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ごむらば
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無個性ラバーメイド【中編】

勝手に忍び込んで見てはならないものを見てしまった私はビクッと大きく体を震わせて振り向きました。 振り返るとそこには、まどかお姉ちゃんがいました。 「え、あの、まどかお姉ちゃんの後をついて来たら… 」 いつも優しいまどかお姉ちゃんですが、この時は見たこともない不気味な笑顔で私を見ていました。 私は怖くなり言葉が出て来ませんでした。 そんな私にまどかお姉ちゃんがいつもの笑顔になり私に言いました。 「夏希ちゃんもメイドになってみない?」 私にそう聞いてきたまどかお姉ちゃんの顔がある人物と重なりました。 そうです、同部屋の円 由香里ちゃんです。 名前も縁 まどかと苗字と名前を入れ替えただけです。 確かに由香里ちゃんは大人びていましたが、まさか年齢も名前も偽って高校に通っていのでしょうか。 突然、戻ってきた私の記憶の中だけでは何も分かりません。 由香里ちゃんの事は後回しにし、私は思い出した記憶を辿ることにしました。 メイドになってみないかと、まどかお姉ちゃんに言われた私は怖くなり断ることができず、頷く事しかできませんでした。 まどかお姉ちゃんは私の手を引いて階段を降りて、先ほど私が上から見ていたフレームの様なベッドへと誘導します。 私は怖くて抵抗できず、まどかお姉ちゃんについて行く事しかできませんでした。 フレームのようなベッドまで来るとまどかお姉ちゃんが言いました。 「夏希ちゃん、服を全部脱ごうか」 まどかお姉ちゃんは普通のトーンで話し掛けてくれたのですが、私は恐怖を感じ抗うことができず、その言葉に従い全裸になりました。 そしてフレームの様なベッドで横になり、目を閉じて思いました。 “私、これからいったいどうなるんだろう” 怖すぎて声も涙も出ません。 そんな私の口に何かが入ってきました。 「これはマウスピースよ!夏希ちゃんはこれからはこのマウスピースが夏希ちゃんの口になるのよ」 まどかお姉ちゃんの言っている意味が私には分かりませんでした。 そんな私にまどかお姉ちゃんは説明を続けます。 「今から掛けるフイルムを体に纏えば、お風呂に入らなくてもよくなるのよ」 そう言うと透明のフイルムを私の上に掛けてきました。 少し冷んやりしましたが、なぜか体に馴染む感じがしたのを覚えています。 「今からフイルムを密着させてから、ラバーでコーティングすれば夏希ちゃんもラバーメイドになれるからね」 本当にこれ以上は危険だと思った私は恐怖を振り払い動こうとしましたが、体を動かすのが遅過ぎました。 掃除機の吸引音のような音がしたかと思うとみるみるフイルムが体に張り付き圧縮されていきます。 暴れて逃れようとしましたがフイルムが体に張り付き、あっという間に動けなくなりました。 一瞬でも、黒光りしたマネキン人形の様なあんな姿になりたいと思った自分を悔やみましたが、もう遅かったのです。 フレームごと吊り上げられた私の足下には黒いドロドロとしたものが入った水槽が見えてきました。 “私もあの中に浸けられるんだ” そう思うだけで何もできません。 ゆっくりと足下から黒いドロドロの中へと入っていきます。 もう後戻りができないと思うと意外と冷静になれるもので、まどかお姉ちゃんの言葉が思い返されました。 【ラバーでコーティング】 “この黒いのはラバーっていうんだ” そう思いながら私はフイルムで磔状態のまま、黒いドロドロの水槽に浸けられました。 呼吸はマウスピースから伸びるホースで問題ありません。 それに黒いドロドロの水槽から出されましたが意外と目は見えました。 鮮明とまではいきませんが、周りが見えています。 吊り上げられて白い水槽、そしてもう一度黒い水槽へと浸けられましたがボヤけてはいるものの不思議と目は見えていました。 そんな私はフレームごとコンベアと運ばれていきます。 コンベアの上でフレームから外されるので、逃げるならそのタイミングしかないのですが、私にはここから逃げようという思いは無くなっていました。 