久々に【アマリンちゃん】になる日、私を驚かせるものが用意されていた。 私の目の前に置かれた段ボール箱を覗いて私は歓喜の声を上げた。 「凄く可愛い!」 そこにはゆるキャラの【アマリンちゃん】ではなく、実写版と表現するのが適切か分からないが、とにかくリアル版の【アマリンちゃん】の顔があった。 髪色は水色、そして可愛く整った顔で瞳も水色で、ゆるキャラ【アマリンちゃん】を細くスリムにしかつ、実際に存在しそうなリアルな姿だった。 「私がこの【アマリンちゃん】になるの?」 リアル【アマリンちゃん】のマスクを持ち上げると体の部分も一緒に持ち上がった。 「凛、その着ぐるみは全て一体になっているらしいわよ」 私はきっと目を輝かせてリアル【アマリンちゃん】を見ていたのだろう。 「気に入ってもらえたみたいで良かった」 笑顔でそう言う美羽が続ける。 「その着ぐるみなんだけど、少し着るのが大変みたいなんだ」 “???” 私は首を傾げて美羽を見た。 「とにかく、私も手伝うから一度着替えてみる?」 「うん、着替える!着替える!」 美羽は何か説明書のようなものを見ながら、段ボール箱を開け中身を一つ一つ確認している。 その中の小さめの段ボール箱を2つと先ほどのリアル【アマリンちゃん】を手にすると、別室へと移動した。 「じゃあ早速だけど凛、裸になって!」 「え!ここで裸に、全裸ってこと?」 「そうだよ!」 「う…うん、分かった」 私は全裸になり手で胸と股を押さえながら待つ。 「美羽、まだ?恥ずかしいよ!」 「ごめんね、これからかな?」 そう言いながら肌色をしたものを手にして振り返ったのだが、それはリアル【アマリンちゃん】の着ぐるみではなかった。 肌色をしたテカリのある全身タイツだった。 「え!それは?」 私が尋ねると片手で説明書らしきものを見ながら美羽が説明を始めた。 「えーとね、これはリアル【アマリンちゃん】のインナーで特殊なゴムの素材を使っていて、着た人の体温を調節してくれるんだって、あと着ぐるみを着やすくしてくれるみたいだよ」 「へー凄いね、で、これどうやって着るの?」 美羽の説明を聞きながら、肌色のスーツを見ていたが背中にファスナーはなく、どうやって着るのか全く分からなかった。 「えーと、それはフードになっている顔のところから着るんだって」 「えー!足は入ると思うけど、お尻入るかなぁ?」 私はそう言ったものの、全裸のままだと恥ずかしいので椅子に座り、早速肌色のスーツの顔の部分から足を通していく。 始めは少し冷んやりとしたが、足を通していくと不快な感じはしなかった。 特殊なゴムの素材を使っているというだけあり、伸縮性には長けており、私の足にピッタリと張り付きながら私の体を呑み込んでいく。 お尻は少し引っ掛かったが、腰はあさっさりと通り、胸でまたつっかえた。 最後に残った頭もフードを被るようにして、肌色のゴムのスーツを着ることができた。 肌色のゴムのスーツは私の体にピッタリと張り付きまるで皮膚の様、例えるなら第2の皮膚といったところだろうか。 何より不思議だったのは、全身を覆われているのにそれほど暑さを感じない事だった。 「凄いねぇ、これ」 自然と言葉が出た。 「でもなんだか凛、その姿すごくエロいよ」 美羽にそう言われて、自分の体を見ると全身に光沢があり妖艶に見えた。 急にもの凄く恥ずかしくなってしまった。 「もう!美羽、そんな事言わないでよ!」 そう言って2人で大笑いした。 「次はリアル【アマリンちゃん】だね」 私は早くリアル【アマリンちゃん】になりたくて、そう口にした。 美羽は早速、説明書に目を通しながら首を傾げていたので私も説明書を覗き込んだ。 だが、リアル【アマリンちゃん】になる前にマスクを被らなければならないようだった。 そのマスクは所謂全頭マスクというヤツで頭をすっぽりと覆ってしまうマスクだった。 「凛、一度フードを外して」 美羽にそう言われて私はそれに従った。 そんな私に全頭マスクを被せる美羽。 「どう?凛、苦しかったり、見えないって事はない?」 「ちょっと待ってね」 どうやら目の部分は水中ゴーグルのようになっているようで、上手く合わせないとちゃんと見えない。 