※このお話は、pixivで投稿した【ヤク払いの儀】のAfter Storyとなっております。 登場人物の設定や、起こった事象等は、本編を読んで頂いた事を前提で書いております。 本編を一読して頂いた後に、読んで頂けると幸いです。 ・・・ 私は親友である【神楽(かぐら)】の家で、ゴロゴロと寛いでいた。 とりわけ何かをする訳でもなく、ジュースを飲みながら、漫画を呼んでいるというダラダラな状態だ。 すると、一緒にダラダラしていた神楽が、私に話しかけてきた。 「ねえ【愛里(あいり)】、お願いがあるんだけど…」 「ん??なに??お願い??」 「そう…愛里にしか出来ない【お願い】なの…」 私にしか出来ないお願いという辺りに、嫌な予感もする。 「う~ん…まあ…内容次第かな??言ってみてよ」 「え…っとね…また【夜久(やく)】になってもらいたいんだよね」 「えっ!?」 私は神楽の一言に体が固まった。 夜久というのは、村の儀式に登場する伝承に残る化け物の事。 そして、【夜久払いの儀】という、村の儀式の時に、私は夜久の着ぐるみを着て演じる大役を任された。 その儀式の際、儀式と称して、散々な目に会ったのだった。 そして、神楽はまた、その着ぐるみを私に着て欲しいと言ったのだ。 耳を疑わずにはいられない。 「な…何…言ってるの…神楽。やだよ!あの着ぐるみなんて、もう、ぜっ…たいに着たくないわよ!私が、どんな目に会ったか知ってるでしょ!!ぜっ…たい、いや!!」 着ぐるみを着る事自体が嫌なのではない。 もちろん、あの着ぐるみを着たら、また何をされるか分からない。 また、あの時のような責めや辱めを受けるに違いない。 私は全力で、神楽のお願いを否定した。 「あっ!えっ…と…ね。正確に言えば、あの夜久の着ぐるみではないの」 「へっ!?…あの着ぐるみじゃ…ない??」 私は完全にあの時の着ぐるみの事だと思ってしまった。 しかし、よくよく考えれば、あの儀式の最中に、あの衣装は切り刻まれて、マスクくらいしか残っていないはずだ。 「まあ…とにかく聞いてよ。詳しく説明するから」 「…聞くだけ…聞いてあげる…」 すると、神楽はその詳細を話し始めた。 「あのね。今度、うちの村の特産品がテレビで取り上げられて、今度、村でイベントをする事になったの」 「へぇ~~知らなかった…」 「それで、そのイベントにはそこそこのお客が来る事が予想されててね。その時にマスコットキャラクターを作ろうって話になったのよ」 (マスコットキャラクター…) 「それで、うちの村のキャラクターって事で、夜久をモチーフにした、少し可愛らしいキャラにしようって事で決まってね。私が、その着ぐるみの製作、運営担当に指名されたのよ」 「ふ~ん…」 「それで、着ぐるみの製作は出来たんだけど、当日の中身の人間を決めないとってなって…。ピンときたわけ。…私の身近に、【着ぐるみ経験者】がいるって事に」 そう言って、神楽は私のほうに視線を向けた。 「え?着ぐるみ経験者って…私の事??」 「そう、本物の夜久を演じた経験者が、こんな近くにいたのよ」 「は?…それで…私にしか出来ない…って事なの??」 「そう」 確かに儀式では着ぐるみの夜久を着て舞や演技をした。 しかし、あれ一度きりの事で、経験者と呼べるほどの話ではない。 「ってか、あれ一回きりなんだから、経験者っていう程のものではないでしょ」 「ううん、そんな事ないよ!あの夜久の演技、村の人達も絶賛してたから。愛里は、もともとセンスがあるんだよ、演技のセンス!」 「そ…そこまで…言われると…ちょっと照れるけど…」 「じゃあ、お願い出来る??」 話の流れでごり押ししてくる神楽。 「いや、ちょっと待って。着ぐるみが違うって言っても、また、村の人たちに変な事されるかもしれないし…。うん…やっぱり危険、やらないわよ…」 「大丈夫だって、儀式じゃなくて、イベントなんだし。今回の着ぐるみは、会場に来た子供たちと触れ合うだけだし」 「そう言われてもな…」 「やっぱりだめなの…??せっかく…このイベントのために、新作の【全身タイツ】を用意したのに…」 「全身タイツ??…し…新作…!?」 神楽のその言葉に、私は食いついてしまった。 あの夜久払いの儀の後、私と神楽は全身タイツにはまってしまい、その虜となっていた。 お互いが全身タイツに身を包み、密かにじゃれ合ったりしているのだ。 「そう…新作の…全身タイツ…肌触りも新感覚…」 【ゴクリ…】 これは神楽の作戦だ…。 それは分かっている…。 しかし、私は神楽のその言葉に、グッと心を惹かれてしまう。 その単なる【言葉】だが、それの示唆する想像に、私の心は持っていかれてしまった。 「しょ…しょうがない…わね…。神楽が…そこまで言うなら…やっても…いいよ…」 「やった~~~!!愛里、今、はっきり言ったからね、約束だよ約束」 「わ…分かったわよ…約束ね」 まんまと神楽の作戦に乗っかった訳だが、自ら乗っかったのだからしょうがない。 それ程に、新作の全身タイツというのが、私の心を動かしたのだった。 