※本作品はPixivに投稿した【クリスマスのアンドロイド】のサイドストーリーとなります。 本編の方を読んでいただいた事を前提で書いてありますので、説明が省かれている部分がありますのでご了承ください。 ・・・ 私は【有海 円(ありうみ まどか)】。 映画の撮影アシスタントをしている。 今回の映画は、人気俳優【下園 比呂(しもぞの ひろ)】主演のSF映画。 そして、私の今回の役目は、下園比呂演じる主人公の【アーク】に付き添う、アンドロイド【ミリィ】のお世話係である。 アンドロイドといっても、もちろん本物のアンドロイドではない。 中に人間が入った、いわゆる着ぐるみというやつだ。 その着ぐるみの中身は、【琴平 愛優(ことひら あゆ)】という小さな劇団に所属した役者さんだ。 このアンドロイド【ミリィ】は、全身を光沢のあるシルバーのタイツで包み込み、そして、その上から、鏡面仕様と言えるほど綺麗に光るシルバーの外骨格を張り付けてある。 パーツがつけられているというものの、そのシルエットは、かなりタイトで、女性らしさがしっかりと表現され、まるで、彫像のような美しさを漂わせる。 まあ、その造形の綺麗さもあるが、中身の琴平さんのスタイルがあっての美しさだろう。 琴平さんは、私が評価するのもなんだが、小さな劇団にいるとは思えないくらい、顔も可愛い。 このスタイルと顔の容姿…きっとモテるのだろうなと感じてしまう。 そして、この着ぐるみの凄いところは、スポンサーについた医療系の企業のテクノロジーが駆使されており、体に塗りこんだローションが着ぐるみ内の衛生面を長期間維持する。 そして、特殊素材で作られた全身タイツは水も空気も通さないにも関わらず、そのローションとの効果で、タイツ内に老廃物が溜まらないようになっているのだ。 そのため、かなりの長期間、このタイツに身を包まれていても、体に問題はない。 とはいえ、基本は一日の撮影の終わりで、一旦脱ぐ事になっていた。 しかし、脱ぎ着にかなりの時間を要するため、監督の意向で、撮影が終わるまで、琴平さんにはスーツを着続けてもらうことになった。 撮影が終わり、専用の宿舎に戻り、マスクは外すものの、体はそのまま。 私も、琴平さんと一緒に寝泊まりし、いろいろと世話をする事になった。 撮影中は、着ぐるみを着用したままでの排泄が難しいため、私が専用器具にて排泄を補助していた。 しかし、体は着続けたままとなったため、撮影中だけではなく、専用宿舎での排泄も、私が補助する事となった。 「それでは、琴平さん、いつもの椅子に座ってください」 【ハイ…】 マスクを外した状態のため、私は彼女の事を【琴平さん】と呼ぶ。 そして、マスクを着用し、完全に着ぐるみに身を包まれた状態では、彼女の事は【ミリィ】と呼ぶ。 それは、私がアンドロイドのミリィの世話役としてのけじめみたいなものだ。 琴平さんはマスクを外していても、声は機械的な声色である。 それは、首回りに装着された、声帯エフェクトによるものだ。 そして、琴平さんは、私に言われた通りに専用宿舎に設置された椅子に座った。 その椅子は、両膝を開き、股を開いた状態で座るようになっている。 両腕は横にあるアームレストの上に乗せている。 「それでは固定させていただきます」 【ハ…ハイ…】 私は琴平さんの足首、膝、腰、両腕の外骨格のない場所に留め具をつけ、琴平さんを椅子に固定した。 外骨格になるべく傷をつけないようにするために、この椅子が用いられる。 「固定は完了しました。それでは処置に移ります」 【ハ…ハイ…。デモ…ナンドヤッテモ…ヤッパリ…ハズカシイデス…】 タイツの丸い穴から覗き出る琴平さんの素顔を見ると、恥ずかしそうに俯いている。 