なぜなら、私は足の先から頭の天辺までラバーコーティングされたことで気持ちよくなっていたからです。 どう表現していいか分かりませんが、とにかく気持ちよくて、ずっとこのままでいたい。 願わくば、メイドの衣装に包まれてラバーメイドになりたいとさえ思うようになっていたからです。 コンベアの上でジッとしていると、レザーが照射されます。 当時は分かりませんでしたが、おそらく採寸でもしているのでしょう。 レザーを照射された後、プレス機へと移動していきます。 先ほどラバーメイドにされていたお姉さんはフレームの様なベッドで眠らされているか気を失っていると思っていましたが、今の私の様に目を瞑り自ら望んでラバーメイドにされていたのではないかと考えるようになっていました。 “それは何故か?” 全身をラバーでコーティングされ程よい圧迫感と包まれる安心感があったからだと思います。 つまり、先ほどのお姉さんたちは一度ラバーメイドになったことがあるという事になります。 そんな事を考えていた私はコンベアで運ばれていき、そのままプレス機へやって来ました。 プレイ機の中は人の体の様な形になっており、それが上から降りてきます。 “怖い!” と思いながらプレスされたのですが、痛みは全くありません。 全身が動かせなくなりましたが、圧迫感が増しただけでした。 体を動かそうとしましたが、びくともしません。 呼吸もできたので暴れる事なくプレスが終了するのを待つしかありませんでした。 そんなプレスされるという異質な状況なのに私がウトウトし始めた時でした。 『プシュー!』 大きな音に驚き私は目が覚めました。 プレス機が開き、私のラバーメイドのプレスが終了した様でした。 そんなメイド人形にされた私はまたベルトコンベアで運ばれていきます。 移動した先で先ほどのお姉さんと同じように左胸と背中に刻印が押されました。 【S-0003】 その横には 【QRコード】がしっかりと刻印をされ、私はそのままベルトコンベアで運ばれていきます。 そういえば、刻印をされたお姉さんがどうなったのか私は知りませんでした。 刻印の後、まどかお姉ちゃんに声を掛けられたので。 ベルトコンベアの進む先を見ると、まどかお姉ちゃんがいました。 ベルトコンベアから降りて気づいたのはいつの間にか、ショートブーツを履いていることでした。 「おかえり夏希ちゃん、いやS-0003、今日からあなたは製造番号S-0003番よ」 不敵な笑みを浮かべ私を見下ろす、まどかお姉ちゃん。 そんな私の首に首輪を取り付けるまどかお姉ちゃん。 そして説明を始めました。 「今、取り付けた首輪は逃亡防止及び懲罰用の電流首輪流れ、GPSが仕込んであるので逃げてもすぐに捕まえにいくからね、ちなみに外そうとすると電流が流れるから気をつけてね」 そう言うと、まどかお姉ちゃんは私の目の前で何かのスイッチを押しました。 途端に体に電気が流れ、私は体に力が入らずその場に座り込みました。 それに全身がピリピリして上手く動きません。 「こんな感じで電気が流れるからね、立って!」 そう言われても、体が痺れて上手く動きません。 そんな私の目の前にスイッチをチラつかせるとまどかお姉ちゃんが言いました。 「早く立たないともう一度押すよ」 静かなトーンでそう言われて、私は慌てて立ち上がりました。 ふらふらする私の体を支えてくれたまどかお姉ちゃんが説明を続けます。 「S-0003には刻印の確認作業をしてもらいます、製造されたラバーメイドに刻印された製造番号とQRコードが不鮮明な時、手を上げるだけよ!」 「ちなみに製造番号の始めのアルファベットはSが小学生、Cが中学生、Kが高校生、Dが大学生、Wが社会人だから覚えておくように」 “私は小学生だからSなんだ、あの時見たお姉さんの製造番号はKだったから高校生という事になるのだろう” 「S-0003、私について来て」 そう言われ私はついて行くしかありません。 従わなければきっと、また首輪に電流を流されてしまいます。 まどかお姉ちゃんに連れて来られた場所は通路のような場所でした。 そこには左右にズラリと壁からチューブが等間隔で生えていました。 チューブの下にはボタンが一つだけあります。 “これはいったい何だろう?” と首を傾げていると、まどかお姉ちゃんが説明を始めました。 