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ある【ひとこま】 ~実はあなたのそばに~ Main Story

これはある【ひとコマ】。 そんな事があるかもしれない…いや…あったかもしれない…。 そんなキャラクタショーのあるひとコマ。 ・・・ ここは、アニメの魔法少女もののキャラクターショー【カラーハートプリンセス】の現場である。 そして、私こと、【咲野 茉優(さきの まゆ)】は、スーツアクターとして、【プリンセスマゼンタ】の中身をやっている。 今日の現場は、真夏の炎天下のプールサイド。 周りを見れば、お客さんは皆、水着でプールに入っている。 それに比べて、私たちアクターは着ぐるみに身を包み、演技やアクション、そしてダンスをしているのだ。 水着一枚のお客さんに対して、私たちは、肌タイツに全身を包まれ、その上に通気性の悪い衣装、頭にはマスクを被り、呼吸を籠らせている。 とても、同じ人間が置かれた状況とは思えない差だ。 しかし、私たちはスーツアクター。 たとえどんな状況であっても、子供たちの前では、しっかりとしたキャラクターであり続けなければならない。 そして、その子供たちの笑顔があれば、頑張れるというのも事実だ。 とはいうものの、頑張りや、根性だけではどうしようもない所もある。 どれだけ、意志を持ってステージに立っていたとしても、襲い来る暑さは、私たちの意識を削り取っていく。 炎天下のプールサイドのステージだというのに、屋根も付けられていない。 真夏の日差しが、ステージ表面を恐ろしい温度へと上げていく。 そして、同じくして、私たちを照らすその日差しは、直接、私たちを熱し続ける。 着ぐるみに身を包まれた私たちは、恐ろしい程の暑さに包まれ、ショーの終わりには、意識が朦朧とし始めていた。 ショー本編が終わり、その後のダンスもなんとか乗り切った。 後は握手会だけという所だが、足元がフラフラとし始めていた。 (うぅ…暑い…きついよ…でも…もうちょっと…) そう思いながら、他のプリンセスに目を向ける。 すると、青モチーフの【プリンセスシアン】も少しふらつき始めていた。 (あ…【佐那(さな)】も…結構きてるな…) 佐那はプリンセスシアンの中身の子。 結構タフなイメージがあるが、やはりこの状況は堪えているらしい。 シアンは衣装がセパレートになっていて、お腹出しスタイルの衣装。 そのお腹部分の肌タイツが、汗で完全に色が変わっていた。 (【梓乃(しの)】は…?大丈夫??) もう一人のプリンセスである、【プリンセスイエール】に目を向ける。 すると、プリンセスイエールはかなり大きく肩を上下させ、息を乱しているようだった。 (梓乃も…かなり…きつそうだな…) お互い、かなりの体温上昇に苛まれ、限界を迎えている様子ではあったが、なんとか踏ん張り、無事、握手会を終わらせていくのだった。 「ばいば~~~い!!」 司会のお姉さんの挨拶と共に、私たちは、お客さんに手を振り、最後の力をふり絞り、控えのテントへと走り込んでいった。 【バサッ!】 テントの横幕をかきあげ、中の方まで入って行く。 【ガクッ】 完全にお客さんから見えない所まで入り込んだ瞬間、プリンセスイエールの梓乃が、膝を付いた。 「梓乃!大丈夫か??早くプリンセスたちのマスクを取ってやって!!」 悪役のアクターの人達が、慌ただしく、テントの中に帰ってきたプリンセス達に群がる。 (はぁ…はぁ…はぁ…私も…もう…限界…) 体全体が恐ろしい程の高温になっているのが分かる。 あまりの暑さに、意識が朦朧とし、目の焦点が合わない。 「茉優!マスクの紐ほどくから、マスクを支えてくれ!!」 「…はい…」 私はそのアクターの呼びかけに、か細く答えて、自らが被っているマスクを押さえる。 あまりの虚脱感に、マスクまで腕を上げるだけでも、きつく感じる。 すると、悪役のアクターの先輩が、マスクを固定している紐をほどいてくれた。 