「よし、それじゃ、イベント当日はお願いね」 「はいはい…」 そうして、私は神楽のお願いを聞き、夜久の着ぐるみ?を着る事となったのだった。 ・・・ そして、イベントの当日を迎えた。 「おはよ~~」 私は朝から神楽の家へと足を運んでいた。 どうやら神楽の家の神社の境内がイベント会場の一つになるらしく、神楽の家で着替えをして、会場をグリーティングするらしい。 「おはよ~~愛里!」 「おっはよ~~」 すると、私の前には神楽ともう一人の女の子が出迎えてくれた。 「ん??【紗良(さら)】もいるの??」 神楽と共に私を出迎えたのは紗良。 こちらも、私達とかなり仲のいい友人である。 「うん、紗良にも着ぐるみの運営スタッフを手伝ってもらってたの」 「ってことだよ!よろしく愛里」 「よろしく、紗良」 そして、私は神楽に案内されて、着ぐるみのある部屋へと向かった。 【ガラガラ】 引き戸を開けると、そこに私が着る着ぐるみが横たわっていた。 「こ…これが着ぐるみ??」 その着ぐるみの様相…。 私が想像していた雰囲気とまるで違うものだった。 どこか、頭の中では、儀式の時に着た夜久の着ぐるみの姿が想像されていたが、実際に目の前にあるものは全く違うものだ。 「そう、これが、今回のマスコットキャラクターの夜久…。名前は【ヤクロー】」 その着ぐるみを指さし、神楽がそう言った。 「ヤクローね…」 その着ぐるみ、頭から足までが完全に一体成型で出来ており、背中のファスナーがパクッと開いている。 手足はかなり太く出来ており、頭に当たる部分もかなり大きく、夜久をディフォルメ化した感じではある。 さながら、雰囲気でいうと、巨人特撮ヒーロー物の可愛らしい怪獣といった雰囲気だ。 全てが一体成型で出来ているという事も考えると、作りもその怪獣に近い。 (まあ…確かに…造形も、作りも、前の夜久とは、全く違うものだよね…) 「さてと、愛里にヤクローを着て貰うんだけど、まずはいつも通り、この全身タイツを着てちょうだいな」 そう言って、神楽が私に全身タイツを差し出した。 「は~い」 何の抵抗もなく、その全身タイツを受け取る。 「ん??いつも通り??愛里って、夜久の儀式以外でも着ぐるみ着てるの??」 神楽のちょっとした言葉を紗良が拾い、質問をしてきた。 「え!?あっ?そ…その…神楽が言い間違えただけだよ、前と一緒で…って言いたかったんでしょ、神楽??」 「ん??あっ…そうそう…、前の時と同じで…その全身タイツを着てって事」 「あっ…そういう事ね…」 紗良の鋭いつっこみに、ついドギマギしてしまう。 まさか、紗良に、神楽と私は、普段から全身タイツを着て、いちゃついてます…なんて、とても言えるはずもない。 なんとか無理くりではあるが、誤魔化しきった。 「とにかく、着るね」 空気をごまかすかのように、私はそそくさと、全身タイツに着替えを始めた。 そして、いつものように洋服を脱いで行く。 後は下着を残すのみとなった私は、自らのブラのホックに手を掛けた。 (ん??) その瞬間、紗良の視線が気になった。 とても興味深いものを見る目線で、私がブラを外そうとしているのを凝視しているのだった。 「ん??どうしたの紗良??」 「え!?あぁ…全身タイツ着るのって、下着まで脱ぐんだ…って思ってたとこ」 「あぁ…そう言う事…。そうだよ全身タイツ着る時は全裸なんだ」 「へぇ~~~」 以前の夜久の中身をした時も、下着は付けていなかった。 そして、いつも神楽とじゃれ合う時には、下着など付けるはずもない。 知らぬうちに、下着を付けない事が私達のスタンダードになっていたのだ。 世間では必ずしもそうではない事を、私は知らなかった。 そして、私は紗良の視線も受けながら、下着を脱ぎ、全裸になった。 (よし…これが…新作の全身タイツ…) 【ゴクリ…】 神楽の言っていた、新作の全身タイツ…。 その着心地に、私の心には期待しか浮かび上がってこない。 そして、背中のファスナーを開け、私はスルッとそのタイツに足を滑り込ませた。 (んあっ……) 足が滑り込んでいくと、タイツと足が擦れ、そのタイツの触れ心地が伝わってくる。 その触れ心地…確かに、今まで味わったものとは、また別の気持ちよさを感じるものだった。 思わず足を入れただけで、声が出そうになってしまう。 (んぁ…これ…めちゃくちゃ…気持ちがいい…) その触れ心地、スベスベとしていて、そこに柔らかさを感じる。 シルキーな細やかさすらを感じさせる、その感触。 そして足を入れ込んでいくと、なんとも程よい締め付け感のある伸縮性とサイズ。 下半身を入れただけで、少しうっとりとしてしまう程の気持ちよさだ。 そして、私はそのタイツの上半身を捲し上げ、手を通し、体に纏って行った。 そして、頭を通し、丸くくり抜かれた顔の部分から顔を出し、後は背中のファスナーを閉めるだけとなった。 「それじゃあ、背中閉めるね」 そう言って、神楽が背中のファスナーを閉めていく。 【ジーーーーー】 背中のファスナーが閉められると、体全体にフィットして、軽く私の体を締め付ける。 