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風羽はゼリーにされてしまった!

風羽はある日、シアン=アースの邸宅で倉庫整理の手伝いをしていた。 元ギツクモ達が暴走しないように、妖魔避けのお香が充満している室内は、妖怪なら誰もが近寄りがたい。かといって、神力に強い、神職寄りの人間は、美倉市では少ない傾向にあった。 その点で、妖怪でありながら巫女をしている風羽は、この怪異溢れる倉庫の作業には最適であった。 「なにかしら、この筒……?」 作業が終わりにさしかかった頃、風羽は妙な筒を見つけた。ギツクモ特有の歪な妖力はとても薄く、既にシアンの手によって加工済みに見える。 「んー、お疲れ。いつも助かるわ風羽。手伝える人がもう少しいればいいんだけどねぇ……あら、懐かしいもの持ってるわね」 「古い物なの?」 「私が学生の頃に狩って作ったものよ。貸してみて」 シアンは手を伸ばし、催促する。──が、風羽はその手を見て 苦い顔をして手を引く。 「なによ、説明するだけじゃない」 「絶対私に向けて使う。何度も騙される私じゃないわよ」 「酷いわねぇ……合ってるけど」 シアンはそう言うと、差し出していた手の人差し指を構え、くいっとひねった。直後、シアンの指と風羽の持っている筒の間に淡い光を放つ糸が浮き出て、糸を伝って筒に魔力が注がれた。 「あっ、いつの間に──きゃぁっ!?」 あっという間に、突如として起動した筒が光り出し、風羽は中に吸い込まれてしまった。 握っていた人物を失った筒に、魔法の糸が巻き付き、そのままシアンの手元へと引っ張られた。 「ある程度の指向性の効く、ゼリーの器なのよ。望んだ相手を 吸い込むことが出来て……」 シアンはそう言いながら近くの棚から皿を取り出し、その上に筒をとんとんと叩く。 すると、中から淡い光を放つ、風羽の裸体を模したゼリーが落ちてきて、皿の上にぷるんと落ちた。 「相手を濃縮して、爽やかな甘さのゼリーにしてくれるのよ。久々に美味しそうだわぁ」 そう言ってシアンは、にこにことしながら作業終わりのおやつタイムに移った。

風羽はゼリーにされてしまった! 風羽はゼリーにされてしまった!

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