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[完結] 2_10_『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』 特別なお客様へ To special supporters




2_10_『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』


 私は"荊棘(いばら)の国"に住んでいます。

 半竜人の女で、オリガという名前です。


 私はあまり体が丈夫ではありません。

 日常は書斎で本で調べ物をしたりしています。


 どうしても外の情報がほしい時は、私の使いの者に調査を依頼しています。

 私が書きためた論文は、いつかアソシエーションで発表したいと思います。


 私の仕事は、新しい魔術式の開発。

 また、異種間の生殖が専門分野の1つです。


 私の住む"荊棘(いばら)の国"には半竜人が多く暮らしています。

 私の部下の、可愛い使いの者の1人も同じ"半竜人"です。


 実は、その私の可愛い使いの者から、興味深い話を聞きました。


 隣国"東都の国"。

 要塞都市の城が、竜に襲われたそうです。

 その城には親を亡くした姫が2人いたそうです。

 この2人とも竜に魅入られて、自ら城を去ったそうです。


 "城"というものは個人のものではございません。

 "城"は、貴族が国から賜ったものです。

 貴族は、一族の努力で名誉のために"城"を維持します。


 もしも、城に跡取りがいなくなったら?

 どうなるでしょうか?


 一族の跡取りがいない城。

 その城は、一度、国に城を明け渡します。


 無情ではありますが、雇われていた人間は総ざらいに解雇されます。

 そして、その"代々の城仕え"の身分を奪われます。


 城に貴族の人間が"1人"でもいたら、城を開け渡す必要はありません。

 跡取りを作るために、形式でも婚姻したり。

 大量に貴族家系から養子をとったりする手段はいくらでもあります。


 しかし、城から貴族が誰もいなくなると大きな問題です。


 竜たちは面白半分に城から姫を誘拐します。

 狡猾な竜の種類がいるのでしょう。


 執拗に、「姫しかいない城」を狙って、竜たちは姫を誘拐するといいます。

 しかも、幸運なことに姫たが生きたままは助けられたとしても。


 竜との交尾に魅入られてているといいます。

 自ら、再び竜の元に戻るというではありませんか。


 そんなに竜との交尾が魅力的なのかかしら?


 調べたところ、"竜との交尾が魅力的"の1つに、ある液体があるそうです。

 それは、竜の舌から出す液体です。


"竜の舌から出す液体"に興味があります。

 分析をしたいのですが、なにせ試料がありません。

 どなたか、私の代わりに"竜の舌から出す液体"をとってきてくださらないかしら。



 竜は食べ物により体の中で、色々なものを合成してエネルギーを得ているようです。

 人間が、食べ物からエネルギーを獲るのと同じように。


 しかし、その副産物は体内に蓄積され続けます。


 たとえば、ここ十年間で一番有名なのが"朱砂(あかずな)の竜"。


 私、オリガの住む"荊棘(いばら)の国"からは遠い場所。

 そこに、"岐れの国(わかれの国)"という国があります。


 "岐れの国(わかれの国)"は、海のない国です。

 かつて豊かな土地だったそうですが、今は毒の土地になっています。


 毒は、竜が撒き散らしたと言われています。

 姿は10メートル弱の中級の大きさ。

 鱗は赤黒く、銀色の大きな目だそうです。

 その全身から、毒が吹き出したといいます。


 その毒は、生き物の感覚を妨げます。

 目で物を見る、耳で音を聞く、鼻で香りを嗅ぐ、舌で味わう、手指で触るという感覚を妨げます。

 そんな毒を体内に蓄積するのです。


 この毒は、ひどい場合は、手や足の動きのコントロールができなくなるという毒です。

 大量に体に入ると、判断能力も妨げます。


 私がこれらの伝聞をまとめ、過去の論文や書物と検証した結果。


 "朱砂(あかずな)の竜"は、体内に多くの「炭素と水銀の合成物」を蓄積しているようです。

 "朱砂(あかずな)の竜"に限らず、中級の竜たちは主に"鉱物"を食べてるようです。


 "朱砂(あかずな)の竜"は朱砂の石を好んで食べてるといいます。

 体内で、朱砂が化合し、その体に多くの炭素と水銀の合成物を蓄積するようです。

 

