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過去作再録 「紛争学園の日常~アラト編~ 2」

「いっ……!」


「……確かにさっき、本気出せっていったけどよぉ……、お前があんな真似するなんてなぁ……」


 そして、乱暴にコウの体を自身に寄せ、がしと抱え込む。決して逃がさないようにと。


 結果、目と鼻の先でアラトの顔を覗くことになった。完全に頭の線がちぎれてしまった、その形相を……。


「…………なんでもありで、いいんだな…? あぁ? コウ……!」


「ア、アラト……?」


「……オラッ! こっちこいよ!!」


 歯を剥き、顔の筋をひくつかせる。アラトは抑えきれぬ怒りのまま、コウを乱暴に引きずるようにしてリビングへと戻っていく。

 リビングに至るや否や、力ずくでコウを自分の前にやると、背後からその体を捉えた。


 戦慄するコウの背後から、アラトの腕が伸びる。


「いいぜ……? お前がその気なら、俺もなりふり構わず、ガチで相手してやるよ……!!」


「……アラト……、お前、まさか……!」


 そして、血管の浮き出たアラトの手を見やるや……、コウはその狙いを察した。



 ギュウゥゥ…………!!


「いっ……! がぁ……! あぁぁぁぁぁっ!!!」


 逃れようとしてももう遅い。アラトを突き飛ばそうとしたコウの抵抗をねじ伏せて、アラトは力強く、握り締めた。


 スウェットの上から、コウの性器を全て。そして激痛にコウは高らかと悲鳴を上げる。


「オラァッ!! どうだっ! 参ったかよコウっ!!」


「ひ、ぐぅ……ぐあああぁぁぁっ!!!」


 アラトがさらに手首を捻る。同時に性器がねじ切られんばかりに責められ、さらなる下腹部の激痛にコウは身をよじって叫び続けた。


 腕を振って暴れようとしても、それだけ痛みが響くだけだった。アラトにしっかりと抱き留められ、抵抗するだけ、握りこまれる握力はさらに増していく。


 それだけ怒っているのか、加減を感じない。このまま潰される勢いだ。


 背後に汗ばんだアラトの体温を感じつつ、コウはひたすら首を振って身悶えた。


「いきなり、きたねぇ真似しやがって!! もうただのタイマンじゃねぇ……今更、泣いても降参なんざさせねぇからなぁ!!」


「お……、お前がっ……! 先に、仕掛けたんだろうがぁ……! ……ぅあああぁっ!!」


「う、うるっせぇ!! さっき、マジで潰れたかと思ったんだからな!! お前も同じ気持ちを味わえ!!」


 ギュウゥゥ……!!


「があああぁぁぁぁぁっ!!!」


「へ……はははっ! 俺の痛みが少しはわかったかよ!? まだまだ強くできんぞ!」


 ダメだ、マジで限界だ……。


 痛みが過ぎて、意識すら遠くなっていく。だが、それもすさまじい激痛にて叩き起こされるばかりだ。

キレたアラトを、これ以上刺激してはならないなんて、そんな甘いことはもう行っていられない。


 もはや口で何と言おうと通じないだろう。力加減でわかる。優先すべきは身の安全と、痛みに苛まれつつも、コウは覚悟を決めた。


「がぁぁあああっ!! ご、のぉ…………!!」


「っ!!? がああぁぁぁぁっ!!?」


 激痛を堪えて歯を食いしばり、コウは背後に手を回す。


 目には目を、と、同じようにスウェットの上からアラトの性器を掴み、思い切り力を込めた。

 同時に、背後から悲鳴が上がる。こちらの性器をすりつぶそうとしていたアラトの握力が幾分か弱まった。


「テ……テメェ……!! この期に、及んで……!」


「はぁ……、はぁ……、悪かった、つってんのに……、こんな真似、するからだ……!!」


「こんのぉ……俺と潰し合う気か、コラ……!!」


 今更、何を言ったところでアラトの気は収まらないだろう。危険な賭けだが背に腹は代えられず、もはや勝負に挑むしかなかった。


 同じ男だからこそ、その感触はよくわかる。形が変わるほど鋭く指を突き入れれば、アラトの腰は引き気味になっていく。


 だが、それでも自分の性器から手を放さない。布越しにアラトの性器の感触を感じつつ、それが唯一の助かる道だと思い、コウは必死になって握りつぶしていく。


 ゴリ……グリ……ッ……!


