【#メスケモ #TS娘(元男)同士のレズ(?)】
その日も仕事を終えた僕は、自宅に戻るなりさっさと風呂に入って一息ついていた。
「さんきゅー」
部屋に備え付けられたタブレットから注文すれば、自立型の魔導ゴーレムがフルーツシロップのサイダー割りを運んできてくれる。底部から勢いよく泡が吹き出すジャグジーを楽しみながら飲むこの一杯は、本当癖になりそうな美味しさだ。
グラスの中で弾ける泡から視線を外し、背後のガラス窓から一望できるバベルの風景を目に焼き付ける。
バベルは複層型の都市。近代建築に近い様式の高層物が立ち並ぶ中心区、そこから背の低い石造りの建築物が並ぶ中層区。そこから更に建物の背の低い外周区と、町の外側にある掘っ立て小屋ばかりの人間区と分かれている。
文明レベルも高くて、中心区に至ってはご覧の通り現代日本の中でも上流階級に匹敵するような暮らしが出来る。中層区でも日本の中流家庭クラス。
この世界の文明レベルを考えればありえないほど突出しているし、外周区だって相応には高い。
……唯一変わった名称の人間区は蔑称。魔族の街に馴染めなくて、かといって便利で豊かなこの街から離れるのもイヤっていう人間たちが勝手に作った門前市みたいなもの。文明レベルもこの世界相応で、統治はされてるからギリギリスラム扱いされていないって程度。
僕が住んでいるのは中心区にある高級マンション。――街に所属する娼婦専用で、無料で住める社宅みたいなもの。
なんでそんなところに社宅があるのかっていうと、高待遇にはもちろん訳がある。
この世界の魔族というものは雄しかいない。繁殖するには他の人型生物の子宮を使うしか無くて、性欲だってものすごく強い。
自前で雌を確保できない魔族は、昔はそれこそ人間相手に悪の魔族そのものの蛮行を繰り返していた。
男は殺し、女は攫って犯す。そして人間と争いになって数を減らして振り出しに。そんな争いの中、野蛮な魔族の中に魔王と呼ばれる存在が誕生する。
そいつは随分と革新的な性格で、魔族を統一するとその超絶的な力を持ってこのバベルを作り上げ、同時にひとつの価値観を魔族の中に作り上げた。
『女は宝、我ら魔族に自ら股を開く女となれば、もはや国宝そのものである』
魔王は詭弁を駆使し、時間をかけて魔族側の価値観を塗り替えた。女は使い捨ての消耗品ではなく、大事に扱うべき国の宝だと思い込ませた。
それによってちらほら魔族側に適合する女性が出現しはじめたことで、教えは大きく広がり彼らは安定して女を確保できるようになった。
まぁ、無理もないと思う。この世界の文明レベルだと人間の国では娼婦なんて社会の底辺、股を開くしか能がない使い捨ての道具。
ところがバベルではいたれりつくせりで貴族よりも優雅な暮らしが出来る。街を歩けばさながらお姫様かアイドル。
人間の街では馬鹿にされて顔をしかめられる娼婦らしい格好も、ここでは周りが道を開け、最大限の敬愛と尊重をもって扱われる。
中心区に住むためにかかる莫大な税金も全て免除されるし、娼婦を勤め上げた年数と産んだ魔族の子供の数に応じて補助金すら出る。まぁ贅沢をするには自分で稼がないといけないけど、稼ぐ手段としてこの街で娼婦の値段はものすごく高い。
まー流石に中心区の高級マンションに住んでいる娼婦は最上位の極一握りだけど、現代日本の中層階級に毛が生えた程度の暮らしなら最下層クラスの娼婦ですら出来たりする。
何しろフェラ一発で金貨が飛び交う世界。日本円の感覚で言えばフェラ一発が万札2~3枚からが相場、客はいくらでもいるし娼婦になった時点で生活には困らない。
そんな高待遇なんだけど、実は娼婦の絶対数はものすごく少ない。理由は娼婦になるために必要な"処置"と"義務"が結構重いことと――人間側の価値観のせい。
魔族と人間は歴史上長らく対立してきて、化け物相手にセックスするなんて絶対に嫌だという女性は少なくない。むしろ大半の女性が嫌がるだろう。
そして処置、わかりやすくいえば僕のお腹につけられた淫紋のこと。体格差や行為の激しい魔族との性交をスムーズに行うための肉体改造……それを行った証。普通に考えれば、『もう行き場もなく希望もなくでも死にたくない』なんて極限状態でもない限り、娼婦になるための肉体改造なんて絶対にお断りされるに決まってる。
義務の方はもっと重くて、娼婦を続ける限り許可なく街を出ることが許されなくなる。それ以外にも月に最低ひとりは客を取ることや、年に一度納税代わりに中心区の地下にある触手槽へと数日ばかり漬けられるなんてのもある。
