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13.【アマリンちゃん】と天野 凛

玄関へと真っ直ぐ向かう大地。 無理やりキスをした事に怒って家から放り出されると思ったのだが、手前の階段をそのまま登っていく。 向かう先は大地の部屋だと分かったが、私はついて行くしかできなかった。 大地の部屋に入るとベッドへ押し倒される。 先ほどは私からソファーに押し倒したのだが、今度はその逆。 気づけば大地はリアル【アマリンちゃん】の着ぐるみを脱ぐための潤滑剤を手にしていた。 「イヤッ、ヤメテ、ダイチ」 必死の抵抗を見せるが男の人の力に敵うはずもなく、自ら開いてしまったリアル【アマリンちゃん】のオッパイの下の開口部から大地の手が入ってきた。 「アッ、ダメェ!」 声を上げるが可愛い機械的な声では全く説得力はない。 胸を揉まれるとすぐに力が抜けてしまった。 「ンッ、ンッ、ンッ」 潤滑剤を塗られ気持ちよくなった私は抵抗できなくなっていた。 リアル【アマリンちゃん】の開口部を持ち上げるようにして脱がされていくがもうされるがままでしかない。 リアル【アマリンちゃん】の胸から上を脱がされた私は肌色をしたリアル【アマリンちゃん】のインナーの全頭マスクを被っている。 これを脱がされたら、私である事がバレてしまう。 “どうしよう、どうしよう” “【アマリンちゃん】の中身が私だと知ったら、大地はどう思うのだろう” そんな事ばかりが頭を過ぎってしまう。 インナーの全頭マスクの内側からは大地の顔はよく見えているが、外からはどうなのだろう。 あまり中身は見えていなかったように思うのだが… 。 大地の顔が近づいて私の顔を覗き込んできた。 そして大地が口を開いた。 「俺が心に決めた人を教えてあげようか?」 私は全頭マスク越しの近距離で大地の言葉を聞きながら固唾を飲んだ。 今の私は大地の答えが怖くてイエスともノーとも答えられない。 そんな大地はより顔を近づけて言ってきた。 「それはね、君だよ!」 “ええ!どういう事?!リアル【アマリンちゃん】っていう事?!でもさっきは拒否したのに!?” そんな考えが頭の中を巡るが口も動かず言葉にもできなかった。 私が固まっているので大地が口を開く。 「【アマリンちゃん】の中で頑張ってる天野 凛の事だよ!」 「エー!シッテタノ?」 途中で俺の事、『ダイチ』って呼んでたし。 大地はそう言った後、笑顔で話しを続ける。 「【アマリンちゃん】の単独インタビューの件で長谷川と連絡を取った時、聞かれたんだ」 「今でも凛の事が好きかって、もちろん俺はイエスと答えたよ」 「そうしたら話してくれたんだ、昔から俺と凛が両想いだと知っていた長谷川は俺たちを見て歯痒かったらしいという事を」 「そこで今回の【アマリンちゃん】の単独インタビューを利用して俺たち2人を結びつけるために着ぐるみの中が凛である事も、バレないように二重に着ぐるみを着ていることも事前に教えてくれたんだ、もちろん脱がせ方も」 「あんたからちゃんとリードしなさいよって長谷川に念を推されていたので凛が誘ってきた時断ったんだ」 大地が私が同じ想いだった事を知って、嬉しくて嬉しくて涙が止まらなくなった。 こんな時、人は感情とは真逆の言葉が出るのだろう。 「ヒドヨ、ダイチ」 「ダイチノバカァ!」 感情を込めて言った言葉でも可愛い機械的な声に変換されてしまうので大地に私の気持ちが上手く伝わらなかった気がしたので、大地に思いっきり抱きついた。 「凛、ちゃんと顔見せてよ!」 「それとインナーも脱がせてもいい?」 そう聞かれた私は躊躇している事を言葉で伝えた。 「デモ、ワタシハダカダカラ」 そう言うと大地は服を脱ぎ始め全裸になった。初めてみる大地の裸を前に目のやり場に困る。 「これで凛と同じだろう」 「デモ… 」 その一言だけで察した大地が言う。 「今日は両親は親戚の家に遊びに行ってるから明日まで帰って来ないよ、だから凛と2人でゆっくり過ごせるよ!」 「ウン、ジャアイイヨ」 私がそう言うと大地はリアル【アマリンちゃん】を脱がせ、インナーも脱がせてくれた。 そして、大地のベッドで2人全裸で抱き合い結ばれた。 長年想い続けた大地にいっぱいいっぱい甘えて何度も何度もキスをした。 少し落ち着いた時、大地が話し始めた。 「正直に言うと【アマリンちゃん】の中身は凛じゃないかなぁって思ってたんだ」 「村で着ぐるみを着て潜るなんて芸当ができそうなのはアーティスティックスイミング日本代表の凛しかいないから」 「それに村の人には多分バレてるよ」 「うちの母親も【アマリンちゃん】の中の人は凛ちゃんじゃないかって言ってたからね、名前もアマリンとあまのりんって似てるし」 確かにそうだ、アマリンってあまのりんに似てる。 相当、鈍い人でなければ気づきそうだ。 その事実に気づくと急に恥ずかしくなり、顔が熱くなる。 恥ずかしくて恥ずかしくて私は大好きな大地の胸に顔を埋めた。 そんな私の頭を撫でながら抱きしめてくれる大地。 “幸せ過ぎる!” そう思っている私に大地が話し掛けてきた。 「ところで凛にお願いがあるんだけど、もう一度リアル【アマリンちゃん】になってもらえないかなぁ?」 今度は俺の彼女の天野 凛が入ったリアル【アマリンちゃん】として見てみたいんだ。 私は大地の【俺の彼女】という言葉で、また大地の頼みを断れなくなった。 つづく

13.【アマリンちゃん】と天野 凛

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