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ごむらば
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着ぐるみ体験記

着ぐるみ製作会社に体験入社という企画を自ら提案し、自身で体当たり取材をする女性ディレクターのお話。 1.着ぐるみ取材 女性ディレクターの真鍋沙織は、着ぐるみに入って人々を喜ばせるたり、自分自身も着ぐるみで変身し、日常の自分とは違う自分になることに楽しさを見出した女性たちを取材しした。 それをキッカケに着ぐるみの製作段階から掘り下げて取材してみることを提案した。 その着ぐるみの製作には自分が体当たりで取材、体験することも含めて。 沙織は若く容姿もタレントやアナウンサーにも引けを取らないほどなので、テレビ映えする。 それに自分の企画なので嫌がる心配もないため提案はすんなりと通った。 女性目線のアイデアと何に対しても体当たりで、取材に対するポジティブさが評価され若くして沙織はディレクターを務めていた。 いろいろな着ぐるみ製作会社と交渉の結果、ゆるキャラのような着ぐるみを作っている会社でなくリアルな着ぐるみを得意とする会社を取材できることになった。 沙織の思いととしては、可愛らしいウサギやクマの着ぐるみの製作過程などを取材し その可愛らしい着ぐるみを着て体験するものをやりたかったのだが。 取材を受けてくれる会社が本物そっくりにこだわる製作会社だが、致し方なかった。 着ぐるみ製作過程や現場を一通り見学させてもらった後、ここからは体当たり取材がスタート。 事前に水着を用意するように言われていた沙織は水着に着替える。 シンプルな水着と細かく指定があったので、ビキニでなく競泳水着で取材に臨んだ。 まずは沙織の体全体の型取りから。 体全体にシリコンを塗り、その上から石膏で固めていく。 シリコンと石膏を塗るだけでも時間がかかるのに、さらに固まるまでさらに時間を要した。 視覚も聴覚も体の自由も奪われ、ただ立っているだけ。 楽なように思われるが、何もしないことがかえって辛い。 石膏が固まり型が外された時には、沙織はグッタリとしていた。 外された型に石膏を流し込み沙織の石膏像を作るまでで本日の取材は終了。 2.着ぐるみ製作 石膏像か出来たと連絡があり、製作会社を訪問。 石膏像は沙織が思っているより、精巧にできていてなんだか恥ずかしかった。 その石膏像にラテックスを塗り重ね、その上から粘土で形を作っていく。 その粘土の上から、またラテックスを塗り重ねていく。 こうしてできたものに着色や装飾を施して完成となる。 できた着ぐるみはコモドドラゴン。 腹の部分にファスナーが付いていて脱着ができる。 早速、沙織は顔だけ露出した全身タイツに着替える。 髪の毛も耳も隠れ、顔だけ出ていて体のラインの出るピッタリとした全身タイツは恥ずかしく、コモドドラゴンの着ぐるみに躊躇することなく足から着ていく。 型をしっかりと取っただけあって、ジャストフィット。 沙織の足はコモドドラゴンの足となった。 コモドドラゴンの中は成形されており、足は一定以上は伸ばすことができなくなっていた。 このため直立できなくなり、前傾姿勢となる。 次に腕を通すと、四つん這いになる。 こちらも同じく、腕をしっかりと伸ばせなくなり、体を曲げるのも大きく制限された。 最後に頭だがその前に体を少し持ち上げられ呼吸用のチューブを口に、そしてそれを外れないようにベルトで頭に完全に固定された。 話そうとしたがチューブが邪魔をして声が出せない。 話すことができずオロオロしている沙織をよそに沙織の頭は着ぐるみへと押し込められていく。 沙織も知らなかったことだが、着ぐるみの中は真っ暗、覗き穴も呼吸穴もない。 それで呼吸用のチューブが必要であることを理解すると同時に、この状況が何かおかしいと気づいたと時にはもう遅かった。 仰向けにされ、腹のファスナーが閉められ圧迫感が増した。 同時に腹の方で何かされている。 腹のファスナーを隠す仕掛けがしてあったのを思い出した。 手足をバタバタさせたが、仰向けにされたコモドドラゴンにはもうどうすることもできなかった。 3.着ぐるみ体験 沙織はうつ伏せにされ、手足が床に触れてはいるが、手足は思うように伸ばすことも曲げることもできず、うまく移動することもできない。 仮にうまく歩くことができたとしても、視覚を奪われた状況ではジッとしている他なかった。 頭の上の方で何かされている。 そう思ったのもつかの間、頭が引っ張られる。 コモドドラゴンの首にリードが取り付けられていた。 引っ張られ、どこかへ連れていかれる感じ。 だが、今の沙織には抵抗もできずただ従うことしかできなかった。 しばらく、引っ張られるのが続いた後、どこかへ到着したようで引っ張られるのは収まった。 周りに人がいる気配はするが、ほとんど音は聞こえない。 沙織からは分からないがここはスタジオ。 そう、ニュース番組の一企画に着ぐるみのまま、知らずに出演させられていた。 4.着ぐるみのまま 沙織が出演できない代わりに石膏像を着色したものが用意されており、その後ろのモニターに事前に撮っておいた企画の説明が本人の映像で紹介される。 因みに石膏像は本物と見間違うほどのできばえ。 肌はシリコンで化粧をされ、髪もウィッグで見事に沙織を具現化されていた。 キャスター、コメンテーターが沙織の入ったコモドドラゴンの周りに集まり、各々が着ぐるみに触れる。 異変に気付いた沙織が動くと、女性キャスターが驚き尻餅をつくシーンもあった。 力自慢の男性スタッフがコモドドラゴンの前脚の脇に手を入れて持ち上げ、沙織の石膏像の横に並ぶ。 コモドドラゴンも抵抗するが、中身は女性、抵抗もたかが知れていた。 石膏像と並ぶとコモドドラゴンの方が一回りほど大きいが人が入ているとすると、うなずけるサイズであった。 ここで着ぐるみの中に仕込まれていたマイクの音声が流れる。 呼吸用のチューブを咥えているので、クリアに聞こえないが聞き取れる。 「え、何、どうなってるの?」 「私、どうされちゃうの?」 沙織の声がスタジオに流れる。 「もう、出してよ!」 沙織の懇願する声に司会の女性キャスターか言う。 「ではこれから彼女には着ぐるみのまま動物園へ行ってもらいましょう」 そう言って、スタジオに動物園のスタッフが現れ、コモドドラゴンを檻に入れて引き取っていってしまった。 「彼女の入ったコモドドラゴンの着ぐるみを見たい方は〇〇動物園までお越しください」 女性キャスターは動物園の案内のフリップを持って笑顔で紹介していた。 「なお、動物園の様子については、後日放送致します、お楽しみに」 と締め括られて番組は終了した。 つづく


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