「はぁ……、はぁ……! へっ、力比べする気かよ……、あぁ? 負けねぇぞ……?」


「はぁ……、はぁ……、さっさとはなせよ……! 大人しく帰るなら、見逃してやる……!」


 互いに痛みを堪え、必死に相手の急所を握り潰していく。


 薄手のスウェットの上からでも、その感触がはっきりと分かった。性器が自分の指の中に握りこまれる。力を込めれば、それだけアラトが絶叫する。

 ……人のことは言えないが、硬く熱く勃起していた。この学園で行われる試合では、地下リングの照明に、選手の潜在的な能力を引き出すための特殊なライトを使っている。


 そして、そのライトには試合が進むにつれ、性的な感情をあおる効能も見られている。そんな光を浴びて、何度も試合をしていた副作用が、今にも互いの体に浮き出てしまっていた。


 即ち、全く同じ状況下に自分も追い詰められている。意地の張り合いも併せ、一刻も早く相手の心を挫かなければ……。


「……はっ……、上等だ……、うらぁぁぁぁっ!!」


「ぐっ……、ぐぁぁああああぁ……っ!!」


 アラトが思い切り手に力を込める。コウが大口を開けて叫ぶものの、それだけ、アラトの性器をも握りこんで応戦する。


 下半身から千切り取られるかのような感触にひたすら耐えて、相手を睨み付ける。


「が、はっ……ぐ……あ……」


「はぁー……、はぁ……!! マジで、潰されたくなかったら、さっさと手ぇ放せ、コウ……!」


「っ、こ……のぉ……!!!」


「がぁあああぁっ……! いっでぇぇ……っ! ……マジで……容赦、しねぇぞテメェ……!!」


 ついには、足を保たせることができず、二人ともが床に崩れてしまう。それでも互いに手を放さない、まさに必死の攻防だった。


 互いに汗の浸った肩をぶつけ合い、荒れた息が混じりほどの距離で、急所を痛めつけあう。


「いっ……、ぐぅぅ……!! ……テンメェェェ……っ!! コウッ!!!」


「っ!? ぎぃっ!! ぐあああぁぁぁぁぁっ!!!」


 ……だが、均衡はもたなかった。アラトがさらに力を込めると、コウはついに手を放してしまう。

アラトは勢いのままにコウの背中から押し倒す。それでも怒り冷めやらぬと、そのままコウの性器を絞り上げるように握り締めた。


 アラトに組み敷かれ、痛々しいコウの絶叫と、アラトの唸りが部屋にこだました。


「っらぁぁぁぁぁあっ!! ぶっ潰すぞコラァッ!!!」


「がああああぁぁぁっ!!! いっ……ぐぅ……!! あ……、アラト……! 悪かった……マジで……!!」


「今更、遅ぇんだよっ! 俺に勝てると思ってんじゃねぇ! オラアァッ!!!」


「がああああぁっ!! ア……アラトっ!! が……、あぁぁぁぁっ!!!」


 スウェットの上からコウの性器をかたどるように指を這わせ、そして加減なく握りこんでいった。


 コウの悲鳴に一切耳を貸さず、怒号を落とし、責め立て続ける。


「……あ……アラトぉ……」


 コウの悲鳴が枯れ、弱まってきた頃合い……。心がくじけ、弱り切ったコウの表情を見て、そこから更に暫くした後、ようやくアラトは手を放した。


