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知られてはいけない恋 After Story 【後編】

※本作品は、『知られてはいけない恋 After Story』の後編となります。前編からの続きとなりますので、先に前編の方を読んで頂けると幸いです。 ・・・ 時々、マウスピースから伸びるチューブの部分から水分補給がされ、その間はスポットクーラーで体を冷やしてくれる。 その瞬間は、少し生き返る感じがした。 そして、着ぐるみに身を包まれた私には時間を知る術はないが、かなりの時間が経ったと思われた時だった。 「さて、午前中は、このあたりにして、一回、休憩を挟もうか」 秋元さんがスタッフの全員に向かって言った。 「はい、分かりました」 「じゃあ、新キャラも一回、脱いで休憩させるか…」 (や…やった…休憩できる…) 時々、スポットクーラーで冷やされているとはいえ、それは一瞬の事。 既に着ぐるみ内はかなりの温度になっていて、体中、汗だくだ。 更には、体に力が入り、息も上がっているため、何もしていないのに結構きつい。 正直、暑さで少し頭がボーっとしているくらいだ。 一回脱いで、休憩が出来るのは、非常にありがたい。 すると、造形スタッフが神妙な顔をして言った。 「あ…あの…秋元さん…」 「なんだ??」 「新キャラの背中のファスナー隠しですが…剥がすのにも時間が掛かるのですが、一度剥がすと、もう一度付けるのには、かなりの時間が掛かります。剥がすと、午後の調整が出来なくなる可能性があります」 「そ…そうか…」 (え!?) 造形スタッフの言葉に耳を疑った。 「あの…いいですか??」 それに続く様に、設備スタッフが口を挟んだ。 「どうした?」 「あの、新キャラの調整ですが、午後も、このスタート位置をゼロ点として調整しないとズレが出てきます。なので、今、新キャラが吊られている位置を変えると、午後の調整のスタートにかなりの時間が掛かります」 「じゃあ、どうした方がいい??」 「アクターさんには悪いですが、出来れば、このまま位置で午後を迎えて欲しいです」 (ななな…な…何言ってるの!?) 設備スタッフのとんでもない言葉に、私は驚愕する。 私は休憩も取らず、午後の調整まで、このまま吊られていろと言っているのだ。 「そうか…」 すると、翔さんが秋元さんに声を掛けた。 「さ…さすがに、午前中もずっと着ぐるみを着っぱなしですし、中身の彼女もかなりきついんじゃないですか?」 (しょ…翔さん!!やっぱり…優しい…) スタッフ達の無茶な会話に、着ぐるみの中身の事を気遣う翔さんの優しさが光る。 「ま…まあ…フラムはいつもの事ですから大丈夫ですけど…」 そう言いながら、美杉さんが中身のフラムに視線を向ける翔さん。 すると、フラムはウンウンという仕草をする。 実際には、いつも長時間フラムを着続けているのは私なのだが…。 「そうだな…。それじゃ、中身に確認を取ってみるか…」 そう言って秋元さんは、私の方へを向きを変えた。 「このまま、午後の調整まで、ぶっ通しでいけそう??」 (そ…そんなの…無理…。一回脱がさせて…暑いし…苦しいし…このままじゃ…) 秋元さんの質問に、私は【ノー】の意思表示をすべく、思い切りマウスピースを噛み込んだ。 (お願い…一回…脱がせて…) そして、私が意思表示をした様子を見て、秋元さんが言った。 「そうか…さすが慣れているだけあるな…。その意気込みは買わないとな」 (え!?) すると、私の様子を秋元さんと一緒に見ていた翔さんが言った。 「ま…まあ…本人が大丈夫というなら良いですけど…」 (え!?) 私は秋元さんの、ぶっ通しで行けるか?