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続・勘違いで見える物 二上編

こちらはskeb様にて依頼頂いた物です。

ご依頼、ありがとうございました。


── ── ── ──




「ここかぁ・・・」


私はメモを頼りに一軒のマンションの前に居る。

以前の同窓会で会った橋本さんに教えてもらった情報を頼りに探した金本さんの住んでるマンション、それがここだ。


「・・・えっと多分体型的に一階だろうし・・・」


今どきにしてはエントランスホールにオートロックも付いてないマンションに上がり込み、不自然にならない程度に部屋の表札を確認しながら歩く。

しばらく歩いて見れば108号室に『金本』の表札が飾ってあった。


「おー・・・ここかぁ・・・」


私は色々期待しながらインターホンを押す。


【ピンポーン】


電子的な音が鳴り、その後ドスドスという音と共に何かがこっちに向かってくる感じがする。


「はーい・・・っ!!あんた!!」

「どうもー!お久しぶり!元気だった金本さん?」


扉を開けて目の前に立ってた金本さんを見た瞬間、私は驚きと嬉しさを覚えた。

そこに居たのは高校生の頃から更に太って、まさに百貫デブになった金本さんだったから。


「・・・なんの用よ」


冷たくあしらうように対応する金本さん。

その体は汗まみれの贅肉まみれ。

胸も腹もだらしなくダルンダルンだし、足も見たことない太さ。

腕も二の腕が太すぎて電柱みたいだし、背中の厚みだって前から見えるぐらい分厚い。

出会った頃は誰が見ても美人!って顔だったのに、今じゃその贅肉で埋まってる。

まぁ『見る人が見れば美人』ってヤツかな?


「別に、この間同窓会やったのに来てなかったら寂しくて会いに来ちゃったってだけだよ」

「そう・・・私は会いたくなかったわ」


私がそう言うと、金本さんはそう返して扉を閉めようとする。


「にしても・・・相変わらず太いねぇ~いや、昔よりも更に太ったよね?」


だから、ちょっと挑発気味に声をかけた。


「なっ・・・そんな訳無いでしょ!!」

「そう?そのお腹凄いよ?ほら!!」


そう言ってその腹に手を伸ばして揉むとものすごい質量を感じる。

なんていうの?分厚い羽毛布団というか・・・いやもうちょっと固いかな?とにかく柔らかくてどでかい!って印象。


「うわすごっ!手がどんどん沈んでく!!」

「な、やめなさい!!」


金本さんが叫んで体をひねり、私の手から逃げようとして・・・その反動で尻餅をついた。

ドシンッと音が鳴って、一瞬私も含めて周りのもの全部が揺れる。


「あはははは!!凄い!まるで地震みたい!」

「うっさい!そこまで揺れてない!!」


思わず笑い声を上げると、金本さんが切れながら声を上げて・・・多分勢いよく立ち上がろうとしてお腹がつっかえて出来ずにまたひっくり返った。

幾つか荒いため息を付いてから金本さんは体を傾けて、壁に手をかけてから体をノロノロとゆっくり立ち上がる。

ただでさえ汗がすごくてシャツがぴっちり張り付いてるのに更に汗が出ててまるで滝みたい。


「にしてもホント凄いね・・・同窓会の後、気になってクラスメイト全員に会ってきたけど金本さんが一番太ってるよ?」


私の言葉に、金本さんが固まった。


「う、嘘よ・・・」

「いや本当だって。大学進学したり就職したりってみんな色々だったし、高校卒業して痩せた人やさらに太った人など色々いるけどさ・・・

 金本さんよりも太ってる子、居なかったよ?水町さんはケーキ屋さんに就職して更に太ってたし、相川さんは190kgだって言ってたっけ?

 坂上さんは確かアメリカ留学して太ったって言ってたけど・・・それでも250kg位だって。ほら写真」


信じられないって顔をしてる金本さんにクラスメイトの名前を言いながらこの間の写真を見せる。

その写真を見て、金本さんは『このデブよりも私の方が太ってるわけがない。』って顔をしてる。


「あ、その顔は『私がコレより太ってるわけない!』って顔でしょ?それこそそんな事無いよ?証明してあげるね!」


だから、私はそう言って小さいカメラを構えると、パシャリとシャッターを切った。

ポラロイドカメラだからすぐに小さい写真がプリントされて出てきて、それを見た私は思わず笑い声をあげてしまった。


「あはははは!!見てコレ!!なるべくフレームに収めたのにお腹とお尻はみ出してる!!」


そう言って金本さんに写真を手渡す。

受け取った金本さんはものすごく固まってた。

それもそうだと思う・・・だってこんなおデブさんまず居ないもの。

写真のフレームからはみ出し、膝よりもさらに下のところまで覆い隠すお腹の上ででろんと垂れて完全に乗っかってる胸。

お腹よりも更に横幅が広いからか、写真からすごくはみ出てるお尻。

腕も足もぶっとくて、顎の肉が分厚すぎて首と区別つかないし、顔だって気づけばほっぺたの肉が大きくなりすぎて少し垂れちゃってる。

こんな肉の塊があの金本さんだなんてきっと本人も信じたくないんだろうなぁ。


「な・・・な・・・・!!」


写真を見ながら狼狽する金本さん。

多分ここまで太ってるなんて本気で思ってなかったんだろうなぁ・・・


「金本さん、今大学4年生だよね?多分授業でなくても良いからってご飯いっぱい食べてゴロゴロしてたでしょ?

 駄目だよ?ちゃんとダイエットしないと私みたいに可愛くなれないんだからね?

 それじゃ、また会いに来るから!それまでにダイエット頑張ってね!!」


私はそう言いながら、またいつか会いに来る日を楽しみにしながら金本さんに背を向ける。

途中ですれ違ったピザ屋の店員が何箱も抱えて歩くのを見ながら、次に会った時金本さん一体どれぐらい太るのかなと思いながら私はいい気分でマンションを後にするのだった。




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