「はぁー……、はぁー……」


 解放されたコウは、手を床につけて激しく息を吐き、すぐに手で確認する。……意識を傾ければ、なんとかその感触は健在だった。


 だが、凄まじい力で握られ続けた余韻はまだ下半身に残っている。響く鈍痛に涙目になり、コウは間一髪の汗をたらし続けた。


「はぁ、はぁ……、へっ……、あんな真似して、俺様に勝とうなんざ……、百年早ぇんだよ……!」


 アラトもまた、その熾烈なやり取りの末に激しく息を乱していた。コウの背中に倒れ掛かったまま、その耳元で口を開く。

 背中に密着する、汗だくのアラトの体と体温を感じつつも、コウは床に顎をつけ、もはや反撃の気力すらわかなかった。


「……オラッ! 続けんぞ、コウッ!」


 だが、アラトはまだまだ物足りないと言わんばかりに床に座り直すと、コウの肩を軽く叩く。

コウは体を起こす気力すら残っておらず、うなだれたように口を開いた。


「も……、もう、俺の負けでいい、アラト……」


「へっ……、何言ってんだよ……今のはお互い反則だし。まだ、決着はついてねぇよなぁ……?」


「…………」


「まだ、俺たちの喧嘩は終わってねぇんだよ……! 負けたら覚悟しとけよ……?」


 そういって、ぺちぺちと横腹を叩かれるものの、コウはまるでされるがままになった。


 息も絶え絶えのその様子に、アラトは満足そうに笑みを深めた。


「ふはっ、一気にグロッキーじゃねぇかよ、コウ。さっきのが効いちまったみてぇだな!」


「ぐ……!」


「仕方ねぇな。……じゃ、今から、ケリつけてやるよ!」


 そういうと、アラトは再びコウの背中にのしかかった。


 左手でコウの肩を掴み、床に押し付ける。そして右手を、コウのスウェットの隙間からそっと突き入れた。

 布地の隙間を通り、アラトの指が汗で湿った肌を撫でていく感触に、コウはたまらず声を漏らす。


「んっ……、ア、アラト……?」


 このままでは……。だが、逃れようとしても、させじとアラトは体重を乗せ、押し付けてくる。そして、アラトの指が、布の中でいよいよ性器へと触れた。


 コウの肩を顎で押さえつけ、コウの身動きを更に奪う。そして下半身では、アラトの右手が性器を掴み、先端に親指を食い込ませるようにして、そのまま扱き始めた。


「オラ、今更ギブしても無駄だぜ?」


「っ……、やめ、ろ……!」


 ヌチャ……ヌチュ……!


 アラトが指を動かす度に、性器より得も言えぬ感触が込み上げて、コウは腰を震わせた。

 触れられるたびに跳ね上がるコウの性器、その先端よりプツリと出た先走りを塗り広げるようにして、ひたすらに刺激を与えていく。


「ん……、ア、アラト……っ!! ぐ……ん……あぁ……!」


「このまま無様にイかせて、俺との力の差を見せつけてやっからな!」


 散々に握りこまれた影響か長くはもたず、アラトの責めに堪えきれずに、いよいよ限界が訪れた。


「はぁ……,はぁ……、はぁ……! ん……んあぁああ……っ!!」


 …………ビュルルッ!!


