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クリスマスの夜に Side Story

※本作品はpixivで公開した、【クリスマスの夜に】のサイドストリーとなります。本編をお読みいただいた事を前提にしておりますので、詳細等が省略されております。 本編を一読頂いたあと、お楽しみ頂けると幸いです。 ・・・ 私の名前は【香坂 乙葉(こうさか おとは)】。 私は人形…。 今、人形としてショーウインドウに飾られている。 もちろん、人形といっても、人形に魂を乗り移らされたなどといったオカルトなものではない。 いわゆる着ぐるみを身に纏い、人形の中身となっているのだ。 全身を肌タイツに包み込み、人形のマスクを被る。 そして、洋服を着て、人形となる。 動くことは出来るが、あくまで私は【人形】。 このショーウインドウにいる間は、一切、動いてはいけないという決まりになっている。 なぜ、私が人形として飾られているのか? それは、私の務める会社との契約によるものなのだ。 私は田舎の大学を卒業し、地元の服飾関係の企業に就職した。 その後、仕事に励んだのだが、洋服のデザインをしたいという願望が諦めきれず、転職をする事になった。 そして、ある繋がりから、今の会社の社長である【城之内 莉奈(じょうのうち りな)】さんと知り合う事になり、雇ってもらえる事となった。 莉奈さんの会社は、そこそこ大きなアンティーク調の洋服ブランドで、そのデザイン事務所が私の地元から離れた都会の町にある。 その町というのが、私の背中を押した理由の一つでもある。 その町…大学時代に付き合っていた、【ヒロくん】の就職した会社のある町。 ヒロくんとは、お互いの就職地が離れ離れになってしまうからという事で、別れる事になった。 あの優しいヒロくんの事だから、私の事を気遣っての事だと思う。 実際、私もヒロくんの足枷にはなりたくなかったので、別れる決断をした。 でも、結局、月日が経ち、どれだけ時間が過ぎようとも、私の心はヒロくんから離れる事はなかった。 時間が経つにつれ、より強くなる想い。 【やっぱり、私はヒロくんの事が好きなんだ】と…。 莉奈さんの会社のデザイン事務所は一階が、アンティークショップとなっており、その上の階でデザイナー達が創作活動に勤しむ。 アンティークショップのほうは、莉奈さんの趣味であり、儲けなど気にもしていないものだ。 そこに住み込みで、研修をしながら経験を積ませて貰えるという。 つまり、莉奈さんの会社に雇ってもらえれば、私は、やりたいことも目指せるし、大好きなヒロくんの住む町に住むことが出来るのだ。 私は二つ返事に、莉奈さんの元に転がり込んだのだった。 そして、私が莉奈さんのもとで働くための条件があった。 日中は、デザイン事務所で、先輩たちの仕事の手伝いをしながら、腕を磨く。 そして、夕方からは別の任務が与えられた。 ・・・ 「乙葉ちゃん、それじゃあ…夕方からのあなたの仕事を教えるわね」 莉奈さんが私の夕方からの仕事の説明を始めた。 「え…っと…簡単に言うと、人形になってもらうわ」 「え!?に…人形に!?」 莉奈さんの言葉の意味が、いまいち理解できない。 「人形になって、デザイナー達が作った新作を着て、ショーウインドウに並んでもらうの」 「ショ…ショーウインドウに…??」 未だ、莉奈さんの言っている事が、形としてイメージ出来ない。 「まあ、とにかくやってみた方が早いわね。乙葉ちゃん、ちゃんとトイレ済ませて来た??」 「あっ…はい…言われた通りにしました」 「それじゃあ、まずは、洋服を全部脱いでちょうだい」 「え!?ぜ…全部ですか??」 あまりの唐突な発言に、動揺が隠せない。 「うん、全部。もちろん下着も含めてね」 「え…っと…ここで…ですよ…ね…」 「そうよ。恥ずかしがってもしょうがないじゃない。私と乙葉ちゃんしかいないんだし…。それとも、断る??それでも構わないけど、それじゃあ、私との契約は破棄になるわよ」 「ぬ!脱ぎます!!やらせて頂きます!!」 「よろしい」 契約が破棄になるのは困る。 