「通路の左側が水、右側が流動食で口を接続したら飲食ができるから」 そう言うと、まどかお姉ちゃんは私の首輪を引っ張り左側のチューブに私の口を接続しました。 途端に呼吸ができなくなる中、チューブの下のボタンをまどかお姉ちゃんが押すと水が流れ込んできました。 「止める時はもう一度押す」 そう言ってボタンを押すと水が私の口に少しだけ入ってきて止まりました。 「同じようにすれば流動食も食べられるから」 何となくですが、徐々にまどかお姉ちゃんの口調がキツくなってきたように思いました。 おそらく、もう私は夏希ではなく、ラバーメイドS-0003として扱われているのだと感じ始めていました。 「あと、ラバーメイドは立ったままで座らない事!」 私は語気を強めた、まどかお姉ちゃんの言葉に頷く事しかできませんでした。 「ついて来て!」 私はオドオドしながら、まどかお姉ちゃんの後について行きます。 飲食のチューブが生えた通路の先の自動ドアを抜けると、そこも通路でしたが左右の壁に棺桶の様なものが立って並んでいました。 “何をするスペースなのだろう?” 私が疑問に思い、また首を傾げていると、まどかお姉ちゃんが説明を始めました。 「ここはラバーメイドの寝室、立って寝るのよ!」 そう言われても立って寝たことはありません。 私はただ突っ立っていると、まどかお姉ちゃんが言いました。 「S-0003、そこへ入りなさい!」 私はまどかお姉ちゃんが指差す棺桶へと入りました。 「寝る時はこのボタンを押す!」 そう言って、まどかお姉ちゃんがボタンを勢いよく押しました。 途端に左右から白いテープのようなものが飛び出してきたかと思うと、私の体に巻きつき締め上げていきます。 首から下がミイラのようになり、全く身動きはできませんがこれなら立ったままでも眠れそうだと思いました。 「仕事が終わった後、飲食と排泄を済ませたら、こうする事、就寝時間になったら眠くなるマスクを被せて蓋を閉じてあげるから」 まどかお姉ちゃんはミイラのような白いテープがグルグル巻きになったマスクを持っていました。 ミイラにされて棺桶の蓋を閉じられれば完全にミイラだなぁと思いました。 「時間が経つと体を拘束しているテープが外れるから、ただ役に立たないラバーメイドのテープは外れないから、しっかりと働く様に」 そんな意味ありげな言葉を残し、まどかお姉ちゃんは何か操作をすると、棺桶の中でミイラにされていた私の拘束が解けました。 「S-0003、ちょうどいい機会だから、しっかり働かなかったラバーメイドの末路を見せてあげましょう」 まどかお姉ちゃんにそんな感じで丁寧に言われると、怖さを感じてしまいます。 ラバーメイドの寝室である通路の真ん中辺りまで来ると、一つだけ閉じた棺桶がありました。 棺桶には鍵が掛かっていて、まどかお姉ちゃんが解錠すると中から私よりも少し背の高いミイラが現れました。 まどかお姉ちゃんはカッターを取り出すと、ミイラを固定している白いテープを切断し始めました。 棺桶に繋がっている白いテープを全て切断し終えると、ミイラはバランスを崩し倒れてきました。 まどかお姉ちゃんはそのミイラを床に寝かせると、一纏めになった足首をロープで縛り始めました。 そのロープを今度はミイラの首の後ろへと掛けて、ミイラの背中を踏みつけながら前屈させていきます。 ミイラは二つ折りになったが、抵抗できないのでされるがままです。 二つ折りにされたミイラの背中には薄らと製造番号が見えました。 【C-0024】 “この子、中学生なんだ” 私がそう思って見ていると、まどかお姉ちゃんが話し始めました。 「C-0024は仕事中に何度も水を飲んだり、排泄をしたり、時には寝室で隠れたりとサボリを繰り返したので廃棄処分になったのよ」 そう話しながら、まどかお姉ちゃんは二つ折りになったミイラの体にもロープを掛け、踏みつけながらロープで縛っていきます。 時折、ミイラは首を横に振っていることから痛がっているのでしょう。 二つ折りにされロープで縛られたミイラは頭陀袋へ詰められ、袋の口がしっかりと縛られました。 声も上げられず、僅かに動くことしかできず、自分の存在を誰かに知らせる事もできないこの中学生の女の子は頭陀袋のまま廃棄されてしまうのでしょう。 「先にコレを廃棄するからついて来て」 まどかお姉ちゃんにそう言われて、引き摺られる頭陀袋の後を私はついて行きます。 