐はそのまま木の根元へと跳びつき、そのままなにかを巻き上げた。 「よっと。…おおぉ」 手にとったそれは、手のひらほどもある土色をしたキノコだ。 「まさにそれよ。 それが私の管理の範囲外。のろいのキノコよ」 「これが…。やっと見つけたわ。ああぁ、腰が痛くなった…」 「人間は登山も大変ねぇ…。まあ、そのキノコは。のろいって言うぐらいだし、その内部にはある程度の妖力がこもっているわ。妖術を研究するにも、素材にするのに最適ね。」 マシュネスはキノコを指さし、最後の一押しをする。 「一応。言っておくけれど、扱い方は気を付けるのよ。ほこりをあびない、口にしない。何が起こるか、わからないわ」 「なるほど…口にしない、ね…」 「ええ。………ん?」 マシュネスは、異様な気配を感じる。いったいどこからか?そう思うと、どうもシアンからしているような気がした。 見てみると、シアンの口からよだれが垂れていた。 「…………し、シアン?」 「…なにが起こるかわからないって、もうその言葉だけでわくわくしちゃうよね」 「シアン。あんたまさか最初っから!!」 「んむっ」 ばくっと、勢いよくシアンはキノコを食べた。 「食べてなにが起きるか、味わいたかっただけかぁああああ!!!!」 シアンがキノコを食べた瞬間。ぼふんっとシアンは煙に包まれた。 「あ、ああぁ。あーあー。あー…」 煙が晴れると、そこにはふにゅふにゅとゆれる、大きなおっぱいの後を残したキノコが残っていた。 「貴重な、呪いのキノコが……もったいない…」 愉快犯め…。 友人であるシアンに対し、マシュネスは素直にそう思った。

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