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ごむらば
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新人アナウンサー ハルカ

ハリガネ人間の着ぐるみ。 とはいっても、着ぐるみなのである程度の太さはある。 手も足も棒、そして顔は丸くはなく胴体から伸びた棒の延長といった感じである。 手も足も頭も先端部分はただカットされた円筒状態になっている。 この着ぐるみは発泡ゴムで出来ており、柔らかく動きやすくはできている。 しかし、背中にファスナーはなくこの着ぐるみを着る時は、着るというよりはこの発泡ゴム内に閉じ込められるといった方が表現的にはよいだろう。 頭の円筒部分を前後に開き、そこから体を着ぐるみの中に滑り込ませる。 ハリガネ人間の着ぐるみを着ても大きさ的には中の人をひと回りほど大きくさせた程度で、頭の部分は前面が薄く造られ外からは中の様子を伺うことはできないが、中からはしっかりと外は見ることができた、もちろん話すことも。 さてこのハリガネ人間の中身はというと、テレビ局の新人女子アナウンサーが入り、街へレポートへ繰り出す。 今年の春に入社した琴乃ハルカは、ハリガネ人間の着ぐるみを着て初めてのレポート。 自分の顔が見えないことで、緊張をせずにレポートできるのではと、始められた企画であったが年を追うごとにその趣旨からはどんどん遠ざかっていた。 ハルカが渡された企画書には、カッパの街をレポートと書いてあった。 内容は緑色のハリガネ人間がカッパの町を散策し、町の人たちにインタビューし、名所を案内してレポートするもの。 最後にカッパが祀られている神社に行き、ハリガネ人間の着ぐるみを破り、中からカッパが出てきて町の人たちを驚かせて終わり、となっていた。 ”カッパが着ぐるみから出てくる?”ハルカがどういうことなのか理解できないでいるうちに、衣裳さんとメイクさんが入ってきた。 「琴乃さん準備始めますね!」 衣裳さんはそう言うと、持ってきた衣裳の中から黒いゴムのようなものを取り出す。 「まず、これに着替えちゃって下さい!」 ハルカに質問する間も与えず、背中を押して更衣室へと押し込む。 何がなんだかわからないまま、渡された衣裳を広げる。 ”ラバースーツ?”ネットでみたことはあった。 でもこれって手や足の先、それに頭まで一体になっている。 戸惑いただ立ち尽くしていると外から衣裳さんの声がする。 「それ、ラバースーツって言います。裸で着て下さい。あと、これ使って下さい」と言ったあと、更衣室の下の隙間から小さめのボトルに入ったローションが差し入れられた。 衣裳さんに言われた通り、全裸になりローションを使いラバースーツに足を通していく。 ラバースーツはひんやりしていて冷たい。 始めはローションを使わずに着ることを試みたが、滑りが悪くうまく着ることができずに、ローションを試してみた。 ローションを使うと先ほどまでが嘘のようにスルスルと着ることができ、みるみるハルカの体は黒いゴムに覆われていった。 ラバースーツを着た時点で更衣室を出る。 すると、「これも被って下さい」と衣裳さんがハルカの胸元辺りのラバースーツから垂れたゴムの塊を指す。 ハルカはこのゴムの塊がマスクだということは分かっていた。 更衣室の中で被ろうとしたのだが、強盗が使う目出し帽のようになっていて、目と口のところだけ穴が開いていて恥ずかしくて止めた。 しかし、衣裳さんの押しに負けて目出し帽のようなマスクをハルカが被ると、衣裳さんは素早くハルカの背後に周り背中のファスナーを閉めハルカを頭から足先まで真っ黒なゴム人間にした。 このラバースーツは手はもちろんのこと、足まで5本指になっていた。 その理由はハルカも後々分かる。 全身真っ黒なゴム人間となったハルカに衣裳さんはウエットスーツで造られたカッパの着ぐるみを渡す。 カッパの着ぐるみといってもウエットスーツをベースに造られた衣裳。 違う所と言えば首の所が異常に長いくらいと見た目。 表面は黄緑色で光沢があり、特殊な加工がしてあり透明感もあり、見た感じはヌルっとしていた。 