美術品の並ぶ倉庫の中。 朝の光が最初に照らしたのは、一つの胸像だった。 お腹に透き通った水色の宝石を埋め込まれたその胸像は、穏やかなようで、もの悲し気であり。静かな少女の姿をそこに閉じ込めていた。 「………」 生きていそうにさえ見えるその胸像は、なにも喋らない。 実際、それは生きているはずだった。しかし、その胸像に今は魂が宿っていない。 肉体は美しい美術品に。魂は宝石に。 精神を分離されたうえで、調度品に作り替えられてしまったのだった。 かつてはふうわと言う名前だった。ただの胸像は。ただ静かにそこにあり続ける。