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6.おとこの娘  【呼吸制御編】

今までも体を強張らせていたが、さらに体を強張らせて【こきゅうせいぎょ】に備える。 アラームと同時に小太り中年男が動き出した。 横倒しになった僕とリホちゃんの脇腹辺りで何かしていたかと思うと、掃除機のような吸引音が聞こえてきた。 途端にジャイアントバルーン内の空気は完全に抜かれて僕とリホちゃんは今までにないほど密着してさらに動けなくなった。 それだけでなく顔までもジャイアントバルーンが張り付いてきた。 そのためリホちゃんのペニスが僕の声を完全に奪って呻き声すら出せなくなってしまった。 かろうじて差し込まれていたチューブから呼吸はできるが、それでもかなり苦しい。 ギリギリ生かされるだけの空気しか与えて貰えないようだった。 そして、ピンクのジャイアントバルーンの中で真空パックされ中身がクッキリ浮き彫りになっている自分たちの姿が容易に想像できた。 “これが【こきゅうせいぎょ】?” そんな事を思っていると、小太り中年男はジャイアントバルーンの口を縛り始めたようだった。 “これからまた鞭で打たれるのだろうか?” そう思っていると、突然呼吸ができなくなった。 “あれ?” 吸っても吸ってもチューブから空気が入ってこないのだ。 「あと30秒!」 楽しそうにそう言う小太り中年男の声が聞こえてきた。 どうやらチューブの先を塞がれているようだ。 「はい!30秒経過!次は1分頑張ってみよう!」 楽しそうにそう言うが、こちらはたまったものではない。 30秒呼吸できなかった分の空気を貪るように吸おうとするが、それほど空気を吸い込めない。 「じゃあ、次は1分!」 そう言うとまた空気が吸えなくなった。 動く事も声を出すこともできずにひたすら耐えるしか術がない。 永遠とも思えるほど長い呼吸制御が終わり、必死に空気を貪ることだけに注力する。 「最後は2分に挑戦!気絶するなよ!」 小太り中年男は笑いながらそう言うと、すぐにチューブが塞がれた。 目を瞑り死んだように何も考えずに2分が経過するのをひたすら待つが長い、とにかく長過ぎる。 このまま気絶して、そのまま死んでしまうのではないかという恐怖から必死に2分が経過するのを待った。 「よく頑張った!呼吸してもいいぞ!」 そんな小太り中年男の言葉など全く入ってこない、吸えるようになった空気をひたすら体に取り込むので精一杯だった。 勢いよく空気を吸う余り2つあるチューブからは『ヒューヒュー』と音を奏でていた。 「残り5分かぁ!」 小太り中年男のその言葉に僕もリホちゃんも震えた。 まだ呼吸制御でチューブが塞がれると思ったから。 だが、必死に吸えるだけの空気を吸って呼吸制御に備える。 だが、何も起こらないことに今度は空気を吸いながらも耳を澄ました。 それは小太り中年男がまた、延長するのではないかと思ったから。 耳を澄まして小太り中年男の動向を探る。 しかし、小太り中年男が電話を掛けている様子はない。 少し安心したところに小太り中年男が言った。 「最後にこれが置き土産だ!」 そんな声が聞こえてきた後、『ジョロ、ジョロ』という音ともに生温かいものがジャイアントバルーン越しに伝わってきた。 そしてそれがすぐに何か分かった。 チューブを通して異臭がバルーン内に流れ込んできたのだ。 その異臭の正体はオシッコ、小太り中年男は最後に僕とリホちゃんを真空パックしたジャイアントバルーンにオシッコを掛けて去っていったのだった。 強烈な臭いがするが、呼吸をしないわけにもいかない、しかも鼻呼吸で。 強烈な臭いを嗅ぎながら満足に咳き込む事もできずに気持ち悪くなりながらも僕とリホちゃんはその臭すぎる空気を吸い続けるのだった。 つづく

6.おとこの娘  【呼吸制御編】

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