私は、直ぐに、莉奈さんに言われた通り、その場で着ていた服を全て脱ぎ去った。 (は…恥ずかしい…な…) 風呂場でもなんでもない、普通の部屋で、全裸を他人に見られるというのは、いささか恥ずかしさを感じる。 私が恥じらい、モジモジとしていると、莉奈さんが何かを差し出して来た。 「それじゃあ、まずはこれを着てくれるかしら?」 莉奈さんが手渡して来たのは、いわゆる全身タイツというものだ。 その色は、少し光沢感のある肌色。 背中の部分にファスナーがあり、人の形をしているので、着方は容易に理解出来る。 (こ…これが…全身タイツ…ってやつか…) 着方は理解できるが、もちろん着た事などない。 私にとって、全くの未知の世界。 初めて見たものに驚きを隠せないが、今の私の状況からするに、驚いていてもしょうがない。 (よし…着てみよう…) 受け渡された全身タイツの中へと、自らの脚を滑り込ませて行った。 全裸状態が恥ずかしいという事もあり、急いでタイツを身に纏っていく。 (あっ…このタイツの…感触…) 脚を滑り込ませていくと、そのタイツのスベスベとした感触が脚に伝わってくる。 それはなんともいえない心地よさのあるスベスベ感だ。 腰までタイツを引き上げて、自らのタイツに包まれた脚を眺める。 そのタイツに包まれた少し光沢感のある肌色の脚。 自分で言うのもなんだが、とても触りたくなるような魅力を感じる。 自然と自らの手がその脚へと伸びていく。 そして、私はタイツに包まれた自らの脚をそっとなぞった。 (ん…) 手の指先に伝わる、タイツのスベスベとした感触。 そして、触られたタイツに包まれた脚に伝わる、何とも言えない気持ちよさ。 その両方が、私の脳へと伝わって来た。 (はっ!!ダメダメ!) その瞬間、我に返り、莉奈さんの方をみると、莉奈さんは微笑みを浮かべながら私に視線を向けていた。 その微笑みは、まるで私がタイツの感触の気持ちよさを感じている事を見透かしているようだった。 (は…早く着ないと…) 我に帰った私は、続いてタイツの上半身を着込んでいった。 頭の部分は、顔が出る様に丸く穴が開いており、そこから私の顔が覗く。 手先まで一体となったそのタイツは、恐ろしい程に、私の体のサイズにマッチしていた。 「じゃあ背中を閉めるわね」 私の背中側に周り込んだ莉奈さんが背中のファスナーに手を掛けた。 【ジーーーーーーー】 背中のファスナーが閉じられていった。 背中のファスナーが閉じられると、全身タイツのフィット感が一気に増してくる。 なんというか、完全に体が【包まれた】という感覚が全身に伝わる。 この包まれた感覚…なにかとても心地よさを感じる…。 抱擁感とでもいうのだろうか…。 人生で一度も経験のしたことのない不思議な感覚であった。 「さてと…マスクを被るより先に、下着と洋服ね」 「下着…履くんですか??タイツの上から?」 「そうよ…だって、それが人形としてのあなたの皮膚。つまり、人形としては、あなたは今、全裸なのだから」 (ぜ…全裸…) そう言われると突然、恥ずかしさが込み上げて来た。 確かに、全身タイツに身を包まれ、私自身の肌は露出していない。 しかし、莉奈さんにそう言われたからだろうか、先程、本当の全裸を莉奈さんに見られた時と同じ恥ずかしさを感じ始めていた。 なにも着ずに肌タイツを着ているから、乳首が浮き、陰部のワレメも分かる。 それが恥ずかしい??…いや…そういう感覚ではなく、ただ単に肌タイツが自分の肌のように感じる。 だから、恥ずかしい…そんな感じだ。 そして、私は言われた通りに、ショーツ、ブラを付け、用意された洋服を着て行った。 全てを着終わると、莉奈さんが【マスク】を手に取った。 「さて、最後はこのマスクね」 そう言って手にしたマスクを私の方へと差し出した。 (こ…これが…着ぐるみのマスク…) 初めて見る着ぐるみのマスク。 その顔は、アニメものの顔というより、人形に近いリアルな雰囲気。 そして、なんとも可愛らしい、整った顔。 女の私から見ても、可愛いと感じてしまうくらいの造形だ。 その造形に感心しながら、莉奈さんからマスクを受け取った。 