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デイズゴーンの思い出

少し作業を詰めて今年もゲームだけをやる週間を確保した。そういう時は大型オープンワールドゲームをやりたくなる。できればガンシューティングで。


何をやろうかとそのゲーム週間にむけて、まるで旅行に行くかのようにその日を待ちわびながらわくわくと事前に色々調べるのだが今回はUBIソフトのディビジョンをプレイしてみることにした。やや硬派めなTPSガンシューティングでパンデミックで荒れ果てたニューヨークの町並みを舞台にした広大なオープンワールドマップを自由に楽しめる。


なんか色々細かい定義がありそうだが、自分にとってオープンワールドとは広大な一枚のマップの中にメインストーリーのクエストとサブクエストがクソほど膨大にあって、かつプレーヤーはクエストの順番をあまり気にすることなく、マップを序盤から自由に攻略していくことができるものという認識だ。ナイトガンダム物語ラクロアンヒーローズのように。(ラクロアンヒーローズはドラクエ式RPGながら最初に7つ8つのワープゾーンが用意されていてどのマップからプレイしてもいいという自由をゲームボーイながらに提示してきている。)この自由というものは、ゲームをやらない人間からしたら奇怪に思うかもしれないが液晶の中にこそ自由の世界を求めるのだ。


銃器背負って気ままにバイクなんかで世界を渡り、今日は遠くに見えるあの建物に行ってみようと計画も立てずに目指して荒野を駆ける。その途中で野盗のアジトを見つけて急遽思いつきで強襲し、でもその野盗がめっちゃ強くて返り討ちに会い,ここにはもっと武器とスキルが揃ってから来ようと復讐を誓ったりなんかする。例えばデイズゴーンみたいに。


しかし現実では前から気になっていた遠くに見える建造物に行こうとするような無駄なことを人はなかなか実行できないし、仮にしたとしてもその途中で野盗のたまり場を見つけたからって思いつきで強襲することはできないのだ。自分にはそんな力もないしそれを許す法もこの世界にはない。


ひと気の無いさびれた町。少し離れると急勾配な丘や広大な湖などに囲まれていて、まるで田舎を散歩してるようなおだやかな気持ちで、狼や鹿と出会えば狩猟かましてだらだらと野草やスクラップなどの素材を集めながら道を歩んでいるととゾンビの大群いに出会ってしまって長時間のスリリングな戦闘をしたりなんかする。例えばデイズゴーンみたいに。


しかしやはり現実では田舎道をだらだら歩みながら野草やスクラップを集めるわけには行かないのだ。もちろんゾンビの大群と出会っても戦闘を開始するかどうかの選択の自由は与えられれないだろう。ゾンビは元人間なので法律上は人間扱いされるだろうから一市民の判断で攻撃するわけにはいかないのである。言うまでもなく無許可の狩猟も許されない。


先述したとおりオープンワールドゲームは自分にとっての精神的な旅行のようなものなのかもしれない。酒飲みながら夜までやって、朝起きたら酒のんでまた昨日の続きをする。今日は昨日とは違う道の先に何があるのか気まぐれに進んでいく。何もなくてもいいのだ。それでいて自分を縛るものもない。誰だってアポカリプスが起こった世界で自分ならどう生きるかという夢想をするものじゃないだろうか。その夢を現代のゲームは叶えてくれるというのだ。



こうして今日も液晶の向こうの世界のディビジョンをプレイする。

指示されたターゲットの悪党を始末しにニューヨークの整理されたビル郡の中をマップ片手に自分は駆けている。メインミッションを進めれば拠点が開放されてどんどん出来ることが増えていくので、どんどんそれに従っていき各地の武装組織と戦う。こんな秩序が崩壊した世界でも自治組織が結成されており、そこの組織のエージェントとして自由に犯罪集団と戦えるのだ。指示通りあるブロックに拠点を構えている武装集団を壊滅させに行ってもいいし、その道中の通りすがりに出会った別の武装集団を倒してもいいし、また破壊された電力施設を復旧しに寄り道してそこにたむろしている武装集団を壊滅させたりなんかしたっていいのだ。ミッション以外ではこの世界の舞台となる崩壊したニューヨークを余すことなく徹底的に描写した高層ビルにつぐ高層ビルに囲まれた往来を我が物顔で闊歩している武装集団を強襲することもできる。