強制されるのがどうしても嫌って人は、最終的には人間区の方へ流れていく。まぁ、同意なく女性に酷いことするのは最低って刷り込まれてるから女性にとって治安は良いし、文明レベルの落差のせいで人間区へ逃げていっても外周区や中層区には遊びにきたがるんだから現金なものだよね。
「こんな暮らしができるとはねぇ」
ガラス窓から見下ろせる、米粒みたいになった人間たちを鼻で笑いながらグラスを揺らす。地球に居た頃ですら想像もつかないセレブの暮らし。
当初は本当に色々と思うところはあったけど、今は充実している。食うにも住むにも着るにも困らないこの街の暮らしは、娼婦であることを諦めさえすれば快適そのものだ。
割り切ってからは娼婦としても結構いいところまで登ってこれた。
これからもこの街でのんびり過ごせていけたらいいなぁって思うくらいには、僕はこの街を気に入っている。
☆
この街には中層区と外周区にそれぞれ大きな歓楽街がある。
中層区のものは大型カジノ施設を中心とした一種の大型テーマパークのような感じで、値段的にも富裕層向け。外周区にあるのは、ひとつの区画に無数の娼館が立ち並んでいるタイプで『娼館通り』なんて呼ばれてる。
もちろん中層区の歓楽街にも娼館はある。カジノ施設内にテナントみたいに入る形で、外周区と比べてちょっと特殊な娼婦が所属する店が多いのが特徴。
僕が勤めている娼館『プラム』はその特殊な娼婦が集まっている店のひとつ。この世界でもポピュラーな人間種の女じゃなくて、珍しい種族やいわゆる"普通じゃない女"が売り。
特殊娼館にも色々あるけど、うちの場合はどちらかといえば人間の形を留めている娘がメイン。特殊な部分は全身モフモフタイプの獣人種とか、特殊な体質の持ち主とかにかかってる。
ちなみに僕は元男であることを強調して売りに出されている。魔法なんかは普通に存在するこの世界でも、性別そのものが完全に変転するのは珍しいのだとか。
聞かされた最初はそんなの誰だって倦厭するだろと思い、むしろ助かるとオーケーしたらあらまびっくり、お客さんがたくさんついた。
妙なところで真面目だった僕は女性らしい振る舞いをしたほうがいいんだろうなと考えてたんだけど、オーナーからはむしろ男として振る舞えと怒られて唖然としたね。
『女になったことを認めない、生意気なオスガキを女の子として可愛がりたい』っていう歪んだ性癖をもつ魔族は意外と多いのだとか。ほんと魔族って生き物は救いようがない。
結果的に順応してる僕が言うのもどうかと思うけどな。
さて、中層区にあるこの街最大のカジノ『ゴールドスタンピード』の内部。このカジノはテナントとして受け入れた娼館と提携し、お客のニーズにバッチリ応えられることを売りのひとつにしている。あんなマンションに住めていることからわかると思うけど、僕の所属する店も中層区の方にある。
この街において娼婦の仕事っていうのは別に客をとってもてなすことだけじゃない。
「ユメちゃーん、準備いいかなー?」
「ういさ」
僕の現在地はゴールドスタンピードが誇る、ルール無用のナイトショーの控室。それぞれの娼館が持ち回りでショーを企画する人気の演目。日本では到底考えられない演目が多数存在するけれど、この街ではあくまで合法だ。
ここで行われるショーに出演するのが、中層区の店に所属する娼婦のひとつめの大目標とまで言われている。
理由は簡単。店が持っている中心区の社宅用マンションを割り当ててもらえるからだ。
慎ましやかに生きるなら人間区にいけばいい。あそこなら貧しく苦しい娼婦の暮らしが体験できるし、化け物に身体を許す必要もない。
でも化け物相手に股を開く覚悟を決めた以上、誰だって良い暮らしがしたいのだ。
「今日も頼むよー」
「任された」
先程から呼びかけてきていた、タキシードを着たコボルド……うちのオーナーに片手をあげて応えると、読んでいた台本を置いて控室を出る。
今日の演目は『レズプロレス』。ステージの上で行われる娼婦同士のイカせあいバトル。酒を片手に楽しむには丁度いい演目だって結構人気があるショーだ。
なお魔族というのは基本に野蛮さがあるため、どんな戦いであれ勝負事を楽しむ傾向があって勝者を尊ぶ。つまり勝つほど人気がでるため、女相手も大丈夫って娼婦は大体選手として参加している。