その締め付けは、決してきついものではなく、ソフトに優しく私を包み込むような感覚だ。 この肌触りで全身を包まれる。 なんとも、気持ちの良い、確かに今までとは一味違うタイツのようだ。 「どう??愛里?この全身タイツ??」 「うん…これ凄いよ…確かに…めちゃくちゃ気持ちがいい…全然いつものとは違う…」 「いつもの??」 私の言葉に鋭く反応する紗良。 「あっ??いや…前のと…儀式の時のと…って事」 焦りながら誤魔化しにかかる。 「ふ~~ん」 少し、疑いの目を持っている紗良ではあるが食い下がっては来なかった。 (にしても…このタイツ気持ちがいいな…。これ…外から誰かに触られたら…やばいくらい…感じちゃうかも…) そう思うと、少し胸が高揚し始めてしまった。 「さ…じゃ…。ヤクローの着ぐるみを着よっか!!」 「う…うん…」 そうして、私は床に寝そべったヤクローの着ぐるみのほうへと向かって行った。 ヤクローの着ぐるみは完全に一体成型で出来ているので、着方は容易に理解できた。 背中の開いたファスナーの所に体を入れて、閉めてもらえばいい。 「愛里、こういう着ぐるみは、寝かせたまま、ここに入って行くんだって」 「そうなんだ」 要するに、着ぐるみを寝転ばせたまま、手足を通して行けばいいという事。 (よし…着てみるか…) 私はヤクローの着ぐるみのファスナーが開いた背中に足を入れた。 そして、そのままそこにしゃがみ込み、ゆっくりと足を伸ばしていく。 (ん?足はかなりゆとりがあるな…) 足を入れていくと、着ぐるみの足の中はかなり広く出来ていて、足がすんなりと入って行く。 緩さで言うと、私の足がもう一本入りそうなくらい余裕がある。 そして、足を完全に入れ終わった私は、次は手を入れ込んでいく。 (手は…そこそこ…ぴったりか…) 着ぐるみの手に、自らの手を通していく。 足の余裕さとは逆に、手はきちんと通していかないと入らないくらいの細さ。 見た目には太い手だが、中が細い…つまり、着ぐるみが分厚く出来ているという事だ。 とはいうものの、きつくて入らないという程ではないので、すんなり腕も収まった。 そして、腕が収まりきるのと同時に、私の体と頭も、ヤクローの着ぐるみの中に沈んでいく。 私の体は完全にヤクローの着ぐるみの中に入り切った。 「よし、じゃあファスナー閉めるね」 「よろしくぅ」 そう言って神楽が背中のファスナーを閉め始めた。 【ジーーーーー】 背中のファスナーが閉じられ、私は完全にヤクローの着ぐるみの中に閉じ込められた。 (ふぅ…結局…また着ぐるみを着る事になるとはね…) ファスナーが閉じられ、私は薄暗い世界の中に囲われた。 覗き穴と思われる、ヤクローの口の部分から外の光が挿し込んでくるのみ。 (よし…立ってみよう…) そして、私はうつ伏せに寝転んだ状態から、体を起こし始めた。 (よいっ…しょ…っと…。ん…これ…結構…きついな…。んよ…っと…) 太い手足のヤクローの着ぐるみ。 頭が大きいのもあるが、体もかなり丸丸とした体系なので、着ぐるみ自体の重量もある。 そして、太い手足が動きを制限し、立ち上がるだけでも一苦労だ。 (よいっ…しょっ…っとぉぉ!!) そして私は、全身の力を奮起させ、立ち上がる事に成功した。 「おおぉぉ~~~!!」 「うん…なんて言いうか…可愛らしい…感じ??」 神楽と紗良が立ち上がった私を見て、歓声をあげる。 「うん、正統派の可愛らしさじゃなく、なんか、面白可愛い的な感じだね」 「そーだね。私は結構好きよ、この雰囲気」 「どう??愛里、着た感じ??動けそう??」 「そうだな~~」 そう言われ、私はまず足を動かし歩いてみた。 すると、やはり足の中が緩いせいか、着ぐるみ内で私の足が遊んでしまい、スムースに歩く事は出来ない。 「中が緩くて、足が遊んじゃうから、あまり早くは歩けないかも」 「そう…」 (それで…腕は…っと…) 腕を動かしてみると、太くて曲げるのには力がいるが、中が詰まっているせいで、私の動きにはしっかり追従してくる。 「腕は中がぴったりだから、思った通りに動くけど、太いから曲げるのがちょっときついな」 「ふんふん」 その他の自らの状態を確認する。 視界はそれ程、悪くはない。 覗き部のメッシュが広く作られているので、呼吸も問題なさそうだ。 ボディに至っては、中に思った以上の空間があり、体を圧迫するようなこともない。 首も閉まっておらず、むしろゆるゆるなので、着ぐるみの中で、私の頭が遊んでいる。 逆に緩いが故、中で頭を横に向けても、着ぐるみが横を向くことはない。 頭まで一体成型で出来た着ぐるみなのだから、横を向こうとしたら、体ごと向かないと、横を見る事は出来ないのだ。 首の部分が緩いため、ボディの中の空間とマスクの中の空間が繋がっているような感じで、閉所感はかなり薄い。 「何か、問題ありそう??」 「特にないかな?横にお客が来ても気が付かないから、声を掛けて欲しいくらい」 「分かった」 すると神楽が時計を確認した。 