そんな頭陀袋を見ながら、通学路で見た光景が甦ってきました。 あれはある雨の日でした。 寝坊した私は集団登校できずに学校へ急いでいた時、ゴミ収集場にカラス避けのネットが掛けられた頭陀袋を見ました。 雨で濡れ、水が染み込んだ頭陀袋は目の前の頭陀袋よりもずっと濃い色をしていました。 その頭陀袋が少し動いたように見えたのですが、当時の私は学校に急いでいたのと、ゴミの中にネズミでもいるのではないかと思い、すぐにその場を離れました。 もしかすると、あの頭陀袋の中にもラバーメイドにされた女の子がミイラ姿で拘束されて捨てられていたのかと思うと怖くなりました。 私には目の前の女の子を救えません。 思うことは自分が廃棄されないためにも、しっかり働こうとしか考えられませんでした。 寝室の通路の先にも自動ドアがありました。 それを開くとまた左右の壁からチューブが生えていました。 飲食用のチューブとは違い、低い位置からチューブが生えており、そのチューブの上にボタンがありました。 “何なんだろう?” そう思いながらも、まどかお姉ちゃんは説明もなく進んでいくので、私もその後について行きました。 左右の壁からチューブの生えた通路の先の自動ドアを開けると、何もない狭いスペースでした。 ただ、正面の下の方には穴が空いていました。 その穴は頭陀袋が通るほどのスペースです。 まどかお姉ちゃんは頭陀袋をその穴へと押し込んでいきます。 穴の中は傾斜になっており、ある程度まで頭陀袋を押し込むと自然と滑り落ちていきました。 頭陀袋は僅かに動きながら、声を上げることなく、ゆっくりと暗闇に飲み込まれていきました。 何か凄い光景を目の当たりにし.呆然とする私にまどかお姉ちゃんは笑顔で言いました。 「通って来たところの説明するね」 口調が優しくなり、いつもと変わらないまどかお姉ちゃんの笑顔でしたが、その時の私には怖くて仕方ありませんでした。 左右の壁から低い位置から生えたチューブのある通路へと戻りました。 「これを股やお尻の穴に突っ込んで排泄するのよ」 優しい口調で言われても、その内容は怖くて仕方ありません。 そんな私にまどかお姉ちゃんが言いました。 「お尻をココへ!」 私が躊躇していると、まどかお姉ちゃんの声が大きくなります。 「お尻をココへ!!」 私はビクビクしながら、お尻をチューブに近づけました。 まどかお姉ちゃんはチューブを私のお尻の穴に突き刺しました。 お尻の穴にチューブを突き刺されたことなどない私は痛みに悶絶しましたが、そんなことはお構いなしにまどかお姉ちゃんはすぐにボタンを押しました。 何も音はしませんでしたが、すぐにお腹に違和感がありました。 どうなっているのか分かりませんがお尻の穴からうんちが吸われているのが分かりました。 中腰で変な動きをする私を見て、笑いながらまどかお姉ちゃんが言いました。 「次は仕事教えるから、しっかり覚えるように!」 笑っていたのが嘘のようにキツい口調に変わったまどかお姉ちゃんに私はビクッとして、お尻の痛みに耐えながら後に続きました。 やって来たのは、ラバーメイドの刻印を確認する作業場でした。 私がラバーメイドになった時、簡単な説明は受けましたが詳細はこれからの様です。 立ち位置を指示されると、早速ラバーメイドがベルトコンベアに乗って流れてきました。 私の目の前で止まったラバーメイドの胸の刻印を見ながら、まどかお姉ちゃんからやり方を教えてもらいます。 「まずは製造番号の数字がしっかりと刻印されている事を確認する」 「次にQRコードをスキャナーで読み取ると、目の前のモニターの左側にこのラバーメイドの顔写真と個人情報が表示される」 「QRコードが読み取れない、モニターに表示されない時は手を挙げる」 私は一つ大きく頷きました。 「次は背中、右肩を少し持ち上げて背中側の製造番号の確認、そしてスキャナーを差し入れてQRコードを読み取るとモニターの右側に左側と同じ顔写真と個人情報が表示されるから、同じか確認する、違っていれば手を挙げて知らせる、以上よ!」 私はまどかお姉ちゃんに言われた通りに、初めから一人でやってみました。 大丈夫そうだったので、ウンと頷きました。 そんな私を見て、まどかお姉ちゃんの説明は続きます。 