という質問に【ノー】の意思表示をした。 しかし、会話の流れがどうもおかしい。 「本当に大丈夫なんだろうな??」 そして、再度、私に質問を投げかける秋元さん。 (え!?む…無理ですって…一回、脱がせて…。暑さも…苦しさも…無理です!!) そう思って、私はまた強くマウスピースを噛み込んだ。 すると、私を見つめる秋元さんが言った。 「まあ…本人が良いというなら良いだろう」 「そ…そうですね…。そこは中身の本人しか分からないし、本人の意志がそこまでなら…」 秋元さんに続き、翔さんもそう言った。 どうも、様子がおかしい。 私は二回とも【ノー】の意思表示をしたのに、二人とも完全に逆の事を言っている。 (え…え…わ…私…【ノー】…って…。出して…ってしたはず…) しかし二人が何か悪巧みをしている気配は無い。 なんなら、翔さんは、そんな事をするような人間ではないし、会話の最中の表情を見ても演技をしているような気配も無い。 「よし、じゃあ、新キャラはこのままで、皆は一旦、休憩に入ってくれ」 (え…え…ええぇぇぇぇぇぇ!!!) この時点では分からなかったが、私は暑さにやられ、だいぶ消耗していたようで、思い切り噛み込んつもりだったのが、それ程噛み込めておらず、前足は二回とも、ゆっくりと動いたのだった。 そして、秋元さん、スタッフ、そして美杉さんのフラムも、アトラクションから離れ、休憩に入って行った。 翔さんも、吊り下がった私に、心配そうな視線を送りながらも、休憩に入って行った。 アトラクション内に、吊られたまま放置された私。 (うぅ…なんで…私だけ…) 人が居なくなった静けさが私を包み込む。 体を動かそうにも、結局、棒のように私を包み込む着ぐるみと、三点で吊り上げるワイヤーによって、私が出来る事はほとんどない。 皆が休憩に行く前に、スポットクーラーを私に当ててくれていったので、体の温度は幾分か落ち着きを見せてきた。 体の方はだいぶ楽になってきているものの、一人だけ放置された事への切なさと哀愁が私を包み込む。 普段だったら、美杉さんの着ているフラムの位置。 皆と一緒に休憩に入り、一度、着ぐるみを脱ぐ事が出来ていたはず…。 しかし、私は休憩に入る事も許されず、こうして、着ぐるみに包まれたまま、吊り下げられている。 (うぅ…なんで…酷い…酷いよぉ…) そうして、何もする事も出来ずに、孤独の時間が続いて行った。 これだけ、人気のない静けさに包まれ、ただ待っているだけという状況は、恐ろしく時間が長く感じる。 実際に、どれだけ時間が経ったかも分からない。 私はひたすら、皆が帰るのを待ち続けるしかないのだった。 そして、まだ皆が帰ってこない静けさに包まれた時間の中だった。 (うぅ…やばい…お…おしっこ…したくなってきた…) 突然の尿意が押し寄せて来たのだった。 (…え…お…おしっこ…私…どうすればいいの…??着ぐるみを脱がずに午後を迎えなきゃいけないって…言ってた…) 単純に考えて、この衣装の造りから、一旦、衣装を脱がなければ、排尿が出来るはずもない。 しかし、先程、造形スタッフが言った通り、ファスナーが開かれる事は無い。 という事は、私がトイレに行くことは出来ないという事…。 つまり、おしっこをするという事は、着ぐるみの中で【おもらし】をするしかないのだ。 幸か不幸か、秋元さんが言っていた通りなら、着ぐるみの素材は、水も空気も通さない素材。 私の汗はおろか、おしっこすらも外には出さないという事。 (うぅ…ダメだ…一気にしたくなってきた…) 気が付かなければ流せる事もあるのだが、気が付いてしまうと、その存在は一気に大きくなるものだ。 気が付いてしまった尿意は、どんどんと高まって行く。 着ぐるみから出してもらう事は出来ない。 