ある日、同僚3人で出張することになった。 俺、立花 勲(たちばないさお)と同期で親友の仲原 和哉(なかはらかずや)、そして後輩の水城 真央(みずきまお)の3人。 ホテルの部屋は俺と和哉が一緒で、水城だけが別の部屋を会社が用意してくれていた。 出張へ行くと俺は決まって、パチンコへ出掛ける。 そして、勝てば勝利の美酒を飲み、負ければ残念会と称して飲みに行くのだ。 つまり、パチンコと飲みはセットということになる。 それを知っている和哉が俺に言った。 「明日のプレゼン、昼からだけど飲み過ぎるなよ!」 「おう、分かってるよ!」 そんな出張のたびに繰り返されるいつもの会話を交わして俺は部屋を出た。 だが、どこへ行ってもパチンコは一進一退で勝てそうで勝てない、負けそうで負けないを繰り返すのだが、今日はあまりにもあっさりと負けてしまった。 飲み屋を探したが時間が早くどこも開いていなかった。 それで仕方なくホテルの部屋へ戻ることにした。 和哉は出張に来ると昼間から夜まで寝ているらしく、本人曰くホテルのベッドが凄く気持ちいいらしい。 いつもなら部屋に戻るのは深夜近くになる俺だが、夕方には部屋に戻ったので和哉を起こさないように静かに入室した。 寝息かイビキが聞こえてくるかと思いきや妙な音が聞こえてきた。 『ピチッ、パチン』 何かが擦れ、ゴムを弾くような音が。 それに荒く苦しそうな呼吸音も聞こえてきた。 部屋の奥へ進むにつれてその音はだんだんと大きくなっていく。 夕方でカーテンを閉めた部屋の中、奥側の和哉のベッドの上に黒いシートが敷かれ、その上に黒光りする物体が横たわっていた。 その黒光りする物体は人の形をしており、しかも1体ではなく2体が体を擦り合わせていた。 俺は音を立てずに静かにその様子を見守りドキドキしながら、手前の自分のベッドへと腰掛けた。 俺は目の前の黒光りする人の形をしたものが体を絡ませ合っている光景から目が離せない。 黒光りした人の形をしたものは間違いなく人であり、1体は男で、もう1体は女である事は体の特徴から間違いなかった。 俺は震えるほどドキドキした中で、ゆっくりと立ち上がると、息を殺してより近くで黒光りする人の形をしたものを観察した。 人で間違いないのだが肌の露出は一切ない。 それだけでなく仮にこの黒光りしたものを身に纏うとしても着るためのファスナーどころか切れ目すら見当たらない。 “一体どうなっているんた?” 頭を捻るが何も分からない。 そして近くで観察して一つ分かったことはこの黒光りするものから発する匂いはゴムであるということ。 『ピチッ、パチン』 という音からもゴムである事は間違いないと思った。 目の前にいる黒光りしたゴム人間は気持ち良さそうに吐息を漏らしながら体を重ね合う。 それを見ているだけで俺まで興奮して勃起してきた。 落ち着かない俺は静かにベッドに座り、ゴム人間の様子を窺うことにした。 “このゴム人間は誰なのだろう?” そんな事は考えなくても分かっている事が一つある。 1人は親友の和哉であること。 だがもう1人は… 、すぐに思い当たるのは後輩の水城 真央だが、和哉と水城が付き合っているというのは聞いたことがなかった。 なので、俺が帰って来ないのをいい事に和哉がデリヘルを呼んだ可能性も捨て切れない。 それに女の方はかなりスタイルが良くてセクシーだった。 俺が想像を巡らせている間に、ゴム人間たちの絡みは激しくなっていく。 ノッペラボウの顔を擦り付け合い呼吸が荒くなっていく。 そんな様子を見ていると俺も興奮してきて立ち上がって再びより近くでその光景を拝見する。 そしてゴム人間のノッペラボウの顔を見て俺は驚いた。 なぜなら、呼吸穴がどこにも見当たらないのだ。 布なら呼吸穴がなくても呼吸は可能だが、黒光りするゴム人間の顔を覆っているのはゴム。 呼吸穴がなければ呼吸できずに窒息死してしまうだろう。 しかし、呼吸音は荒くなり、気持ち良さそうな声を上げても苦しむ様子はない。 どんどんエスカレートしていくゴム人間の交わり。 