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ごむらば
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3.結婚式というドラマ撮影【結婚式】

午後からは結婚式の撮影。 白いタキシードに着替えた俺は教会にいた。 参列者はすでに待機している。 新郎側は準備万端だが、新婦側は皆着ぐるみから頭だけ出して待機している。 いつ来るとも分からない新婦を着ぐるみを着たまま待ち続けるのはキツイし、先ほどの新婦のように倒れられても困るからだろう。 そんな新婦側の参列者にどうしても目がいってしまう。 特に女性を見てしまう。 ジッと見ていて気づいたことがあった。 皆、中谷さんのようなインナーを着ていないのだ。 怪獣や星人の女性たちはジャージを着ている。 ウルトラマンやウルトラウーマンたちもしっかりと顔が露出しており、着ぐるみの下はTシャツだったり、キャミソールだったりしていた。 新婦であるウルトラウーマンが控え室を出たとの連絡が入り、教会内の新婦側の参列者は慌ただしく着ぐるみを着て準備が始まった。 準備が整ったのだが、新婦側の参列者側からは荒い呼吸が聞こえてくる。 広い披露宴会場と違い、教会は呼吸音が反響して着ぐるみ参列者の大変さが伝わってきた。 だからこそ、新婦側の参列者は全員若い方が演じているのだろう。 新婦の入場を待つ間、静まり返った教会に荒い呼吸が響き、新郎側の参列者の中には心配そうに新婦側の参列者を見る方もいた。 そんな中、曲が流れて扉が開いて、ウルトラの父に付き添われたウエディングドレスにベールで顔を隠したウルトラウーマンが入場する。 拍手で迎えられるウルトラウーマンの目が光っているので、俺はまた中谷さんが調子を崩さないか心配になった。 それでも新郎としての仕事はキッチリとこなす。 ウルトラの父から新婦を引き継ぐと、神父さまの前へゆっくりと移動した。 神父さまが誓いの言葉を読み上げ、指輪の交換に移る。 指輪はウルトラウーマンのグローブの上からでもできるようにサイズが大きくなっていた。 続けて誓いのキス。 誓いのキスは見せかけてでなく、しっかりと口を付けるように指示されていた。 ベールアップをしてウルトラウーマンにキスをする。 着ぐるみだと分かっていても皆に見られてするキスは緊張する。 ウルトラウーマンの呼吸穴であるスリットに唇を持っていくと中谷さんの熱を帯びた呼吸が俺の中へと入ってきた。 これはこれで普通にキスするよりもドキドキしてしまう。 拍手の中、指輪を披露すると参列者は教会の外の階段へ。 俺とウルトラウーマンはゆっくりと教会を出て、参列者からフラワーシャワーで祝福してもらう。 本当に結婚したように錯覚してしまうが、隣りを見てウルトラウーマンだとすぐに現実に引き戻された。 最後は新婦のブーケトス。 ブーケトスでは新郎側の女性参列者はもちろん、新婦側の怪獣や星人、女ウルトラマンも参加していた。 撮影関係なしにマジな空気が漂う。 新婦であるウルトラウーマンが参列者に背を向けて、勢いよくブーケトスをした。 だが、コントロールが悪かった。 ブーケは教会の噴水へ飛んでいった。 それでも星人の着ぐるみを着た女性がキャッチしたのだが、そのまま噴水に落ちた。 当然、着ぐるみ内に水が入り込みスタッフが慌てて救出する。 だが、そんな状況でもしっかりとブーケを掴んでいるのを見て、俺は呆れてしまった。 噴水に落ちた星人はすぐに着ぐるみから助け出されていたが、着ぐるみから出てきた彼女が笑顔だったのは印象的だった。 これで結婚式のシーンの撮影は終わった。 控え室へと戻るウルトラウーマンに俺も付き添うように言われて一緒に戻る。 そしてスタッフから言われたのは意外なことだった。 「これから婚姻届を提出するシーンを撮影するので、これに本名を書いて頂けますか」 “へぇー、婚姻届提出まで撮影するんだ” そう思いサインし、準備されていた印鑑を押した後、俺は更衣室で私服に着替えた。 俺と入れ違いに中谷さんはウエディングドレスを脱いで、ウルトラウーマンから黒光りしたノッペラボウの頭を出して婚姻届を書いた後、着ぐるみの上から私服を着ていた。 「婚姻届提出シーンを撮影したら今日は解散となりますので、岸本さんの家の近くの区役所へ向かいますね、事務所も近いので中谷さんは事務所で着替えてから帰宅してもらいます」 スタッフにそう言われて交通費が浮くのでラッキーと思った。 家の近くの区役所に着くと、中谷さんは黒光りしたノッペラボウからウルトラウーマンへと戻った。 そして封筒に入った婚姻届を持って、私服を着たウルトラウーマンと手を繋いで区役所へと向かう。 その様子もしっかりと撮影する。 前途明るい2人を演じる俺はウルトラウーマンの方を向いて笑顔で歩いた。 偽装結婚のような婚姻届が受理されるのだろうかと不思議に思いなからも、2人で提出した後 スタッフが説明して回収するのだろうと思った。 ようやく、1日目の撮影が終了した。 区役所から家が近い俺は現地解散となり、スタッフと中谷さんは車で事務所へと帰って行った。 歩きながら今日あった撮影を振り返りながら笑みを浮かべる俺がいた。 なぜなら、俺はウルトラ系の着ぐるみフェチ。 こんなに楽しい仕事はない。 スーツアクター、スーツアクトレスではなかったが、ウルトラマンはもちろん怪獣や星人の着ぐるみに入る場面を直に見られて大興奮だった。 特に中谷さんのウルトラウーマンは新婦ということもあり、間近で見ることができ、さらに接触する機会も多かった。 2日後には新婚旅行の撮影を沖縄で行うことになっている。 今から楽しみで仕方ない。 俺は自然と大人気なくスキップして帰路に着くのだった。 つづく

3.結婚式というドラマ撮影【結婚式】

Comments

コメントありがとうございます。 そうですね嫁さんに着ぐるみ着てもらっての結婚式や新婚旅行できたらいいなぁを描いてみました。普段触れることもないウルトラ系の着ぐるみを着た女性と気軽に触れ合ったりしてみたいものです。

ごむらば

こんな嫁さんいたら最高なんだけどね。 自分もウルトラウーマンと婚姻届け出してみたいです。笑

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