もちろん僕も選手として出ていて、結構人気がある。
そして今宵のメインイベントはプラムの稼ぎ頭ツートップによる雌雄を決する戦いなのだ。
控室を出てステージが見えるところまでいくと、四角いリングが設置されていた。既に何試合かしているため、観客も盛り上がっている。
反対側から現れたのは、今夜の対戦相手。全身モフモフタイプの犬獣人族『ディラン』、プラムのナンバー2で僕といがみ合っているライバル、僕の人気に嫉妬して倒そうと画策する犬獣人って触れ込み。
コートを羽織ったままリングへ向かうと、駆け出したディランが軽快な動作で飛び上がり、身体をひねって前転しながらコーナーポストの上に着地した。相変わらず凄まじい身のこなし、獣人はずるいよなー。
「きやがったなユメ! 今日という今日こそオレサマがお前をぶっ倒してやるぜぇ!」
「……ぶっ倒されるのはお前の方だ、僕のほうが格上だってこといい加減わかれよ」
灰色の体毛に、青いレオタードを身に着けたディランが牙を剥き出して不敵に笑い、僕を見下ろして指を差す。僕もコートを放り捨て、黒いレオタード姿を晒しながら反論する。
ちなみに台本では「今日という今日こそオレサマが勝って、お前をリングに這いつくばらせてやるぜぇ」だった。ちゃんと返した僕を褒めてほしい。
まんまる瞳をきらめかせながら、ディランが腰に手を当てて高笑いしながらコーナーポストを降りる。ライバル同士のマイクパフォーマンスに観客も盛り上がっている。
『宵姫ユメ対犬姫ディラン、今宵行われるのは同じ運命を背負いぶつかりあうライバル同士の決戦です。果たして勝利の魔神はどちらに微笑むのか!?』
妙に流暢に喋るリザードマンの実況を聞きながら、僕もサイドロープをくぐってリングにあがる。絶妙な弾力を持つマットは、大事な娼婦が怪我をしないように衝撃を吸収する特別製だ。
なお宵姫ユメは僕の通名、自分でつけたわけじゃない。漆黒のような黒い髪の毛から勝手につけられた。ディランは……説明する必要はないよね、犬だし。
『両者は元は少年同士非業の運命を背負い、女として生き直す道を歩んできました。挑戦者の犬姫ディランはとある部族の長の息子として生まれ――』
恒例となっている選手紹介を聞きながら、ディランと視線を交わす。
ディランは元はとある獣人部族の族長の息子で元族長候補だった男の子。しかしライバルにハメられて成人の試練に使われていた遺跡に閉じ込められてしまう。
脱出しようと遺跡の深部にもぐったディランは古の呪物に触れた結果なぜか女の体になってしまい、脱出こそ成功したものの族長候補の地位を失い、族長になったライバルによって追放されてしまう。
失意の中さまよい歩いている最中に珍しい獣人の子として人間の狩人に囚われ、売られ売られてバベルへ流れ着いたのだという。
本人は未だにライバルを激しく憎んでいて、黄金色の毛並みの獣人を見ると凄まじくイライラしている。
『対する宵姫ユメは異世界からきた少年! かの戦獣オーディ・ブラックに戦いを挑んだという胆力の持ち主!』
続いてだいぶ脚色された僕の紹介が流される。実は最初に会ったあの時、オーディは僕を殺そうとしていたんだ。ほぼ致命傷だったので楽にしてやろうと思ったらしい。
でも僕が途中で「やっぱりこのまま殺されるのなんて絶対に嫌だ」と思って近づいてきたオーディの脚に噛み付いたんだよね。全く微動だにしていなくて蹴り飛ばされたんだけど。
その時に僕の恩寵『可能性』が目覚めて、僕の身体はその場で今みたいな幼児体型の女の子になってしまった。ついでにただでさえそんな高くなかった身長も縮んだ。
目覚めてわかった恩寵の効果は、『死を目前とした状況において、生きる意志に応じて最もその場を生き残れる可能性が高い力を一度だけひとつ授ける』というもの。
介錯しようとしたオーディに反抗したことで条件が整って発動して女性化。
どうして女になったのか当時は困惑しまくってたけど、この街を知れば知るほど納得できた。
つまり女は宝だと幼い頃から刷り込まれたオーディにとって絶対に殺すわけにはいかず、全力で救助しなければならない身体に変化したのだ。
理想を言えば戦う力が欲しかったところだけど、もあれる力はひとつだけ。戦う力をもらっても相手はこの世界でもチートクラスの強さを持つ怪物、ほんの少し前までただの子供だった僕がそんなの手に入れて勝てる可能性はどのくらいか。
仮に勝ったとしてそのあとは?