「よし、それじゃあ、いい時間になったから、このまま、一回目のグリーティングに行って見よう!」 「オッケー」 そして、私は神楽と紗良にサポートされながら、神社の境内へと出て行った。 今日は、イベント会場になっているという事で、境内もいつもの神社感とは違い、近代的なポップな雰囲気が漂う。 そして、このイベントの情報を聞きつけたお客が、予想以上に多くいた。 (おおっ…。思ったより、人、いっぱいいるな…) こんな村のイベントだというのに、想像以上の人の入り。 まあ、村がにぎわうのは悪い事では無い。 すると、早速、私を見つけた子供たちが駆け寄ってきた。 「うわ~~この子は、なんていう名前なの??」 「この子はね~ヤクローっていうんだよ」 「ヤクローかぁ…可愛いね!」 小さな女の子が私に興味津々で、こちらを見つめて来る。 こんな可愛い女の子が、私に興味を抱いてくれていると思うと、なんとなく、着ぐるみを着て良かったと思ってしまう。 「写真撮ってもいい??」 「いいよ~」 「やったーー!!お母さん、私、ヤクローと写真撮る!!」 はしゃいだ女の子が、私と写真を撮りたいといっているのだ。 なんか妙に嬉しい気持ちになってしまう。 そして、その後も、予想以上に子供たちに反応が良く、集まってきた子供たちとじゃれたり、写真を撮ったりして、過ごして行った。 そんな和やかな空気に、最初は私も溶け込んでいたが、途中からそういう訳にも行かなくなってきた。 (あ…暑い…) 外からみれば、変わらず和やかな雰囲気ではあるが、着ぐるみの中身は現実的な牙を向く。 これだけ分厚い衣装なのだから、もちろんの事、着ぐるみの中の温度は籠り続け、どんどんとその温度を上げていった。 まだ登場して、20分くらいだろうと思われるが、着ぐるみ内の温度はかなりのものとなり、私の全身から汗が噴き出る。 外見では和やかな雰囲気を演じ続けているが、中では、その温度に必死に耐えている女の子がいるという現状。 まあ、着ぐるみというものはそう言うものなのだろうが、やはり暑いものは暑い。 (暑い~~暑いよぉ~~~。まだ終わりの時間こないの…) 私はその暑さに耐えながら、とにかく子供たちと触れ合い続けた。 時間がどれくらい経ったかは分からない。 確実に私の体が芯から熱くなっているのを感じる。 体中の到る所から汗が噴き出て、もうきっとインナーの全身タイツもビショビショだろう。 顔なんか、ゆでだこのようになっているかもしれない。 しかし、神楽と紗良が終わりを告げ、誘導してくれるまで、私は帰る事も出来ないし、着ぐるみを脱ぐことも出来ないのだ。 (暑い…暑い…まだ…終わらない…の…うぅ…暑い…) そして、もう暑さの限界だと思い始めた時だった。 「さて、そろそろヤクローも一回帰ろっか!」 神楽がそう言って、まわりに集まった子供たちに距離をとらせた。 そして、バイバイ的な動きをして、私は神楽の家の中へと戻って行った。 体を包み込む暑さ、そして、この歩きにくい緩い着ぐるみ。 なかなか、神楽の家の着替え部屋までが遠く感じた。 (暑い…きつい…でも…もうすぐ…脱げる…) そうして、なんとか私は着替え部屋へと辿り着いた。 「開けるね!」 【ジーーーーーー】 部屋に入るなり、紗良が急いで、背中のファスナーを開けてくれた。 ファスナーが開くと、中に籠っていた熱気が外に出ていくのを感じるのと共に、新鮮な空気が中に入ってくる。 (あぁ…涼しい…) 実際には、それほど涼しい空気ではないが、相対的にその空気が涼しいと感じてしまう。 私は体を起こしながら、腕を抜いて行った。 (よい…っしょ…っと…えい…ん…) 入れる時は簡単だった腕が抜くのは、思ったより大変だった。 (これ…着るのはすんなりだけど…一回、手を入れると、出すのは…一苦労だな…よいっしょっと!!) 体勢的に踏ん張りにくいのもあってか、モゾモゾしながら、なんとか腕を引き抜いた。 「ぷはぁぁ~~~!!!暑かったぁぁ!!」 私は着ぐるみから上半身を引き抜いた。 「はい、愛里、飲み物!!」 そう言って紗良が私に飲み物を渡してくれた。 そして、貰った飲み物を一気に飲み干した。 汗が尋常じゃないほど出た後、その飲み物が、体中に染み渡っていくのが感じられた。 「はぁ…はぁ…暑かったぁ…」 「お疲れ、愛里」 「ちょっと、休憩するね」 「うん」 私は、ヤクローの着ぐるみの背中から、上半身だけを出し、休憩に入った。 全身タイツは脱がずに、顔に滴る汗だけをタオルで拭う。 (ふぅぅ…上半身だけ脱ぐだけで…だいぶ楽…) 私は下半身はヤクローのまま、椅子に座り、体をひと落ち着けさせた。 全部脱いでもいいのだが、神楽に聞かされた、登場スケジュールを考えると、下半身まで脱がなくてもいいくらいの休憩時間なのだ。 「ふぅぅぅ…」 大きく深呼吸をすると、それを見た紗良が私に再び飲み物を渡してきてくれた。 「ありがと、紗良」 「いいよいいよ。愛里、めちゃくちゃ大変そうだし。やっぱ、着ぐるみって暑いの??」 