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《T-EX1》木人メンテナンス中

 ワガハイは木人である。名前は『白井弟』だ。  ただいまキンジョーさんによる『緊急メンテナンス中』であーる。  作られた当初は、手足に当たる部分を外される際、ヒヤリとする事も多かったが、今は慣れたもんで、いじくられても、耳かきみたいで気持ちよかったりする。  外しては付け、外しては付けを繰り返し、全てのパーツを念入りに調べ上げるキンジョーさん。最後のパーツをはめ込み、オレを元の形に戻すと、口に挟んでいたドライバーを引き抜いて唸る。 「ん~、やっぱり何も問題ないんだよねー」  その結論に、後ろに立つ長身茶髪の女性が、しかめっ面で異を唱えた。 「そんなワケないでしょ。星崎さんをあんな目に合わせておいて。一歩間違えば命の危険だってあったかもしれない。もうこれ、廃棄処分にした方がいいんじゃない?」  それを聞いた途端、キンジョーさんはバッと身を翻すと、両手をグーにし、茶髪の人に強く反発を開始する。 「えー、やだよ!せっかくここまでパワーアップさせたのに!学校魔改造計画で作った中で、一番の出来なんだよ!?」 「その最高傑作が、皆を危険にさらしてちゃ元も子もないでしょ。金城さんが、この木人作りに力入れてたのは知ってるけど、よく分からないモノを分からないまま使って全滅、なんてのは御免だからね」 「うー、だからこうして調べてたんじゃん!ねーねー、メンテも終わったしさ、一回戦ってみてくれない?」  キンジョーさんからの突然の提案。それに対し、茶髪さんは、汚物を目の前にしたかのような表情で答える。 「……遠慮しとく」 「あー、怖いんだー!」 「違う!こういう無機質で何考えてるのか分からないのは、気味悪いから関わりたくないだけ」  うぅっ……地味に傷つく。姉ちゃんに言われたら、オレは廃人になるかもしれん。しかしながら、オレの想いが届くはずもなく、キンジョーさんが更に追い打ちをかけてくるような言葉を放った。 「あはは、『考えてる』とかないない。この木人は、改造して武器や技も増えてるけど、ただのトレーニング機具だよ?『心』なんてあるわけないじゃーん」  ……分かってる、分かってるけどさ、見た目こんなだし、戦う時は化け物みたいに変形するし、喋れないからそう思われるのも仕方ないけどさ……、こう人間扱いされないのは結構辛い。当然ではあるが、そんなオレのショックなど知る由もなく、茶髪さんが話を進める。 「うるさい! で、どうするの? いつまた暴走するか分からないのにこのままってわけにもいかないでしょ?」 「うーん、そうだね~…… とりあえずもう一度だけ誰かに戦ってもらって、そこで問題が起きるようなら――」  目をつぶるキンジョーさん。  しばらく考えこんだ後、静かに目を開き、指輪をつけた手でオレにやさしく触れ、そして。 「解体かな」  悲しそうに笑い、そう結論づけた。  !!? へ? マジで? 解体されたらオレ、どうなっちゃうの?  嫌だー! まだ星崎を弟に育ててないのに退場なんて嫌だー!!  姉ちゃんの安全も確保できてないのに消えるなんて嫌だー!!  また姉ちゃんと離れ離れになるなんて絶対嫌だー!!  思い直してくれ、キンジョーさん、キンジョーさーん!! ====================================================  というわけで、『星崎戦』でやりすぎた後の緊急メンテ。  シリーズ終了一歩手前に追い込まれる木人弟くんなのでした~。  まあ、前回で時間軸をハッキリさせとかないと、納得してもらえないとわかったので今回、急遽差し込んだエピソードなんですけどね。  時間的には『chapter3』の中盤、ヒナトープを数日かけて攻略中ってとこです。  ユーコちゃんもまだ協力体制に入ってない。  伶那さんも勇希ちゃんの事を『金城さん』呼び。  星崎ちゃんもリーダーになってない(※『帝』本編でリーダーになるのは『chapter4』)  ヒナちゃんもまだ記憶戻りきってない状態です。  ちなみに、伶那さんは木人にめったに近づかないので、弟くんは名前を知らない設定です。 『帝!?』プロローグ見てもらえばわかるのですが、弟くんの魂が入り込んだ素材は、ヒナトープ一層の入り口付近にあるものです。  それを一度持ち帰って『木人』を作る。その後、ココロトープと学校の往復の日々を繰り返し素材を集め、勇希ちゃんが木人強化にハマる。そうして色々と試しすぎた結果、スペックマシマシになったのが現在の弟くんになります。  つまり、『chapter3』で結構足止め喰らってるという感じになりますが、そこはゲーム媒体と違って、キャラの内面に自分を落として動かした場合、MAPの把握や新たに遭遇するモンスターへの対応策、ココロトープ内で知った悲しい出来事に対しての各キャラ達によるケアや相互理解などで、時間を取られてると考えていただけたらと思います。  とりあえず、ストーリーラインのプロットは、プレイ動画で確認しながら全て組み上げましたのでまたchapterが進んだ時には、お伝えしようと思います。  それでは、木人弟くんへの不意打ちのピンチ回、お楽しみいただけたら幸いです。  ※今回、せーふくキャラ描写の微エチチ画像なので、消されたらすいません。星ノ宮のせーふくが、なぜかアウト判定喰らうの多いので、これも微妙なところです。

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