ディビジョンの主題は都市とそこに住む人なのだ。パンデミックによってその1つの都市と市民がどうなるのか現代的なリアリズムの目線で追っていると言えると思う。そしてそれでも町を愛する正義の形を添えることで対比かつエンターテイメントとして確立させている。

田舎町の荒野やそこに巣くうゾンビと武装集団とカルト新興教団と野生動物とを単車で追い回すゴロツキが主人公というデイズゴーンとは違って。


デイズゴーンとは違って。


もしかしたら自分は嘘をついてしまっているかもしれない。

ディビジョンに嘘をついてしまっているかもしれない。

ディビジョンを通じて自分の気持ちに、オープンワールドに対する本当の気持ちに

気付かされてしまっているのかもしれない。ディビジョンをプレイしながら思い出してしまうデイズゴーンのことばかりを。ディビジョンには非常に申し訳ないのだが、デイズゴーンと比べている自分がいる。


ディビジョンの発売元UBIソフトはアサシンクリードやウォッチドッグスなど世界的ヒット作を排出し続けているトップメーカーで、アサシンクリードもウォッチドッグスもプレイしたことあるのだがやはり都市を描くオープンワールドで非常に細かく気の利いたよく出来た優秀なソフトで、ディビジョンも発売前後で相当話題になっていた記憶もある。


でもデイズゴーンを思い出してしまう。荒野でアホみたいにゾンビ狩りした日々を。

アサシンクリードやウォッチドッグスをプレイした時はまだデイズゴーンにもダイイングライトにも出会ってなかったのだ。

気づいてしまった。自分は自然あふれる田舎でのんびりとマイペースの日がなゾンビを狩りたい人間だったのだ。そしてそれを決定づけてしまったのはデイズゴーンなのだ。



ディズゴーンは主人公ディーコンと相棒ブーザーのタトゥーまみれの反社バイカーの男ふたりがパンデミック崩壊した地元の田舎町で、その日暮らしのなんでも屋をやっているところから始まる。なんでも屋といっても依頼は主に同じ世界の他のゴロツキ集団への制裁依頼などで誘拐や殺しを承ったりしていて、物語の始めもとある団体で盗みを働き逃げた人間を追跡しケジメをつけさせるところからスタートする。自白せずに道に放置してゾンビに食われるか、自白してピストルで一瞬で楽に死ぬかの選択の自由を裏切り者に与えるのだ。メインクエストもサブクエストもこの田舎町に存在する団体の三つ巴の依頼を行き来するような形になる。そうして少しずつこの世界のことや主人公たちの過去そして未来が描かれていいく。


そしてこの依頼クエストの大半がバイク移動している移動時間なのだ。

もらった報酬でバイクをカスタマイズして、バイクふかしてクエスト地に向かったり逆にとろとろとどこまでも続く平地の景色を楽しみながら向かったりもする。広大なオープンワールドゲームに必須のファストトラベル機能(ルーラーみたいなもの)ももちろん備えているのだが自分はほとんどその機能を使うことはなくバイクや歩きで現地に向かった。


クエスト自体も少なくて時々メインストーリーのクエスト含めて一切のクエストが依頼されてない空白状態もあって、次どうしていいのか全くわからないって状況にも陥ることもままある。そういう時の解決法はバイクでぶらぶら走るなりして時間を流していると次の依頼が来るときもあるし、あるいはただの進行不可バグなので最初からやり直すかなのだ。



