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ニリツ
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色々なお仕事話

 体重は変らない(挨拶


 最近はリモート飲み配信なんかしちゃったりなんかして。ニリツです。

 自粛要請自体は解除されましたが、まだまだ気は緩められないなと日々手洗いうがいにソーシャルディスタンスを心がけております。皆様におかれましても、可能な範囲で頑張っていただき、感染拡大を一緒に阻止していけたら幸いにございます。


 さて、自分は事務所勤務ながら個人事業主なので部屋には一人きり。自粛期間中は家にはあまり帰らず事務所で寝泊まりして、電車等の移動中の接触を避ける生活をしておりました。運動ができずに筋力が落ちていく一方で、脂肪が増えて体重が変わらないという悲しい状況でございました。

 かようなケースは稀かと思いますが、世の中にはそんな私のような形も含めて様々な仕事がある物でございまして。今回はそんな様々の中でも、私のような物を作る仕事に関してネットで見かけた話題、そしていつもの専門学校での講師をしていて少々気になった事柄を。


 学校で学生さんの進路について本人から話を聞いた際にちょくちょく起きる現象なのですが、当初希望していた進路からの変更を申し出る学生さんが居ます。

 これが新しくやってみたい事が見つかったからという前向きな理由であれば喜ばしい事なのですが、どうも詳しく聞き出してみると往々にして多いのが、今の進路のままだと自信が無いから他の可能そうな進路に変更したいという理由での申し出です。これは就活中の卒業間近な学生だけでなく、新しく入ってきた新入生でも同じような状況になっている方がしばしば居ます。

 基本的に進路というのは本人の人生がかかった大切な判断ですので、私の方からどうこう言う事は避けております。人の人生は背負えませんし、外部講師とはいえそんな権利も無いと考えています。ですので私がそういった際にするのは、その進路を選んだ場合に起こる事、メリットとデメリットを私が知っている限り正確に伝える事です。


 ここまでが前提のお話でして、ここからが本題。

 自分の現状の能力を鑑みて、進路の変更を望む学生さんの多くが勘違いしている事があります。それは変更した先の進路が、変更する前の進路よりも容易であるという勘違いです。

 パターンとして多いのが、イラストレーション学科でゲームメーカーなどで絵を描く仕事に就く事を目標にする状態から、同じようなキャラクターコンテンツ業界の「ディフォルメキャラクター制作」や「デザイナー」や「背景グラフィッカー」それに「コンセプトアーティスト」、それらへの進路変更希望です。

 その理由が、そっちの仕事がやりたいから。であればいいのですが、危険なのが、そっちの方が簡単そうだから、自分にもできそうだから、というのが多い事です。


 学生さんなので、その知識が無かったりイメージがずれていたりする事は、決して悪い事ではありません。これから学ぶ事ですし、それをまだ知らないというのは至極当然です。ですのでここではあくまで事実をお伝えするという話でございます。


 まず、例外的に「ディフォルメキャラクター制作」についてですが、これはその専門の職業があるという訳では基本的にはありません。普段頭身が高い絵も仕事で描いている人が、多くの仕事の中の一つとしてディフォルメキャラクターを描く事がある、という場合がほとんどです(キャラクターデザイン制作も同様です)。頭身の高い絵を描くフリーのイラストレーターが、時折ディフォルメイラストの仕事の告知をしてたりするのを見たことがあるのではないでしょうか。ディフォルメキャラを描くのが楽そう、それであればできそう、というスタンスだと、まず他の仕事ができないのでそこに進路を絞ってしまうのは非常に危険な行為であると言えるでしょう。


「デザイナー」「背景グラフィッカー」への進路変更について。ここで起きている勘違い、誤解は、この両者が(キャラクターを描いたりする)イラストレーターより簡単になれる、低い技術で職に就けると思っている点です。

 自分は背景グラフィッカーとして働いた事はありませんが、普段仕事でキャラを描いた後ろに背景をよく描いていて、その難しさにげんなりしますし、過去デザイナーだった頃に上司にやってみるかと言われて、ゲームの導入画面の背景を描く事に挑戦してみた事がありますが、結局上手く描けず断念してしまいました。美大を出て(中退して)いるのにです。キャライラストと比べて背景イラストが簡単という事はありません、どちらも習得にかなりの時間がかかります。


「デザイナー」についてですが、これを簡単に身につけられると思ってしまうケースも非常に多いように感じます。それこそ私は元々がデザイナーですが、今イラストレーターとして生きていて、デザイナーの方が簡単だったとは微塵も思いません。大学ではデザインを専攻し、実務経験も経て尚更そう思います。

 イラストレーターに、人体、色、光やパース、流行などの身につけるべき要素があるように、デザイナーにも色、形、構図にバランス、フォントに印刷知識、更には過去のデザインの流れといった歴史的知識等の学ぶべき要素が大量にあり、それは一朝一夕でどうこうなる物ではありません。そして以前から言っているように、そこに生まれ持ったセンスなどというものの効力は非常に薄く、深い経験と練習、知識が求められます。入学してすぐであればこれから勉強すればいいですが、さああと半年で就職活動だという時期では遅きに失していると言わざるを得ません。「絵は描いた事ないけど、半年後の就職目指して絵を描き始めた」というのはとても無謀で危険な賭けだと分かると思います、それと同じ事です。


 そして「コンセプトアーティスト」についてですが、これは正直に自分の印象を言わせていただくと、イラストレーターや背景グラフィッカーの上位職というのが素直なイメージです。正しい光の描写に美しい構図、魅力的なパースに想像を掻き立てられるデザイン。それらを高い次元で成立させ、尚且つハイペースで大量に制作する。写真を使うのはそのスピードや説得力を上げるためで、その色一つパース一つ、光の描写一つ間違えれば絵の中で浮いてしまい成立しなくなってしまいます。決して写真を切り貼りするだけなら自分でもできそう、といった生易しい物ではありません。


 キャラのイラストが難しいのではありません、全てが難しく、学習に相応の時間がかかるのです。

 重ねて言いますが、学生の段階でこの勘違いをするのはしょうがない事です、当然の事です。私自身そういった勘違いを色々としていました。ですので今回の話は別に憤慨とかでもなんでもなく、ただの事実として、知識として受け取ってもらえると嬉しいです。


 世の中にある、ありとあらゆる仕事は等しく学ぶべき事があります。どの道も技術としてプロが持っている物は非常に奥深く、どれであれば習得が簡単という事は無いと、私は思います。その代わりどれでも技術をきちんと習得すれば一端になれるというのも、いつもの話になってしまいますが、デザイナーやミュージシャンや絵描きや小説家など、ふらふらと仕事をしている自分が体感してきた事です。

 ですので、やはり地道にやるしかねーですにゃーというのが、この年になっての人生観です。


 体重とは関係ないですが、どの仕事も変わらないと、私は思うのです。

 もしこれを見ている方で今進路に迷っている方がいたら、何か参考になったら嬉しいです。


 

 今回はこんな感じで。

 有料記事の方でなんかPDFとかアップできたらと思ってるので、自分の同人誌手に入れてくれた方で「この絵の未統合データおくれ~」とかあったらコメントしておいてみてください、やってみるかもしれません。


 それではまた。ニリツでした。


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