「もう…いい加減、馴れてください」 【ハイ…】 言葉では、琴平さんにそう言ったものの、内心、その恥ずかしがっている琴平さんが可愛くてたまらないのだが…。 そして、椅子に固定され身動きがとれなくなった琴平さんを前に、今から何が始まるかというと、排泄処理である。 撮影中は、こんな椅子もない場所での排泄処理となるため、琴平さんに立ってもらってするしかないのだが、この専用宿舎では、楽な体制でしてもらうための固定椅子なのだ。 足が急に閉じたりしないように固定をして、開いた状態にしている。 両手の固定は必要かというと、実際必要はないのだが、そこは私の趣味のようなものだ。 琴平さんは純粋なため、両腕の固定に疑問を抱いてはいない。 ただ、琴平さんが何も出来ず、されるがままに私に排泄管理をされるというところに、私が興奮を感じてしまっているから、その状況を作っているだけ。 つまり、拘束して、琴平さんの排泄管理をするのは、私にとっては望ましい行為なのだ。 (あぁ…今日も…琴平さん…恥ずかしがってる…。なんて可愛いの…) そして、私はしゃがみ込み、琴平さんの股座へと潜り込んでいく。 ゆっくりと私の手が琴平さんの、股の外骨格へと伸びる。 外骨格のこの部分だけは、排泄のために外れる仕組みとなっている。 【カチャ】 そして、外骨格のパーツを外すと、そこにはシルバーのタイツに包まれた、琴平さんの陰部が。 私は琴平さんの陰部へと手を伸ばし、全身タイツにつけられたファスナーのつまみを掴んだ。 【ゴクリ…】 全身タイツの下には、もちろん何も着込んではいない。 このファスナーを開けば、着ぐるみの中身である琴平さんの生の体が現れる。 その開かれる場所は…陰部。 毎度のことではあるが、私は胸を高鳴らせながら、そのファスナーを開く。 【ジーーーー】 ファスナーを開くと、そこには琴平さんの陰部が現れた。 なんとも綺麗な色をしている。 そして、体に塗り込まれたジェルのせいで、全体が濡れているような光り方をしている。 (あぁ…綺麗…なんて…なんて…) そのまま、手を触れたいという願望が込み上げてくるが、それをグッと抑え込む。 私の仕事は、排泄の処理であり、露出した陰部に排泄装置をあてがうだけ。 私が触れることは、私の仕事にはないのだ。 そして、ふと上を見上げると、恥ずかしそうな表情を浮かべた琴平さんの顔が。 それはそうだろう、完全に拘束され、強制的に股を開かれた状態で、自らの陰部を露呈されているのだ。 相手が同性の私だとしても、状況的に恥ずかしくない訳がない。 (うぅ…可愛い…可愛らしすぎる…) もう何度も、この行為を繰り返しているというのに、未だ恥ずかしさを失わないのは、琴平さんの可愛らしさだ。 「それでは、排泄器具を取り付けます」 【ハ…ハイ…オネガイシマス…】 そして、この排泄器具により、琴平さんはおしっこもうんちも問題なくする事が出来るのだった。 こうして、宿舎では排泄や食事を済ませ、外骨格に傷がつかないようなベッドで寝てもらうのだった。 私は、日々、琴平さんの世話をする事で、次第に琴平さんへの愛情を膨らませていった。 しかし、私はあくまで、琴平さんの世話役であり、恋人ではない。 気持ちは高まる一方ではあるが、やれる事に変わりはないのだ。 そして、そんなある日の事、事件は起こった。 いつものようにミリィと二人で宿舎に戻り、マスクを外そうと、暗証コードを打ち込んだ時だった。 【ピ…ピ…ピ…ピーピーピー!】 (あれ!?エラーが出てる??) いつもと同じ手順で、暗唱コードを打ち込んだのにエラー表示が出ている。 「え!?ど…どうして!!いつもと一緒のコードを打ち込んだだけなのに!も…もう一度…」 【ピ…ピ…ピ…ピーピーピー!】 「あれ?なんで!?」 【ドウシタンデスカ??】 「い…いつもと同じ手順で、暗証コードを打ち込んだのに、エラーが出るんです。