「後頭部の下の方に少しだけ開く部分があるから、そこを開けて頭を入れて」 「は…はい…」 マスクの首の方の穴を見る。 (ここから被るんだ…) そして、言われた通り後頭部の下の方に手を掛けると、一部だけ開き、頭を入れる穴が大きくなった。 (よし…被ろう…) 【ギュッ】 私はマスクを自らの頭に乗せる様に、穴に頭部を押し込んだ。 (ん…結構…きついな…) 後頭部が少し開いただけのマスクを被る穴は、思った以上に狭く、思い切り頭を押し込まないと被れそうにない。 (よし…思いっきり…) そう思って、マスクにグッと力を入れた。 【スポッ】 すると、滑り込むように頭部がマスクの中へと入って行った。 (は…入った…) 「被れたようね。目の位置とかしっかり合わせてね」 「は…はい…」 と、言われても、実際にマスクの内部はかなり狭く、マスクと私の頭部の間にほとんど遊びはなかった。 なので、顔はほとんど、マスクの前面に接している状態。 目の位置はもちろん、鼻の位置も、調整することなくぴったりと合わさった。 マスクの前面の内側は、柔らかい素材が張られているため、顔に接触しても痛さは無い。 「合わせなくても…かなりピッタリしてます…」 顎は大きく動かす事はできないが、多少動かせるのと唇が動くので、小さく籠った言葉は発する事が出来た。 「分かったわ。それじゃあ、後頭部を閉めるわね」 そう言って莉奈さんがマスクの後頭部をいじり、先程開いた後頭部の部分を閉じた。 すると、後頭部まで完全に頭が包まれ、頭全体が【覆われた】という感覚が訪れた。 (あ…すごい…包まれた…感が…ある…) それもそのはず、先ほどまでは、体は全身タイツに覆われているものの、自らの顔は、まだ外界と接していた。 しかし、マスクに頭部を完全に覆われた今、私が外界と繋がっているのは、メッシュを隔てた鼻の穴と、少しだけ切れ目の入った口だけになったのだ。 ある意味でいえば、そこもメッシュ越しなので、完全に私は外界と遮断されたような状態となったのだ。 (こ…これが…着ぐるみ…) 振り返り、置いてある姿見に映った自分の姿を見た。 (こ…これ…私…なの??) そこには可愛らしい人形が映り込んでいた。 先程、マスクを見た時も可愛いと感じたが、こうやって体を得たマスクは、さらに可愛らしさを醸し出す。 それが可愛いと感じるのは、ある意味、自画自賛になってしまう。 しかし、【香坂 乙葉】という存在は着ぐるみの中身として、完全に消え去っている訳だから、可愛いのは、私ではなく、この人形の造形なのだ。 (うん…そうだよ…。可愛いのは、この着ぐるみであって、私じゃない…。私はこの着ぐるみの中身でしかないんだから…) まじまじとその姿を見ながら、浮かれないように、自らを戒める。 すると、莉奈さんが言った。 「それじゃ、ショーウインドウに移動してもらうわね」 そして、私は莉奈さんに連れられショーウインドウの方へと移動していった。 マスクを被っていても、視界はかなり良好なため、歩きにくいという事は無い。 莉奈さんに付いて行くのも難しい事ではなかった。 そして、店内の着替えた部屋からショーウインドウへ続く通路からショーウインドウの中へと入った。 (ん?あれ??外が見えない??) ショーウインドウと呼ばれる場所へと入ったのに、窓から外が見えない。 通常、ショーウインドウと言うのは、ガラス越しに中が見える様になっている。 つまり、こちらからも外が見えないのはおかしい。 そんな疑問を浮かべていると、莉奈さんが説明し始めた。 「ガラスが無い…と思った??」 「は…はい…」 「このショーウインドウはね、ガラスが特殊な造りになっていて、スイッチを入れると透明になる仕組みになっているの。だから、今は外から中は見えない状態。ちなみに店内側の壁も、準備が出来たら開くわ」 そう言われ、後ろを見ると、確かに店内側も引き戸のようなもので仕切られていた。 「それはそうよ…。今からここに飾られるのは【人形】。その人形が動く様は他人には見せられないわ」 (そ…そう言う事か…。準備が出来るまで、見えないようにしてるんだ…) 「さてと…。