 そして、辛くもスウェットの中に白濁を吐き出してしまった。


 恍惚に酔ったように頬を赤らめ、乱れた息を吐く大地を見て、アラトはコウの性器から手を放し、引き抜いた。


「俺の勝ち、だよな♪」


「くそっ……」


「ししっ、認めろよ! おまえの負け、だろ?」


 そして、親指と人差し指で糸を引かせて見せつける。

 アラトの指に絡む、自分の精液。それをまじまじと見せつけられては、ひどく屈辱的な思いを強いられながら……、「参った」とだけコウはぽつりと漏らした。



「っしゃあああぁっ! コウのブツも完全KOしてやったぜっ!!」


「ぐっ……。」


 同時に、アラトは笑みを深め、活気よくガッツポーズした。


 別に試合でも何でもないが、勝ち誇るアラトの顔、そして一方的にイかされたことには屈辱を拭いきれず、コウは悔し気に奥歯を噛みしめる。


「く、そっ……!」


「にししっ。やっぱ俺最強~っ! どうだ!? コウ、俺の勝ちだ! どんな勝負でも俺に敵うわけねぇんだよ!!」


「……ぐ……!」


 己の勝利を誇示するかのように腕に力を込め、コウを見下す。


 コウの悔しがる様を堪能してか、アラトはにんまりと笑みを深めると、コウへと手を伸ばす。

 コウの腰に手を回し、そのままコウの体を肩に担ぎ上げてしまった。


「お、おい……?」


「うっし。じゃあ、ベッドいくか!」


「…………あぁ!?」


 それがどういうことか。意味は嫌でも察するというもの。敗者は勝者の好きにされる、普段の試合と何ら変わらないということだろう。

 当たり前に、はい分かったと受け入れられるはずもなく。PCはロックをかけたとはいえ、寝室に入れるなんてとても落ち着かない。


 何より、このままでは間違いなく、アラトに犯される。


「ちょ、待てって! おろせ、お前……!」


「……の前に、シャワー浴びるか、すっげ汗かいたし」


 自身を担いだまま歩き出すアラトの背を叩いて抵抗する。だが、アラトは上機嫌に足を止めない。


「待て、つってんだろ! なんで、お前と……!」


「だから、罰ゲームだって。俺全然ヤれてねぇし。今日は寝かせねぇかんな~?」


「お、俺は……、了承した覚えは……」


「別にいいじゃん、それぐらい。親友だろ?」


「……友達とこんなことすんのが当たり前だったっけか? なんか常識見失いそうになるんだが……」


 射精したばかりで疲労困憊の体に鞭打って、コウは必死に反抗した。


 アラトに持ち上げられたままで、ぎゃあぎゃあと言い合いになる。アラトのノリに付き合うのにも限界があるし、こっちにだって最後の一線は守りたいプライドぐらいある。


「んだよ、うっせーな。負けたんだから逆らうなって。つーかへるもんじゃねぇし。最近試合もねぇからたまってんだよ、俺」


「ふ、ふざけんなよ、俺は……」


「んだよ、うっせぇな! そんなに俺に抱かれんのが嫌なのかよ! あぁ!?」


「お前だからじゃなくて……、その……」


 だが、こちらの言葉には聞く耳を持たず、抵抗を続けていれば、逆にアラトの方が不機嫌になっていく。

逃れようと足をばたつかせるコウの股を軽く叩きつつ、アラトはわざとらしく大口を開けた。



「あーあー、あんまりうっせーなら、……やっぱ腹パン続行しよっかな~?」


「!?」


 それは、嫌だった。それこそ犯されるほどに。


 正直もう限界だ。これ以上殴られれば学生生活に支障をきたすだろうし、単純にもうあんな目に遭うのはゴメンだ。アラトの怪力に晒されるのは何としてでも避けたい。


 わざとらしく言うアラトは、口ごもるコウに対し見せつけるように笑みを浮かべた。


「へっ、今の状態で俺を倒せんなら、倒して追い出してもいいんだぜ? 俺は負けねぇし、逃がしもしねぇけどな。

 それとも。……また、さっきみたいにお前の弱っちい腹鍛えてやってやろっか……? それか、今度はマジの力で握り潰してやろっか? なぁ?」


 ……結局、抗いようがないのだと思い知らされる。やはり、油断などせずに初めから全力で倒しにかかるべきだった。


 アラトにとっては、例え遊び感覚だとしても互いのプライドをかけたタイマンだったのだから。

 リングであろうがなかろうが、勝利こそすべて。ここの学園の風潮だとは言え、コウは不承不承とうなだれた。


「覚えてろよ……、アラト……」


「おう、リベンジならいつでもかかってこいよ!」


 そして、何とも明るく笑う。何事にも本気でぶつかり合うことを好む、アラトの性格は分かっている。

嫌味のかけらもないその笑顔で、コウは何かを責める気にはなれず、ただその先の行為に対し、恥じらいで目を伏せていた。



 まさか、アラトの挑発に応じ、それから本格的に負かされて、ともにシャワーまで浴びることになろうとは……。


 洗面所で裸になると、早くとアラトに急かされて浴室へと入る。続いたアラトはさっそくノズルを回した。


「……ひゃっ!!」


「ははっ、悪ぃ、悪ぃ!」


 シャワーから急に飛び出してきた冷水を浴びて、コウはたまらずやや情けない悲鳴を上げる。それすら面白がってアラトはコウの肩を軽く小突いた。