あまりの汗の量で、紐がビショビショになってしまい、結び目が固くなってしまっている。 なので、ほどくのにも、そこそこの時間がかかる。 「よし、ほどけたぞ!!」 「…ありがとう…ございます…」 そして、私はマスクを押さえていた手に力を込め、自らの頭からそのマスクを外した。 【スポッ】 「ぷはぁ~~~~~」 久しぶりの新鮮な空気…と言っても、プールサイドに建てられたテント内の空気は、新鮮と呼べる程のものでもないが…。 しかし、狭いマスク内に籠っていた空気よりは、だいぶいい。 それよりも、マスクを外したことで、マスクにより熱せられた頭から、熱が逃げていく。 このマスクが想像以上に頭を暑くする。 それ故、マスクを外すだけで、かなり楽になる。 (はぁ…はぁ…はぁ…だいぶ…いい…助かった…) 「茉優、あと背中のファスナーだけ開けとくぞ」 「お願いします」 【ジーーーーーーー】 そう言って、アクターの先輩が、ワンピースの衣装の背中のファスナーだけ開けてくれた。 (あぁ…楽になった…) 背中からムワッとした熱気が逃げていくのが分かる。 このワンピースの衣装もまた、かなりの熱気を閉じ込めるのだ。 「後はいいか??」 「あっ…後は大丈夫です…自分たちで出来ますので…」 周りを見渡すと、佐那と梓乃も、マスクを外して椅子に座ろうとしていた。 二人の顔、肌タイツの頭部が丸く繰り抜かれ、そこから露出している顔は、茹でダコのように真っ赤に染まっていた。 恐らく、自分では見えないが、この顔の火照り具合から、私の顔も真っ赤に染まっているだろう。 【ドサッ…】 そして、私は衣装を着たまま、とりあえず椅子に腰かけた。 暑さで体が参ってしまい、衣装を脱ぐことよりも、とにかく立っていたくなかったのだ。 すると、同じくして、佐那と梓乃も椅子に腰を降ろした。 「おつかれ~~。佐那、梓乃、大丈夫??」 「ふ~~~~なんとかね…。でも、もう立ってるのがきつい…」 私の質問に佐那がそう答えた。 「だよね~。私もムリだと思って直ぐに座っちゃったし…。梓乃は??」 「ふぅ…ふぅ…もうちょっと…長かったら…ダメだったかも…」 やはり、佐那よりも梓乃のほうが、体力的にはやられているようだ。 「とにかく、最後までもってよかった…よかった」 そして、お互いの安否を確認した私たちは、椅子に座ったまま会話を続けた。 「にしても、この暑さはやばいね…。過去一番の暑さかもしれないよ」 私がそう言うと、佐那がそれに続いた。 「確かにね…。ここまで肌タイツが全身グショグショになったの初めてだし。ほら…私のお腹の所も完全に色変わっちゃってるし」 「ほ…ほんとだ…っていうより、私もそうだけど、茉優も佐那も、手袋まで濡れちゃってるよね?」 梓乃が自らの手を見ながらそう言った。 「うぅ…た…確かに…。ここまで濡れた手袋で、子供たちと握手するの、少し申し訳なさがあるね…」 私も自分の手袋を見ながら、そう答えた。 「分かる分かる、でも、これはどうしようもないよ。この暑さじゃ…」 確かに佐那の言う通りだ。 この尋常じゃない暑さの中、着ぐるみを着て、演技、アクション、ダンスとこなしたのだから、噴き出る汗を止める事は出来ない。 そんな会話をしながら、ひと段落、体を落ち着かせた私たちは、お互い衣装を脱がせ合い、肌タイツの下に着ているインナー姿へとなった。 衣装を脱ぐタイミングでは、男性のアクターたちは外に出ていて、基本入って来ないようにしてくれているので、この姿でいても問題は無い。 そして、完全に汗でグショグショに濡れてしまった肌タイツは、一度、水洗いしてしまい干しておく。 普段の現場で、洗うなんてことはしないが、ここまで濡れてしまっていては、洗っても変わらない。 更に言えば、こんな灼熱のテント内なら、干しておけば、すぐに乾いてしまうだろう。 衣装のほうも、しっかりとハンガーにかけ干しておく。 そんな作業を済ませ、ようやくひと段落。 