「ベルトコンベアは工場内ともう一つはエデンに別れるから」 確かに私が刻印を確認した先にはベルトコンベアが左右に分かれていました。 「製造番号K- 、D- 、W- はエデンへ、製造番号S- 、C- は工場内へ流してくれたらいいから」 “エデンとはいったい何なんだろう?” 私がそう思っているのを察した様にまどかお姉ちゃんが答えてくれます。 「エデンはね、ラバーメイドを希望されるお客様の下へ箱詰めされて送られるのよ」 「ラバーメイドとして出荷されるのは基本的には製造番号K- 、D- 、W- が対象で、S- 、C- 、は特別な事がない限り出荷されないから安心して」 そう言われても安心なんかできません。 私は大好きだった、まどかお姉ちゃんについて行ったばかりにラバーメイドとして工場で働かされる事になってしまったのです。 それでも、優しいまどかお姉ちゃんなら私をすぐに家に帰してくれると思っていたのですが、そんな日が訪れない事を知ったのはずっと先でした。 しばらくは、家に帰りたい、学校へ行きたいという感情が生まれてきていましたが、ラバーメイドとして何度か眠らされているうちに、そんな感情も薄れてきました。 むしろ、程よい圧迫感で全身を包まれているラバーメイドこそ私のあるべき姿のような気がしてきました。 そんな刻印をチェックする仕事を淡々とこなすようになってきたある日、QRコードにスキャナーをかざすと、近所の愛美お姉ちゃんの顔が出てきました。 名前も武下 愛美(たけしたまなみ)となっていたので間違いありません。 それを見て私は驚きました。 半年ほど前に失踪した近所でも評判の美人高校生の愛美お姉ちゃん、私も何度か優しくしてもらいました。 今も愛美お姉ちゃんのおじさんとおばさんは駅でビラを配って愛美お姉ちゃんを探していました。 まさか、ラバーメイドにされて今から出荷されて行くとは夢にも思っていないでしょう。 私は悪いことの片棒を担がされている気になりましたが.私もまたここから逃げ出せないのが現状でした。 私は刻印の確認を終えると、私の手で製造番号【K-0214】と刻印された愛美お姉ちゃんをエデンへと送りました。 私はそんなラバーメイドとなって出荷されていく愛美お姉ちゃんが見えなくなるまで手を振っていました。 不意に後ろから、まどかお姉ちゃんに話し掛けられて私はビクッとしました。 「S-0003の知り合いだったの?出荷されるラバーメイドは半年ほどメイドの訓練を受けてから出荷されるのよ、覚えておいて」 意味ありげにそれだけ伝えると、まどかお姉ちゃんは行ってしまった。 私はベルトコンベアで流れてきたラバーメイドの刻印を確認しながら思いました。 “他人に感情移入するのはやめよう” その日から私は淡々と流れてくるラバーメイドを物として扱うようにし、刻印をチェックし続けました。 そんな日がどれくらい経ったでしょうか。 同じことを繰り返していると日時の概念もなくなり、ただ生きているだけの自分も物のようになっていました。 棺桶のロックが外れ、全身をミイラのようにグルグル巻きにしていた白いテープからの締め付けが弱まると、ラバーメイドの1日の始まりです。 でも、その日は違いました。 棺桶が開くと目の前には、まどかお姉ちゃんが立っていました。 「S-0003、今日はメンテナンスの日よ」 そういえば、ラバーメイドになって少ししてから、まどかお姉ちゃんから半年に一度、メンテナンスがある事を聞かされていたような気がします。 遠い記憶なので、そんな事はすっかり忘れていました。 棺桶から出ると、先導するまどかお姉ちゃんについていきます。 今まで行ったことのない部屋に入りました。 その部屋には四方八方に何かの噴射ノズルが無数に壁から突き出ていました。 まどかお姉ちゃんはその部屋の中心に書かれた円に私を誘導すると、そこには天井から手枷、地面からは鎖の付いた足枷がありました。 私に手枷と足枷を取り付けると、まどかお姉ちゃんは部屋を出ていきました。 程なくして、部屋の壁から突き出た無数のノズルから液体が噴出し始めました。 逃れようとしますが、手枷と足枷が邪魔をしてその場から逃げられません。 “メンテナンスってシャワー?ずっとラバーメイド姿だから?雑過ぎない?” 私の中でいろいろな思いが巡ります。 