 少しむくれて水を避ける中、すぐに水は熱めの湯へと変わる。シャワーは二人の体の隙間を滴り、浴室が湯気に満たされていった。


「はは、やっぱコウも勃起してるよな?」


 ふと、コウの下半身を見やってアラトは言う。先ほど射精したばかりだが、我ながらここの生活で精力はついたと思う。


 だが、アラトとて、人のことを言えた義理でもないだろう。


「お前もだろ……」


「おう♪ お前との勝負、すっげぇ燃えたからな!」


 アラトの性器もすっかり天を向いている。それは、先ほどの勝負の時から変わらない。血管が浮き、先端が腫れたように、見ていて痛々しいほどに完全に勃起していた。

 勝ったからだろうが、終わってしまえばあとくされなく笑うアラトに、コウはひたすら嘆息を吐いた。


「でも、きたねぇよなぁ。いきなり金的ぶちかましてきやがってさ?」


「あ、あれは……、わざとじゃねぇし……」


「へへ。ほら、今なら触ってもいいぜ?」


 そうして、アラトは自身の勃起した性器の根元を持ち、コウの体に軽く叩き付けた。


「……くっ、調子に乗るなよ……」


「っ!!」


 その勝者の余裕にいい加減辟易し、むくれたコウはアラトの性器を勢いよく掴む。先ほど同様に鷲掴みにする勢いで、アラトはたまらず腰を引くつかせた。


「いっ……コウ、テメェ……!」


「触ってもいいんだろ? まさか、自分で言っといて降参はないよな?」


「ぐっ、だからって、また……!!」


 シャワーを浴びながら、アラトは声を漏らし、顔を引きつらせる。


 だが、このまま握りつぶそうとすれば、流石に反撃が飛んでくるだろう。一気に余裕をなくしたアラトの顔だけで満足と、コウは意地悪い笑みで、手から力をぬく。


 その上で、手は離さない。先端を揉みこむ様にして刺激を与える。弾けるシャワーの滴もそれを手伝い、アラトの頬がほてっていく。


「コウ。マジで、それ……!」


「降参か? ……イーブンなら、部屋に帰れよ、頼むから」


「!! ざ、ざけんなっ! ……っあぁっ!」


 ……このままイかせることができれば、部屋から追い出せるかはともかく、少なくともアラトに襲われる未来を回避することができるかもしれない。


 コウはそのままアラトの性器を責め続ける。皮の隙間に指を食い込ませるようにする度に、アラトの性器は敏感に反応した。


「んぁ……っ……! ぐ、あぁ……っ!」


 そして、アラトが背後からぎゅっと抱き着いてくる。耳元で響く喘ぎ声に、コウは確かに優位を実感した。


「……諦めないなら、このままお前もイかせてやる。どのみち、俺の体は守らせてもらうからな」


「ぐ……っ! やって、みろよ……っ!」


「……っ!!」


 更に責め立てようとした瞬間、ふとして、コウは下半身に熱を感じた。


 ……アラトの反撃だった。大きな手で性器を握られ、同じように扱かれる。途端にコウは表情を曇らせた。


「アラト……!」


「へへ……、俺がやられっぱなしなわけねぇだろ……? 勝負の続きと行こうぜ、なぁ?」


 勃起はしているが、先ほど射精した分、より敏感になっている。アラトもそれを見通したかのように刺激を加え続けた。


 瞬く間に、コウの性器は粘着を帯びて艶やかになる。アラトの性器を掴むコウの手もいつしか滑り落ちて、アラトは本格的にコウの背後に回り、その背後から引っ付くようにして責め立てた。


「はは、コウ。お前こそ、ギブかよ? また俺の勝ちだな!」


「ぐ……、っ、アラト……!」


 指先で巧みに刺激され、コウは上ぞった声を漏らし始める。ゆっくりと、甚振るかのように触れていく。


「アラト、頼む、から……」


「……………」


 もどかしい、それだけで拷問だった。アラトの腕に手を這わせ、コウは上目遣いにアラトを見やった。


「……相変わらず、エロいのな~、コウ」


「ひ、ぐっ……、止めろ、あんま弄んな……!」


「なんで? お前も気持ちいいんだから別にいいだろ? 男同士で恥ずかしがんなって」


 裏側から指を這わされ、先端をこねくり回される。電流でも流れるように感じている間に……、いつの間にやら、太股に熱い感触。


 先ほどから真っ赤にいきりだった、アラトの性器だ。コウは悶えつつも、ふぅと嘆息を吐いた。


「……ていうか、当たってる……」


「へへっ……、俺の、堅ぇっしょ?」


 言いにくそうに指摘されても、恥ずかしがることはなく、寧ろ面白がってコウの体にその先端を押し当て、すりつける。


 アラトの性器が皮膚を撫でる、それだけで痺れが走るほどの感覚だった。そっと目を絞るコウを目の前に、アラトはごくりと唾を呑んだ。


「コウ…………」


 無邪気に笑った、かと思えば、アラトはコウの顔をのぞき込むと、我慢ならなくなったようで首を伸ばす。


 湯を浴び、シャワーの音を聞きながら、アラトに唇を奪われた。



「ん……っ、ん……ぁ……!」


 肩を掴まれたコウは逃れられず、されるがままにアラトに口内を犯された、突き入れられた舌でかき混ぜられ、唇同士が糸を引く。柔らかく甘い心地に呑まれるように、意識が遠くへと浮いてしまう。