ちょっと、製作元に連絡してみます」 そして、私は製作元に電話を繋げた。 「はい…通常の暗証コード入力画面です…」 それから私は製作元に言われるとおりに作業を進めた。 しかし、問題の解決には至らなかった。 そして、製作元の回答は、システムエラーであり、治るのには二週間かかるという事。 それはつまり、二週間、琴平さんはマスクが取れなくなるという事を意味した。 「わ…分かりました。そのようにします」 そして、私は電話を切り、事実を琴平さんに伝えることにした。 「琴平さん…製作元に連絡をしましたが、どうやら、機器のシステムエラーとの事です…」 【エ!?ソレジャア…マスクハコノママ…】 「はい…申し上げにくいのですが、このシステムエラーが治るには二週間掛かるそうで、それまで、マスクを外すことは出来ません」 【エ…!?ニ…ニシュウカン!?】 「そうです。二週間というと、丁度、この撮影が終わるタイミングです。それまで申し訳ありませんが、マスクも被り続けた状態でお願いいたします…。申し訳ありません…」 (わ…私が不甲斐ないせいで、こんな事に…) 私は琴平さんに深々と頭を下げた。 すると一呼吸置いた後、琴平さんが口を開いた。 【ダ…ダイジョウブデス。ソンナニアヤマラナイデクダサイ。ヨルニマスクヲトルカ、トラナイカダケノサデスカラ。ソンナニモンダイハアリマセンヨ】 (うぅ…琴平さん…なんて…なんて…優しいの…) 琴平さんの私に対する優しさを込めた言葉に、私は感極まってしまい、琴平さん…いやミリィに抱きついてしまった。 「あ…ありがとう…ございます…。こちらの不手際で…マスクすら外すことが出来なくなったっていうのに…。そんな…そんな優しい言葉…ありがとうございますぅぅ…」 本来なら傷をつけたくない外骨格。 私ごときが抱きついていいものではないが、感情が溢れかえった私は、そんな事を気にすることも出来なかった。 【ソレジャ、アリウミサン、シッカリワタシノオセワ、オネガイシマス】 「は…はい…もちろんです!!こうなってしまったのは私のせいでもありますし…」 【イヤ…システムジョウノコトダカラ、アリウミサンガワルイワケデハ…】 「私がしっかりと管理できなかったのですから、しっかりと責任は取らせてもらいます!!食事も、水分補給も排泄も…それ以外も…しっかり私がお世話させてもらいます!!」 琴平さんの優しさが私の心をグッと動かした。 そして、私の中での何かが外れた気がした。 (そう…そうだよ…私が…私がしっかりとお世話をしないと…) こうして、琴平さんは二週間マスクを取ることは出来ずに、完全に【ミリィ】として過ごす事になった。 マスクが取れなくなったとしても、やることは変わらない。 食事、排泄、そして睡眠。 しかし、心の中の枷が外れてしまった私には、もう自らを止める事は出来なくなっていた。 そして、いつものようにミリィは、排泄のために拘束椅子に座って、体を固定された。 いつもと違う所は、琴平さんの顔が見えていない事。 シルバーに光るのっぺらぼうのようなミリィのマスクに包まれて、その中にあの恥ずかしそうな表情を浮かべる顔は隠されている。 私はいつもと同じように、陰部のパーツを外した。 そして、そこに露呈された、全身タイツのファスナーに手を掛けた。 ふと、視線を上げてミリィの顔をを見上げた。 (あっ…) そこには全く人間らしい表情のないミリィのマスクに包まれた琴平さんの頭部があった。 しかし、今のミリィからは、恥ずかしがっている表情が読み取れる。 目も鼻も無いマスクだというのに、そこから恥じらいが、はっきりと感じられたのだ。 そのミリィのマスクから醸し出す表情が、恐ろしく愛らしく映る。 その瞬間、何かが私の胸の中を突き抜けた。 一気に胸の鼓動が高まっていく。 