 かつて"岐れの国(わかれの国)"の人々は、穏やかに暮らしていたことでしょう。

 この竜が毒を撒くまでは。



 その日"岐れの国(わかれの国)"のエルフの村が襲われました。

 "朱砂(あかずな)の竜"に襲われたのです。


 朱砂鉱床のある山あいの村が狙われました。

 小さな朱砂鉱床だったそうです。


 この"朱砂(あかずな)の竜"は色々の国の朱砂を食べ尽くし、この"岐れの国(わかれの国)"の村まで来たといいます。


 "朱砂(あかずな)の竜"は村の朱砂鉱床を食い荒らし、腹を満たした竜が次にしたことは。

 村の男のエルフを追い払い、女のエルフを掴み上げて犯すことでした。

 欲望のまま、性欲を満たし続ける"朱砂(あかずな)の竜"。


 村の男たちは、"朱砂(あかずな)の竜"を火攻めにする計画に出たそうです。

 火のついた矢を放たれ、村ごと火をつけた村人たち。

 "朱砂(あかずな)の竜"は、その熱により体内の炭素と水銀の合成物の暴走しました。


 "炭素と水銀の合成物"は気化しやすく。

 大きな爆発まで時間の問題でした。


 "朱砂(あかずな)の竜"は大きく咆哮ししたしそうです。

 大量の体内の炭素と水銀の合成物が気化して空中に巻き散らかりました。

 それは"岐れの国(わかれの国)"のほとんどを汚染しました。


 汚染された"岐れの国(わかれの国)"。

 植物が育つことができても、その植物には毒が含まれます。

 動物は、この植物を食べることはできません。


 人々は毒に気づかなかった長い時間、正体不明の毒に苦しんだといいます。


 しかし、"朱砂(あかずな)の竜"は死んだわけではありません。

 炭素と水銀の合成物を撒き散らした"朱砂(あかずな)の竜"は、死にませんでした。

 朱砂鉱床を求め、また別のどこかの土地に行きました。


 死の土地となった"岐れの国(わかれの国)"だけが残りました。


 先日。

 実は、私は、護衛とともに可愛い使いの者を"岐れの国(わかれの国)"に送りました。


 その国に"東都の国"の要塞都市の逃げた姫が竜と暮らしているという噂を聞いたからです。


 本当に?


 谷あいに、小さな家を構えて、仲睦まじく暮らしているそうです。

 低俗の竜と人間が。仲睦まじく。


 どうして?


 瀟洒な城の暮らしを捨てて?


 どうして、毒の土地で竜と暮らしたいの?


 死の土地となった"岐れの国(わかれの国)"。

 そこなら、誰にも邪魔されず生きることができるかもしれないけれど。

 命と天秤にかけても、どうして竜と暮らしたいのかしら?



 そして、可愛い使いの者を"岐れの国(わかれの国)"に送って数週間。

 そろそろ書簡でも届きそうな頃なのに、音沙汰がありません。


 しかもその後、"大河の国"の港町で可愛い使いの者を見たという報告を受けました。

 "大河の国"は、"東都の国"のとなりの国です。


 遠くの"岐れの国(わかれの国)"へ送ったはずなのに。

 そんな港町でどうして?


 私は、可愛い使いの者のために、この書斎を出ることにしました。

 可愛い使いの者を、捜索することに決めました。


 白い佐目毛の馬に乗り。

 なるべく早く、"大河の国"の港町へ行く予定です。

 私はツノのはえた頭にショールを被り、"東都の国"をまっすぐ横切ります。


 途中、要塞都市の大通りを通りました。

 ひの大通りに、城がありました。

 この城は竜に襲われた城です。

 姫2人を奪われた城です。


 城は装飾も何もなく、ただ、本当に木箱のように閑散としていました。

 城の附近にいる者たちも、城のことになど気にしていない様子です。


 酒場で、姫たちの顛末を語っている男たちがいました。

 その話は、私には聞くに耐えないものでした。


 "東都の国"の通りを抜けます。

 やがて、"大河の国"の国境(くにざかい)にたどり着きました。

 辺境という雰囲気の村。


 私の住む牧歌的な"荊棘(いばら)の国"の田舎とたいして違いはありません。


 村人たちも、穏やかに暮らしているようです。

 農作業帰りのお年寄りが、見知らぬ私にも姿勢を低くして挨拶してくれます。


 通りに面したところ。

 小さな下宿先といった建物のウッドデッキに若い者がおりました。

 エルフらしき少年と、犬のような獣人が親しげに話しています。


 こんなところに、しかも「あのタイプのエルフ」ではないですか。

 珍しくて、しばし2人の様子を馬上から見ていました。


リーオン「もう、ほんと徒労だよ。卵あるって聞いてたのに」

アクア「もー!ほんとだよ」


 卵?

 何の卵?にわとり?