チートクラスの強さをもつ歴戦の怪物が即保護者になってくれたのを見る限り、『女の子になっちゃった』は間違いなくその場で最も生き残れる可能性が高い力だったのだろう。クソが。
他に寄る辺がなかった僕も事情を話して、行き場がないと伝えたらこのバベルへと運んで暫く面倒を見てくれていた。あと黒い髪の毛と噛み付いた根性を気に入ったとかで、娼婦デビューした僕の処女を凄まじい額で買って箔を付けてくれたのもアイツ。
おかげで僕は順風満帆といえるスタートを切れた間違いなく恩人だ。……客の立場を良いことにイクときにイキションする癖を仕込みやがったことだけは許してないけどな!
「さぁ決着の時が迫ります――試合開始です」
「先手必勝だオラぁ!」
少し前に夢見たせいか、思い出が頭の中に蘇っているうちに紹介が終わった。
ゴングと同時にぐるるると唸りながらディランが突っ込んできて、僕はなすすべなく引き倒される。
いや無理だって、相手はこの街で戦闘に長けてる魔族と殴り合えるくらい強いんだから。
大人しくリングを背にしていると、ディランがマズルをぐっと近づけて唇に先端を押し当てた。
「んっ……ひぅ♥」
「ん――ディ、しっぽ揺らしすぎ」
僕を押し倒しながらキスをしてくるディランのしっぽをぎゅっと掴みながら、身体を密着させるようにして小さく囁く。
「ごめ、つい」
「気をつけて……ちゅっ♥」
「んちゅぅ♥」
尻尾をぶんぶん振っていたことを注意しながら、今度はこっちからキスをすると、あちらも舌を入れて返してきた。
……まぁ、大体みんなわかってるけど、ディラン……ディと僕はお互いに認める親友同士。
元は男の子だったとか、境遇が同じだったから親近感が湧いて仲良くなった。同じ日に娼婦化処置を受け、スカウトされて同じ店に入った。それぞれ相手は違うけど、処女を奪われたのも同じ日だ。
この街で生きていくため、お互いに助け合い励ましあってきた。こっちの世界にきてから出来た、無二の親友といってもいい。
それに目をつけたオーナーによってレズプロレス……娼婦同士のイカせあいバトルショーにライバルキャラとして出ることを打診されてしまったのだけどね。
結果としては大当たり。
女の子になってしまった少年同士が、イカセあいショーでライバルとして戦う。そのシチュエーションが一部の特殊性癖持ちの琴線をよほど強くかき鳴らしたらしい。
気づけば僕たちの試合の日はショーの中でも上位に入る大入り状態、僕たちは同時に名を上げて人気娼婦の仲間入り。救いようがないとはこのことだ。
もちろん最初はお互いに抵抗バリバリだった、なにせ今は可愛い女の子とはいえ互いに元男の子なのは知ってるし、僕は人型のわんこに発情する性癖してないし。
なので媚薬デスマッチとかいう、媚薬ガスの充満するリングの上での金網バトルをさせられた。抵抗はあったけど身体の疼きには勝てなくて、悪態をつきながらお互いにイカせあうことになった。
どうにもそれが受けたらしくて、今のいがみ合うライバル路線が出来上がってしまったのだ。
程々にキスを続けたあたりで、僕はディの尻尾を掴んで扱き上げる。
「アッ、ん、わぅぅぅ♥♥」
「きかねぇんだよエロワンコッ!」
仰け反ったところでぐっと力を入れて上下を入れ替えて、尻尾の根本を扱きながらレオタードに浮かんだ乳首のぽっちをくりくりと刺激する。ディの種族は見た目は犬だけど肉体の形状は人間よりなので、乳首はふたつだけ。
試合着として使ってる薄手のレオタードが身体を締め付けてるおかげで位置もわかりやすい。これ着てないと毛の中を探すことになるんだよね、舌で愛撫するときも毛が口に入るし。
硬さを確認してから身体を密着させて、今度は乳首同士をこすり合わせるように抱きついた。こりこりとした感触が乳首に触れて、思わず甘い声が漏れた。