つまり、排尿をするという事は、着ぐるみの中に出すしかない。 しかし、やはり【漏らす】というのは抵抗がある。 この年になって、お漏らしはしたくない。 私は、そのまま尿意が去ってくれる事を願って、必死に我慢した。 (ぅ…おしっこ…出ちゃう…よぉ…忘れなきゃ…忘れなきゃ…忘れなきゃ…) 自らに暗示を掛ける様に、出来る限り、おしっこの事を考えないようにした。 しかし、そう簡単に尿意が収まるはずもない。 (やだぁぁ…もう…限界だよぉ…でちゃう…でちゃう…でちゃう…) 少ししか動かせないお尻をモジモジとくねらせて、必死におしっこが出ないように踏ん張る。 すると、その時だった。 「よし、午後の部をはじめるとするか」 秋元さんの声が、遠くから聞こえて来た。 (うぅ…おしっこ…でちゃうよぉ…) おしっこを漏らさないように、必死に耐え続ける私。 しかし、尿意はどんどんと高まりを見せ、私の膀胱は限界を迎えようとしていた。 「お待たせ」 秋元さんとスタッフの人達、再びフラムに身を包んだ三杉さん、そして翔さんが私の傍までやって来た。 「アクターの方、大丈夫ですかね?」 翔さんが私の方に視線を向けながら言った。 「ん…??どうした??なにか…体がくねってないか??」 (え!?…うそ…見抜かれた…) おしっこを我慢しているのを見抜かれないように、必死にお尻の動きを抑えていたのだが、秋元さんは、その抑えた動きすらも見抜いた。 「大丈夫か??暑いのか?スポットクーラーも当てていたのだが…」 (ち…ちが…うぅ…そうじゃない…んです…うぅ…もう…げ…限界…) 私の少し雰囲気の違う様子に、皆の注目を集める。 秋元さんはおろか、スタッフの皆、そして、翔さんまで私に視線を集める。 (うぅ…そんな…みんな…見つめないで…もう…もう…おしっこが…) こんな皆に見つめられる中、【お漏らし】する訳にはいかない。 しかし、膀胱は限界を迎え、もう決壊寸前のところまで来ている。 私は、皆の注目が私から逸れるのを願い、必死に我慢するしかないのだ。 「どれどれ、そんなに暑かったかな??」 もう、ちょっとの刺激で決壊してしまいそうな所に、それは訪れた。 (ひゃぅぅぅぅ!!!) 私の体の暑さを確かめるべく、秋元さんの手が、私のお尻を突然、擦ったのだった。 そして、その刺激は、決壊の引き金となってしまった。 (あぁっ!!) 【チョロチョロチョロ…】 私の中からおしっこが流れ出し始めた。 必死に止めようと、体をギュッと強張らせた。 (いやぁぁ!!おしっこ!!出ちゃう!!出ちゃう!!いやぁぁぁぁぁ!!!) 【ジャァァァーーーーー】 一度、出始めてしまうと、もうどうにも止める事は出来なかった。 私は、秋元さんやスタッフ、そして、翔さんが見つめる中、その目の前で、お漏らしをしてしまったのだ。 (いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!出ちゃった!!おしっこ!!でちゃったよぉぉぉぉ!!) 全く水を通さない素材の着ぐるみ。 つまり、私の尿が外へ漏れ出ることは無い。 今、すぐ目の前で私が排尿している事に、誰も気が付いていないだろう。 しかし、事実として、私は皆が見つめる中、おしっこをしてしまっているのだ。 (あぁぁぁぁぁ…私…私…み…みんなの前で…お…おしっこ…しちゃ…た…よぉ…) 誰にも気が付かれていないというものの、恐ろしい程の羞恥心が襲い掛かる。 ただでさえ【お漏らし】をしてしまったというのに、更には、この至近距離で、皆に見つめながらの排尿。 羞恥心と共に、やってはいけないことをしてしまったという背徳感も合わさる。 「なにか、今、体がビクッと反応しませんでした??」 