「ふ~~~それにしても暑いね…」 「そーだね。じゃ…【あっち】、行っちゃう??」 「うん、そうしよ」 そうして、着ぐるみの下に着ていたインナーを脱ぎ去り、私たちは【水着】に着替えたのだった。 佐那の言った【あっち】というのが、この現場の特徴でもある。 この現場は、プールサイドのショーの現場。 そして、私たちが控えに使っているこのテントは、管理棟に直結でつながっているため、テントから、お客さんの目に触れず、管理棟に入っていくことが出来るのだ。 テントから管理棟へ、そして、その管理棟から出れば、待ち受けているもの…。 そう、それはプールなのだ。 テントから出ていけば、着ぐるみの中身の人だとばれるかもしれないが、管理棟からさらっと出ていけば、誰も何も思わないだろう。 そして、この現場では、クライアントから、私たちショー関係者がプールに入ることが許可されているのだ。 そして、これは、プリンセスの中身をやっていた、私たちの特権でもある。 何故なら、非常に申し訳ないのだが、悪役のアクターたちは、ショーの後の握手会等でスタッフにまわっているため、その際に、スタッフとして、お客さんに顔が割れてしまっているのだ。 顔が割れているスタッフがプールに入れば『さっきのプリンセスショーのスタッフの人だ』なんて言われ兼ねない。 プリンセスの中身のため、顔が割れていない私たちだけは、他のお客さんと同じようにプールに入ることが出来る。 ごく一般のお客のように…。 そして、私たちは管理棟を通り抜け、プールサイドへと出て行った。 既に汗でビショビショの髪。 しかし、ここはプールなのだ。 髪の毛が濡れている女の子がそこにいても、なんの違和感もない。 私たち三人は、何食わぬ顔をしながら、お客さん達が楽しむプールへと入った。 【ザブン】 「あ~~気持ちいい~~~」 プールの水の冷たさに、思わず感嘆の声が漏れてしまう。 「ふ~~~~最高~~~~」 佐那も水に肩までつかり、満面の笑みを浮かべている。 「生き返る感じがするね~~」 梓乃も蕩けた表情を浮かべながら、水に浸かっている。 体の隅々から汗が吹き出し、ビショビショになっていたので、本当に気持ちがいい。 そんな汗だくの状態でプールに入るのだから、他のお客さんには少し申し訳ない気もするが、そこはご勘弁。 他に、ここまで汗を掻いている人は、このプールにはいないのだから。 私たちは、他のお客さんの邪魔にならないよう、プールの隅っこのほうで、ゆっくりと水に浸かっていた。 「ところで佐那のその水着、大胆過ぎない??」 「そう??」 「露出多すぎというか…思いっきりお腹曝け出しちゃってるし…」 「何を今更…。さっきまでだってお腹、晒してたし、一緒じゃない??」 確かに佐那のキャラであるプリンセスシアンはお腹出しの衣装である。 「って…それは違うでしょ…生とそうじゃないのは…やっぱさ…」 「あんまり変わらないと思うけど」 この辺りの佐那のサバサバ感が佐那らしいという気もする。 それに比べて、私は、どちらかというと、自らのボディーラインを晒すのは、少し恥ずかしい。 実際に、この作品のプリンセスマゼンタの衣装も、シアン程ではないが、自らのボディーラインがはっきりと出るため、恥ずかしさを感じている。 決して、私自身のスタイルが悪いとは思っていないが、基本、自信を持たない方だし、人目にアピール出来るようなものでもない。 そんなくだらない会話をしていると、女の子を連れた家族が、私たちの傍までやってきた。 「私、プリンセスイエールが好き!!」 女の子の声が、私たちの耳に入ってきた。 (おっ!?プリンセス好きの女の子か…) ついつい、私たちはそんな会話に黙りこくってしまう。 「芽衣ちゃんは、プリンセスイエールが大好きだものね」 「うん、だ~~い好き!!」 「さっきのショーも、イエール、可愛かったね」 「私もプリンセスイエールみたいになりたい!!」 (可愛い…) どうやら、先ほどの1回目のステージを見た女の子のようだ。 