「ん♥ く、ぁ♥」
「ハッ♥ アッ♥ ワフゥ♥」
「……楽しんでないで反撃ッ」
数秒ほどそうやって乳首を責めてから、蕩けたメス犬の顔をしているバカワンコにだけ聞こえるように囁く。ディは頭が悪いわけじゃないけど単純なのだ、うまくコントロールしないと『ただ仲良しの子たちがレズプレイしてるだけ』になってしまう。
これはプロレス、つまりエンタメ。ただ女の子がレズってるだけの試合じゃ人気はでない。
「く、お、オレサマをなめんじゃねぇ!」
ちょっと棒読みだったけど、試合を思い出したディが僕を跳ね除け、素早く後ろに回って組み付いてくる。両手で腕ごと上半身を抑え込んで、背後からカニばさみみたいに足が回されて、僕の両脚をぐぐっと開かせる。
開かれた股間を観客に見えるようにしながら、ディは耳元に口元を寄せて長い舌でべろべろと耳を舐め回してくる。
『でたぁ! 犬姫ディランお得意、耳ナメ固めだッ!』
「んゃ、は、ひゃぁあ♥」
べちゃべちゃという音が耳元で爆音で鳴って、背筋をぞくぞくとした感覚が走り抜ける。抑えきれない声が出て、乳首とクリトリスが硬くなるのがわかる。
もがいてみるけれど、ディの拘束は強くて全くビクともしない。いや拘束強すぎるって。
「宵姫ユメ! 手も足も出ない! これは決着かぁ!?」
「あっ、ひぅ♥ ちょ、ディ……ん、くぁぁ♥」
まずい、ディの耳舐めが巧くてイカされそう。練習の成果か前より明らかに上手になってる。
このままイカされたらいくらなんでも決着つくのがはやすぎだ。ちょっと反則だけどディの太ももの毛を掴んでぎゅっと引っ張る。
「なめんなっ!」
「ギュ!?」
痛みで一瞬動きが止まった。素早く拘束を解いたら、今度はディの下半身をぐっと持ち上げてひっくり返るような形……まんぐり返しの体勢にする。
「よ、っしょお!」
「うわ……むふぅ♥」
『絶体絶命のピンチ、宵姫ここで身体を反した!』
そのまま開かれたディの口の中に股間を突っ込むように座り込む。肌に食い込む歯の感触がちょっと怖い。
「じゅるる♥ れろっ、ぺろっ♥」
間髪入れずに目の前にある青い生地に包まれたディの股間、そこへ口をつけると同時にわざとらしく音を立ててクリトリスを吸いしゃぶる。これもレオタード越しじゃないと口の中が毛まみれになるんだよね……。
「んふぅぅぅ♥ ワフゥゥゥ♥♥」
口元をもごもご動かして抗議しながら、ディが喘ぎ声を漏らす。弱いのは知ってるけど、半分はお仕置きもかねて徹底的にいたぶる。
ぷっくりと浮き出たクリトリスを歯で軽く噛み付き、舌先でぐりぐりと弾く。唇をすぼめて吸い上げて、指で摘んで揉み解す。
「ワフッ♥ フゥゥゥゥゥ♥♥」
『おぉっと今度は犬姫なすすべなし! 決着はまだわからないぞ!』
舌が動いて僕の股間をなめはじめるけど、口を抑えてるからかとても鈍い。暫く一方的に責め続けていると、ディはもぞもぞと下半身をくねらせはじめた。
もうちょっとイク時の動きを察して責めるのを止めると、軽くお尻を叩いて合図を送ってぐるっと回転するように体勢を入れ替えてもらう。
ちょっと動きがへろへろで時間がかかったけど、今度は僕がまんぐり返しでディに顔面に乗られている体勢だ。揺れる尻尾がよく見える。
「今度はこっちがお返しだゾ!」
『犬姫意地のホールド返し! 今度は宵姫が防戦だ!』
「むぐぅぅ♥」
れろれろぐちゃぐちゃ、そんな音を立ててディの舌が僕の股間を舐め回す。テクニックよりも勢いとパワー任せの責めに、股間がぐっしょり湿って行く。
やられっぱなしもどうかと思って舌を使って濡れてるレオタードを舐めてみたら、軽く悲鳴をあげて固まってしまったので大人しくやられることにした。