そんな様子を見ていた翔さんがそう言った。 (い…いやぁぁ…翔さんが…翔さんが…見てる…前で…) 彼氏とはいえ、さすがに放尿を見られたことは無い。 翔さんは、着ぐるみの中身が私だとは気が付いていない、しかも、おしっこを漏らした事も気が付いてはいない。 しかし、私はその様をここに晒してしまっているのだ。 「うん…それ程、暑くはないか…。どうだ??何か問題はなさそうだな??」 (も…問題…う…うぅ…) その秋元さんの質問に、本能的にマウスピースを噛み締めてしまった。 すると、着ぐるみの前足がゆっくりと動く。 「問題なしか。じゃあ、午後の調整を始めようか」 そして、私は皆の前で放尿をしたという事実を抱えたまま、午後の調整に移っていくのだった。 午後の調整がある程度進んだところだった。 着ぐるみ内の温度は、恐ろしく上がり、体中を包み込む暑さで、私の意識は少し朦朧とし始めていた。 そして、全く水も空気も通さない着ぐるみは、内部に全てを溜め込み続ける。 私の体中から噴き出た大量の汗、そして、垂れ流してしまったおしっこ、それらが入り混じったものが、着ぐるみ内に大量に溜まっていた。 秋元さんが、ふと口にした。 「この新キャラに、フラムが【乗る】事は出来ないかな??」 (の…乗る!?) 「え?フラムが乗るんですか?」 設備スタッフが秋元さんの言葉に驚きを現した。 「うん、そう。イメージでいうと、フラムが新キャラに跨って、宙を舞う…的な??」 「ま…跨るですか…ん??そうか…フラムも飛行アーマーを付けて、ワイヤーで引っぱれば…。で…出来るかもしれません!!」 設備スタッフが、秋元さんの無茶な挑戦に対して、名案が浮かんだようで、目を輝かせ始めた。 (フ…フラムが…私に乗る??) そんな事が可能なのかと疑問を抱いてしまう。 しかし、先程、設備スタッフの人がフラムに飛行アーマーを付けてと言った。 つまり、フラムもワイヤーにより吊り上げた状態にするという事。 二人とも吊り上げた状態で、私に乗るというより、合体する的な形なら確かに出来なくもない気がする。 すると、美杉さんの着るフラムに吊り下げようの飛行アーマーが装着された。 設備スタッフが忙しそうに動き回る。 「よし、準備完了です」 設備スタッフが、吊り下げられた私の横に脚立のようなものを設置した。 「それじゃあ、フラムをゆっくりと吊り上げながら、調整しますので、フラムはゆっくり脚立に上り、新キャラの上に跨ってください」 フラムが心配そうな雰囲気を浮かべながら、大きく頷いた。 【ウィィィィン】 フラムに接続されたワイヤーが巻き上げられ、たるみが無くなった。 そして、フラムはゆっくりと脚立を昇り始めた。 それと同時に、フラムのワイヤーが弛まない様に調整される。 実際、この様子は真っ直ぐに吊り下げられた私には見えていない。 (フ…フラムが…ホントに乗るの??) そう疑問を頂いた次の瞬間だった。 【ドサッ】 (んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!) 体全体に大きな力が加わって来たのである。 (あぅぅぅぅ!!つ…潰れる!!潰れちゃうぅぅぅぅぅ!!) 恐らく、私の上にフラムが乗っかったのだろう。 しかし、ワイヤーの調整がまだ出来ていないのか、フラムの体重が、一気に私に伸し掛かってきたのだ。 いや…伸し掛かって来たという表現は少し違うかもしれない。 確かに、背中の上にフラムの存在を感じるのだが、それよりも、体の前面全体から来る圧迫感のほうが、はるかに強い力を感じる。 首から下、膝の付近までの体の前面が潰れてしまうのではないかと思うくらいの圧迫感に包まれる。 