シアンは廊下を歩いていた。 歳に見合わない程に小弾みして、長居廊下を進んでいる。 もうすぐだ、昨日の化かし合いの成果である彼女の所まで、あともう少しなのだ。 「~♪ふふ、こんばんはふうわ」 そして、その場所にたどり着くと、シアンは挨拶をした。 そこには、上半身をはだけた姿で飾られている風羽の胸像があった。 「………」 顔は驚いた顔で固まっており、夜明かりで照らされた裸体は薄青く照っている。 「さ、これから毎日手入れするわよー。」 「………」 声をあげないものの、ふうわは驚いたようで微かに震える。 シアンが手元から出したのは、ハンカチだ。 それ単体では些細なものだ。しかし、それをふうわの胸にあて、磨き始めたことで状況は進む。 「…………」 カタカタカタ、カタッ ふうわの胸像の震えが更に増した。 「ふふ…そうそう、この姿が良いのよ…」 シアンの顔は無意識に口角が上がり始める。 古物商として骨董品を手入れする、職業上の喜びと。物になったふうわを愛でる事ができる喜びを同時に味わえるのだ。 「私も横に並ぼうかな…。ふふ、寝るときは一緒の姿になるのもいいかもね…」 シアンは今日も、自分の満足できることを満たしていた。