衣装のおかげで刺激はちょっとにぶいけど、大きな舌がクリトリスを舐め回す感触は気持ち良い。くぐもった声で喘ぎつつ、こっちもイク寸前でお尻を叩いて合図を送ってホールドを解除する。
身体を離すと、よろめきながらリングの上にふたり同時に倒れ込んでしまった。これは演出じゃなくて、イキそうで下半身に力が入らなくなっているせいだ。
『宵姫何とかホールドを外すもののふたり同時にスリップ! どちらも限界が近いか!』
「まけ、ねぇ!」
「まだまだぁ!」
笑う膝を抑えて身体を起こし、僕とディはお互いに抱き合うようにリングの上で身体をぶつける。
『まだ闘志は萎えていない! 可愛らしい元オス同士! どちらがメスとして格上なのか! 譲る気のないぶつかりあいだぁ!』
萎えそうなのでやめてほしい。派手なぶつかりあいに見えるように、正面から抱きついて乳首やクリトリスを衣装越しに擦り付けあう。
こんなのでいいのかとも思うけど、見た目がお子様に近い僕たちに高度な技巧を用いたイカせあいなんて求められてないみたいで、シンプルなぶつかり合いのほうが受けがいい。
あとはどちらが先にイクか純粋な勝負。
「オーッホッホッホ! 殆どおこちゃまの乳繰りあいじゃない!」
『突然会場に響き渡る声! 無粋な乱入者は何者だ!?』
のはずだったんだけど……。
「このブラックミストレスが本当の快楽ってやつを教えてあげましょう! あなた達! あのおこちゃまたちを可愛がってあげなさい!」
「イエス、マム!」
『なんとぉ!? ブラックミストレス率いる悪徳監守たちの乱入だぁ! これは両姫大ピンチ!』
ちらりと視線を向けると、ステージの入り口からスポットライトに照らされてボンテージ姿のお姉さんが全身タイツの女性たちを連れて歩いて来るのが見えた。
ブラックミストレスを名乗ってるのは元娼婦、今は引退してBDSM専門娼館『ラブプリズン』のオーナーをやってる人だ。元娼婦が店を開くケースは結構あるけど、娼館やるのは珍しい。
BDSMはぼんてーじがでぃしぷりんでサドでマゾって意味らしいけど、よくわからない。
ってそんなことはどうでもいいんだけど。
「ディ、聞いてた?」
「し、知らねぇ」
台本はマイクパフォーマンスや試合中のセリフと、お互いに応酬して最後はシンプルなイカせあいで決着って流れしか書いてなかった。
彼女たちはいわゆるヒール、悪役選手ってやつだ。ブラックミストレスの乱入はある種の風物詩ではあるんだけど、今日乱入があるなんて聞いてない。
観客も予想外だったのか、思った以上に盛り上がっている。
悪徳監守軍団と名付けられた全身タイツの女性たちがわらわらとリングへと押し寄せてくる、その数6人。
「やべぇ、腰が」
「僕も無理そう」
あいにくとこちらは出来上がっていて逃げることも抵抗も出来ない。視界の端でオーナーがジェスチャーでごめんね☆と伝えてくるのが見えた。後で背中の毛丸刈りにしよう。
こういうのやるならせめて事前に打ち合わせくらいしてよ。
「捕まえろー!」
「わっ、ちょ、やめろてめぇら」
「まって、ちょっと! 今腰がっ」
あっという間に取り押さえられた僕たちは並んで四つん這いにされた。
「さぁ、この特製おちんぽでかわいがってあげる」
「好きなだけイキなさい、おちびちゃんたち」
『あぁ、なんてことだ! 我らの可憐な姫たちが悪徳監守軍団の魔の手に! 助ける勇者はいないのか!?』
レオタードをずらされ、剥き出しにされたおまんこに冷たく硬い感触が押し当てられる。僕たちのことを知っているのか、根本が太くて先が細い犬系のちんこを模したペニスバンドをつけていた。
「ひ、やだ、やめろ……」