男のゴム人間の勃起したペニスまでもゴムでできたように黒光りし、女のゴム人間のおマンコを手で探る。 女のゴム人間のおマンコもゴムで覆われている様で俺は再び息を殺して静かに移動し、体の中までゴムで覆われたおマンコの正面から観察した。 “こんなところまでゴムで覆われているなんて!この2人は本当に人間なのだろうか?” 一度は和哉と水城、もしくはデリヘル嬢ではないかと疑ったが、今はそんな考えも揺らいでいる。 全身黒光りするゴムで覆われ、ファスナーも切れ目もなく、顔には呼吸穴もない、そして性器に至るまで全てゴムで覆われているのだから。 それなりに生きてきた俺だが、そんな人間は見たことも聞いたこともない。 もはや目の前のゴム人間が人かどうかも怪しくなってきた。 その時、頭に浮かんだこと、それは部屋を間違えてしまったのではないかということ。 だが、部屋の中を見てそれはすぐに打ち消された。 なぜなら、部屋の中には俺のスーツケースと和哉のスーツケース、それにいつも使っているビジネスバッグがあったから。 最終的に至った俺の決断は最後までゴム人間を見守ることだけだった。 男のゴム人間は女のゴム人間のおマンコを見つけるとゆっくりと勃起したペニスを挿入する。 女のゴム人間は顔の横で両手をギュッと握り、男のゴム人間のペニスを受け入れた。 その後は見た目以外は人のセックスと同じだった。 腰を振り気持ち良さに喘ぐ女のゴム人間、男のゴム人間は覆い被さり、さらに激しく腰を振る。 女のゴム人間が男のゴム人間の首に腕を回すと、男のゴム人間は覆い被さりさらに腰の振りを速めた時だった。 女のゴム人間がピクンと痙攣するように大きく跳ねた。 男のゴム人間もそんな女のゴム人間をギュッと強く抱いて腰の振りがゆっくり大きなストロークへと変わり、そして止まった。 2人とも逝ってしまったのだろう。 荒い呼吸だけが部屋の中にしばらく続いた。 呼吸は落ち着いたが2人のゴム人間は合体したまま、互いを確かめるように体を擦り付け合い抱き合っていた。 そんなゴム人間のセックスを目の当たりにして、興奮し勃起したままの俺の目の前でゴム人間たちが初めて言葉を発した。 「ねぇ和哉、立花さん戻って来ないならご飯行こうよ!」 甘えた可愛い声で男のゴム人間の頭を撫でながら、確かに女のゴム人間はそう言った。 あまり聞いたことのない声だったが、確かにその声は後輩の水城の声だった。 それに和哉と言った。 この2人はやはり和哉と水城で間違いなそうなのだが… 。 俺は驚き過ぎて開いた口が塞がらない。 「真央、もう一回しよ!勲のヤツ、どうせ夜中まで帰って来ないからさ」 「もうぉ、和哉ったら」 そう言う女のゴム人間の口調は嫌がっている感じは全くなかった。 どうやら2人は目が見えていないようで、幸か不幸か俺の存在には全く気づいていないようだった。 3人で出張に来たのに俺だけ疎外感が凄い。 バレないうちに部屋を出ようかとも思ったが、俺はとことんこの2人に付き合ってやろうと思い直し部屋に留まることにした。 また吐息を漏らして絡み始めるゴム人間たち。 黒光りし無機質で到底人には見えないゴム人間のセックスを目の当たりにしながら俺も興奮し勃起してくる。 ゴム人間なのに妖艶な雰囲気を醸し出す水城についつい目を奪われてしまう。 黒光りして無機質ではあるが、その姿は引きこまれてしまいそうで、思わず手を伸ばしたくなってしまう。 これが仮に他人ならともかく2人とも俺のよく知る同僚2人であるという事実が夢か現かも思考をはっきりさせることができないでいた。 ゴム人間たちのセックスを2回も目の当たりにした俺の前でベッドに腰掛ける2人のゴム人間たち。 人のようで人でない姿の2人とベッドに座り向かい合う形となった。 マジマジと見ているとその姿が男女問わずセクシーに見えてくるのが不思議だった。 「そろそろお腹も空いたし、ご飯食べに行こう」 そう言ったのは男のゴム人間。 そして、手探りで女のゴム人間の首元を探ると切れ目が現れてノッペラボウのマスクを脱がせ始めた。 “えっ!急に!俺の目の前で!!” 俺は驚きながらも動くことができず、2つ並んだベッドの反対側に腰掛け、目の前にいる女のゴム人間のノッペラボウのマスクを脱ぐところを目を見開き凝視する。 ノッペラボウのマスクが脱がされたら水城の顔が出てくると思っていたのだが、意外にも出てきたのは口だけだった。 口以外は依然としてゴムに覆われている水城だったが、唯一露出した唇は人間味があり、その唇が妙にセクシーに見えた。 「はぁ、空気が新鮮!」 女のゴム人間が先ほどまでのくぐもった声とは違い、クリアな声でそう言った。 そう言ってから大きく深呼吸する。 その横では男のゴム人間が自分の首元に指を差し込んでノッペラボウのマスクを脱いだ。 だが、こちらは女のゴム人間とは違い、和哉の顔がしっかりと露出していた。 そんな和哉と俺はバッチリ目が合った。 俺も和哉も顔を見合わせて固まった、時間にして1秒もなかったと思う。 「お前、勲なんで!」 和哉がそう言った途端に慌てたのは女のゴム人間の水城。 「えっ、立花さん戻ってきてるの?」 そう言うが早いか、和哉は女のゴム人間の水城に掛け布団を掛けて隠してしまった。 「勲、お前いつから?」 「いつからって?結構前から、お前らがそんな関係だなんて思ってもみなかったし… 」 和哉は全身黒光りしたゴム人間姿で顔だけ露出している姿は滑稽に見えたが、今はそのことに触れられずにいた。 「悪いけど勲、お願いするのも申し訳ないけど一旦部屋出てもらえないか?」 「ああ、分かった」 こちらとしてもどう対処していいか分からなかったので、とりあえず和哉のお願いを聞いて部屋を出て1階のロビーへと向かった。 ロビーで1人になると思い返されるのは、水城 真央の女のゴム人間姿。 あの妖艶な姿が目に焼き付いて離れない。 テカテカと黒光りする水城の姿を思い出すだけで俺は堪らなくなり興奮して勃起してしまう。 だが、周りの目もあるので必死に自分を落ち着かせても、すぐに頭の中に女のゴム人間が登場して俺を誘惑をしてくる。 そんな妄想と平静を何度か繰り返しているうちに和哉と水城がロビーに現れた。 もちろん、ゴム人間ではなく普通の姿格好で。 ちょっと残念ではあったが、水城の今の可愛い顔を先ほどのゴム人間と重ね合わせるとまた勃起してしまいそうになるので、頭を振ってそれを打ち消した。 「勲、ごめん黙ってて、俺と水城の関係はごく最近なんだ」 そう言う和哉の後ろで顔を真っ赤にした水城が頷いていた。 俺はいろんな疑問があり、口を開く。 「あれって… 」 そうゴム人間のことを聞こうとして途中でやめた。 この2人の隠し事をぶちまけてもらうのも少し違うと思ったから。 「ビックリしたよ、部屋に戻ったらゴム人間がいたんだから」 そう言って話を変えた。 それを聞いていた和哉が俺に尋ねる。 「いつからいた?」 「あっ、ああ、うーん!部屋に戻ってきたらゴム人間がベッドに寝そべっていたことに驚きながらもベッドに腰掛けると、ゴム人間もベッドに腰掛けてマスクを脱いで、それで和哉が出てきたから驚いたよ」 「そっかぁ、帰ってきた時点で声を掛けてくれればいいのに」 和哉はそう言って愛想笑いを浮かべ、水城は顔を真っ赤にしながらそれを聞いていた。 「なぁ、夕飯を食べに行かないか?」 和哉はそう俺を誘ってくれたが、俺は断った。 2人の間に入れないと思ったし、お邪魔虫になるから。 夕飯を食べに出掛けた2人を見送り、俺は部屋へと戻った。 和哉のベッドに掛けられていた黒いシートはなくなり、和哉たちがゴム人間になっていたスーツもなくなっていた。 おそらくだが、水城の部屋へ置いてきたのだろう。 俺はまだゴムの匂いの残る部屋で水城 真央のゴム人間姿を思い出しながらオナニーをした。 和哉にはいつかあれがなんだったのか聞こうと思っている。 おしまい
ごむらば
2025-10-21 15:22:32 +0000 UTCQ uga
2025-10-21 11:53:07 +0000 UTC