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「はぁ……はぁ……!」
「……派手に金的かましてくれた割には、劣勢のままだなぁ、オイ?」
ナオユキの隙をついた一撃により、性器を鷲掴みにされて動けなくなったナオユキを責め立てるダツヤだったが……、その流れも長くは続かなかった。
相手に遠慮せず、冷徹に徹する時の決断力はナオユキもまた然りであり、さらなる不合理や屈辱によりその剣幕は凄まじいものとなっている。力づくに引きはがされ、再び殴り合いになったダツヤはまたも劣勢に屈し始めていた。
「うっせぇ……、だったらもういっぺん泣かしてやるぜぇっ!!」
なればと、ダツヤは再び金的を狙う。……だが、そこまでを読んでいたナオユキは身を引いてそれを避けてしまった。
そして、前のめりに若干体勢を崩したダツヤの腰を掴み、背後から手を這わせると、復讐とばかりにダツヤの下半身に指を回す。
「んぁ……っ!」
「テメェのほうに、キレイに戦う気がねぇのはもうわかってんだよ……、あと、俺がテメェ相手にいつまでも律儀にルール守ると思ってんなよ?」
図らずも先端が布地にこすれるような握力で握られて、ダツヤの口の端から淡い声が漏れる。
ナオユキはそのまま足を引っかけると、倒れたダツヤとも連れ合いになり、性器を握りながら馬乗りになる。
そして、眼下には無防備にパンツに覆われた急所が晒される。今度はナオユキがダツヤの性器を握りこむ格好となった。
「これ。喧嘩、だよなぁ……? だからテメェも、まともにやっちゃ勝てねぇからってあんな真似したんだよなぁ……?」
「っ…………、や、め……っ!!」
「だったら。覚悟はできてんだよなぁ……? 格闘技の試合で済ましてりゃ、テメェも地獄を見ずに済んだのによぉ?」
ナオユキは額に筋を立てると、薄い布の下で勃起している性器をくりぬくよう、根元から掴む。すればその陰に隠れている形が露になった。
「もはや俺がテメェを半殺しにすることに何のためらいもねぇって、テメェだってわかってんだろが。散々馬鹿にしてくれたんだよなぁ? あぁ?」
「ぐ……っ、だって……テメェが、そんな…………」
「俺みたいにメガネかけてるやつが、テメェより強いのが、そんなに理不尽だったか?」
ドボオオオォォォ!!
「がぁああああああああっ!!?」
まさかこんな状況になるなんて、と戸惑うばかりのダツヤに、ナオユキはさもトドメのように吐き捨てると……、くっきりと浮かんだ性器、それを手に握りこみ、そして殴りつける。
手加減があるとは思えない、重い一撃だった。パンツ越しに急所に拳がめり込んだダツヤは途端には甲高い悲鳴を上げる。
痛みと恐怖のあまりすぐに振り払おうと暴れもがいても、ナオユキも格闘技の素人ではない。胴体にどかりと腰を下ろされていては抗うすべはなく。
ドガァッ!!
「がぁああああ……っ!」
グボォッ!!
「ひ、ぎぃぃいいっ!!」
先んじて仕掛けられた金的、そして不快な態度から、もはやナオユキに容赦はなかった。普段なら禁じ手でも、それを守る価値のない相手にはナオユキは常日頃から率先して手段を選ばない。
それはルールのあいまいな地下格闘技でも自覚していることだったし、それをダツヤが理解したころには、時すでに遅く……、逃れられない状況にまで追い詰められたダツヤは、もはや激痛に耐え兼ねて悲鳴を上げるばかりとなった。
グボォッ!!
「がぁああああああっ、や、め……っ!!」
「あ?」
ドガァッ!!
「んがぁあああっ! わ、わかった……こう、さん……っ!!」
「はっ、そうかよ」
ドガァッ!!
「ぐあぁああああっ! ギ……ブっ! ギブ、だか、らぁ……っ!!」
性器を握りこまれ、殴られる激痛が下半身をめぐり、ダツヤは髪を振り乱し、床を叩いて懇願する。が、散々挑発を受けてきたナオユキの怒りは収まらず、意にも介さない。
しばらく、ダツヤの懇願と無慈悲な金的を繰り返したのち……、すっかり力尽き、ぐったりと倒れこんだダツヤのを見て、ナオユキは短く息を吐いた後、立ち上がった。
「っぁ……ぁぁ…………」
「降参、つったな? 一応聞くが、まだ続けるか?」
「……っ! ひ、ぐ…………!」
大の字に倒れ、手足を引くひくと跳ねさせているダツヤを見下し、ナオユキが嗜虐的な笑みを浮かべる。と、足でダツヤの睾丸あたりをを踏みにじり、つま先で性器を弄る。
もう少し体重を傾ければ……無言の脅迫にまだ無事に難を逃れたわけではないと悟ったダツヤは、起き上がないなかで恐怖にすくみあがり、涙目になってしまう。
「お……、俺が……、悪かった、からぁ……っ!」
「けっ」
そこで、ようやく二人の間に決着の幕が下りる。
まさか、自分がこの相手に負けるなんて……。この相手なら勝てるだろうと踏んで意気込んだはずなのに……、金的まで仕掛けても、それすらやり返されてしまった……。
この学園は実質的に不良の巣窟にて、喧嘩の腕っぷしが全てを決める。だからこそ、物珍しいタイプのナオユキを見つけた時には、自分の喧嘩の腕を見せつけてやろうと意気込んでいたのに。
ダツヤは残る鈍痛に顔をしかめながらもすっかり意気消沈し、散々馬鹿にしてきた相手に敗北したショックでうなだれていた。
「っ……ぐぅ……! こんな、ハズじゃ……、」
「さて。テメェにはまだ罰ゲームが残ってるよなぁ……?」
ダツヤの肩を掴み、顔を寄せ、ナオユキが言う。
含みのある笑みからして、リストバンドのことではないだろう。そして自分にも心当たりのある、敗者への罰。ダツヤは再び、自分が安易にナオユキに挑発を賭けて煽ってきたことを重ねて後悔した。
「く、そぉぉ……」
敗者に拒否権などなく。ましてナオユキの怒りはまだ冷めたわけではない。もし、逆らえば……その先のことを想像すれば、ダツヤは大人しくすべてを受け入れるしかなかった。
yukibou
2019-09-11 19:48:12 +0000 UTCcuckoo
2019-09-11 14:13:29 +0000 UTC