「うん、この衣装は分厚く出来てるから、自分の体温が全く外に逃げないような感じかな…??そのせいで、めちゃくちゃ暑かったぁ~~」 「やっぱ、暑いんだね。でも、ヤクロー、めちゃ可愛いし、子供たちも、かなり喜んでたよ」 「そう言ってくれると、やりがいがあるね~~」 実際、恐ろしい程の暑さに見舞われたのだが、ヤクローがいる事で喜んでもらえるなら、やった甲斐もあるというもの。 紗良とそんな会話をしていると、ある事に気が付いた。 「あれっ??そういや、神楽は??」 先ほどまで、誘導に付いてくれていた神楽の姿が見えなかった。 「あっ…神楽は【準備があるから】、スタンバイは私に任せるって」 「準備??」 (なんの準備だろ…。まあ神楽もいろいろと任されて忙しいんだろうな…。だから紗良にも手伝って貰ってるわけだし…) 神楽は今回のイベントでも任されている事が多そうなので、なんとなく納得してしまった。 そして、暫くそのまま休憩をとっていると、紗良が腕時計を確認し立ち上がった。 「よし、愛里、そろそろ時間だから、スタンバイよろしく~~」 「は~~い」 そうして、私は先程と同じように、前のめりに床に這いつくばるような体勢になった。 そして、一回目と同じように、体をヤクローの着ぐるみに埋めながら、両手を着ぐるみの手に通していく。 すると、やはり、抜く時のように苦労する事はなく、すんなりと両手は収まって行った。 着ぐるみ内への体や頭の収まり具合を調整する。 (よいっしょ…っと…ん…よし…こんな感じかな…) 「紗良、オッケーだよ。背中のファスナー閉めて」 「うん、ちょっと待ってね」 私は先程と同じように、紗良に背中のファスナーを閉めて貰うようにお願いした。 これで、背中のファスナーを閉められれば、私は、またヤクローの中に閉じ込められる。 再び、あの暑さと戦う事となるだろう。 しかし、心のどこかで、あの暑さが私を蝕むことに、気持ちの高揚を感じてしまっていた。 暑い…とてつもなく暑い…けれど…なにかその、私を追い込むそれが…妙な高揚を生むのだ。 明確に、心が高揚しているとは、自らでも気が付いていないが、本当に、心のどこかに、そんな感覚が芽生えているのだった。 そして、再びファスナーが閉じられる。 …と思ったのだが、なかなか紗良がファスナーを閉じてくれない。 「ん??紗良、どうしたの??ファスナーしめてくれる??」 もう視界はヤクローの中に落ちた私は、視界外にいる紗良へ、背中越しに声を掛けた。 すると、次の瞬間、とんでもない感触が走ったのだった。 【モゾモゾ…】 「んうぅっ!!!な…何…!??」 それは、私の全身タイツに包まれた体に誰かが触れる感触だった。 その感触は、私の背中…腰の辺りから突然、足の方へと伝わり始めた。 「何!?なんなの!??」 一瞬、後ろから腰の上に、何か重い物を乗せられたと思ったが、すぐにそれが物ではない事に気が付いた。 何故、それが物ではないか…すぐにそれは動きを始めたからだ。 「ちょ…ちょっと!!なんなの!?」 あまりに唐突な事に、驚きを隠せず、体を起こそうとしたが、もう私の体はヤクローの着ぐるみの中。 手を引き抜くことも、すぐに出来る訳でもないし、ただでさえ着ぐるみを着て体を起こすのが大変な所に、背中側から負荷を掛けられている。 簡単に体を起こす事も出来ないのだ。 「ちょいちょい!!これ!!まさか!!」 この重さで、動くもの…。 それは、私の足の入ったヤクローの着ぐるみの足にも侵入してきた。 そして、次の瞬間それは、私を抱きかかえるように、私の背中にピッタリと張り付いてきたのだった。 「オッケー、紗良。ファスナー閉めて!!」 その声は正しく神楽のもの。 しかも、声の出所は、私の頭のすぐ後ろだった。 【ジーーーーーー】 するとヤクローのファスナーが閉められ始めた。 「ちょ!ちょっと!!神楽!!なんで、あなたまで着ぐるみの中に入ってるの!!」 そう…私の背中に張り付いてきたもの…それは神楽なのだ。 「なんで??って??私が入りたかったからだけど…」 そう言いながら、神楽はその両手を私の体に巻きつけさせ、後ろから私の体を抱きしめた。 そして、ファスナーは完全に閉じられ、着ぐるみ内は再び、暗闇のに落ちた。 ヤクローの着ぐるみの中、一つの着ぐるみの中に、私と神楽が閉じ込められている。 ヤクローの足には二人分の足が挿し込まれている。 先ほどまで中で足が遊んでいた程の空間があったのだが、二人分の足が入ると、そこはまるで余裕が無くなり、私の足の後ろ側と、神楽の足の前側がピッタリと張り付く。 そして、私の手は、ヤクローの腕に収納されているが、神楽の手は着ぐるみのボディーの中で自由。 その手は私を抱きしめる様に回り込み、私の体と神楽の体をピッタリと吸い寄せる。 そんな神楽の頭は私の頭のすぐ後ろにある。 背格好も、ほとんど変わらない私達だから、そうなるのは当然だ。 しかしながら、何故、神楽が着ぐるみの中に入って来たのかが分からない。 「ちょっと待って、神楽。入りたかった…って…流石にムリだって…」 「何が??