恐らく、体圧分散の設計から、私の体重、そして着ぐるみ、それにフラムの体重が加わったものが、私の体の前面に全体的に加わって来たのだ。 (んぐうぅぅぅぅ!!潰れる!!潰れる!!それに!!息が!息が!!出来ないィィィ!!) 体の前面を恐ろしい程の力で圧迫され、胸も圧し潰さそうな程に抑えつけられ、まともに呼吸が出来ない。 (息がっ!!息がっ!!死んじゃぅ!!死んじゃウゥゥ!!) 体が潰れてしまいそうな程の圧迫感、そして、その圧迫からくる呼吸制御が私を襲う。 (んあぁぁぁ!!息が!!苦しい!!体も!!潰れるゥゥゥ!!) そんな危機的状況ではあるのだが、この時点で、私自身が気が付いていない、おかしな点もあった。 この状況下に置かれ、私の陰部は濡れ始めていたのである。 全身を襲う、恐ろしい程の圧迫感、そして、呼吸制御による苦しさ、その二つに、私の体は快感を感じ始めてしまっていたのである。 普段のフラムの飛行アーマーに吊り下げられている時も、その締め付け感に少し快感を感じてしまっていたのも事実。 今回の新キャラも、吊り下げられた時の全身を包み込む、緩い圧迫感も既に私の快感であった。 そこに与えられた、この苦しい程の圧迫感。 それは、私にとってはフラムの飛行アーマーなどよりも、遥かに強い快感となったのだ。 そして、呼吸を制御され、苦しめられる事自体にも、私の体の奥底がゾクゾクと感じてしまう。 とはいえ、体は快感を感じていても、頭は、【苦しい、助けて欲しい】と願うもの。 (んあぁぁぁ!!!苦しいっ!!早く!!早くどかして!!死んじゃウゥゥ!!) 何の心の準備もない、この事態に、私の呼吸は直ぐに限界を迎えてしまう。 (もうっ!!むり!!息が!!もう!限界っ!!いあやぁぁぁぁぁぁぁ!!) フラムを上に乗せたまま、ウネウネとのたうち回る私。 しかし、その様子は、本当に必死な私の姿とは、皆には映らなかった。 「うん、なかなか良い動きだな。フラムも落ちない様に気をつけるんだぞ」 秋元さんが、フラムにそう言った。 「ははっ、秋元さん、フラムもワイヤーで吊っているのだから、新キャラがいかに動いても落ちる事はないですよ」 秋元さんに設備スタッフが突っ込みをいれた。 「そうだな」 (そんなことより!!早く!!息が!!息が!!ムリィィィィィィィィ!!) すると次の瞬間、少しだけ、体前面の圧迫感が弱くなった。 (んあっ!!あっ!!息が!!息が…出来る!!) 体全面の圧迫感は無くなった訳ではなく、充分に私を圧迫しているが、なんとか呼吸が出来る程へと弱まった。 「フラムの調整は、こんなものですかね?」 どうやら、フラムのワイヤーが少し巻き上げられ、私に掛かるフラムの体重が少し減ったようだ。 しかし、私を包み込む圧迫感は、未だ結構な強さで残っている。 「すぅぅぅぅ!!ふぅぅぅぅぅ!!すぅぅぅぅ!!ふぅぅぅぅぅ!!」 何とかできる呼吸を必死に繰り返す。 (苦しい…苦しい…うぅ…体が…圧迫される…苦しい…) 呼吸がギリギリできる所まで、圧迫が弱まった所で、フラムの調整は止められたようだ。 つまり、この圧迫感と、呼吸の苦しさは、このまま続くという事。 (うぅ…苦しい…苦しい…でも…何…この感じ…) 全身圧迫による苦しさは続いているというのに、何か、私の下腹部が疼く。 体の内側から、湧き上がる様な感覚…。 呼吸制御による呼吸の乱れから来る心臓の脈動の速さではない鼓動を感じる。 それは…興奮。 (う…これ…この感じ…だめ…私…こ…興奮…してる…) 全身を襲う圧迫感、それが私にとっては快感だという事を認識する。 フラムの飛行アーマーの締め付けで興奮を覚えている自覚があるが故、それを認識するのに時間は掛からなかった。 呼吸が出来る限界まで圧迫された体。 