乙葉ちゃん…あなたは、そのセンターにある椅子に座って、人形になり切ってもらうわ。決め事は簡単…私がこのランプのスイッチを入れて、青く光った時点で、あなたは人形に成る。そして、スイッチを切って、赤くなれば人間に戻っていいわ」 (ふむふむ…) 「青く光っている間は、何があろうと、あなたは人形。決して動いては行けないし、もちろん声も出してはいけない。…何があろうとね…。このルールが守れなければ、契約は考えさせてもらうわよ」 (うぅ…しっかりと守らなきゃ…) 「ショーウインドウのスイッチが切られて透明では無くなったとしても、青く光っている間は人形になりきっていてね。ルールはたったそれだけ、分かったかしら??」 「はい…分かりました…」 「それじゃあ、椅子に座ってちょうだい」 そして、私は言われるがまま、センターに置いてある椅子に腰を掛けた。 「じゃあ、スタートするわよ…」 そう言って莉奈さんは、ランプのスイッチを入れ、青く点灯させた。 (よし…ここから、私は人形…動かない…) 人形としての役割をしっかり果たそうと、意気込みを露にした。 すると、莉奈さんが私の座った姿を見て、質問をして来た。 「よし…と…。特に問題は無い??」 「問題ありません」 「人形は喋らないの!!」 つい、莉奈さんの質問に声を出して答えてしまった。 (え!?あっ!そ…そうか…喋っちゃ…いけないんだ…。頷けば…ん!?ダメだ!動いてもいけないんだから???ど…どうやって答えれば…いいの??) どうしていいか分からず、頭が動かないように視線だけを莉奈さんに向けた。 すると、そこに立つ莉奈さんは、笑いを浮かべていた。 「今のは引っ掛け問題よ。こうやって質問をされたとしても、あなたは人形でなければならない。つまり、反応してはいけないという事。言ったでしょ…何があろうと…ってね」 (くぅぅ…莉奈さん…ずるい!!今のは答えちゃうよぉ…。でも…そう言う事ね…) 「それじゃあ、私が出て行った後に、ショーウインドウのガラスにスイッチをいれるから、頑張ってね…」 その言葉にも、私は反応をせずに、全く動きを見せない。 そして、莉奈さんは、そのショーウインドウから出て行った。 莉奈さんが出て行ってすぐの事だった。 (あっ…ガラスが…) 恐らく、ガラスのスイッチが入ったのだろう。 今まで、透明度の無かったガラスが、一気に透明になっていった。 それと共に、店の外の様子が、私の視界に飛び込んでくる。 あまり人通りが多い方ではないが、店の前を行き交う人が何人か見て取れた。 (よし…動かないように頑張ろう…) そして、私はショーウインドウに飾られた人形となった。 それにしても、私が座ったこの椅子。 背中から頭まで、支えてくれていて、動かずに固まっているには、とても優しい造りだ。 しかも、座っている部分も柔らかく、お尻が痛くなることもなさそうだ。 (私は人形…私は人形…) そう頭で繰り返しながら、ただひたすら動かずにショーウインドウの中で座り続けた。 体を動かす事は無い。 私の視界が捉える景色は全く変わらない。 唯一変わっていくのは、そこを通っていく人々。 ただ通り過ぎていく人もいれば、ショーウインドウを覗き込む人もいる。 若い女の子もいれば、サラリーマン風の男性、そして、年配の方と様々な人が行き交う。 そんな、色々な人の人間模様を見ながら、私は微動だにせず、様々な事を頭に巡らせていった。 …あの人急いでいるな…忙しいのかな…? この子…ショーウインドウをじっくり眺めてるけど…まさか、この人形に本物の人が入ってるとは思わないだろうな…。 あのカップル…仲が良さそうだな…。 あの人、足を怪我してるのかな…歩き方が…。 そんな、視界から得られる情報に、様々な考えを巡らせ、時間を進めていく。 体を一切動かす事の出来ない私には、考えを巡らす以外、他に出来る事はないのだった。 そんな、待ちゆく人達を見て、想いが浮かぶ。 (きっと…ヒロくんも…この町で、ああやって働いているんだろうな…) そんな想像を浮かべるも、この広い町のどこかにヒロくんがいるというだけで、そうそう簡単に会う事もない。 