行けるよ!行ける!」 「あのさ…まず…私…もう…一回目のグリーティングで、汗だくだし…。タイツ…ビショビショに濡れてるしさ…」 確かに普段から神楽とは全身タイツを着て、いちゃついているのだから、こうして全身タイツを着て抱き合う事には抵抗はない。 しかし、既に、汗だくとなっている私の全身タイツ。 それに触れらるのは、やはり、何か罪悪感を感じてしまう。 「あ~ぁ…そういうのは平気、平気。私、愛里の汗なら、むしろウェルカムな感じだし」 「なっ!?…神楽ねぇ…こういうのは、そっちがよくても、こっちが恥ずかしいのよ…」 「いいじゃん、私がいいって言ってるんだから」 「そう言われても…」 神楽はそう答えた瞬間、私に巻きつけた腕を少し動かした。 「んぁっ!!」 神楽の全身タイツに包まれた腕が、私の体を擦った事で、突然の快感が与えられ、つい嬌声が漏れてしまった。 (んうぅ…このタイツの触感…やばい…。今…ちょっと神楽の腕が擦れただけなのに…凄い…感じちゃう…) すると、それを見透かしてか、神楽が言った。 「こんな状況、めちゃめちゃ興奮しない??だって愛里とこうやって全身タイツの肌を合わせてるの…なんと着ぐるみの中なんだよ。見ている人には誰にも気が付かれず…人知れず、こうやって全身タイツを堪能するの…。ドキドキしない??」 (うっ…確かに…。このタイツの感触…それを…人前で…人知れず…。…ゴクッ…) 神楽の言っている事はとんでもない事だが、確かにそのシチュエーションも有かと思ってしまう自分もいた。 「わ…分かった…とにかく神楽、ちょっと二人で起き上がって見よう。立てなくて、歩けなかったらどうにもならないしね…」 「オッケー」 「よし、じゃあせ~のっで起き上がるよ。せ~の!!」 すると、思いのほか、すんなりと体を起こす事が出来た。 絶対に二人で動けば、呼吸もずれ、変な力が入り、ちぐはぐになると思ったが、かなり息がピッタリといった。 「おおぉ~~立ち上がれたね…」 「流石、私と愛里ってところでしょ」 恐らく、神楽が私にうまく合わせてくれているのだろうが、やはり普段からじゃれ合っているだけの事はあると思ってしまった。 「ところでお二人さん。私が補助した事もお忘れなく」 (はっ!!しまった!!…紗良がいる事…忘れてた…) あまりにも突拍子もない神楽の行動に驚いて、普通に神楽といつも通りの会話をしてしまっていたが、紗良がそこにいる事を忘れていた。 変態トークを完全に聞かれてしまったいたという事になるのだ。 「あ…あの…紗良…えっとね…」 先程の会話が聞かれていた事に動揺し、言葉を詰まらせてしまう。 「あっ…愛里、大丈夫。紗良には全て説明済みで、今回の完全な協力者だから」 「え!?そうなの…じゃあ良かった…!?って…良かったじゃないわよ!!えっ??じゃあ、紗良は、私たちと全身タイツの事知ってるの??」 「知ってるよ、全部」 視界外から聞こえてきた紗良の声だったが、私には紗良の表情が容易に想像できた。 きっとその表情は、うっすらと微笑みを浮かべているはず…私にマウントをとったような微笑みを…。 (う…じゃぁ…さっきまでの突っ込みは…。全部分かってて、突っ込んでたんだ…くぅ…) 「…もう…しょうがない…。それじゃ…会場まで移動してみよっか…」 「よ~し!愛里!張り切っていこう!!」 (張り切ってじゃないわよ…ホントに…) そして、私と神楽は変な二人三脚のような形で、右左の足の息を合わせ、ゆっくりと前へ進んで行った。 (んぅ…これは…やばい…よぉ…) 移動の為に歩くだけで、神楽の脚の前面が、私の脚の背面と擦れ続ける。 私の裏腿からお尻にかけて、常に擦られているような感触。 そして、その感触は今日の特別な全身タイツのために、恐ろしい程の快感を感じてしまう。 更には、私を後ろから抱きしめる形で体を寄せている神楽の、大きすぎない胸が、私の背中に感じられる。 それは、恐ろしい程に柔らかく、全身タイツに包まれているが故、滑り心地も兼ね備えている。 その胸が少し揺れながら、私の背中に押し付けられ続けているのだ。 (ぁあ…神楽の…胸…。なんて…気持ちがいいの…) ヤクローの着ぐるみとしては、ただ歩いているだけ、しかし、中身では想像を絶する快感が渦巻いているのだった。 そんな快感の渦に包まれながら、私たちは、なんとかグリーティング会場へと辿り着いた。 「はぁ…はぁ…はぁ…」 耳元に後ろから神楽の、少し乱れた呼吸が聞こえてくる。 神楽の頭は、私の頭のすぐ後ろ。 その乱れた吐息が私に掛かって来そうなほどの距離なのだ。 「神楽…大丈夫??」 「大丈夫…やっぱ…着ぐるみは…暑いね…」 私たちは、外に聞こえないように、かなり抑えた声で、こそこそと会話をした。 「わぁ~~!!この子、可愛い~~!!」 着ぐるみの外から、子供の声が聞こえ始めた。 「この子ね。ヤクローっていうんだよ」 その子供に紗良が対応する。 「写真とってもいい??」 「いいよ」 そして、子供たちが集まり始め、撮影や握手などが始まった。 