あまりの高ぶりに手元が少し震える。 その震える指先がつまみを放さないように、気を保ちながら私はゆっくりとそのつまみを引っ張った。 【ジーーーーー】 そして、私は全身タイツのファスナーを開き、中身の琴平さんの生の陰部を露呈させた。 何故だろう…。 今までに何度もしてきた行為…何度も見続けてきた光景。 確かに、私は琴平さんに好意を抱いている。 その相手の陰部…毎日見て来た陰部なのだが、胸の高鳴りがいつもと全く違い、頭の中がぐるぐるとするほどだ。 「はぁ…はぁ…はぁ…」 胸が高鳴りすぎて呼吸が乱れる。 今まで、顔が見えていたので、陰部と共に顔も外界に接していたが、顔が完全に隠れてしまったせいで、中身の琴平さんが唯一見えている部分が、この陰部だけなのだ。 この晒された陰部のみが、生身の琴平さん…。 その事実が、何か不思議なエロさを醸し出している。 そして、そんな琴平さんはミリィのマスクに顔を包まれながらも、陰部を露呈されることに恥ずかしがっているのだ。 (あぁ…愛おしい…愛おしすぎる…) 私は、そんな胸の高鳴りを抑えながら、琴平さんの排泄を器具により処理をした。 「排泄処理は終わりました」 【ア…アリガトウゴザイマス…】 排泄処理は終わった。 しかし、目の前には、椅子に拘束され陰部を露呈したままのミリィがそこにいる。 【ドキドキドキドキドキ…】 心臓の鼓動の音が、部屋中に響いているのではないかと思うくらい、大きく鼓動している。 すると私の体が意志とは関係なく、勝手に動き始めたのだった。 拘束されたミリィの股座にスッと頭を潜らせていく。 目の前には、露呈された琴平さんの生の陰部。 そして、私の口がゆっくりとミリィの陰部に吸い寄せられていった。 もう理性で自らの行動を抑える事は出来なくなっていた。 【ペロッ…】 【ンアッ!?】 固定されたミリィの体がビクンと大きく跳ね上がった。 私の舌が、ミリィの陰部…いや…中身の琴平さんの陰部を捉えたのだった。 【チョ…チョット!?アリウミサン!?ナ…ナニヲ!?】 ミリィがあまりの突然なことに驚きを表しながら、私に言った。 「言ったではないですか…。責任を持って、私が全てのお世話をさせてもらいますと…」 【ソ…ソレハ…キキマシタガ…ソンナコトマデ…ンウゥッ!!】 私はミリィの言葉を聞き終わるのを待たずに、また陰部をひと舐めした。 「撮影が始まってから、何週間も、既に着ぐるみに包まれたままなのですから、【こういう】事も出来ていないはずです。しっかり、私がお世話をさせてもらいます…チュパッ」 【ンアッ!…ソ…ソンナ…アリウミサン…ダメ…】 そして、私はそんなミリィの陰部に口づけをしながら、舌を伸ばし、舐めまわし始めた。 【ンウゥッ!!アンッ!!ソンナッ!!ンアッ!!ダメェェェェェ!!】 私が舌で舐めるたびに、ビクンビクンと体を反応させるミリィ。 しかし、体は傷がつかないように椅子に拘束されてたまま。 反応させようとしても、それ程大きく動かすことは出来ない。 私が与える快感を、散らすことも出来ずに、もろに受け止めるしかないのだ。 私の舌から逃れることは出来ない。 【アンッ!!ンァッ!!ソコハッ!!アンッ!!】 私の舌は、優しくもいやらしく、琴平さんの陰部を舐めまわす。 見た目は、ほぼ完全にアンドロイド。 嬌声も、機械のように声帯エフェクトの掛けられた声色。 しかし、その快感に反応する様子は、人間の女の子のそのもの。 何とも言えないギャップがたまらなく愛おしい。 【ペロ…ペロ…ペロ…】 【ンアッ!!アリウミッ!!サンッ!!ンアァッ!!ダメェェ!!】 ミリィの機械的な嬌声が部屋の中にこだまする。 アンドロイドなのに、ビクビクと人間らしい反応を見せるミリィ。 その光景に私の興奮はどんどんと高まっていった。 そう…私は…琴平さんのためにやっているのだ…。 