連絡をとれば…いや…それは出来ない。 お互いが決めて、別れたのだ。 今更、連絡をとったところで、ヒロくんには、もう新しい彼女もいるはず。 ヒロくんの邪魔をする訳にはいかない。 これは私の中だけに秘めていればいい想い…。 この町に来たのは、私の自己満足でもあるのだ。 そして、私は道行く人を見ながら、そして、道行く人に見られながら、時を過ごしていった。 ショーウインドウの中は店舗と繋がっているので、空調もしっかりしていて、暑くも無ければ寒くもない。 着ぐるみに身を包まれているわけだが、暑さはそれ程感じない。 動けないという点は、なかなか過酷なことだが、それ以外に暑さだのなんだのと言った、私を苦しめる要因はなかった。 そして、そのまま数時間。 ようやく、夕方の仕事の時間が終わったのである。 (あっ…窓が…) 私の視界に映り込んでいた景色が見えなくなった。 つまり、窓のスイッチが切られ、透明度を無くしたという事だろう。 時間を知る術のない私に教えられた、終わりの時間。 (終わりって…事だよね…) ショーウインドウが見えなくなったという事は、店の終わりの時間という事。 しかし、私が人形である事を終わらせる、ランプの方は未だ青く点灯したままだ。 (と…とにかく…人から見えなくなっても、あのランプが青いうちは、動いちゃだめ…) 莉奈さんに言われた事を、私は忠実に守り、未だ人形のままで居続ける。 【ガチャ】 すると、着替え部屋の入口のほうから、莉奈さんが現れた。 そして、座ったままの私を見て言った。 「あ~…なんて可愛らしい【お人形】なんでしょう…」 今、莉奈さんは、あえて【お人形】という言葉を口にした。 つまり、私はまだ人形であり続けなければならないという事を、釘刺されたに他ならない。 「こんなに可愛らしいから…お人形遊びしたくなっちゃうわね…」 (お人形遊び??) 莉奈さんのその一言に、妙な不安を覚える。 すると、私の方へと莉奈さんがスッと手を伸ばした。 その手は、私の着ているトップスの胸元へと伸びて来た。 そして、私のトップスを止めているボタンに手を掛ける。 次の瞬間、莉奈さんはボタンを外し、私の服を脱がせ始めたのだった。 (ええっ!?ちょ…ちょっと…何を…!?) 莉奈さんの行動に驚きが隠せない。 しかし、未だランプは青色に点灯したまま…動く訳にはいかない。 「お人形さんの着せ替えをしないとね…フフッ…」 莉奈さんは、そう言いながら、私のトップスを脱がし、上半身を裸にさせた。 裸と言っても、全身タイツを着た上からブラをしているので、厳密には着ぐるみの下着状態といった所。 そして、莉奈さんの手は止まらない。 今度はスカートの方にも手をかけ、うまい具合に私からスカートを脱がして行った。 みるみるうちに、肌タイツにブラとショーツだけの状態にされてしまう。 (うぅ…なに…莉奈さんは…何を…。は…恥ずかしい…) その状態で動くことは許されず、ただ莉奈さんに視姦されている状態だ。 すると、容赦のない莉奈さんは、最後の砦である下着も脱がせに掛かった。 (あっ…いや…や…やめて…それだけは…) まだ全身タイツに包まれているのだが、本能的に下着を脱がされる事に、恐ろしい程の恥ずかしさを感じる。 しかし、動けない私の心の叫びが聞き入れられるはずもない。 莉奈さんの手は、止まることなく動き、私からブラとショーツを奪っていった。 そして、私は全身タイツ一枚の状態…人形でいう全裸状態となったのだ。 「あら…なんて綺麗な体をしてるのかしら…この【お人形】さんは…」 再び人形である事を釘刺される。 完全に肌タイツ一枚となり、椅子に座り固まり続ける私を見下ろしながら、莉奈さんは微笑んだ。 (うぅ…恥ずかしい…。り…莉奈さん…そんな…そんな見ないで…下さい…) あまりに恥ずかしさに、どこかに隠れてしまいたいくらいだが、動けない私には、そうする事も出来ない。 逃げ隠れるどころか、肌タイツに浮き出た乳首や、股に薄っすら分かるワレメを手で覆う事すら出来ないのだ。 すると、莉奈さんの手がスッと私の胸へと伸びて来た。 そして、その手は獲物を捕らえる様に、的確に私の乳首に触れた。 