まさか、この子供たちも、このヤクローの中に、女の子が二人も入っているとは思うまい。 しかも、その二人は、お互いで全身タイツの感触を…相手の感触を堪能しているのだ。 子ども達相手をしていると思うと、少し罪悪感も感じてしまうが、この感触は、私たちを完全に虜にして、これからは逃れられないのだ。 そして、撮影の為に静止して、ポージングをしている時だった。 (んあぁっ!!!) 思わず、声が出そうになったが、目の前にはお客さんもいるので、必死になんとか、その声を押し殺した。 今まで沈黙を保っていた、【神楽の腕】がついに活動を開始したのである。 (んうぅ…こらっ…神楽…) 私に抱き着いていた神楽の腕が、活動を始め、私の胸を捉えて来たのだった。 全身タイツ越しに揉まれる胸…その揉み方も極めたような優しさで、全身タイツの事も熟知している胸の揉み方。 声は抑えたものの、体がビクッと反応してしまう。 (んあぁ…神楽…ぁん…それ…だめぇぇ…胸…んっ…やばい…) 神楽の手は、私の胸をトレースするようになぞりながら、優しく揉みしだく。 ただ肌が擦られるだけでも、快感を感じてしまう、この全身タイツ。 それで、その刺激されている部分が胸なのだから、その快感もとんでもなく大きい。 (ぁんっ!!んううぅぅ…神楽ぁぁ…それダメェェェ!!あっ!!んむぅぅぅ…反応…しちゃうぅぅ!!) 神楽の手は自由な状態。 そして、獲物となる私の胸は、そこから逃げる事はない。 というより、体をくっつかせて着ぐるみに入っているのだ。 ゼロ距離の体、逃げられる訳もない。 そして、その腕を止めようにも、私の手は、着ぐるみのヤクローの腕の中。 ボディのほうの中には無いのだ。 つまり、神楽のその腕を抑えられるものは何もない。 そして、神楽の手は、私の胸を揉みしだき続けるのだった。 (んあぁぁぁ!!やめっ!!やめて!!凄い!!感じちゃう!!感じちゃうよぉぉぉ!!) 体がビクンビクンと反応するが、ヤクローの着ぐるみが分厚く出来ているのと、中に多少の空間があるため、私の快感に反応する動きは、直接表には出ない。 しかし、多少、着ぐるみ全体がビクビクと動いてしまっているのは否めない。 外には、無邪気な子供たち、そして、その子供たちを連れた親御さんたち。 その人達を前に、私は神楽に胸を責められ、頭が飛んでしまいそうな程の快感を得てしまっている。 そこにいる、マスコットキャラクターのヤクロー。 見た目には面白可愛いマスコットキャラクターの着ぐるみ。 しかし、その中では、女の子が二人で全身タイツを着込み、その感触を堪能し合っている。 そんな事実、絶対にバレてはいけない。 私は必死に、神楽が与え続ける快感に耐え、外にバレないように声も動きも抑え続ける。 (んあぁぁ!!ムリィィ!!バレちゃう!!バレちゃうっ!!んあぁぁ!!) 着ぐるみの中で、必死に身悶えする私の体。 その身悶えを許さないと言わんばかりに、抱き着き、胸を揉みしだく神楽の手。 それが与える快感に私は体も頭も占有され、もう既に外の声など聞こえていなかった。 外では紗良が、上手くお客さんを捌いてくれているだろう。 しかし、そんな事も、もう今の私には気を回す余裕はない。 ただひたすら、この快感に耐えながら、バレないように必死に抑え続けるだけ。 背中には柔らかな神楽の胸、そして、腕以外の全身を神楽の全身が私に触れ、体中に快感をもたらす。 そこに追い打ちをかける、胸を揉まれる快感。 (ムリィィィィ!!神楽ぁぁぁ!!気持ち良すぎる!!んあぁぁぁぁ!!) そして、その全ての快感が飽和しそうになった瞬間だった。 「んうぅっ!!」 衝撃的な快感に、小さくではあるが、嬌声を漏らしてしまった。 神楽の片方の手が、私の陰部を捉えたのだった。 (んあぁぁぁぁ!!そんなっ!!そこはぁぁぁぁ!!ダメェェェェ!!) 片方の手で胸を揉み続ける神楽。 そして、もう片方の手が、優しくも確実に私の陰部を捉え、そこを刺激する。 もう既に、快感が飽和しそうになっていた私に、その快感を受け入れる余裕は全く無かった。 (いやぁぁぁぁぁ!!ムリムリムリムリィィィィ!!あうぅぅぅ!!) 神楽の指は、全身タイツ越しに、私のクリトリスを小刻みに刺激する。 この全身タイツの上から与えられるその刺激。 それは、人を馬鹿にしてしまうと感じられるほどの、恐ろしい刺激だった。 そんな刺激を、既に、ピークに達していた所に加えられる。 もちろん、そんな刺激に私が耐えられるはずも無かった。 (んあぁぁぁぁ!!!いやぁぁぁ!!変にっ!!変になっちゃうぅぅぅ!!) 着ぐるみの中で、両足が痙攣をしているかの如く、ガクガクと震える。 腰は恐ろしい程にビクビクと跳ねまくる。 しかし、後ろからしっかりと抱きついた神楽は、私から離れる事無く、その手も全てを捉えて放さなかった。 (あぐぅぅぅ!!んあぁぁぁ!!いいいやぁぁぁ!!イクっ!!イっちゃうゥゥゥ!!んあっ!!もうっ!!