 暫く続くと、更に太ももにアラトの性器がぶつかった。痛々しいほど最大まで勃起し、跳ね上がっている。


 余裕がないのだろう。熱い息を吐き、じっと見つめてくるその目は、少しもどかしく、されど真剣な男の瞳をしている。


 いつになく迫ってくるアラトの顔つきに、コウは思わず息を呑んだ。


「そ、そろそろ出ようぜ、コウ……」



 バスタオルを貸し、軽く体の水気を拭うと、さも自然な流れで寝室へと至っていた。


 全裸の前で、ベッドの前。アラトにしてやられ、浴室でとろけた意識だったが、冷静になればなるほど、このままでいいのかと自問してしまう。


「コウッ!」


「うわっ!!」


 ふと、背後からアラトに肩を掴まれ、そのまま共にベッドへと飛び込む羽目になった。

 男二人の体重だが、柔らかなスプリングがなんとか受け止める。枕に顔をうずめたコウはすぐに何事かとアラトに目を向けたが、アラトはけらけらと笑っているばかりだった。


「へへ、あったけーな」


「おい、俺のベッドで……」


「いいじゃん、床でやると足とかに痕つくし、体痛いし」


「やるって……、やっぱり……」


 今更、はっきりと問い出すこともないだろう。アラトは至極当然とばかりの顔をしている。

 本気で暴れもがけば何とか、と思うも、それではまたアラトとぶつかる羽目になる。一度決めたら譲るなんてまさかだろう。何より、もうアラトと殴り合う気力も体力も残ってはいない。


「はぁ……」


 コウは嘆息を吐く。と、アラトは早速、コウの肩を掴んだ。


 コウの体を自分の体の上にやり、そして、コウの性器を掴み、扱いていく。


 密着するアラトの肉体は固く、そして熱い。耳元にはアラトの吐息がかかり、下腹部からこみ上げる刺激と併せ、コウは指先を震わせた。


「ちょっ……、アラト……っ!?」


「へへ……さっきから、もう我慢できねぇんだよ、俺」


 押し当てられてよくわかる。変わらず、アラトの性器は立派に起き上がっている。それを股に押し付けられ、コウは気を煽られるばかりだった。


「今から、学年で一番強ぇ男に抱かれんだから、感謝しろよなっ♪」


「ま……、待て、よ……、お前、いきなり……!」


 コウの性器を扱きつつ、アラトはコウの右足を掴むと、半ば無理やりに持ち上げた。自身も起き上がると、晒されたコウの秘部へ狙いを定め、性器の先端をあてがう。


 その瞬間が迫っていることがよく分かったから、コウは火照った顔で首を振った。


「……ま、待てって……! 慣らしも、しないで……っ!!」


「……無理。なんか、お前が、エロすぎて……」


「た……、頼む、から……、アラト……っ!」


 何の前準備もないままで、すんなりとアラトの性器など呑みこめるはずもない。

 そんなコウの懇願は届かず。アラトは静かに息を荒らし、興奮のままに性器の根元を掴み、あてがっていく。


 そして、先走りに濡れた先端を、ピタとつける。敏感な入り口に、熱い感触。


 グリュ……ズブッ!!


「ぐぁっ……、ああぁぁっ……!!」


 強引に秘部へと押し入ってくる熱い感触に、コウはたまらずシーツを握り締める。


 入り口に至り、先端が収まる。それだけで一苦労と、アラトは息を吐いた。だが、受け入れる側はそんな程度では済まない。


 力を込めて拒めども、強制的に押しあがってくる痛みと快感に頭をかき混ぜられるようで、コウは大口を開いて堪え続けた。


「はぁ、はぁ……、はは、お前、試合じゃなくても、エロい反応すんのな~?」


「ア、アラト……、お前、覚えてろよ……っ!!」


「ふはっ、へばってんじゃねぇよ、まだ始まったばかりだぜ?」


 ズズ……ズリュ……!!