リーオン「はい、一攫千金ダメでした!はい、この計画おわり!」

アクア「ほんとソレ。別にこの辺境じゃ働くこともないし、やめよ?危ないこと」


リーオン「いいよな〜アクアは。生きてるだけで生きることできて」

アクア「なんかぼくさ、特殊なエルフらしいんだよね」


リーオン「なにそれ"特殊なエルフ"って」

アクア「よくわかんないんだけど、たまに、ここの村人と会話したり祈りを捧げるじゃん?そうすると、なぜか"ありがた"がれて、食べ物もらったりする」

リーオン「そんで、アクアは小さな家もらったり、勝手に食べ物やら服やら玄関先に届けられて、その属性、お得すぎない?」


 2人のいるウッドデッキの横を、通りかかった農作業帰りのお年寄りがエルフの少年に手を振った。

 どうやら、このエルフは村に馴染んでいるようです。

 2人は、私に気づいてじっとこちらを見てきました。


リーオン「ありゃ、めずらしいな。佐目毛の馬だ」

アクア「女の人、乗ってる。旅の人かな」


 2人は私と馬に気づいて、何かを話しているようでした。

 獣人の男が手を挙げて、西を指差しました。

 

リーオン「アンタ、この道をいくと"大河の国"への国境(くにざかい)だよ」

オリガ「その国境(くにざかい)へ行きたいので、問題はありません」


リーオン「それは良かった。どうぞ安全な旅を」


 港町に抜けるには、この先の大河を南下すればいい。


アクア「お姉さんー!最近は、竜とかいて物騒だから、護衛つけたほうがいいかもだよ?」

オリガ「ありがとう。その点は、大丈夫」


 半竜の女だと知って、襲ってくる野党はあまりしません。

 竜と繋がりがあると思っているらしく、半竜人も随分恐れられているのです。


リーオン「あーでも、確かに、この先は険しい山だし。山賊稼業みたいのもいるって話が」

オリガ「そうね、うん、でも大丈夫だから」


 私は頭のショールをとりました。

 その頭の、耳の部分から美しい乳白色のツノを見せました。


リーオン「竜・・・・!!」

オリガ「そんなに驚かなくても」


 2人とも驚いて、目を見開いていました。

 こんな辺境じゃ半竜の者を見るのは初めてなのかしら?


アクア「白い髪はキラキラしてて・・・ツノが澄んでてホワイトムーンストーンみたいだ・・・」


 エルフの男の子が、美しさに息を飲んでいます。

 私の馬の近くに来て、じっと私を見つめてきました。


オリガ「少女を見なかったかしら?」

アクア「どんな?」


オリガ「桃色の髪をした、こんな感じの角のある・・・」

アクア「ぼくは見てない」

リーオン「俺もだな」


アクア「ありがとう」


 私の言葉にエルフの男の子が、赤面して顔を伏せました。


アクア「・・・このあたり、竜はあんま見かけないから。驚いてごめん」

オリガ「いいの。都市部で竜が暴れてるらしく、私たち半竜の者も肩身が狭いわ」


 私はふたたび、ショールを頭にかぶりました。


オリガ「白い角。桃色髪の半竜の女の子を見かけたら、"荊棘(いばら)の国"に、この名前で書簡を送って。名前を教えて」

アクア「アクア。上の名前はない」


 どうして?

 "あのタイプのエルフ"なのに、上の名前はないでっすて?


オリガ「・・・」


 私は、小さな声で少年のエルフの「アクア」に囁きました。


オリガ「あなた、例のエルフでしょ。その"力"、村人への"祈り"ではなく、もっと多くの人の役立つことに使いなさい」

アクア「え、それ、どういう」


 アクアが、驚いた鳩のような顔をしています。


オリガ「あなた、何も教えてもらってないの・・・?まぁ・・・」


 私は、残念に思いアクアを見ました。

 アクアは意味がわからないようで、不思議そうに、自分の手を見ていました。


 いろいろな者がいます。


 このエルフの少年のように、おそらく赤子の頃に一族を亡くし出自を知らぬ者。

 "岐れの国(わかれの国)"のエルフの中では、親類を酷くされて絶望からオークになった者もいると聞きます。

 姫の身分でありながら、毒の地で竜と暮らす者。


 穏やかな辺境にも、いろいろな者います。


 国境(くにざかい)の大河が見えてきました。

 ここを南下すれば、港町につきます。


 そこで私は、私の可愛い使いの者を探します。


 できれば、悪い大人に捕まってなどないように。

 私は、そう願うだけです。










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⭐️ 差分イラストのCG化にしたい話のアンケートスタートしました。

よろしく!

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdJRIFBTioiNwDl82TWgTDRzbF0NDvLDIXkI1eZToDZkjQPkQ/viewform


アンケートの締め切り・・・"4月19日朝9時"



⭐️ 結末についてのアンケートありがとうございます。


ハッピーエンド、バッドエンド、メリーバッドエンドの中から1つ選べる形式で

ハッピーエンドに決定しました。

みんな大好きハッピーエンド!


⭐️ 『姫騎士様。大変お気の毒ですが 〜たった1回のドラゴンセックスで冒険の書はぶっ壊れて姉妹ました〜』

このシリーズ第2章は全部10話で完結いたしました。



⭐️ シリーズ第3章は、シリーズ第1章の差分イラストCG化完成後の予定です!

エントリーいただいたキャラの単発の短編はちょいちょい書くかも。



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