隣でディが怯えた声をだした。僕は恩人のエロ狼を思い出すけど、ディは犬系のちんこにトラウマがある。助けてあげたいけど、僕も押さえつけられてる。
せめてと思って手を伸ばし、汗ばんだ震える獣の手を握りしめる。
「ゆ、ユメェ……」
「だいじょうぶ、がんばろ」
ディと視線があって、小声で励ます。同時に背中を軽くなでられて、仕方なくお尻を持ち上げた。
「イっちゃいなさい!」
「そーれぇ♥」
次の瞬間、悪徳監守のお姉さんたちが容赦なく腰を打ち付けてきた。大きな犬ディルドが勢いよく膣肉をかきわけて、子宮をこつんを突き上げる。
「ヒャゥゥゥ♥」
「ひあぁっ、あぁぁ♥」
僕とディの悲鳴がハモった。リズミカルに腰を動かして責め立てるお姉さんの動きに、僕たちは前後に揺れながら繋いだ手に力を込める。
当然ついさっきまでイキかけていた僕たちが熟練の責めに勝てるはずもない。数分ほど耐えただけで、あっさりと均衡は崩れてしまった。
「どうしたのぉ? 元男の子でしょ、もうダウン?」
「ぼくちゃんたち、オスの誇りはどこいっちゃったのかなぁ?」
「やめぇ、これやだ、オレこれやだぁ♥」
「ひぁぁ♥ だめ、そこ、そこ弱いの、だめぇ♥」
悪徳監守のお姉さんは僕の腰を掴んで離さない、ねちっこい動きで子宮の入り口をぐりぐりと刺激してくる。お互いある程度気心知れてるディと違って、本気で容赦がない。
「元オスがおまんこ穿られてイクところ見てもらおうねぇ♥」
「お客さんたちにぼくちゃんたちがやらしいメスだって知ってもらおうね」
盛り上がってきたところで悪徳監守は僕たちのふとももの裏に手を差し込み、そのまま持ち上げた。
僕たちが小さいからできる体勢、小さい子におしっこをさせるような格好の逆駅弁。会場に犯されているところが丸見えになって凄く恥ずかしい。
「やだやだやだぁぁ♥ おれ、やだぁ♥」
「やめてっ♥ 許してぇ♥ もうむり、いくぅぅ♥」
『あぁっ! 誇り高きヴァングルフの族長の息子がっ! オーディに立ち向かった異世界の屈強な戦士がっ! 悪徳監守のペニバンになすすべもないぞぉ!』
「うわぁぁぁぁあ♥♥」
たぶんもう知られてるし、屈強でも戦士でもないし。脚色されまくった実況に呆れていると、ディが悲鳴をあげた。
結構えぐい過去をもつディに、この煽りは相当効いたようだ。泣き叫ぶディに会場は更に盛り上がり、悪徳看守たちの動きは激しくなる。
「ひ、いぃぃぃ♥ やだ、僕やだっ♥ だめぇ♥ いくぅぅぅぅ♥」
僕も限界を迎えて、イカされた。
「うあぁぁぁ♥ オレやだぁ♥ イキたくない、イキたく……いっ……くゥワォォォォォン♥♥」
遠吠えをあげるディが強く僕の手を握りしめてきた、少し硬い肉球が押し付けられる。僕も握り返して、絶頂に身体を震わせる。
同時に、尿道が緩んで尿が派手に飛沫をあげてしまった。ぱしゃぱしゃと撒き散らされる尿がリングを汚す。
あぁ、負けちゃった……けどこれで終了だ。ひとまずよかった。
『あぁぁぁ! 犬姫絶頂! 宵姫屈辱のイキション! 我らが可憐な姫闘士たちが悪徳監守の前に敗れてしまったぁぁぁ!』
実況の叫びに続いて、客たちの歓声が聞こえる。それを遠くに聞いていると、悪徳監守のお姉さんたちはぐぐっと手の位置を動かし始めた。
「ぁ……」
「ぅ、ぅぅ……?」
あれ、もう終わりじゃと思っていると。しなやかな指先がレオタード越しに乳首をくりくりと刺激し始める。
「ひんっ♥」
「ひゃおっ!?♥」
想定外の刺激に甲高い悲鳴が漏れる。
え、嘘でしょ、まさか……。
「悪徳監守軍団は敗者に容赦なんてしませーん♥」
「さぁ、絶頂ショーの始まりだぁ!」
『敗者に鞭打つこの残虐行為! これぞ悪徳監守! 誰かふたりを助けてやってくれぇ!』