そして、自らでは避ける事も逃げる事も出来ない状況。 手足の自由は無い上に、吊り下げられて、されるがまま。 この状況と感覚に私は快感を感じてしまっているのだ。 (んあぁ…だめ…この圧迫感…んぅ…いい…) 私の上に跨るフラムが少し体勢を変えると、その度に、違う負荷が私に掛かる。 それすらも、今の私にとっては刺激でしかない。 (ぁあ…美杉さん…動かないで…そんな動かられると…私…私…んうぅっ!!) 「それじゃあ、このまま移動できるか試してみましょうか?」 「そうだな」 設備スタッフがそう言った次の瞬間だった。 【ウィィィィン】 私の体とフラムは、一緒に前に進み始めた。 「おっ…思ったより、調整は楽そうです。このままスイングしてみましょう」 そして、前に進むスピードが段々と早くなり始めた。 (ス…スイング…) 真っ直ぐに進むスピードが早くなり、私達に勢いがついた。 すると、私達は大きく右へと旋回し始めたのだ。 (んあぁぁぁぁ!!!体がっ!!潰れるぅぅぅぅ!!) 大きく旋回する事で、遠心力が掛かり、私を圧し潰す力が上がる。 そして、フラムの方が少し緩めの調整なのか、ただ乗っている時より、フラムが私に与える負荷が上がっている気がする。 一気に体が圧し潰される。 その圧し潰す力が上がるのと比例して、私の快感もどんどんと増して行く。 (ぁあぁぁぁぁ!!潰れるぅぅぅ!!いいぃっ!!これっ!!いいぃぃぃ!!) 続けられる圧迫感、そして、呼吸制御。 酸欠なのか、意識が朦朧とし始める。 そして、朦朧とする意識の中、はっきりとしているのは、全身で感じる快感。 (んあぁぁぁ!!体がっ!!潰れっ…んうぅぅ!!すごぃィィィィ!!) そのままテストは続き、何度もスイングされ、私の快感は最高潮に達していた。 まさか、秋元さんも設備スタッフも、新キャラの中で私が、こんなにも快感を覚えているなど、想像もしないだろう。 それに、そんな事、皆に気が付かれてはいけない…。 皆は新キャラのテストや調整をしているというのに、中身の私は快感に溺れているなど…。 体を圧迫される事に、快感を感じる変態だと…。 暫くして、そのスイングテストは終了した。 (はぁ…はぁ…はぁ…やばい…意識が…持っていかれる…) あまりの快感、そして、それを助長するような圧迫と酸欠が、私の意識を奪いかける。 その快感は、限界に達し、今にも絶頂を迎えてしまいそうな程、高まっていた。 しかし、皆が真剣にテストをしている中、その人たちの目の前で絶頂を迎える訳にはいかない。 私は、快感に自分を持っていかれないよう、必死に冷静さを取り戻そうとする。 (ダメ…落ち着いて…このままじゃ…イっちゃう…) しかし、体に与えらえた圧迫感は未だ変わっていない。 頭の中で考える事とは裏腹に、体は快感を感じ続けているのだ。 (!?) すると、体に掛かっていた負荷がスッと和らいだ。 「お疲れさん、フラム」 設備スタッフがフラムにそう、声を掛けた。 体から離れた負荷、そして、お疲れ様と言われるフラム。 つまり、私の上に跨っていたフラムが、私から降りたという事になる。 (ぅ…な…なんとか…耐えた…) ギリギリ絶頂を迎えずに、事態をやり過ごす事が出来た…と思ったのは束の間だった。 その瞬間、また秋元さんがとんでもない事を言った。 「よし、それじゃ、次は大隅くんを乗せてみようか」 (え!?) 「え!?お…俺ですか??」 「そうだ、大隅くんなら、男性としてはごく標準的な体型だ。フラムだけでなく、男性も乗せて調整できるか、確認しておきたい」 「そ…そういわれると…断れませんね…」 (ちょ…ちょっと…待って…え!?…今から…私の上に…翔さんが…?) 