そう思いながらも外界と通じる呼吸穴だけは水が掛かって塞がらないように顔を下に向けてジッと耐えるしかありませんでした。 かなりの水を浴びた私ですが、何とか呼吸穴を塞がれるのだけは回避しました。 手枷と足枷で身動きできない私を部屋の外から、まどかお姉ちゃんが見ていました。 “シャワー終わったんだったら、外してくれればいいのに” そう思いながらも、まどかお姉ちゃんの方を見て待っていましたが、なかなか部屋に入ってきませんでした。 “なぜなの?” 私が首を傾げた時でした。 突然、私の左の視界がクリアになりました。 “へ?” 『ベチャ!』 私を覆っていたラバーコーティングが音を立てて地面に落ちました。 それが引き金となったようで、体から次々とラバーコーティングが剥がれ落ちていきます。 ノズルから噴射されていたのは、水ではなくラバーコーティングを溶かす特殊な液体だったのです。 私はおそらく半年ぶりに全裸になりましたが、恥ずかしいのと、ラバーコーティングされていないので体がスースーするのに耐えられません。 “早くラバーコーティングして!” 懇願するようにまどかお姉ちゃんを見ましたが、部屋の中に入ってくる様子がありません。 私のラバーコーティングが全て剥がれ落ちたのを確認したまどかお姉ちゃんが何かスイッチを押したのでしょう。 今度はノズルから泡状の洗剤が全身に吹きかけられていきます。 “なんか、やだぁ!” 私はそう口にしましたが、マウスピースが邪魔をして言葉になりません。 その後、洗剤を入念に洗い流されて、私の体は綺麗になりました。 本来なら気持ちいいと思うところが不快になっていました。 “早くラバーコーティングして欲しい!” その事しか頭の中にはありませんでした。 ようやく、まどかお姉ちゃんが部屋に入ってきた時には、ラバーコーティングも溶けて洗い流されていました。 未だ、手枷と足枷繋がれた私にまどかお姉ちゃんは近づいてくると、私の管理用の首輪をキツく締め直して外れなくしました。 そうしてから手枷と足枷を外された私はその場に崩れ落ちました。 それでも立ち上がると、言葉では伝えられないので、枠の様になったベッドを指差しました。 「分かったわよS-0003、今からラバーコーティングしましょうね」 そう言われた私は笑顔で何度も頷きました。 そんな私の頭をまどかお姉ちゃんは笑顔で撫でながら言いました。 「S-0003、あなたには特別コーティングをしてあげましょう」 私は嬉しくてその場で飛び跳ねました。 私はフレームの様になったベッドに自ら横たわると、まどかお姉ちゃんの手で新しいマウスピースに取り替えられました。 新しいマウスピースは今までのものとは違いベルトでしっかりと固定されました。 どちらにしろ、口をしばらく動かしていないので吐き出す力もなくなっているので、固定する必要はないと思うのですが… 。 それが終わると体の上にフイルムが掛けられて真空パックされていきます。 このフイルムが体全体、隅々まで張り付いていく感じが堪らなく気持ちよく体を震わせました。 どんな特別コーティングをされるのだろうと思ってワクワクしていると、まどかお姉ちゃんが説明してくれました。 通常よりも薄いラバーコーティングをして層を増やすのだそうです。 通常は黒→白→黒の3層ですが、赤→黒→白→黒→白→黒→透明の7層になるそうです。 薄くする事で、半年に一度のメンテナンスも要らなくなるというのです。 真空パックされた私の体がクレーンでフレームごと吊り上げらました。 そして、1つ目の赤い水槽へゆっくりと降下していきます。 私はドキドキしながら赤い水槽へと浸けられました。 通常なら30秒近く水槽に浸けられるのですが、10秒ほどで引き上げられると、少しおいて次の水槽へと浸けられていきます。 7層もあるので時間が掛かると思っていたのですが、意外にも3層の時とそれほど大差がない様に思えました。 ただ、最後の透明の層で私の体は他のラバーメイドよりも光沢感が増していました。 そんな私はベルトコンベアの上で、フレームから外されて、メイド服の工程へと運ばれていきます。 レザーが照射し体をスキャンされ、プレス機でメイド服を着せられます。 ただ、プレスされた後の私のメイド服は以前のものとは少し違い、可愛いデザインになっていました。 