琴平さんのために…。 琴平さんを満足させるために…。 【ンアァァァァァァァァ!!モウッ!!ムリィィィィ!!!】 そして、私はアンドロイドのミリィが絶頂を迎えるまで、陰部を攻め続けたのだった。 いや…絶頂を迎えるまでではない…迎えた後も…。 私の顔が琴平さんの愛液と潮でグチャグチャになっても、私は琴平さんを満足させ続けたのだった。 (あぁ…可愛い…可愛すぎる…) そして、そんな撮影が進むある日のことだった。 「あの、有海さん、ちょっとお話よろしいですか?」 そう言って、私に声を掛けてきたのは、主演俳優の下園比呂さんだった。 「な…なんでしょうか?」 主演俳優が私のような、下っ端スタッフに声を掛けるなんて、そうない事だ。 突然の事で、少し緊張してしまう。 「少し外した所でよろしいですか?」 「は…はい…」 そう言われ、私は他の出演者やスタッフのいない場所へと移動した。 「な…なんでしょうか…?」 私は緊張しながら、下園さんに質問した。 こんな状況での話なので、他の人には聞かれたくない話なのだろう。 一般人なら、告白でもという状況ではあるが、相手は人気絶頂の俳優さん。 私ごときにそんな話であるはずはない。 だとしたら、何なのか?…少し身構えながら私は、下園さんの言葉を待った。 「担当直入に聞きます。ミリィの中身なんですが…【琴平愛優】という女性ではないですか?」 「えっ!?」 まさか、ミリィの中身の名前がここで出てくるとは想像もしていなかった。 監督を含め、ごく一部の人間しか知らない事実。 完全に合っている苗字と名前を下園さんが口にしたのだった。 (な…なんで…??下園さんが…琴平さんの名前を…?しかも…ミリィの中身だって…) あまりに唐突な事に、言葉を詰まらせてしまった。 「すいません、突然の質問で。何故、突然、そんな事を言い出したのかというとですね…」 すると、下園さんは、私にその質問をした意図を話し始めた。 どうやら、下園さんと琴平さんは、以前に同じ劇団に所属していたらしい。 そして、この撮影が進むにつれ、ミリィといる時間が多くなり、その仕草や雰囲気を見ていると、どうしても、ミリィが琴平さんに見えてくるというのだ。 そして、下園さんが理由を話している雰囲気、過去の琴平さんとの話をしている雰囲気、その様子から、彼は琴平さんの事が好きだという事が、ヒシヒシと伝わってくる。 恐らく、同じ劇団に所属している頃は、彼氏彼女の関係だったのだろう。 琴平さんの事、ミリィの事を語る彼の表情が物語る。 (そ…そういう事か…) 実は、私は琴平さんが、下園さんに向ける眼差しは、普通の俳優に向けるものと別のものだと感じていた。 眼差しといっても、下園さんと会うときは、ミリィのマスクを被った状態。 決して、目線や言葉とかそういうものではない。 ミリィから醸し出される雰囲気が、それを表現していたのだ。 その私の感じていた印象…この下園さんの話で、全て繋がった。 二人は愛し合っている…。 しかし、撮影が終わるまでは、琴平さんは着ぐるみに身を包まれ、下園さんと接することは無い。 撮影が終わるまで…?いや…終わってしまえば、もう接することも無くなってしまうかもしれない。 「それで、ミリィのお世話をしている有海さんなら、知っているかな…と思いまして」 下園さんが全ての理由を話し終えた。 「話は分かりました。しかしながら、守秘義務がありますので、私は撮影が終わるまで、ミリィの中身の事は、他人に話すことは出来ません」 「や…やはり…そうですよね…。変な事を聞いて、すいませんでした」 核心を得ることの出来なかった下園さんは申し訳なさそうに、私に頭を下げた。 「下園さん。お話をすることは出来ませんが、一つだけ、私から贈れるキーワードを…」 「え!?」 