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ムツハはラバー拘束されてしまった!

メイスラという妖怪が居ると、ムツハは聞いた。 スライムの魔物に該当するらしいが、店に来る妖怪たちに聞いても普段会っているという話を聞かない。 なにぶん、自分の迷宮結界にずっと閉じこもっているらしい。 妖怪になって数年ばかりである身として、軽く挨拶ぐらいはしたいと思い、会う事にした。 かろうじて、ここあたりで姿を見たという情報を見てたどり着いたところは、なんと駅近くのビル群である。 路地裏の隙間に顔を覗かせると、それらしい亀裂を発見した。 「これは…。こっちから手を伸ばさないと、吸い込まれることもなさそうなレベルにゃ」 引きこもりな魔物らしい。そう理解したところで、ムツハは手を伸ばした。 結界の亀裂に指先が触れた所で、体全身が一つの引力に吸い込まれるようにして、あっという間に意識がフェードアウトした。 「うぅ。相変わらず、結界の入り口って意識刈り取られそうにゃ…」 くらくらとした頭を押さえつつ、起き上がろうとする。と、開始手を地面に当てた所で、そこが柔らかい事に気が付いた。 「?水色…?」 ふにゅふにゅとしてて冷たい。気が付けば、地面全体が水色のスライムのようだった。 触れば触るほどに柔らかく、夏の涼しさを癒しそうな程に気持ちいい。かといって、市販のスライムと違ってそこまでべたつきもしなかった。 起き上がってみれば、どうも天井までもがスライムである。 つまり、全部がスライムで出来ている洞窟なのだ。 「ひゃぁ、これはびっくりな結界にゃぁ」 桜安姫の結界が、結界を作れるもののなかで一番美しいとは聞くが。こっちは広まりさえすれば、もっとも珍妙な結界だろうと噂が広まるだろう。そう思った。 「まあ、ひとまずは会いにいかないと。 使い魔が出てきたところで、意思を見せれば大丈夫かにゃ…」 結界に入った以上。初期の認識は結界への挑戦者である。 結界を守護する使い魔への対応の仕方を見せれば、今回は敵意がないだろうということは伝わるはずだ。 そう思い、先へ進んだ。 一歩進むたびに体が揺れ。少しバランスを崩すと2,3歩と勢いのまま足が出てしまう。不安定さを繰り返しながら進んでいた。 「わわっ、たぁ。と…すごいところだにゃ…」 転ばなくてよかったと、何度目かの冷や汗をぬぐう。 「しかし……どういうことだろうにゃ…?」 だが、安心するとともに一つの疑問も浮かんでいた。 周囲を見渡してみると。どこを見ても、静かなスライムがあるだけだった。 ムツハは前提を崩された。使い魔がいないのだ。 基本的に迷宮結界は、使い魔が結界内をうろついていて、主の代わりに侵入者を主の好みの品に変化させるために動いてるのだ。 だが、その使い魔がいない。それは異常であった。 「入るにもあんなんだったし、本当に戦いも好んでないのかにゃ?………いや、そんな甘いことはないか」 ファーストコンタクトをとる機会もなく。ムツハの中の警戒心は高まった。 皿を手元に何枚か出しつつ、周囲を見る。 使い魔は必ずどこかにいる。きっと待ち伏せ型だ。 いったい、どこにいる? 静かに、息をひそめ周囲に意識を向けた。 「……え?」 と、その緊張感は一気に抜け落ちることになった。 誰も出てきてはいない。 だが、チャポンという音だけがした。 「これ、は?」 考えが追い付かないまでも、整理する。 さっきまで変わってなかったスライムの床。 そこが、突然反発力を失ったかのように、ムツハを沈み込んだのだ。 「こ、これはどうなってるのにゃ!?」 罠!?そう思っても、予兆なんてなかった。 一歩前と同じ床が、突然その性質を変え、落とし穴になったのだ。 ムツハは必死に出ようともがきだす。 だが、スライムは今度はムツハに自由さえも与えなかった。 腕を振り上げようとしても、そもそも密着したスライムがほんの少しも動かすことを許さない。 ムツハは完全に拘束されてしまった。 「う、うごけないにゃ!やばい!」 と、そう慌てているムツハの頭上から、スライムが垂れてきた。 「!!」 ハッと頭上を見上げたムツハの目に映ったのは。 水色から、ムツハのカラーリングに近い紫色に変質した。自分を包み込むスライムだった。 スライムの床から徐々にムツハは浮かびあげられる。 だが、その姿はみだらなものだった。 衣服が残っていない。包まれたスライムの内側で、肌にスライムが密着するのに合わせて、溶けるように消えてしまったのだ。 「ん~~!!む~~~!!」 全身のすべてをスライムに包まれた感覚に悶え、抜け出そうともだえる。 だが、スライムはすでに、シリコンゴムに近いような材質に変化していた。 もうすでに、ムツハは紫色のラバー女体像になっていたのだ。 「えへへ……」 もだえるムツハのそばで、スライムの床から何かが浮上する。 ムツハはそれを見ることも、気づく余裕もないが。それは件の魔物だった。 水色のスライムボディに、特徴的なメガネ。メイスラだ。 「侵入者をまた一人。捕まえれた♪ ここまで来るのなんて、貪欲なチャレンジャーしかいないから。とってもらくらくね♪」 メイスラは体を溶かし。床に広がる。 すると、ムツハの根元から網目状に現れ、ムツハの体にまとわりつき、きゅっと締め出す。 「んぁっ!!~~~!!!」 「もうすこし、もうすこしで。中までゴムになれるからね。ちゃんとゴムになったら、へやにもっていくからね…」 メイスラは、スライムとゴムしかない空間で、紫色のシリコンゴムを愛でた。

ムツハはラバー拘束されてしまった! ムツハはラバー拘束されてしまった!

Comments

ありがとうなのです…。

狼雲

ムツハちゃんの無様い変化後が、ヤられる直前の可愛くも焦燥感に溢れたイラストと併せてかなり素敵と思います。とても良かったです。

のなめ


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