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7.マネキンになるお仕事【マネキンとして編】

「じゃあ今から撮影現場に搬入しますね」 そう言うとスタッフは部屋を出て行ってしまった。 “あれっ?搬入するって言ったのに… ” そう思っていると程なくして戻ってきたスタッフは2人で、マネキン人形を運ぶ専用の台車も持って来た様だった。 私は2人掛かりでそこへ寝かされる。 その台車はまるでストレッチャーみたいだと思っている私の体をベルトで固定していく。 数カ所で動かないように完全に固定された私はポーズを取った体勢で運ばれることとなった。 そのまま車に載せられて運ばれること30分ほどだろうか。 降ろされた先は潮の匂いがした。 遠くで波の音も聞こえた。 海であることは間違いなさそうだ。 確か台本には箱詰めされて、さらにコンテナに詰め込まれて海外へ売り飛ばされるとなっていた。 こんな身動きできない状態で箱詰めされたら私はどうなってしまうんだろうと、実際にマネキンにされて売り飛ばされてしまう女性の心情を考えると絶望しかないなぁと思いながらも、私はそんなシチュエーションに興奮するのだった。 マネキン人形として動けない私の周りにはたくさんの人の気配、そして話し声も聞こえてきた。 「お疲れ様です!生田さんの入った生きたマネキン人形をお持ちしました」 スタッフのそんな声の後、さらにゾロゾロと人が集まってきた感じがする。 「これほんとに人が入ってるのか?」 「生田ちゃん、マネキン人形にされちゃったの?」 「マジかぁ、このマネキンのクオリティすげぇなぁ!」 など口々に話す声が聞こえてきた。 そんな中、私はあることを思った。 この撮影でマネキン人形にされて海外に売り飛ばされる役の女性は全部で5人。 私以外にもあと4人がマネキン人形にされているはずなのだが、スタジオでは見なかった。 私が1番初めに到着したのか、はたまた私のマネキン人形姿が1番クオリティが高かったのかとそんなことを考える。 クオリティが高かったらいいのになぁと思っている私の目の前に首から下がラバースーツ姿でベンチコートを羽織った5人の女性が現れた。 「えー!これって人が入ってるんですか?」 「本物のマネキンにしか見えないですよ」 口々にそう話す女性の中の1人が言った。 「このマネキン人形役の人を解体するシーンで私たちは途中で入れ替わるですよね、監督」 「ああ、そうだ」 “えっ!ちょっと待って、私は完全にマネキン人形役で顔も出ないの!?” ここへ来るまでに何重にも拘束されて動けないマネキン人形にされて頑張ったのも、最後に少しでも映画に出演できると思っていたから。 ただのマネキン人形の扱いだけと知った私はショックで仕方なかった。 そんな私の気持ちを知ってから知らずか撮影の準備が始まるのだった。 私は男性スタッフに他のマネキン人形と同じように並べられて箱詰めの準備をされるのだった。 つづく

7.マネキンになるお仕事【マネキンとして編】

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