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幼なじみが俺で、俺が俺の妹で(4)

 瑠璃がリビングに戻ってくるのは、だいぶ遅かった。  大もしたんだろうかと思うけど、さすがにそんな質問はできない。 「あの……みっくん」  瑠璃は『俺』の顔を相変わらず真っ赤にしながら、心底恥ずかしそうに口を開く。 「ど、どうした?」 「みっくん、その……入れ替わりの時に、記憶を読めなくしたよね? あの、この辺の記憶……」  言いながら、瑠璃は自分の股間に目を落とした。 「あ……」  そうか! 俺、「性的なこと全部」読み取れないようにしてたんだった!  てことは、今の瑠璃はちんちんに関することが何もわからないも同然? 俺はさっき『光莉』の記憶のおかげで助かったけど、なら……。 「ごめん! トイレ、全然わかんなかった!?」 「ある程度は……推測したり、パパが普段ママに叱られてるのを思い出したりして、どうにかしたけど……」 「叱られる?」 「立ったまますると、周りが汚れるみたいなの。だから今までと同じように座ってやろうとしたんだけど」  言われて、俺も母さんや光莉にたびたび注意されてた記憶が蘇る。その辺の『光莉』の記憶を引き出すと、俺や父さんのやってたことは実に不快なことだったとわかる。  俺が内心で打ちのめされている中、瑠璃はさらに続けた。 「座って、出したら、その……おしっこが外に飛び出しちゃって。床とズボンを汚しちゃって……紙で拭いてたの」 「あ」  そういうことも時々ある。チンポを手で押さえて便器の中へしっかり向ければ回避できることだけど、何も知らない瑠璃には思いつかなかったんだろう。 「あー……そうだよな、普通に座って普通に出せば普通に中に出るものって思うよな」  瑠璃が気に止まないように、急いで言い足した。 「男子は、そういうことが時々あるから。瑠璃のせいじゃない」 「え、そうなんだ?」  申し訳なさそうな、恥ずかしそうな顔をしていた瑠璃が、きょとんとした顔になる。 「男子ならよくあること。ちんちんを手で押さえれば外へは出ないけどな」 「さ、触るのは、ちょっと……」 「まあそれはともかく、ズボンも汚れたのならいっそ風呂に入っちゃうか?」  ご飯も終わったし、そろそろ風呂の時間だった。 「う、うん」  肯きながらも瑠璃はもじもじしている。 「あの……みっくんも一緒に入って欲しいの」 「えっ?!」 「だって、わたし、その……お、おちんちんのこと、全然わかんないから、教えてもらわないと……」 「そ、そっか……」  確かに、二年間も続く入れ替わりなんだから、早めに教わっておいた方がいいんだろうなとは思う。それができるのは事情を知ってる俺だけだし、俺が変な具合に記憶を読み取れなくしてしまったせいでもあるのだから、あらゆる意味で俺が教えるしかなかった。  それにしても、瑠璃が「おちんちん」なんて言っている。身体は『俺』だけど、恥じらうその口調は紛れもなく瑠璃で、俺は変な興奮をしてしまいつつもそれを表に出さないように努めた。  着替えを準備するため、それぞれの『自室』に入る。俺は『光莉』の記憶に身を任せて、下着やら何やらを選んでいく。ブラジャーやショーツをこんなに見るなんて生まれて初めてだが、『光莉』としては珍しくもない光景だ。動揺したりはしない。  半ば機械的に『いつも』のように手を動かすうち、心に思い浮かぶ思考があった。 (……お兄ちゃんとお風呂入るなんて、いつ以来だろ。小学四年の夏くらいだっけ? そのくらいから、クラスの中でも男子と女子は別れるようになっていって、あたしもそれに釣られて男子とは別行動になったし、お兄ちゃんとも少しだけ距離を置くようになって……でも、少しだけ寂しかったんだよね。まあ、今のお兄ちゃんはお兄ちゃんじゃなくて瑠璃ちゃんなんだから、変なことになるわけもないし)  ……って、何だ今の思考?! 「お、俺は光彦だぞ。今は『光莉』の身体だけど、『光莉』の記憶は読めるけど、本当は男。男」  自分に言い聞かせるように呟く。  光莉の記憶を読めるって、これ、気を抜くと光莉みたいに考えてしまうってことでもあるのか? 気をつけないと……瑠璃にも伝えておこう。もちろん光莉にも。 「そうか……記憶って、ある意味人格みたいなものだものね。今のわたしたちは、二人分の人格を抱えているようなものなんだ」  さっそく瑠璃に話をして、光莉にもメッセージを送った。少し考え込んでいた瑠璃は、俺がそれらを終えると言った。 「一番気をつけなくちゃいけないのはみっくんかもね」 「え? どうして?」 「光莉ちゃんは、何だかんだで同じ女子。わたしは男の子になったけど、みっくんが記憶を色々読めなくしたから簡単にはなりきらないでしょ。でも光莉ちゃんは『読めなくしたものはあんまりない』って言ってたし」 「いや、瑠璃も気をつけた方がいいと思う」  瑠璃が記憶を読めなくなっているのは、『光彦』の恋愛感情と性的なものだけなんだし。瑠璃が寝坊してばかりの冴えない男子になりきるなんて嫌だ……自分で考えてて悲しくなってきた。 「けどまあ、俺が一番やばいのは確かかもな。うん、気をつける」  ともあれ、風呂へ。脱衣所はそんなに広くないので、まず瑠璃が入り次に俺が使う。  洗濯機に脱いだ服を放り込んでいき、俺はブラジャーとショーツだけになった。それらも外していく。  胸はAカップだけど、男子とは明らかに違う膨らみ。そして股間には何もない。昨夜瑠璃を思い浮かべながら硬くして射精したチンポは、今は俺のものではなくて瑠璃のものになってしまった。  喪失感を覚えながら風呂場へ続く引き戸を開けると。 「み、みっくん……これ、どうすればいいの?」  風呂場では、『俺』のチンポを大きく勃起させた瑠璃が待っていた。

Comments

ネタバレになりますのであまり書けませんが……二年後に三人がどう考えているかについてはすでに決めています。結末への流れに関わるので、もう完全確定状態。 その辺を踏まえるとあまりだらだら続けるのもどうなんだろうと思ってしまったり、でもこれくらい入れ替わりとして都合のいい二年間の設定もあまり思いつかないからできうる限りのことはしたいと思いもしたり、ですね。

うん。うん。 そうですよね、あれこれありますよね。 2年後、東京に行った瑠璃(光莉)は元に戻りたくないでしょうけど こっちの二人はどう思うんでしょう? 戻りたいと戻りたくないに分かれて欲しいですかね。 ワクワクします。 執筆たいへんでしょうけど 期待しています。

丸井主将

こちらこそありがとうございます! 女子が成長期の男子の身体で経験したら衝撃受けそうなことなるべくあれこれ、瑠璃には味わってもらおうかと思ってます(光彦も光莉の身体で目ぼしいところは色々と)。

性的なことがわからない瑠璃の勃起。 最高です。 知識がないだけにかえって暴走しそうですかね。 いやいや瑠璃の元の性格からそんなことにはならないのでしょうか。 ホント楽しみです。 ありがとうございます。

丸井主将


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