ムリムリムリムリムリィィィィィィ!!!) そして、その快感は完全に私のキャパシティーをオーバーし、私は頂点へと辿り着いた。 (んあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!) 着ぐるみの中、人知れず、私は体を大きくビクンと跳ね上げさせ、絶頂を迎えてしまったのだった。 絶頂を迎えたのを悟ったのか、神楽の手が止まった。 (…ぁ…ん…ぁ…ぁ…) 膝に力が入らなくなり、崩れ落ちそうになる。 しかし、ヤクローの足の中に、一緒に入っている神楽の足が踏ん張る事で、私が崩れ落ちる事はなかった。 外目には、何も変わっていない。 そこでグリーティングしているヤクローは、変わらず、そこに存在している。 強いて言うなら、先程とは違い、腕がダランとして動きを見せなくなったくらい。 周りのお客さんは、変わらず紗良に誘導されながら、撮影などをしている。 誰も…思うまい…。 目の前のキャラクターの中に、女の子が二人も入っていて、更にはそのうちの一人が、そこで絶頂を迎えているなどと…。 (…ぁ…わ…わたし…ぁ…ぅ…) 絶頂を迎え、暫く経った頃だった。 再び神楽の手が活動を再開した。 (んあっ!!…だ…だめ…まだ…戻って…きて…ないぃぃぃぃぃ!!) 今度は全身を舐め回すかのように神楽の手が、私の体を這いまわっていく。 絶頂を迎え敏感になった体。 そこに与えられる全身タイツに包まれた体を擦る感触。 ただ撫でられているだけだというのに、私の体は恐ろしく敏感に反応し、軽く絶頂を迎えてしまう程の快感。 (んあぁぁぁぁぁ!!もうムリィィィィィィ!!!) そして、その後、私は着ぐるみの中で、何度も神楽に絶頂を迎えさせられた。 途中から記憶が定かではない…。 何も考える事が出来ず、ただひたすらに感じ続けていただけ…。 止まっていたのか…??歩いていたのか…??座っていたのか…?? 何も覚えていない…。 気が付いた時には、もう、着替えをする部屋へと辿り着いていた。 【ジーーーーー】 背中のファスナーが開けられた。 「ぷはぁぁぁぁっ!!あっつ!!」 着ぐるみの中から、神楽が抜け出て行った。 「ほい、飲み物」 「ありがと」 紗良が神楽に飲み物を渡した。 「んで、愛里のほうは…っと…」 もう動く気力も残っていない私は、未だ着ぐるみから抜け出せずにいる。 すると、神楽と紗良が、私の体を引っ張り、着ぐるみの中から引きずり出してくれた。 【ベチャ】 全身が汗でグシャグシャに濡れたタイツのまま、私は床に寝そべった。 (ぁ…ぁ…ここ…私…着ぐるみ…脱いでる…) 私は力なく、その場に横たわっていた。 着ぐるみの壮絶な暑さ。 そして、与え続けられた快感。 何度も絶頂を迎えた私は、もう既に満身創痍。 そこに横たわるしか出来なかった。 「面白かったね~~愛里!」 まだ体力に余裕がありそうな雰囲気で神楽がそう言った。 しかし、今の私の状態では、その言葉に返事をする余力は無かった。 「何、二人で楽しんでるのよ!!」 そんな愛里に突っ込む紗良。 「まあまあ…やってみれば分かるって…紗良」 (…やってみる…?) 「じゃあ愛里、次の出番まで時間があるから、ゆっくり休んで、体力を回復してね」 神楽は横たわる私にそう声を掛けた。 「紗良、次は紗良の番だからね」 「オッケー!!任せて!!」 (…紗良の番…?) 「じゃあ、全身タイツに着替えておくね!!」 紗良が嬉しそうにそう言った。 (…全身タイツ…?) すると、神楽が私の頭のほうに顔を近づけて囁いた。 「今度は、紗良が一緒に着ぐるみに入ってくれるってさ♪」 (さ…紗良が…一緒に…) そう言い残した神楽は、立ち上がると、自らの全身タイツのファスナーに手をかけ、それを脱ぎ始めたのだった。 (は…入るのは…私と…紗良…) 神楽は全身タイツを脱ぎ、紗良が全身タイツの準備に入っている。 つまり、今度は神楽の代わりに、紗良が入ってくるという事。 あの恐ろしい責めは終わらない…。 再び私に訪れるという事なのだ…。 (も…も…もう…もうむりいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!) そして、休息して体力を回復させた私は、紗良と共にヤクローの中に入って行くのだった。 ヤクローの本体として私。 その後ろから侵入してくるのが紗良。 もう無理だと思うなら、何故、先にヤクローの着ぐるみに入り、本体になるのかって?? それは、私が全身タイツに魅了されているから…。 そして、私は責められる側の人間だから…。 こうして、私たちの全身タイツ仲間が増えたのだった。 -----------------------END--------------------------
ももぴ
2024-07-07 05:53:33 +0000 UTCももぴ
2024-07-07 05:49:46 +0000 UTCkrrn
2024-07-05 23:11:28 +0000 UTClittle
2024-07-05 21:54:15 +0000 UTC