「撮影最終日は、大聖堂での撮影となります。【撮影を全て終えた後の大聖堂】それが、キーワードです」 「撮影を全て終えた後の大聖堂…」 「はい、もしかしたら、そこに答えがあるかもしれません」 「こ…答えが?」 「私に言えることは、それだけです。さあ、早く撮影に戻りましょう」 「は…はい…」 そうして、私と下園さんは再び撮影現場に戻っていったのだった。 そして、撮影は進み最終日を迎えることとなった。 「お疲れさまでした!!クランクアップです!!」 全ての撮影が終了し、全ての終わりを迎えた。 私はミリィと共に、着替え部屋へと向かって行った。 そして、着替え部屋に到着し、まじまじとミリィと向き合った。 「撮影、お疲れさまでした…ミリィ」 【オツカレサマデシタ。イママデ、イロイロトアリガトウゴザイマシタ】 「こちらこそ、ありがとうございました。着ぐるみに包まれて、とても大変だったと思いますが、琴平さんの頑張りがあって、ここまでやりきれたと思います」 普段、着ぐるみに完全に身を包んでいる状態では、私は【琴平さん】ではなく【ミリィ】と呼んでいた。 しかし、今、私の口から、自然と琴平さんという名前が出てきた。 撮影が終わったのだという感覚が、私の中にあるのだろう。 【アリウミサンノタスケガナカッタラ、ワタシハガンバレマセンデシタ…ホントウニアリガトウゴザイマシタ】 そう言ったミリィの方が小刻みに震えているのが見えた。 (さて…私の出来る事は…) 「さあ最後に、私の出来る事…最後の仕事をさせて頂きます」 そう言って、私はマスクは外さずに、ミリィの首回りに巻かれた声帯エフェクトの掛かる首回りを外した。 「え!?く…首周りが先なんですか?」 恐らく、今までの流れでいうと、まずマスクを外すと思ったのだろう、琴平さんが困惑の声を漏らした。 しかも、そこから聞こえてきたのは、久しぶりに聞いた、琴平さん本人の声。 その声すらも、愛らしく感じてしまう。 「ええ…これであなたは自らの【声】を取り戻しました」 そして、私はミリィの側頭部に暗唱コードを打ち込んだ。 【ピ…ピ…ピ…】 【ピピ…カシャ】 エラーは改善されたらしく、無事にロックは解除されたようだ。 その解除音が聞こえたらしく、琴平さんはゆっくりと両手をマスクの側頭部に当てた。 【ガシッ】 「え!?」 私は琴平さんの手を掴み、マスクを外すのを止めたのだった。 「マスクを取るのはここじゃありませんよ」 「えっ…どういう…事…ですか?」 「今日はクリスマス…。琴平さん…あなたは他にも取り戻すものがあるはずです」 「な…何を…ですか…私に何が…」 「このまま、ミリィのまま、先ほどのスタジオに戻ってください。そこに答えがありますから…」 「ス…スタジオに…答えが??」 「はい…さあ、早く。待っていますよ」 「えっ…は…はい…」 そして、ミリィは撮影が終わった大聖堂へと向かって行った。 その背中を見送りながら、私は佇んでいた。 (しっかりと…取り戻してきてくださいね…琴平さん…) ミリィが大聖堂に向かってから、どのくらい経っただろうか…。 私は一人、ミリィの着替え部屋で待ち続けていた。 待ちくたびれて、寝てしまうのではないかと思うくらいの時間が経った。 それでも、私は待ち続けた。 最後の…最後の私の仕事が残っているのだ。 【ガチャ】 すると、扉が開き、マスクを外した琴平さんが着替え部屋に戻ってきた。 「おかえりなさい」 「ただいま…戻りました…」 「取り戻せましたか??大事なものは??」 「は…はい…しっかりと…」 そう言った琴平さんの表情は、とても晴れやかで屈託のない笑顔を浮かべていた。 「よかったです。それでは、完全にミリィから、琴平愛優さんに戻りましょうか」 「はい…」 マスクを外しているものの、体は、未だミリィのままの琴平さん。 