リンリーは洞窟を進んでいた。 迷宮結界への攻略戦に熱を入れていると洞窟と言うワードも近しくなる事がある。 今回入った、おそらく蛇目の魔女、蛇楽の結界と思わしきここもまた、洞窟を呈しているのだった。 「広いなぁ…それに、これは柱…?」 リンリーが周囲を見渡してみると、天井から垂れてできあがったと思わしき石柱があちこちに無数にある。 高さが十数メートルはあるだろうにできているそれらは、本来なら途方もない年月を重ねて、地上と天井を繋ぎ合わせるように積みあがる物だろう。 それだけに、自然にも見えるこの洞窟もまた、術によって作られた迷宮結界であることを示していた。 「ひとまず、考えられるのは。このたくさんの柱の陰からの不意打ちかな」 リンリーは想像する。これらの柱に蛇楽が隠れて狙っているのを。 相手を直視して、固めろと念じれば光線が出る彼女の目だ。 カウンターを得意とするリンリーでも、向こうが仕掛けてきたその瞬間を認識できなければ、なにもできないに等しい状況だった。 「………緊張してきた。少し息をつこうか…」 あちこちを見渡し、なるべくほかの柱が少ない柱を選び、リンリーは座った。 「はぁ…。使い魔がいないならいないで、こんなにドキドキするとは思わなかった…。これなら、常にすこしずつ戦えてたほうが安心したかもー」 と、思案したところで、足元が光った。 「へ?」 見れば、足元からピンク色の魔法陣が点滅していた。 ぼふんっ!と大きな煙が巻き上がる。 「!?--」 リンリーは鈴を鳴らす間もなく煙に巻かれ、姿を消した。 そして、少しの間煙がこみあがると、晴れる。 そこには、のんきにすわりこんでいるリンリーの裸婦像があるだけだった。 (眼だけじゃ、なかったのねぇ……) ぴちゃん、ぴちゃんと水滴がしたたる音だけが響き続けた。