背中を開きそのカッパスーツに足を通すハルカ。 カッパスーツの中もゴムでできていて、すんなりとラバースーツの足を受け入れてくれなかったが、衣裳さんは先ほどのローションを使わせてはくれなかった。 衣裳さんとメイクさんの2人がかりで着せてくれたおかげでなんとかカッパスーツを着ることができた。 後頭部辺りまである背中のファスナーをあげると、ぴったりとしたカッパスーツはハルカのボディラインを強調し、男性の目を釘付けにすることは間違いなかった。 汗だくになりカッパスーツを着せてくれた衣裳さんから「イスに座って」と言われ、近くのイスに腰を下ろす。 目の前の大きな鏡には目出し帽を被ったように目と口だけ出て顔を含めすべて黒いゴムで覆われたハルカがそこにいた。 ハルカは自分の姿に恥ずかしさを覚えながらも衣裳さんの指示に従っていく。 衣裳さんはカッパスーツの足首辺りに特殊なボンドを塗りラバースーツとカッパスーツを接着した。 そして、カッパの足、5本指に分かれた足袋のようになったものをハルカに履かせ、同じように接着していく。 この接着剤自体黄緑色をしているので、接着していくとカッパスーツとカッパの足との境界が分からなくなった。 次は手にかかる。 足にも水掻きはついていたが、手ほど顕著ではなかったが、手は指を広げると薄い水掻きがしっかりとついていた。 ハルカはグッパーをして今まで感じたことのない感覚を確かめていると、衣裳さんが注意する。 「ジッとして下さい、上手く接着できないので」 注意され大人しくなるハルカ。 続いて背中、一度閉めたファスナーを開け、ラバースーツに覆われたハルカの背中に手を入れて、手や足と同じ特殊なボンドを塗り広げていく。 ラバースーツとカッパスーツ、それに閉めたファスナーも隠れるようにきれいに接着していく。 ”え!これって脱ぐことできるの?” 言い知れぬ不安を覚えたハルカが衣裳さんに尋ねようとした時、「じゃあ、カッパのメイク始めますね」 メイクさんが話しかけてきた。 ハルカが話そうとすると「このカッパのマスクを被ってもらいます」そう言ってマスクをハルカに手渡す。 手渡されたマスクは天辺に皿があり、その周りには頭髪らしき毛が、鼻と耳はなく口はドス黒い黄色のクチバシがついていた。 「先ずは特殊なコンタクトをしてもらうんだけど、コンタクトしてない?」 メイクさんに尋ねられ、「してます!」と答えると手馴れた感じでハルカのコンタクトを外し、あらかじめ準備していたケースへ。 そして、緑色をした大きめのコンタクトをハルカの目に。 ハルカは目が悪くハッキリと見えないガラスに前のめりになって覗き込みと、そこには白眼の全くない緑色の不気味な目がハルカを見ていた。 「ゴメンね、時間ないから腰掛けて」メイクさんの声に反応し腰掛けると不意にハルカの口に何が入ってきた。 「これはボールギャグっていって、口の拘束具になってるの、カッパが喋ったらおかしいでしょ」そう言ってメイクさんは頭の後ろでボールギャグを固定する。 「あぁぁぃううお」言葉にならない声を上げながらハルカはベルトを外そうとしたが、水掻きのついた手では外せない。 メイクさんは「ロケが終わったらちゃんと外すから安心して」そうハルカに声をかけ軽く肩を叩く。 そしてそのまま、カッパのマスクを被せられる。 ボールギャグを自分で外すこともできず、カッパのマスクを被せられ、どうすることもできなくなったハルカはカッパのメイクの続きに応じるしかなかった。 ハッキリとは見えないが、目の前にはぼんやりとカッパのようなものが見えているだけ。 なんだか、自分の存在が消えてしまったような感覚に陥る。 ボールギャグをされ涎が溢れてくるのを必死で飲み込んでいたが、それも限界を迎えた頃、メイクさんがカッパの口を大きく開き「ハルカちゃんの口とカッパの口を引っ付けるね」と。 咄嗟に口を開かれ涎が溢れ落ちる。 「ハルカちゃん、涎凄いね!」 その言葉に恥ずかしくなり、水掻きのついた両手で顔を覆う。 「大丈夫、大丈夫!口引っ付けたら、カッパが得体の知れない液を垂らしているようにしか見えないから」 ”全然、大丈夫じゃない!