「ふぁ……っ……、ああぁぁ……っ!!」


 間もなくして、アラトが腰を動かし始める。性器がより奥へと侵入を始め、コウは必死に堪え続けた。

……だが、アラトもてこずっているようだった。当たり前だ、慣らしもしないのにすんなりと入るわけがない。


「……チッ。おい、コウ! 観念して力抜けって! 動けねぇだろ!?」


「はぁ、はぁ……! 無茶言うな……! 俺は、納得してねぇんだからな……!」


 思い通りに運ばないのが我慢ならないようで、頭の上から怒鳴られる。


 アラトもまた性欲的に限界なのだろう。躍起になって腰を振ろうとする。そのたびに体内で性器が暴れようとして、コウは身悶える羽目になる。


「……早く、抜けよ……! 動けないんなら、ここまでだ」


「は……はぁ!? ふざけんな、こんなもんで収まるかよ?! 俺まだイってないし!?」


「……残念だったな。ホラ、さっさと、抜けっ!」


「!! う、うわ……っ!!」


 だが、アラトが大人しく引き下がるなんてまさかだろう。そんなことはもう分かり切っている。

 コウが堪える力を強くする。すれば、体内で圧迫されていたアラトの性器が、ゆっくり締め出されるようにして押し出されていく。


 少しずつ、性器が抜けていく。完全に今から目いっぱい犯すつもりだったのだろう、アラトは目に見えて焦り始めていた。


 そこでようやく、いい気味だと思えた。今日に始まったことではなくとも、アラトにはいつも振り回されっぱなしだ。少しはままならず悔しい思いをすればいい。


「コ……コウっ! お前、タイマンで負けたくせに……! また殴んぞ、コラァ……っ!!」


「……はっ、こっちは俺の勝ちみたいだな。おこちゃまなアラトには、こういうのは百年早いかもな」


「なっ……んだと、テメェッ!!」


 まもなく、性器が体内から出ていく。こんな形での行為の終わりに、アラトは焦燥を強めていく。


 ……だが、終わる気など毛頭ないと、アラトは猛々しく吠える。と、コウの肩を掴み、顔を怒りで染めて詰め寄った。


「舐めんなよ、コウ……! ……そういうことなら、真っ向から受けて立ってやるぜ!」


「っ!! ぐっ!?」


 抜けかけたかに見えた、アラトの性器。


だが、アラトは低く唸ると、腰を動かし、強引にまた腰を押し込み始める。


「うぐ……! や、やめ……っ!」


「うるせぇ! 絶対負けねぇぞっ!!」


 焦燥したコウの声にも、アラトは耳を貸さず、コウの体をベッドに押し付け、荒々しい目つきで行為を進めていく。


 欠片もほぐされていない秘部へと、アラトは腰を押し付け、性器を捻じ込んでいく。先走りが滲んでいるとはいえ、コウは差し迫る圧迫感で息を詰まらせた。


 無論、すんなり入るわけはなく。すぐに引っかかることになり、アラトは悔し気に舌打ちする。コウも必死に抵抗するも、アラトは力づくにコウを犯そうとせっつき、歯を食いしばっている。


 うずく性器に構わず、狭まってくるコウの秘部を無理やりに押し開き、少しずつ、より奥へと侵入していく。


 まるで、獣の性交だった。掴んだ肩には指が食い込み、そして下腹部からはそれどころではない痛みが襲ってくる。


「はぁ……、はぁ……。……うらあああぁぁぁっ!!!」


「っぐ、……がぁっ、……ああああぁぁぁっ!!!」


 グチュ……、グリュッ!!


「かは……っ!!」


 体内での戦いは、ついにアラトによってごり押された。


 その硬度によほど自信があったのか、ついにはいきりだった性器の根元までが、一気にコウの中へと納まった。


 唐突にその最奥をアラトの性器で蹂躙され、込み上げる刺激の渦で、コウは痙攣さえ覚えるほどだった。準備も何もなく、かろうじて裂けなかったのが奇跡なほどだ。

 だが、散々に力んだアラトもすぐに動くことはさすがにできなかったらしい。互いに荒れ果てた息を吐き、触れた皮膚で汗を混じらせる。


「はぁ……、はぁ……。オラァッ! どうだ!? 俺の勝ちだろうが、コウ!!」


「ぐっ……、はぁ……、はぁ……! くそ、お前……、ありえないって……」


 アラトは顔を引きつらせつつも、そこまでに至った勝利の余韻か笑みを浮かべ、コウの顎先をくいと指で持ち上げる。


 体内には熱の塊として、しっかりとアラトの性器の感触を感じている。それこそ、こちらの性器の裏側ほどにまで至っているのではないだろうか。


 その窮屈さに先端が引くつく度、それだけでコウは身悶え、指先を震わせた。


「……くそ、なんでも勝負ごとにしやがって、アラト……っ!」


「へっ……、お前こそ、俺の事バカにしたじゃねぇかよ。もう加減してやると思うなよ……! お前の中、今からボコボコにしてやっからな……!」


「……ア……アラト……っ!」


 挿入が終わる。だが、それでアラトが納得したわけではない。


 ……いつも後で後悔するものの、やはり、勝負ごとにかこつけてアラトを煽るのは命取りだ……。コウが不安げな目で見返せば、アラトはにやりと挑戦的な笑みを浮かべる。


 それこそ、喧嘩をしかけるときのような、好奇心と野心に満ちたアラトの瞳。


「へっ、タイマンと同じだ。……どっちが上か、体で思い知らせてやるよっ!!」


 アラトが威勢よく声を張る。次の瞬間、コウは一気に目を見開いた。


 ズリュ……ッ!! グリュ!!