微調整すると視界はハッキリとし、目の周りに水が入らないように張り付く感じがした。 「息できる?」 「うん、息できるけど、少し呼吸しにくいかな」 そう答えると美羽が口の辺りを調整してくれて、呼吸が少し楽にできるようになった。 口を動かすとマスクの口も一緒に動いたのだが、完全には閉じれなくなった。 あと、鼻の穴には何か入り込んできて栓をされてしまった。 私はこれでいいのか分からず、鼻の辺りを弄っていると、美羽が言った。 「凛、鼻のところには鼻栓があるんだって、それと… 」 そう言いながら、私の口元に手を持ってくると美羽が何かした。 「これはボイスチェンジャーになっていて、可愛い【アマリンちゃん】の声が出るんだって」 「スゴイケド、ソンナコトデキルノ?」 「ウワッ、ホントダ!」 私の声は少し機械的な可愛い声に変換されていた。 「これでフードを被れば、リアル【アマリンちゃん】の下地が完成だよ!」 「じゃあ、次はいよいよリアル【アマリンちゃん】だよ!」 そう言ってリアル【アマリンちゃん】の着ぐるみを手にした美羽。 先ほど見た時はリアル【アマリンちゃん】のクオリティに驚き、しっかりと見ていなかったが、インナー同様にこのリアル【アマリンちゃん】にもファスナーなどはなく、どうやって着るのか分からなかった。 首を傾げている私を他所に美羽はリアル【アマリンちゃん】をテーブルに置いて、説明書を見ながらビキニの水着のブラジャーを外した。 リアル【アマリンちゃん】からは、まだ中身がいないにも関わらず、大きなオッパイがプルンと飛び出した。 “美羽は何をしているのだろう?” と思い見ていると、リアル【アマリンちゃん】のアンダーバストに手を掛けた。 そして、そこを開いた。 「エ!ナニ、ナニ?」 私が驚いて声を上げると美羽が言った。 「ここから着るんだって」 そう言いながら美羽はリアル【アマリンちゃん】のオッパイを押し上げるようにしてリアル【アマリンちゃん】への入口を広げた。 早速、私は頭が後方へ垂れ下がったリアル【アマリンちゃん】の大きな胸の下に現れた切れ目から着ぐるみに足を通していく。 なるほど、さすが専用のインナーというだけあり、スルスルと私の体はリアル【アマリンちゃん】の中へと入っていく。 それにしっかりと着ぐるみの中へと収まり、美羽に僅かに入った空気をマッサージするように各所抜いてもらうとインナーと着ぐるみがしっくりとするように張り付き一体化した。 ここで一つの疑問が生まれた。 “これって一度着たら脱げなくならない?” その疑問を美羽に伝える。 「ミワ、コノキグルミヲイチドキタラヌゲナイッテコトナイヨネ?」 そう伝えると美羽は慌てて説明書を捲ってから少し内容を読んだ後、それを私に見せてくれた。 「凛、大丈夫だよ!水じゃダメだけど、潤滑油を隙間に流し込めば簡単に脱げるって!」 そう言ってから美羽は説明書を見せてくれた。 それを水中ゴーグル越しに読んだ私は2度頷いた。 胸から下がリアル【アマリンちゃん】に収まると、今度は胸から上も被るようにして着ていく。 腕を通し指先まで一本一本通すと、美羽は空気を抜いてインナーと着ぐるみを密着させてくれた。 最後にリアル【アマリンちゃん】のマスクを被るのだが、首が細くて大苦戦した。 頭を突っ込んでいくとリアル【アマリンちゃん】の首が伸びるのだ。 着ぐるみの首に頭を通している途中は完全に呼吸穴が塞がれた。 それでもなんとか美羽に押さえてもらいながらリアル【アマリンちゃん】の頭を被る事ができた。 最後に目の位置や口の位置を調整した後、大きな胸の下を美羽に閉めてもらった。 着る時に分かったのだが、このリアル【アマリンちゃん】の開口部は二重のジップロックのようになっているので最後は外側から押し込まれる様にして着ぐるみの開口部は閉じられた。 そんな線だけしか分からない開口部を隠す様にビキニを着ければ、お着替え完成となる。 姿見の前でリアル【アマリンちゃん】になった自分の姿を確認する。 インナーも着ぐるみも薄いため、普段の私の体型と遜色ないのに着ぐるみである事に正直驚きだった。 同時にこれなら私だと絶対バレないと思った。 そして、着替えを終えると美波ちゃんの待つ会議室へと戻った。 つづく