プリンセスイエールが話題になっているので、ちらっと梓乃の方に目を向けると、梓乃は恥ずかしそうに、俯いていた。 まさか、この女の子が見ていたプリンセスイーエルの中身が、目の前のプールで水に浸かっているとは、誰も思わないだろう。 そうこうしているうちに、その家族は私たちの傍から離れていった。 「ほらほら、梓乃!!よかったじゃん!!めっちゃ褒められてたよ!!」 「そ…そんな…事…」 私はプールの水面の下、誰にも見られていない所で、梓乃を茶化しながら、指でツンツンしてやった。 先ほどショーを見ていた子供たちは、このプールを楽しみに来ているのだから、こうやって私たちもプールに入っていれば、こういう遭遇もあるに決まっている。 しかし、何がどうあったとしても、私たちがプリンセスの中身だとバレる訳にはいかないので、そこには注力している。 私たちは、単なるプールに遊びに来た、三人組の女の子達。 そう装わなければならない。 まあ…普通に考えれば、そう見えているだろうから、お客さんの誰も、ここにいるのがプリンセスの中身の三人だとは思わないだろう。 そうやって、プールに浸かり続けていると、ショーの感想を口にする子供たちと何人か遭遇した。 皆、キラキラとした目をした子供たち、なんとも会話が可愛らしく、つい聞き入ってしまった。 そして、私たちの近くに、浮き輪に乗った、男子三人が近づいて来た。 年頃にして、高校生か大学生くらいの男子三人組。 私たちは、何食わぬ顔をして、プールに浸かっていた。 すると、男子達の会話が、私たちの耳に届いて来た。 「さっきのキャラクターショー凄かったよな」 「そうだな、あれ着ぐるみ着た女の子がやってるんだよな?」 「こんなくそ暑いプールサイドで、よくやれるよな」 とても、カラーハートプリンセスのアニメを見ているような世代ではない男子。 純粋に大人目線で、先ほどのショーを見ていたらしい。 (う…その中身の三人が、ここにいるんだけどね…) 子供の目線ではない、その発言に、私たちは少し固まってしまう。 「あの青いキャラの子、かなりスタイルよくね??」 「ああ、へそ出しのキャラでしょ。確かにかなりスタイル良かった」 佐那の事だ。 佐那もさすがに、その会話を聞いて、少し恥ずかしそうに俯いていた。 自分の口ではああは言っていたが、やはり、他人から言葉にされると、恥ずかしいらしい。 「あっ…でも俺は、ピンク色のキャラのほうが、スタイル好みかな??」 「え??まじ??」 「身長とか、全体の雰囲気で」 (わ…私の事だ!!) 私の話題に触れられて、恥ずかしくなってしまう。 「へそ出しじゃないけど、結構セクシーな衣装じゃん。それで見えるスタイルのよさ…俺、ああいうの好き」 「そうなのか?」 (いやぁぁ…あまり触れないで…恥ずかしいから…) 男子たちの会話にプールに浸かっているのにも関わらず、顔を真っ赤にしてしまう。 「まあ、それでもさ。衣装の作りとかもそうだけど、ああいうのの中身やる子って、恥ずかしくないのかね??」 「ん??どういう事??」 (ん??恥ずかしいって、どの辺が…) つい、男子たちの会話の内容に集中してしまう。 「だってさ、全身タイツに覆われてるけどさ、パンツとか丸見えな訳じゃん」 「あれはパンツじゃないだろ」 (な!?そ…そこを言う!!) 男子たちにそういう目線で見られているかと思うと、恥ずかしさが更に込み上げてくる。 「一緒だろ。実際、お尻とか前とか、ほとんど曝け出して、ショーやってる訳でしょ」 「そ…そうか…確かに」 「そこ曝け出しながら、ステージに上がって、お客さんに注目されてるんだから」 (は…はっきり…それを言葉にしないでよぉ…) それに関しては、少しは思っていたが、キャラクターに成りきることで、気にしていなかった部分。 「お客は子供ばっかじゃ無くて、その親もいるんだから。お尻とか、絶対みてる親父いるぜ」 「確かにな…。