カッパの間私はずっと涎を垂らしているってこと?” ハルカは怒っているが、言葉で訴えることはできない。 目で訴えかけるが、メイクさんはハルカの口元の作業で視線が合うこともなかった。 そのまま、カッパのマスクの瞼とハルカの瞼をくっ付けにかかるメイクさん。 目に力を込めて訴えかけたハルカだったが、 「力を入れないで!作業できないから!」のひと言にアッサリと引き退ってしまった。 瞼と口をマスクに引っ付けられ、瞬きもでき口も動かすことができるカッパが出来上がった。 ハルカの鎖骨辺りまで隠れるカッパのマスクを丁寧にカッパスーツへと接着していく衣裳さん。 とても着ぐるみとは思えないほどの仕上がりに衣裳さんとメイクさんは満足した様子でハルカを眺めていたが、衣裳さんが甲羅を付けるのを忘れていたようで、すぐに作業に取り掛かる。 先ほど背中を開けてカッパスーツとラバースーツを接着した際、甲羅を取り付けるための金具も一緒に接着してあった。 その金具に甲羅の土台となるものを固定し、最後に甲羅を強力な接着剤で全く取れないように接着して完了。 何も言えなくなりされるがままのハルカの準備が整ったのを見ていたかのように、男性スタッフが部屋に呼びにやって来た。 ”コンコン” 「琴乃さんの準備できましたか?」 「はい!」メイクさんが元気に答えた。 立ち上がったハルカだが、元気はなかった。 部屋を出て男性スタッフの後についてロケバスへと向かう。 途中、同僚ともすれ違ったがそのカッパが琴乃ハルカであることに気づくものはいなかった。 ロケバスに乗ると、ディレクターさんが声をかけてきた。 「琴乃、そのカッパ凄いだろ!まるで本物だよ」 カッパの口を動かして答えようとしたが、ハルカの口にはボールギャグを咥えていて話すことはできない。 その代わり涎が落ちそうになるのを堪えて、大きく頷いた。 「琴乃、後ろ見てみろ!」 そう言ってロケバスの最後尾の席を指差す。 そこにはハリガネ人間の着ぐるみ、しかもカッパに合わせた黄緑色。 ハリガネ人間の手にはすでにマイクが取り付けられている。 「琴乃、お前今日喋れないだろ、でも安心しろあとからアフレコして声入れるから!」 ディレクターはそう言ったが、ハルカはその言葉を信じられないでいた。 ハリガネ人間の着ぐるみよりも気になるものが、ハルカの目に入っていたからだ。 それはこれからするレポートを放送する番組のメインキャスター新田マユもバスに乗っていたからだ。 ”なんで?私が着ぐるみを着てレポートするのにマユさんが⁉︎” カッパの着ぐるみにしろ、マユにしろ、ハルカが全く聞かされていないことばかり。 不安だけを膨らませながら、バスはロケ地に向けて出発した。 現地に着くと、ディレクターやマユがバスから降りるのを見送り、カッパとなったハルカは、ハリガネ人間の着ぐるみの中へ入る準備をする。 元々、ハルカがそのまま着ることを想定して造られていたので、カッパの着ぐるみを着て中に入るのはキツかった。 男性スタッフが強引にハリガネ人間の着ぐるみに押し込める形でなんとか中に収まることはできた。 そして、その男性スタッフに着ぐるみの封をしてもらった。 季節は初夏、朝晩は涼しいが昼ともなると、夏を思わせる暑さ。 窮屈な着ぐるみに押し込められた上、着ぐるみの重ね着、体力には自信のあるハルカであったがバスを降りる前から”何分耐えられるのだろうか?”と考えていた。 バスを降りてディレクターさんとマユさんの元へ行く。 「なかなか、いい感じだ!」そう言ってディレクターさんはハルカの肩とおぼしき場所を軽く叩く。 しかし、ハルカはハリガネ人間の着ぐるみを着たことでほとんど言葉が聞こえなくなっていた。 頭を傾げているハルカを見て、聞こえないことに気がついた男性スタッフがハルカにカンペを見せる。 ”Dが褒めてます”それを見て、ディレクターさんに向かって礼をした。 ディレクターさん、マユさん、カメラマンや音声さんに続いて移動を始めたが、照りつける太陽と着ぐるみの重ね着の暑さにすぐに参ってしまったハルカは、ガードレールにもたれかかる。 それに気づかずに先へ進む一行に、最後尾からハルカのフォローに回っていた男性スタッフが「琴乃さん、つらそうです!」 