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6.【アマリンちゃん】やり過ぎじゃない?!

なるほどね、海女さんのゆるキャラでも潜る時は観光客に見てもらうために、この目立つ水着を着て潜るんだと思いながら、姿見を見ていた私は自分の目を疑い心の中で呟いた。 “ウソっ!” 美羽と美波ちゃんが準備していたのは、かなり大きなウエットスーツだったから。 それは普通の人では考えられない大きなサイズのウエットスーツ、着ることができるとすれば【アマリンちゃん】だけ。 そんな大きなサイズのツーピースになったウエットスーツの下側を美波ちゃんが、そして上側を美羽が持って近づいて来た。 私は首を横に振りながら後退りするが、すぐに捕まってしまう。 そして今度はは2人掛かりでウエットスーツを着せられる。 ツーピースになったウエットスーツのビーバーテールまでしっかりと留められて。 まさかこんな事になろうとは思ってもみなかった。 着ぐるみを着てウエットスーツを着るだけでも大変なのに、さらに着ぐるみそしてまたもウエットスーツを着せられてしまったのだ。 そんな【アマリンちゃん】に仕上げとばかりにウエットスーツのフードを被せる美羽に私は頑張って口を動かして抗議した。 「ミワ!コレハアマリニモヤリスギジャナイ?」 【アマリンちゃん】の中で、リアル【アマリンちゃん】の可愛い声が籠る。 美羽に私の声が届いていないかも知れないと思ったが、近くにいたので聞こえていたようですぐに返事が返ってきた。 「でも、以前に着ぐるみ着た時よりも暑くないでしょ!」 そう言われて、ハッとした。 「ホントダ!」 驚いている私に美羽は続ける。 「せっかくだから、このまま海女さんたちに新生【アマリンちゃん】として挨拶をして、できれば一度海に潜ってみるものもいいかもね」 「ウソウソウソ!ヤダヨー!」 美羽の言葉に私は抗議の声を上げたが、美羽と美波ちゃんは荷物を持つと私の手を引いて会議室を後にした。 海女小屋までは役場からかなり距離があるのでどうするのかと思っていると、駐車場に停められた軽バンに向かっていく。 “美羽、車の免許取ったんだ” そう思っていると、意外にも運転手は美波ちゃんのようだった。 軽バンのバックドアを開けると後部座席が倒されて広くスペースが取られ、ブルーシートが敷かれていた。 美羽が【アマリンちゃん】の時は、ここに載せて美波ちゃんが海女さんのところまで運んだのだろう。 “それにしても乗れるのだろうか?” そう思っていると美羽が言った。 「そのまま寝ちゃって!」 “え?” 確かに【アマリンちゃん】の着ぐるみのままだと普通に車に乗ることはできない。 “でも寝るって?” そう思っていると、美羽に後ろから押された。 私は軽バンの荷物スペースにうつ伏せで横たわると、運転席から美波ちゃんがブルーシートを引っ張り、美羽が【アマリンちゃん】の足裏を押して軽バンへと押し込まれた。 そのままバックドアが閉められ、美羽が助手席に乗ると軽バンは海女小屋に向けて出発する。 「天野先輩、私、運転下手なので揺れますが少し我慢して下さいね」 美波ちゃんのそんな気遣った言葉を遠くに聞きながら、私はモノとして海女小屋へと運ばれて行くのだった。 車だとすぐに海女小屋に到着した。 バックドアが開くと美羽と美波ちゃん2人掛かりでブルーシートが引かれて、私は足から地面に着地した。 足が地に着けば、後は体を起こすだけ。 体を起こして周りを見ると、そこはもう海女小屋の近くだった。 荷物を扱うように私を下ろすと美羽は先に海女小屋へ向かい、その後を私は美波ちゃんにアテンドしてもらいながら美羽の後をついて行く。 そして程なくして海女小屋に着いた。 海女小屋からはベテラン海女の島田さんと塩谷さんがウエットスーツ姿で出迎えてくれた。 ということは事前に美羽が連絡していたのだろう。 それに今から私も着ぐるみのまま海に潜る事になるのだろうか。 因みに島田さんも塩谷さんもうちのご近所さんで私も昔からよく知っていて可愛がってもらった。 そんな島田さんと塩谷さんに近づいて行くとこんな会話が聞こえてきた。 「美羽ちゃんじゃないのかい?美波ちゃんでもないみたいだし、新しい人かい?」 島田さんも塩谷さんも美羽が【アマリンちゃん】の着ぐるみに入っていた事を知っている様だった。 私は島田さんと塩谷さんに会釈をすると、【アマリンちゃん】の中の人が誰なのか気になる様で追求を始めるベテラン海女の2人。 そんな2人を上手くかわして、美羽はお願いする。 「早速ですが、【アマリンちゃん】が潜る補助をお願いします」 美羽がお願いすると、ベテランの海女の島田さんと塩谷さんは快く引き受けてくれた。 つづく

6.【アマリンちゃん】やり過ぎじゃない?!

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