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前回はこちら ● 「オラァッ!!」 グボオオオォォォッ!! 「カツヤぁっ!!」 ドゴオオオォォォッ!! グボオォォッ!! 「がぁぁぁっ!! ぐぉおっ!!」 身をねじっても、マウントポジションは崩れない。そもそもイツキは、喧嘩相手から奪った有利な体勢をむざむざ逃すような男じゃない。 二人きりのリン...
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容赦のない拳を受け続け、半ば意識を飛ばしながら。
それでもカツヤは、宿敵への「負けられない」という思いだけで耐え続ける。
「げふっ……はぁ……はぁ……」
「はっ」
マウントポジションの下、一切の抵抗を許されない地獄のような攻撃を受けたカツヤは、すでに虫の息と化している。
同じ男として感情をむき出しにして責め抜ける、これほどの好敵手もそうはいない。白熱した思いは圧倒している側のイツキも同様だった。
……だが。
「どういう、つもりだ……イツキ……!」
「わからねぇか? このままお前に勝っても、面白くねぇんだよ」
唐突に立ち上がったイツキ。マウントポジションを自ら放棄した。
もはやイツキからトドメを受け、命に係わる前に敗北を認めるしかない、カツヤはその覚悟さえし始めていたが、イツキはあろうことかその有利な体勢を自ら解いた。
塩を送られたのだ。満身創痍のはずのカツヤの肉体に、再び熱が駆け巡る。
「オラ、立てよ、チャンスをやるぜ」
「なめ、やがってぇ……っ!!」
そのにやけ面に拳を捻じ込むべくと、カツヤは震える腕で体を支え、這うようにして立ち上がる。
カツヤはかろうじて拳を握るも、しかしパンチを繰り出すまではバランスを保てず。前のめりに崩れ、そのままイツキの逞しい胸の中に飛び込む形となる。
イツキは、そんな弱り切ったカツヤを正面から抱きとめ、悔しげに呻くカツヤの頬をその胸で受ける。
「おいおい、いつものパンチはどうした?」
「はぁ……はぁ……っ!! くそ……ぐっ……!!」
ふらつくカツヤの指が食い込んでも、イツキの突き出された胸筋はびくともしない。
強力な威力を発揮するたびに隆起する胸筋、雄々しく筋が立ち、それは強い不良の象徴の一つだ。
「……それとも、早く俺のカラダを愉しみてぇのか?」
グボオオオォォォッ!! ドゴオオオォォォッ!!
「がぁぁぁ、ぁぁぁ……っ!!」
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「はぁ……はぁ……っ!!」
再び、イツキから徹底的な攻撃を受けて打ちのめされたカツヤは、すぐにキャンバスに倒れ伏し、このリングを支配しているイツキから逃れるべく、ゆっくりとコーナーまで這っていく。
もはや、喧嘩になっていなかった。執拗に戦意を挫くべく、一人のヤンキーが、もう一方のヤンキーに力の差を見せつけその肉体を征服している。そんな若くも残酷な図に他ならない。
イツキにむざむざ背を向けて距離を稼ごうとしている、そんな自分に情けなさを感じ、カツヤは歯噛みする。
「がはははっ! なぁ、カツヤ。テメェ何度ダウンすりゃ降参するんだ?」
そして……、互いの下半身も熱を帯びていることを、イツキは全く隠さなかった。
闘争心が下半身に直結しているのは同じだ。だからこそ、負けられない。
「まだ認められねぇようだから教えてやるよ。
お前よりも、俺のほうが強ぇ」
イツキは拳を振り上げ、コーナーの前で息も絶え絶えになっているカツヤを見下し、どちらが強いかを示す。
「お前がどれだけ鍛えようが、俺がその先を言ってやるよ。これからもな!」
宿敵のその拳や蹴りを受け、肉体を痛めつけられるたび……、その屈辱、そして強さを思い知らされるたびに、カツヤの下腹部にも熱がこもっていく。
イツキの雄々しい姿を目の当たりにするたびに、カツヤの意思にかかわらず、反応を押し殺せなくなっていった。
俺たちの因縁は続く。そして、勝ち続けるのは俺だ。
普段なら、取っ組み合いになる挑発にすぎない、そんなイツキの強気な宣言も、今は確かな説得力をもって、リングの上に響いていた。
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前回はこちら ● 「か、は……っ!」 「へへ……!」 イツキは早くも、勝利の余韻に浸りつつあった。 目の前には、ノックダウン寸前の自分を熱狂させる好敵手。それが、次第に戦意を損ない、己の力に屈し始めている。 同じ男、なによりもカツヤを、力の差を理解させながら純粋な暴力によって叩き伏せる。イツキにとっ...
yukibou
2022-01-24 11:55:25 +0000 UTCミケ空
2022-01-24 11:36:01 +0000 UTC