振り向く一行、それを見たディレクターは「お前、先に彼女を例の神社まで連れて行っておいてくれ!」と行って先へ進んでいく。 男性スタッフはハリガネ人間の着ぐるみで動きの遅いハルカに肩を貸して、ロケバスへと戻り運転手に「例の神社までお願いします」と。 例の神社とはカッパがよく目撃されたという神社のこと。 ロケバスには戻ったものの、ハリガネ人間の着ぐるみを脱がせて貰えず、バスは移動を始めた。 やがて、木陰でバスの中が暗くなる。 神社に到着したようで、バスは停まった。 男性スタッフに促され、バスを降りるハリガネ人間のハルカ。 しかし、その行く手にはかなりの段数のある階段が。 「さぁ、登りましょう!」男性スタッフが促す。 木陰のおかげで登り始めはよかったが、さすがに登りきった時は汗が吹き出し脱水症状寸前だった。 ハルカを支えながら登った男性スタッフも汗だくになっていた。 神社の境内が見える木陰で、適当な石にハルカに腰を下ろさせると、男性スタッフはハリガネ人間の着ぐるみの開口部を開き始める。 着ぐるみの中に新鮮な空気が吹き込む。 その空気に誘われてカッパが顔を出す。 「どうぞ!ストローを口に入れて容器を押すとスポーツドリンク出ますから」 男性スタッフからスポーツドリンクを受け取ったカッパはストローを黄色いくちばしの中に差し込み勢いよく容器を押した。 ハルカの口にはボールギャグがついている。 そのままでは飲むことができず、上を向いて再挑戦。 しかし、勢いよく入ったドリンクが気管に入り咳き込む。 「大丈夫ですか?」心配して背中をさすってくれる男性スタッフに仕草で大丈夫と返して、その後ゆっくりとスポーツドリンクを楽しんだ。 ようやく落ち着いた頃、別の階段から撮影の一行が上がってくるのが見えた。 撮影が続いているようで、撮影用の照明に続いてマユさんの声も聞こえてきた。 それを見た男性スタッフはカッパの頭をハリガネ人間の中に戻す。 ”え!急になに?” 状況が分からないハルカに今度は、カメラマンと少し離れた場所でマユさんが必死に何かを話している。 ハルカは男性スタッフに助けを求めて辺りを見回すが、男性スタッフの姿はどこにも見当たらない。 急にハルカは倒され強い力が加わる。 ”痛い!なにするの!” 引かれてに声上げたが、ハリガネ人間の着ぐるみの中では声は消されて誰にも届かない。 地面に押し付けられた状態にされ、ハリガネ人間の開口部から腕が入ってきてハルカ、いやカッパを引きずり出しにかかる。 引きずり出されたカッパは、数人の男に抑えつけられ、ロープで縛られる。 そして、身動きの取れなくなったカッパに近づいてきたマユさんは「カッパです!私が用意していた着ぐるみを勝手に持ち出し遊んでいた、張本人です」 ”え!なんでそんなことになっているの” 我が耳を疑うハルカだが、ハルカの悲劇は続く。 「この捕まえたカッパをスタジオに持ち帰り、専門家に見てもらいましょう!」 それを聞いてまだカッパの着ぐるみのままでいることが続くことと専門家に見せるというとんでもないこと。 ハルカは必死に声を上げたのだが、必死の訴えはボールギャグで塞がった口により不気味な声と涎に変わってしまった。 カッパは腕を後ろ手に縛られ、足は一本に。 そして体は亀甲縛りにされていた。 ハルカの大きな胸はカッパスーツ越しでも見事であり、股の割れ目にはロープが深く食い込んでいた。 そのため、少し動くだけでもロープの食い込みがハルカのアソコを刺激した。 ロープで縛ったカッパは頭陀袋に入れられ、ガタイのいい男性に担がれてロケバスへと戻る。 階段を一段下るだけの衝撃でも、ロープの食い込みがハルカのアソコを刺激し続ける。 階段を下りきるまでにハルカは2回の絶頂を迎えた。 ロケバスの最後部には行きのロケの内にはなかったケージが準備されていて、カッパは縛られ頭陀袋に入れられた状態のまま、そこへ押し込められた。 ロープの食い込みの刺激で絶頂を迎えたハルカは抵抗するどころか下手に抵抗するとロープでまた逝ってしまいそうなのでジッとしていた。 バスが揺れるたびに、振動で気持ちよくなりケージの中の頭陀袋はテレビ局に着くまで小さな悲鳴のような声を上げ続けた。 