頬を引きつらせているうちに、悪徳監守のお姉さんたちは再び腰を動かし始める。乳首を絶妙な力加減でこねるおまけつきで。
「あぁぁぁ♥ やっ、許して! ぼく、ほんとむり、ぃ♥ いく、またいくぅぅ♥」
「やだぁぁ♥ おれきもちいいのやだぁ♥ まんこきもちいいのやだぁぁぁ♥♥」
容赦のない本気の連続絶頂で、一気に余裕がなくなった。暴れる僕をがっちりホールドしたまま悪徳監守のお姉さんたちは巧みにイカせにかかってくる。
抗えない快感が背中を上下に駆け回って、やがてへその奥で爆発する。僕は再びイキションさせられて、ディは隣で遠吠えをあげた。
それでも動きは止まらない。またすぐに絶頂がきて、声にならない声が漏れる。
観客からは「頑張れ宵姫ー! 犬姫ー! オスの誇りを取り戻せー!」「オスなんだろ、そんな悪党女に負けんな! 応援してるぞ!」なんて煽りをなげかけられる。
割り切ったつもりでいるけれど、改めて元オス弄りをされるとやっぱり羞恥心がすごい。恥ずかしくて顔が熱くなって心臓の鼓動が早まっていく。
僕だってきついんだから、ディはどれだけ苦しいんだろう。横目で見ると、羞恥で顔を真赤にしながら涙をぽろぽろ零して唸っている。
激しい羞恥心に耐える戦いは、僕たちがイキすぎて気を失うまで続いた。
覚えてないけど、最後にはフリルつきのリボンでデコレートされて「ぼくたち♥」「オス卒業しました♥」なんて書かれたカードを首にかけられてリングの中央に置かれたらしい。
なおベビーフェイスとしてライバルをやってきた僕たちだったけど、はじめて乱入してきた悪徳監守の毒牙にかかったことで更に人気が上昇した。
エンタメって大変だなぁ。
☆
「……あ、ユメ……その、さぁ」
試合が終わった日の夜。お風呂に入ってのんびり疲れを癒やしていると、部屋をディが訪れた。同じ店だから社宅の部屋も近いのだ、仲が良い理由のひとつでもある。
ディは複雑な模様が入った上品な麻のワンピースの裾を掴んで、頬を赤らめてもじもじと僕を見ている。
「おけおけ、入って」
「あ、おう……」
それだけで察した僕は部屋の中に案内する。扉がしまってリビングへ向けて歩いていると、ディが我慢の限界といった様子で抱きついてきた。
「ごめ、ユメ、オレさぁ……」
「いいよ、大丈夫」
「ぁ……」
今日のは結構きつかったんだろう。苦しそうなディを抱きしめて頭をなでると、両手がゆっくり背中へ回された。首元に顔をうずめてふすふすと匂いを嗅ぐディに押されるように、僕はベッドルームへ向かう。
良い出会いあって、保護者がいて、色々な意味で割り切っているつもりの僕と違う。ディはまだ自分の状況を受け入れきれていない。
バスローブを脱ぎながら、一緒にふかふかのベッドに倒れ込む。
「ほら、いいよ」
「うぁぁ、ユメェ……!」
声をかけると、ディは泣きそうな声を出しながらワンピースを脱ぎ捨てた。綺麗に整った毛並みの中、股の間から飛び出すのは黒光りする犬ちんこ。
本物はもうなくなってしまったから、ただのペニスバンド。
ディはもどかしそうに僕を抱きしめ、四つん這いにさせると覆いかぶさるように身体を密着させてきた。
「ユメ……ユメ~♥」
「んっ……」
僕たちは出会ったときには既に女の子の身体になっていた。事情も知っているし知識として相手は元男だって知っているけど、実感としては相手のことを女の子だと感じている。
そしてディはオスとして誰かを犯すことで心のバランスを取ろうとしてる。その相手が僕になったのは、きっとディの境遇に一番共感出来るから。
だから僕は背後から僕の中に挿入して、しがみついてくるディの手を握って受け止める。
いま親友にしてあげられるのはこのくらいしかない。甘えながら僕を呼ぶディの声を聞きながら、夜は更けていった。