そしてクエストが少ない分なのか、オープンワールドにしてはストーリーが妙に魅力的である。主人公も敵もゴロツキで特に相棒のブーザーはかなりはしゃいでいて、はしゃぎすぎて腕を切断するハメになるのだが、せっかく切断したんだからと手をナイフに改造してしまう。フック船長から脈々と受け継がれている義手代わりに武器仕込む攻撃性ポジティバーの系譜だ。しかしそんな大はしゃぎのゴロツキの世界なのに妙に哀愁がただよう。やはりそれはデイズゴーンのストーリーのせいであろう。


自分はあまりストーリーとか気にしないタイプなのだが、後半はストーリーにもかなり没入してしまって(フック船長みたいになったブーザーも最後の最後まではしゃぎ倒してくれる。最後までプレイした者はみなブーザーの虜になっているだろう。)ここまでガンシューテイングゲームに没入したのはラストオブアスシリーズくらいしかないかもしれない。(ちなみにPS3でおそらく最も自分が衝撃を受けたゲームがラストオブアスでオープンワールドではない自由度が低い一本道のゲームだがゾンビゲームとしては個人的には外せない作品である。)



自分はデイズゴーンの影を探していたのだ。

オープンワールドゲームに。ディビジョンに。あと路地裏の窓とかに。そんなところにいるはずもないのに。




余談。



○ディビジョンは、どんどん武器を自分好みに強化していけて、より良いカスタマイズ素材をドロップする敵と戦いやすくなる、いわゆるハクスラ要素が良い。自分の好きなゲームメトロエグゾダスもこの要素が楽しかった。


○ディビジョンには少し不満がある。レベル制で、自分のレベルが表示されてマップのエリアごとに推奨レベルが設定されている。オープンワールドらしく最初から高レベルのエリアに足を踏み入れることはできるが実質クリアは不可ということを明示してしまっている。まるでナイトガンダム物語ラクロアンヒーローズのように。ラクロア城になぜかある7つ8つあるワープゾーン好きに選べたとて、レベルが達してなかったら敵強すぎてどうあがいてもクリア無理で結局順番通りに進めていくしかないのである。


○しかしラクロアンヒーローズの自由はアムロを仲間にしないでも進めることができることにある。通常ナイトガンダム、キャノン、タンク、アムロという順に仲間にしていくことになり、アムロを仲間にしないと途中でララアの張った結界に阻止されて進めない箇所がある(確か自分の記憶では)。しかしその進行妨害のイベントは1マスにしか置かれていなく、そのマスに入る瞬間にエンカウントさえすればイベントは発生せず、そのまま進行できるのである。(そういうことが起きた記憶がある。)


○しかしアムロを仲間にせず進めても、その後のストーリーの会話シーンではその場にいなくてもセリフだけは登場してくれるので安心なのである。ラスボスのサタンガンダムと対峙したりした時に、アムロ「ラクロアの平和を乱すものはぜったい許さねえ!」と出会ったこともない青年が急に声だけでしゃしゃってきて戦闘には参加しないみたいなことがおきる。


○山崎まさよしの名曲ワンモアタイムワンモアチャンスはあまり自分は詳しくないのでどういう思いで歌われたかの知らないので恐縮なのだが、向かいのホームや交差点や夢の中に昔の恋人をこんなところにいるはずもないのと思いながらもその姿を探してしまうのはわかるのだが、路地裏の窓だけは圧倒的にそんなところにいるはずもないのに過ぎると思ってしまう。路地裏だけでも人がいないのに路地裏の窓となると相当いないと思う。いないランキング決定戦でも路地裏は予選落ちしそうだが、路地裏の窓は決勝トーナメントに残り本戦をかきまわすダークホース的存在になれるくらいめちゃくちゃいないと思う。いない界隈の烈海王的存在だと自分は思う。逆にこの二人は路地裏の窓にどういう思い出があるというのだろうかと気になる。




ヨガ電気   ヨガ電気があればコタツなんていらねえ!


デイズゴーンの思い出 デイズゴーンの思い出

Comments

デイズゴーンのゆっくりとした雰囲気僕も大好きでした!2がありそうな終わり方だったので2も楽しみですね

長瀬透


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