テレビ局に到着するとケージのまま台車に載せられて運搬される。 途中、カッパはケージから出され頭陀袋からも出され、再びケージへと戻された。 スタジオに入る前にケージには布をかけられた。 そしていよいよ専門家の待つ、スタジオ内へ。 ハルカの周りで大きな歓声が上がる。 そしていよいよ、布が外されケージに入ったカッパが姿を現わす。 専門家はケージの周りを一周して興味深げに中を覗き込んでいる。 そして、ケージから外へ出すように指示をする。 縛られたまま引っ張り出されるカッパ。 歓声の中に悲鳴も混じって聞こえてくる。 布をかけられる前に、ケージの隙間から緑色をしたスライムとローションの混じったものをかけらたのが、カッパをよりリアルに見せる。 ケージから出たので抵抗を試みるハルカ。 しかし、ロープで縛られローションのついた体では虚しくスタジオの床の上を滑るだけだった。 興味深く見ていた専門家がとんでもないことを言い出す。 「解剖してみましょうか?何か分かるかもしれませんよ」 そう提案するとメインキャスターのマユさんが「そうですね、お願いします」と。 それを聞いてさらに暴れ出すが、大男2人が滑るカッパを持ち上げて透明のアクリルでできた型に入れて厳重に固定する。 ”どうして、誰も助けてくれないの?” ボールギャグをされた口で、ハルカは必死に声を出して訴える。 解剖の準備に息を飲み静まりかえるスタジオにカッパの悲痛な叫びだけが響く。 ハルカの頭を押さえつける手。 ”頭から解剖されるの?もう終わりだ” ハルカがそう思った時、口を拘束していたボールが外れた。 続いて、体を締め付けていたロープも。 すべての拘束が解かれ、自由を取り戻したカッパに近づいて、マイクを手渡すマユ。 そして「ゴメンね、ハルカ」 「あと、番組よろしくね」と。 マユは結婚を期にテレビ局を辞め、番組も降板することが決まっていた。 マユは自分の後任として、新人ながら特別なものを感じるハルカしかいないと上申していた。 ただ、経験がないので着ぐるみに入って、自分ではないものになって違う視点からモノゴトを見て欲しいというマユの想いがそこにあった。 ハリガネ人間の着ぐるみ入ることはマユから始まった。 そしてそれはマユが番組のメインキャスターに抜擢されるキッカケとなった。 ハルカはフラフラと立ち上がると、マイクを受け取り「これからがんばります!」と大きな声で答えたが、すぐに緊張の糸が切れて泣き出してしまった。 汗と涙でグチャグチャになった顔を観客に見せることはとてもできない状態なので、男性スタッフについてもらい、控え室へと引き揚げる。 控え室に入ると力なくイスに座るハルカ。 そして男性スタッフに向かって「アキラ!体、縛ったの貴方でしょ」 鏡に映るカッパの横に立って笑う男性スタッフ。 「縛るのキツすぎ!」 「でも、それがよかっただろ!」 カッパの表情がニヤける。 「もう一回、縛ってやろうか?それとも」 そういうと男性スタッフはカッパを床に体育座らせた。 ラップを取り出し、カッパの体に丁寧に巻きつけていく。 カッパは抵抗することなく、それに応じる。 ラップが全身に巻き終わると「今日ってもう終わりだよな!」カッパに話しかける。 「ええ!アキラは?」 「俺も今日はこれで終わり、じゃあ帰ろうか」 会話が終わるとカッパの後頭部で外されていたボールギャグを引っ張り、ハルカの言葉を奪い頭にもラップを巻きつけるアキラ。 そして股のところにバッテリー式の電マを強く押し込む。 ラップ拘束の上からさらに黒いビニールテープをギチギチに巻きつけていく。 黒いビニールの塊となったカッパをスーツケースへと押し込める。 スーツケースを閉める前に電マのスイッチをオンにする。 黒いビニールテープの塊からは鈍い悲鳴のような声には気にもしない様子でアキラはスーツケースを閉めると、そのまま控え室を後にした。 途中、衣裳さんとメイクさんとすれ違ったが、 「お疲れ様です」と声をかけ、何事なかったようにアキラはハルカの入ったスーツケースを持って帰ってしまった。 完


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