会話の流れに戸惑いを隠せないが、結局の所、自由の無い私には拒否権も何もない。 向こうの流れのままにされるしかないのだ。 「まあ、ハーネスを付けて吊り上げるのだから、女性も男性も変わらないと思うのだが、一応、確認のため」 「は…はい…分かりました」 そして、翔さんはフラムの飛行アーマーとは別の、普通のハーネスを着用し、私の横にある脚立に登った。 「なんか、ワイヤーに吊られていると言っても、緊張しますね」 「そんなに固くならずに。ゆっくりと乗っかって貰えれば、こちらでテンションの調整はしますので」 翔さんと設備スタッフが会話する。 (い…今から…ホントに…翔さんが…上に…私に…乗っかる…) その事実に、胸の鼓動が高まって行く。 それは、期待という意味もあるが、不安のほうが大きい。 先程のフラムの圧迫感ですら、私を絶頂ギリギリまで、追い込んだのだ。 次に私に圧迫感を与えて来るのは、他の誰でもない、私の彼氏なのだ。 先程の、圧迫感を好きな人が私に与える…そう考えるだけで、陰部がキュンとなり、体中が高揚していく。 「それじゃあ、大隅さん、ゆっくり跨ってください」 「はい」 (く…来る…) 私はついにその時が訪れると、体を身構えた。 その次の瞬間だった。 【ドサッ】 (んあぁぁぁぁぁぁ!!!体がっ!!体がっ!!潰れるぅぅぅぅぅぅ!!!) 体前面を襲う圧迫感は、先程のフラムの比では無い。 恐らく、ワイヤーのテンション調整が上手く出来ていないのと、やはり男性の方が体重があるからだろう。 恐ろしい程の圧迫感が私に与えられる。 もちろん、それだけ強い圧迫感は、私の胸部を抑えつけ、完全に呼吸を阻害する。 (あうっ!!息がっ!!息がっ!!全く!!出来ない!!) 私は、完全なる呼吸停止と、恐ろしい程の圧迫感に、体を激しくうねらせる。 苦しさから、体をうねらせているのだが、同時に、私の体と心には驚くほどの快感も生まれ、その快感に対する反応でもある。 「ちょ…ちょっと…新キャラ…かなりうねってますけど…大丈夫ですか??」 私に跨る翔さんがそう言った。 「先程のフラムの時も、そうだったので問題ありませんよ」 スタッフはそう言ったが、先程のフラムの時とは、全く違う。 私を包み込む、苦しさと快感は先程の比では無い。 (苦しい!!息が!!出来ない!!体が!!潰れる!!苦しいぃぃぃぃぃぃ!!) そして、その私を追い込む苦しさを与えているのは、翔さん。 その快感が翔さんにより与えられている。 そう考えると、その快感はより大きなものとなって、私を包み込む。 (苦しい!!んあっ!!でも!!こんなの!!こんなのぉぉぉ!!気持ちよすぎてぇ!耐えられないぃぃぃぃぃ!!) 先程のフラムの時より、ワイヤーの調整までの時間がとても長く感じる。 いや…実際に長いのかもしれない…。 私の頭の中を埋めつくす、恐ろしい程の圧迫感のせいで、私の中の時間概念が全く無くなっている。 私を包み込む圧迫感とその快感をもっと感じていたいと感じる半面、苦しすぎてとても持ちそうにないという状況が、私の頭の中をグチャグチャにする。 私の上に乗っかってるのは翔さん…。 私の体を恐ろしい程に圧迫し、私を苦しめているのも翔さん…。 そう…今私は…翔さんに圧迫され…追い込められているのだ…。 (んああぁぁぁ!!体が!!息が!!んあぁぁぁぁ!!!ダメェェェ!!もうっ!!ムリィィィ!!) 翔さんが乗っかってどのくらい経ったか分からないが、私の呼吸と、快感に呑まれた心は限界を迎えた。 (んぁぁぁぁぁ!!イくぅっ!!イっちゃうぅぅぅぅぅぅ!!んあぁぁぁぁ!!) 「んうぅぅぅぅぅ!!」 私はマウスピースを咥えさせられ、言葉を封じられた口から、ついに呻き声を漏らしてしまった。 