「んっ!!」 その優しい触れ方、そして、肌タイツのスベスベ感が間に挟まる事で、何とも言えない快感を私にもたらす。 もたらされた、その快感に、つい声が漏れてしまった。 今まで、一切、出していなかった声。 今、漏れ出てしまったのは、快感に対する反射的なもの。 しかし、莉奈さんがそれを聞き逃すはずはなかった。 「ん??おかしいわね…。声が聞こえた気がしたわ…。人形が喋るわけはないわよね…」 (し…しまった…声…声…我慢しなきゃ…) 声を漏らしてしまった事を莉奈さんに指摘され、必死に声を出さないように堪える。 しかし、莉奈さんの手は止まらない。 その指は優しく私の乳首を舐める様になぞっていく。 (んっ!!あんっ!!うぅ…ダメ…反応しちゃう…) 恐ろしい指使いだ。 肌タイツのスベスベ感を熟知した、その触れ方。 あまりの快感に、体も少し反応してしまう。 「あれっ…気のせいかしら…。人形が動いた気が…」 (んうぅ…体が…反応…しちゃうよぉぉ…) その与えられる快感に、抑えようとしても、つい体がビクッと動く。 本能で反応してしまう…しかし、私は必死にそれを抑えつける。 その指は次第に乳首だけでなく、私の胸全体を捉えていく。 莉奈さんの指が私の下乳を通り過ぎていく。 (んあぁっ!!そこっ!!そこ弱いからぁぁ!!) 優しくなぞられる下乳。 私の弱い所を知り尽くしているような指使いだった。 もう完全に体は反応してしまっている。 しかし、私は脳では、動かないようにと必死に耐えている。 (んうぅぅぅ!!ダメぇっ!!動いちゃう!動いちゃう!!) そして暫く胸を堪能した莉奈さんの指が、ゆっくりと下へと移動していった。 そこから先にあるもの…莉奈さんの指のターゲット…それは一つしかない。 (あうぅ…そんな…そんな…それはムリ…やめて…やめて下さいぃ…) しかし、そんな私の心の懇願も虚しく、莉奈さんの指はターゲットへと近づいていった。 ゆっくりとそこへ向かう指先。 そして、ついにその指は目標地点へと辿り着いた。 「んうぅっ!!」 その指は私の陰部へと辿り着き、的確にクリトリス付近を捉えた。 あまりの感覚に、つい声が漏れてしまった。 (声がっ!!声がっ!!出ちゃう!!出ちゃうよぉぉぉ!!) それでも、必死に声を抑え、体も動かないように抑える。 ゆっくりと陰部付近をなぞり続ける莉奈さんの指。 (んあぁっ!!あんっ!!ダメェ!!耐えられない!!それはあぁぁ!) タイツの上から擦られる陰部。 人生で一度も経験した事のない、不思議な快感。 その快感は次第に、私の脳を埋めつくしていく。 莉奈さんの指が私の陰部を舐め回す様に刺激し続ける。 (んうぅぅぅぅ!!無理ぃぃ!!うご…動いちゃうよぉぉぉ!!) 暫くそうして、私の陰部を刺激し続ける指。 それが続けば続くほど、私の頭は快感に追い込まれていく。 体を動かさまい、声を出さまいと我慢すればする程、余計にその快感は増幅していく。 その焦らすような責めに、私の体は火照りに火照っていった。 そして、陰部をなぞり続けていた指が、クリトリス付近で止まった。 次の瞬間である。 「んあぁぁぁぁぁ!!」 その指が小刻みに動き、私の陰部を刺激し始めたのだった。 その刺激に耐えらえず、大きな声を出してしまった。 (んああぁぁぁ!!ムリィィィ!!それ!ムリですゥゥゥ!!) 必死に動きを我慢しているが、もう人形などではなかった。 我慢する意志とは裏腹に、腰がビクビクと跳ね始めてしまっていた。 優しくも激しく、陰部を刺激し続ける莉奈さんの指。 (あぅぅぅぅ!!ムリムリムリ!!動いちゃう!!動いちゃう!!) 「んあっ!!んぅぅ!!あっ…んうぅ!!」 もう既に声すら我慢できなくなってきた。 その刺激が暫く続けられ、一気に私の体が火照り、どんどん感度を増していった。 こんな快感を与えらえれて、止まっていられるはずはない…。 声だって、黙っていても自然と出てしまう…。 頭では我慢しようと必死だ。 しかし、もう頭で制御できるレベルではないのだ。 「それでも、あなたは人形なのよ」 そんな私を戒めるかのように莉奈さんがそう言った。 (でもぉ!!でもぉ!!こんなっ!!こんなのっ!!いやぁぁぁ!!ムリィィィィ!!) そして、止めと言わんばかりに、下を責めている手の、もう片方の手が、同時に私の胸を責め始めた。 焦らされ続けた後に与えられた、激しい責め。 それがもたらす快感は到底、耐えられる代物ではなかった。 「んあぁぁぁぁ!!あぅぅぅぅ!!ムリィィィ!!おかしく!!おかしくなるぅぅぅぅ!!」 もう嬌声ではなく、完全な言葉…いや叫びに近い声をあげてしまう。 体はビクンビクンと大きく反応し、その手から逃れようと体を捩らせ始めた。 頭のどこかでは、動かないように、声を出さないようにと思っているのだが、包み込む快感がそれを凌駕していく。 すると、莉奈さんの指が、今までに無いくらい激しく動き始めた。 しかも、その動き、激しくもソフトに、全身タイツのスベスベ感を完全に使いこなした激しさ。 私の脳が、その快感に支配されていった。 「んあぁぁぁぁぁ!!そんなっ!!んあっ!!いいいいいいぃぃぃ!!ダメェェェェ!!イっちゃ…イっちゃううぅぅぅ!!」 そして、最後の止めと言わんばかりに莉奈さんの指が私の体に襲いかかった。 「イイイィィィィ…イっちゃうぅぅぅ!!…んうぅっ!!!!」 そして、私は体を大きくビクンと跳ね上げさせ、絶頂を迎えてしまった。 「んぁっ…ぁ……」 恐ろしい程の快感に包まれ、私は絶頂させられた。 跳ね上がった腰が空中で止まっているようにも感じられる。 そして、大きく跳ね上げた腰は、そのままゆっくりとスローモーションのように、座っていた椅子へと戻っていった。 (んぁ…ぁ…ぁ…) そして私は再び椅子に座りこんだ。 動かないのではない、動けないのだ。 体の中から、何か重要なものが抜け出てしまったような虚脱感が訪れる。 「はぁっ!はぁっ!!はぁっ!!!」 与えられた快感のせいで、荒れた呼吸。 責められている間は、快感に凌駕され、気が付かなかったが、それが終わり一気に襲いかかってくる。 姿勢は変えないまま、大きく肩で息をして、乱れた呼吸を取り戻す。 すると、目の前にあるランプが青から赤へと色が変わった。 (…ぉ…おわ…った…の……) それは私が人形であり続けなければならない時間の終わりを告げるもの。 もう人形でなくてもよい…動いていいのだ。 しかし、絶頂を迎えた体は、まだ動ける状態ではない。 すると、その様子を見た莉奈さんが言った。 「まだ、人形に成り切れてないわね…。これは試験のようなものよ。毎日じゃないけど、抜き打ちで時々、テストするから、次は人形に成りきれるようにね」 (と…時々…これが…) その言葉を聞いて、少し身震いしてしまった。 こんな快感が、時々与えられる…。 そして、その身動きを許されない私には、その快感から逃れる事は出来ない。 動かず、声を出さず、ただひたすら受け入れるしかない。 こんなのに耐えられるだろうか…そう思ってしまう程の快感だった。 「それじゃ、今日のお仕事は終わりだから、もう着替えていいわよ。お疲れ様~~」 そう言って、莉奈さんはショーウインドウから出て行った。 暫くして、体に力の戻った私は、立ち上がり、着替え部屋へと戻っていくのだった。 これが私の一日の仕事であり、この会社との契約なのである。 ちなみに、莉奈さん曰く、 「ショーウインドウに飾る服は、人間の顔というアイデンティティーは無くしたうえで、マネキンにはない、人間味をもった体でないと、その服の良さが明確にならないわ」 という理由で、私が着ぐるみの人形の中身となったらしい。 そして、私は、日々、日中の仕事と夕方の仕事をこなして行く。 莉奈さんに弄ばれながら…。 そして、こんな毎日を送る中で、偶然の…そして運命の出会いが待ち受けているのだった。 それはまた別のお話…。 ---------------------------END------------------------------------------

クリスマスの夜に Side Story

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