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ごむらば
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盆栽

俺の週末の楽しみは盆栽の剪定。 見事な枝振が堪らない。 大きな幹から途中で枝が左右に分岐し伸びる様が堪らない。 そして、この盆栽の最大の特徴は、左右に枝分かれした中央にある幹には穴が二つ空いているところ。 そこに指を突っ込んでみるとヒクヒクとして締め付けてきて生命の営みを感じるのだ。 そしてもう一つの特徴は根の近くにある過去に枝打ちした痕が見事に丸い形で残っている所。 枝打ちした痕は2箇所あり、触れると柔らかくて気持ちが良く、この盆栽の特徴でもある。 根は一部露出しているがしっかりと鉢の中で根を広げているのだろう力強さを感じる。 そんな盆栽に今日は接ぎ木をする。 左右に枝分かれした幹にある二つの穴の手前の穴にグリグリと押し込むようにして接ぎ木をした。 その途端に盆栽は少し震えたように見えた。 同時に土に刺さっていた植物活力剤のボトルが土から抜けて飛び出した。 妙だと思いながらも植物活力剤のボトルを刺し直すと、今度は奥の穴にも接ぎ木をした。 今度は盆栽が大きく揺れて、土に刺さっていた植物活力剤のボトルが二つとも勢いよく飛び出すようにして抜け出た。 「なんだ、なんだ?」 そう言いながら、植物活力剤のボトルを元の位置に突き刺した。 最後に盆栽に水をやり、その場を離れる。 今、この盆栽は形を矯正するために、幹そして左右に見事に伸びる枝はしっかりと固定されている。 今回の接ぎ木は特殊なもので俺の手の中にあるリモコンを操作すると、接ぎ木から盆栽へ刺激を加え成長を促進してくれるという優れもの。 『ピッ!』 そんなリモコンの音ともに接ぎ木からは『ブゥゥゥー』と音がし始めると、盆栽が細かく揺れ始めた。 そして、植物活力剤のボトルが二つとも鉢の外まで弾け飛んだ。 植物活力剤のボトルが刺さっていた穴からは『フゥー、フゥー』という音が聞こえ始め、そうしている内に幹に空いた穴の手前の方から液体がまるで潮でも吹くように飛び出し、接ぎ木が取れて落ちた。 左右に広がっていた枝はプルプルと震え始めた。 それから程なくして、奥の穴からは茶色の液体が勢いよく噴き出した。 俺はそれを見ると満足して家の中に入った。 庭の盆栽はずっと震えるように揺れていた。 おしまい

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