俺だったら見るな…」 「実際、尻好きの俺としては、ピンクの子のお尻、かなり好きな尻だったし」 (!?) その言葉を聞いて、水の中で、私は咄嗟に自分のお尻を両手で隠してしまった。 (やだ…は…恥ずかしいよ…) 褒められているのか恥辱されているのか、よく分からず、頭の中がワタワタしてしまう。 この男子三人も、まさかすぐ傍にその話題のプリンセスの中身がいるとは思っていないだろう。 こちら側だけが、その事実を知っていて、意識してしまうのはこちらだけ。 私たちは三人とも、首下までしっかりとプールに身を沈めながら固まってしまう。 「案外、みんな露出好きなのかもしれないぜ」 「そうだな、実際、どう考えても、普通は恥ずかしい訳だし。それが出来るってことは、露出好きなのかもな」 (ちがう!!ちがう!!全然、露出好きなんかじゃない!!) 私は、心の中で、三人の男子に突っ込みを入れてしまった。 「まあ、パンツ??スパッツ??あれだけ履いて、お尻を見せているんだから、好きなんだぜ、きっと」 「ははっ…違いない」 (そ…そんな事ないよ!!) 心の中では突っ込みを入れるものの、体は恥ずかしさのあまり、水の下…何なら口元まで、三人とも水に浸かりこんでいた。 そうして、そんな会話をしていた男子三人は、泳ぎながら、どこかへ行ってしまった。 (ふぅぅぅ…) 先ほどの男子の会話が頭に残り、つい自らのお尻をそっと撫でてしまう。 「な…なんか…恥ずかしいね…」 三人の沈黙を破るように、佐那が言った。 「うん…あんまり考えたことなかったけど、異性からは、そう見えたりもしてるんだ…」 恥ずかしそうに、梓乃が言った。 「ああやって言葉にされると、なんか意識しちゃうね…」 「そうね」 「うん」 年頃の男子がそう見るのも、当然の事かもしれない。 しかし、今まで、子供たち感想は感じてきたものの、異性的な話に触れる事はなかった。 なので、そうまじまじと考えた事もなかったが、そう言われればそうとも言える。 彼らに、悪気があった訳じゃない。 男子の感想を口にしただけ…。 そして、たまたま、そこに対象である中身の女の子がいた。 そんな偶然、そうあるものじゃない。 偶然のたまものだったのだ。 そして、私たちは再び、ステージ袖のテントへと戻って行った。 二回目のステージが近くなり、ドレッシングをする。 肌タイツを着て、その後に、スパッツを履いた。 (ぅ…) 私の視線が、佐那の青色の光沢を帯びたスパッツに包まれたお尻に向く。 もちろん同じように、私のお尻も、ピンク色のスパッツに包まれている。 (そうだよね…このお尻が…見られちゃってるんだ…) ふと視線を横に向けると、黄色のスパッツに包まれたお尻の梓乃が、少しモジモジとしてた。 「な…なんか…いつもと違って…少し恥ずかしいね…」 「う…うん…」 妙な意識が私たちを包んでいた。 しかし、衣装は一回目のステージと変わることは無い。 ショーの内容も変わることは無い。 同じように、ステージでショーが繰り広げられるのだ。 その日、ちょっとだけ変わっていたのは、そんなお尻を少し気にしてしまっている、プリンセスの中身がいた事だけ。 しかし、それを知るのは、私たち三人だけ。 関係者も知らない、ちょっとした変化だった。 (ちょ…ちょっとだけ…恥ずかしい…かな…) あなたが知らないだけ…。 もしかしたら、ヒーローやヒロインの中身は、気が付かないだけで、あなたの傍にいるのかもしれない。 隣に座っている女の子が、もしかしたら、プリンセスの中身なのかもしれない…。 そう…誰も知らないから…。 彼女達の素顔を…。 -------------------------END------------------------------------------

ある【ひとこま】 ~実はあなたのそばに~ Main Story

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