それにショートブーツがロングブーツになり、腕にはロンググローブが装着されていました。さらに首にはまどかお姉ちゃんに着けられた首輪がラバーコーティングの内側、肌に直接着いているので、ラバーコーティングされた体には白いチョーカーが着いていました。 最後に左胸と背中に製造番号とQRコードの刻印が施されます。 【S-0010】 “あっ、もう私S-0003じゃないんだ” その時は何故かそう思いました。 ラバーコーティングを再コーティングされると、製造番号も見た目も変わる事を初めて知りました。 新たに製造番号【S-0010】となった私でしたが、仕事は今まで通りの刻印確認作業を続けるとの事でした。 【S-0010】の体は前よりも締め付けが強く、それだけで私を気持ちよくさせてくれます。 少し動くだけでも堪らなく気持ちいいので、私はこれからのラバーメイド生活が楽しみで仕方ありませんでした。 そんな【S-0010】となり充実した生活を送っていたのですが、ある日けたたましい警報音と赤いパトランプが機械や装置の上で回り始め、クレーンやベルトコンベアが一斉に停止しました。 何が起こったのか分からない作業に従事するラバーメイドたちに対して、まどかお姉ちゃんやラバーメイドではない人たちは一目散に何処かへ走って行ってしまいました。 残されたラバーメイドたちは何が起こったのか分からず、その場に立ち尽くしているだけでした。 それからすぐにスーツ姿の男性が大挙して押し寄せてきました。 「警察だ!動くな!」 ラバーメイドたちは何が起こったのかも分からず、その場に震えて立ったまま動きませんでした。 私も突然のことで、ビックリしたのと大勢の警察官に圧倒され動けませんでした。 スーツ姿の男性警察官が辺りを探しているのは、まどかお姉ちゃんたち工場の幹部の人たちなのでしょう。 しかし、幹部の人たちはもう逃げてしまって、もうここにはいません。 その後、男性警察官の後から女性警察官がやって来て、ラバーメイドたちにウインドブレーカーを羽織らせると肩を抱くようにして連れ出していきました。 私も女性警察官に同じように工場から連れ出されました。 私はずっとここでラバーメイドでいたかったと思いながら、階段の途中で工場内を見ると水槽に浸かっていたラバーコーティング途中の女の子が引き揚げられていました。 しかし、その体は長く水槽に浸けられたままだったので、枠いっぱいに体が膨張したような姿になっていました。 それを見て私は思いました。 “溶かすだけでも大変だろうな”と。 その後の私はというと警察署に連れて行かれて、QRコードでラバーメイドの中身が判明したようで、すぐに私の両親がやって来ました。 私がいる個室から窓越しに父と母を久しぶりに見ると懐かしい気持ちになりました。 まだ、ラバーメイド姿の私ですが、母は号泣し、父は怒って机を叩いていました。 そういえば、ここへ連れて来られる途中、他のラバーメイドたちと一緒に女性警察官に体をチェックされましたが、私の時だけはずっと首を傾げていました。 おそらく、私だけ特別なラバーコーティングを施されているので脱がせられないことが分かったのかも知れません。 そんな説明を警察官は両親にしたのでしょう。 母は机に突伏し、より一層激しく泣き出し、父は警察官に食って掛かり、警察官は必死に父を宥めていました。 それでも何か対策が見つかった様で、数日後に私は眠らされて、何処かへ運ばれました。 その後、ラバーコーティングを剥がされた私は病院で過ごしました。 母がずっと付き添ってくれていたので、ラバーメイドに戻りたいとはとても言い出せずにいました。 病院では催眠療法を施されていたのでしょう。 小学6年生になる少し前には、私の小学5年生の1年ほどの記憶が抜け落ちていました。 それにいくら思い出そうとしても思い出せなくなっていました。 保健室のベッド上で突如として戻った記憶に私は動揺していました。 それにあのラバーコーティングされた感覚を思い出し、今はお股が熱く大変な事になっています。 なので、しばらくは動けません。 その日は一日中保健室のベッドで休ませてもらう事にしました。 つづく

無個性ラバーメイド【中編】

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