そして、その呻き声と共に、体を大きくビクンと反応させ、仰け反らせる。 このとてつもない圧迫感に包まれて、私は絶頂を迎えたのだった。 「うぉっ!!」 私の上に跨っていた翔さんが、私が仰け反る事で、少し上方に跳ね上げられ、少し体勢を崩した。 「お…大隅さん!!大丈夫ですか!!」 「は…はい…問題ありません」 私が突然、大きく仰け反る事を、皆、予想しておらず、その行動に驚きを示す。 (んあぁ…ぁ…イっちゃ…た…ぁ…ぁ…) 私は、スタッフの人たち、秋元さん、フラムの中の美杉さん、そして、翔さんが見ている中、その目の前で絶頂を迎えてしまったのである。 絶頂を迎えた事…そして、もともと私を襲っていた凄まじい暑さ、そして、足らない酸素…それらが一気に私を包み込み、私の意識を削って行った。 (…ぁ…ぁ…ぁ………) 「なん…すごい…した…大丈…か?」 「…にかく……降ろそ…」 スタッフの声や秋元さんの声が飛び交っているが、意識が薄れていく私には、その内容はもう頭に入ってこなかった。 (…ぁ……ぁ……………) そして、私はそのまま、新キャラの着ぐるみの中で意識を手放したのだった。 ・・・ その後、私は知らないが、調整は中止され、私は着ぐるみから解放されたらしい。 気が付いた時には、着替え部屋で全身タイツを着たまま、私は床に寝転がっていた。 その夜、翔さんと会った私は、翔さんに今日の新キャラの中身が私で、フラムは違う人が入っていた事を教えた。 すこし嬉しかったのは、翔さんの目には、やはりフラムに違和感を感じていたそうだ。 それにしても、毎日のように一緒にいる翔さんに、完全に気が付かれなかった美杉さんの演技力には脱帽だ。 そして、新キャラの登場はというと…。 実は、結局、当初の案通りに、ワイヤーで吊るして操作するのは、やはり難しいという結論に至り、新キャラのアトラクション内での登場は、お蔵入りとなった。 しかしながら、もともと、フラムのダブルキャストというリスク管理の話から出たキャラクターなのだから、その点は解決しなければならない。 あの新キャラの調整の日に分かった事実として、美杉さんがあまりにも完璧に、私のフラムの代わりが出来るという事。 それで、行きついた結論は、私が急遽、出来なくなっても、美杉さんのスケジュールさえ何とかなれば、当日対応でも、こなせてしまうという事だ。 その結果、新キャラの登場の必要性は無くなった。 しかし、時々は美杉さんにフラムをやって貰っておかないといけないという事で、月に一度、定期的に美杉さんに来てもらって、フラムの中身をお願いしている。 美杉さんが来てくれている日のフラムの中身はもちろん美杉さんだ。 その月に一度の日。 その日だけ、このテーマパークに登場するキャラクターがいた。 そのキャラクターは、まるでウーパールーパーのような見た目で、特設された【水槽】の中を漂っている。 そのキャラクターは、【パールム】と名付けられ、予想外に結構人気がある。 水槽の中を漂いながら、時々小さな前足と小さな後ろ足をピョコピョコと動かす。 造形としては、可愛らしくないものの、その仕草と造形のギャップがお客にうけている理由だ。 月に一日だけという限定感がまた、その人気を上げている。 パールムは時々、口から気泡を吹き出しながら、一日中、水の中を漂う。 そう一日中…。 その一日というのは、美杉さんがフラムになる一日。 【ゴポッ…】 ----------------------END----------------------------------

知られてはいけない恋 After Story 【後編】

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