「がはっ! うぁ……ああぁぁっ!!!」


 ついに、アラトは勢い良く腰を動かし始めた。ひいては押し出し、何度もコウの最奥を突きこんでいく。

宣言した通り、まるでその先端で何度も殴られるかのような乱暴さだった。コウはシーツを掴み、その込み上げてくる刺激に必死に奥歯を噛んで堪えた。


「オラッ! オラァッ! 気持ちいいのかよっ! よがってんじゃねぇぞ、コウっ!?」


「がぁ……っあっ! あぁあっ!!」


「はぁ……、はぁ……! 今更、ギブなんてさせねぇぞ……! せいぜい、俺との力の差を叩きこんでやっからな!」


 アラトは絶えず、激しくコウを犯し続ける。秘部の隙間が泡立ち、凌辱が進んで、ようやくアラトの形へと変わっていく。


 勢い凄まじく、自分の中を蹂躙してくるアラトの性器を実感し、コウは涙目になって喘ぎをこぼした。


「オラ、出すぞ……! コウ……っ!」


「……ア、アラト……、うぁ……あああぁぁっ!!!」


 ドビュ……ビュルルルッ!!


 そして、勃起した時間が長かったためか、絶頂は早く。


 アラトはコウの中に、そして同時に、コウの性器もまた、大きく跳ね上がった次の瞬間に、高く白濁を噴き出した。


 二度目であることに加え、散々と中をえぐられるように犯され尽くされてか、コウの性器もマヒしたように震え、盛大な射精の後にも白濁を少しずつこぼし続けていた。


「はぁ……、はぁ……、へへ、やべぇ……」


「はぁ、はぁ……、クソ、アラト……、好き勝手やりやがって……!」


 何度もびくりと跳ねさせて、最後の一滴すらコウの中に吐き出した後……、性器を引き抜く。


 アラトはやっと満足したようで、力尽きたようにぐったりとコウの上に倒れ込む。その汗だくの背中に手を回しつつ、コウは不満げに漏らす。


 だが、アラトは悪びれなく、歯を見せて笑って返した。


「……どうだ、コウ……! お前の中に出してやったぜ、これで暫く、俺の舎弟な?」


「……なんでだよ。別に、初めてでもないだろ……?」


 アラトと試合になったことも数回あるが、犯したり、犯されたり。よってアラトに襲われるのは初めてではない。


 そして、アラトの側も冗談だったのだろう。コウの反応を笑い飛ばすと、コウの肩に手を回し、強く抱き寄せた。


「な……? 俺ら、体の相性もいいし、組んだら最強だって」


「…………はぁ?」


「上の奴らぶっ飛ばしてさ。二人でここのてっぺんとってやろうぜ! あ、言っとくけど俺が頭だからな!」


「はいはい……、もう、好きにしてくれ……」


 悪だくみするように言うアラトに、ただでさえ疲労困憊のコウはただ聞き流しておくしかなく。


 決して風紀がいいとは言えないこの学園での、熾烈な覇権争い。その頂点とは、惹かれる者には眩しいほどだろう。その為に試合で、もしくはステゴロの拳で、生徒同士が徒党を組み、もしくは孤独に、プライドをかけて殴り合い、潰し合う。


 そして、勝てば敗者を好きにできる。それが、ここが「紛争学園」たる所以だ。……まぁ、危機感の強いご時世、他にもこういった軍営の教育施設は存在している模様だが。


 時折、学外での喧嘩も辞さないアラトも、その一人ということ。それに自分が組み込まれているのはともかくとして……、全力で殴り合い、挙句にこんなことまでしてしまう。とんだ友人の形だと、コウは嘆息を吐いた。




「それにしても。筋トレ終わった後に、お前……」


 アラトが重くなった体を引きずるようにして、またのしかかってくる。重く、足して熱い。そこから這い出るようにしてアラトの体を抱きながら……、コウはその背中に再び手を回す。


 汗の滲んだその肉体が、微かな呼吸にあわせて身じろぎするのに、コウはふと気が付いた。


「…………、アラト……?」


 ……いつの間にか、眠っている。


 他の生徒の部屋に泊まり込むことは、原則禁止だった筈。なにより、自分の部屋に他人を泊まらせるなんて危険な真似、したくはないが……。


 コウは遠くなった意識でふと思い出しつつ……、アラトの匂いと体温を感じながら、そっと目を閉じた。


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