いよいよ着ぐるみを脱ぐ時が来たのだった。 「それでは、これから外すのにかなりの時間が掛かりますので、まずは飲み物を飲んでひと休憩しましょう」 「はい」 そう言って琴平さんは、私が容易した飲み物を飲んで、一旦休憩をした。 「さて、まずは外骨格を外して行きますので、琴平さんはそのベッドの上に横になっていただけますか」 私に言われるがまま、横になる琴平さん。 「それじゃあ…外骨格を外していきますね…。琴平さんはすることは無いので、気楽に横になっていてくれればよいです…」 「はい…」 そして、私は体に装着させた外骨格を一つずつ外し始めた。 特殊な離型剤を使い外していく。 外骨格を外すたびに、その下に隠されていた、シルバーのタイツが露わになっていく。 外すたびに、徐々に琴平さんの体のラインが見えてくるのだ。 そして、かなりの数の外骨格を外し終わった時だった。 「すぅぅ…すぅぅ…すぅぅ…」 琴平さんからはっきりとした寝息が聞こえ始めたのだった。 (よし…しっかり薬は効いたみたいね…) 実は、先ほど差し出した飲み物に、私は薬を入れてあったのだ。 そして、私は外骨格を外す作業を進め、完全に全てを外し終えた。 (ふぅ…) すると、そこには全身をシルバーの光沢感のあるタイツに身を包んだ琴平さんの姿が現れた。 (き…綺麗…) 撮影の始め、着ぐるみを初めて着るときだけに見た、全身タイツのみの姿。 外骨格が付けられていても、美しいと感じた、琴平さんのスタイル。 こうして、全身タイツだけの状態をまじまじと見ると、その美しさがはっきりと分かる。 【ドキドキドキ…】 その姿を見ているだけで、胸が高鳴っていくのを感じる。 私はその光景に魅入られてしまっているのだ。 そして、中に何も来ていないという事が分かる、胸の突起。 私の手はスッとそこへと向かって行った。 何も考えてはいない…まるで魅了された何かに吸い寄せられるかの如く、無意識にそこへと手が向かって行った。 そして、私の手がその突起を捉えた。 「んっ…」 小さく嬌声が漏れ、体がぴくっと反応する。 仕込んだ睡眠薬は、眠らせるだけ、眠らせるもの。 与えられた刺激に対する、無意識の反応は出るものなのだ。 そして、乳首に触れた私の指先が、スッと回りながら琴平さんの柔らかな胸のほうへと滑っていく。 なんとも言えない、心地よい指ざわり。 光沢のあるシルバーのタイツのスベスベ感、そして、その内に秘めた琴平さんの柔らかさが、その指ざわりを最高のものに押し上げる。 そして、薄っすらと感じる温かさ…そのタイツの内側に琴平さんが包まれているという事を感じさせる。 (なんて…美しいの…なんて…気持ちがいいの…) 私の指が…私の手が…琴平さんの全身へと滑っていった。 私はミリィのお世話係…。 決して、琴平さんの恋人ではない…。 最後のお世話として、ミリィを琴平愛優へと戻すのが私の仕事。 最後の…最後の仕事を終える前に…。 そして、私は自らの衣服を脱ぎ捨て、全身で琴平さんに抱きついた。 指先から感じる気持ちよさ、手の平から感じる気持ちよさ、私の胸に感じる気持ちよさ、足のが絡み合い感じる気持ちよさ。 体中の全てから、琴平さんを感じる。 (あぁ…琴平さん…琴平さん…琴平さん…) 全てが終えた時、それは琴平さんが目を覚ました時。 彼女は、着ぐるみの全てを脱いでいるだろう。 しかし、彼女は知らない…。 寝ている間…着ぐるみを脱がされている間の事は…。 -----------------------END--------------------------
ももぴ
2026-02-09 12:38:36 +0000 UTClittle
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