SamuZai
隊長
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呪われていて はずせない!

冒険者。 それは世界を旅し、行く先々で依頼を受けて魔物や悪事を働く人間の討伐などを行う人間の総称である。 受ける依頼の内容は多岐にわたり、お使いの範疇にあるものや巨大モンスターの退治、あるいは遺跡の探索といったことまで請け負うこともある。まさに究極の何でも屋と言える存在だ。 そんな依頼をこなした冒険者に与えられる報酬は当然、依頼書に書かれた金銭。それともう1つある。 討伐や遺跡調査の際に得られた戦利品である。 遺跡調査に関してはその歴史的価値などを鑑定の後、博物館行きか戦利品となるか判断されるが、討伐においては得られたものの大半が冒険者の取り分となる。 例えばモンスターの身体の一部や、盗賊団なら金銭を除く盗品などがそれにあたる。 むろん危険も大きいが、その見返りの大きさゆえに討伐任務は取り合いになるほどの人気を誇る。 「無傷で盗っ人コボルトの一団を殲滅。今日も絶好調ね」 そしてそれは、新進気鋭の女冒険者にとっても例外ではない。 無数の戦利品を袋に詰めて引きずり歩く歳若い冒険者。彼女もまた近隣を騒がせるコボルト集団を滅ぼした帰りだった。 異様に露出が高い鎧を纏う彼女は、そのまま依頼終了報告のため近くの街へと向かっていく。 街にある冒険者ギルドのカウンターに袋を突き出し、意気揚々と依頼完了を告げる。 「1人で百体以上のコボルトをやっつけるなんて……さすがですね。アイシャさん」 それを受け取った受付の女性が女冒険者、アイシャに報酬を受け渡す。 それと引き換えにして、近隣住民に返還する分の金銭を渡す。これにて依頼は完全に終了となる。 「ま、数が多いったって所詮コボルトだしね。それよりこの街、教会なかったっけ?」 「あるにはありますが、先日神父様が倒れたとかで今はお祈りをお休みしていますね……ああ、その露出度が高い鎧、もしかして……」 「防御力が高くてさらに機動性もいいんで試しに着てみたら、外れなくなっちゃって……」 アイシャの得た戦利品のひとつ、機動性がありそうな露出度の高い鎧。 胸と腰周りを隠すだけのシンプル極まる造りながら、なぜか防御力も極めて高いという恐るべき代物。 しかしそれには絶大な欠点があった。 戦利品としてモンスターから得た装備を着た時には付き物となる、呪いである。 「ああ、厄介ですよねえ……しかもそんな肌面積の大きいのが呪われてるなんて」 「内側に服でも着てればいいかと思ったら、呪いのせいで弾け飛ぶし……教会で洗礼受けるまで外せないなんて面倒にも程があるって」 「まあ、そこは呪いですから……さてアイシャさん。お話しながら他に教会がある町をお調べしてたんですが……」 「お、どこかいいところあった?」 「ここから馬車でまる一日、徒歩だと三日はかかる隣町に」 「遠っ!!?」 「道々に村はありますが、村には教会がありませんからね」 「ああ、なるほどね。辺境とはいえそこまで人がいないのかと心配になったわ」 「そんな辺境に、依頼のため脚を運んでいただいて感謝していますよ。中央ギルドのA級冒険者さん」 「……ごめん、地元民の前で辺境とか言うものじゃなかったわね」 「大丈夫ですよ、怒ってるとかじゃありませんから。事実ですし」 「あの、笑顔で拗ねないでくれる……?」 「拗ねてもいませんよ。さてアイシャさん、どうしますか?馬車か徒歩か」 「んー……まあじっくり考えるわ。流石に疲れたし今日はもう宿に行こうと思うの」 「宿……ですか。ところでアイシャさん、過去に呪われた経験はありますか?」 「ないけど、急にどうしたの?」 「ふむ、そうですか……こういう所では言いづらいので結論だけ伝えますが、なるべく早い方がいいと思いますよ」 「……?まあ、ちょっと休んだらすぐ出るつもりだから大丈夫よ。じゃあ宿を探してくるわね」 「あっ……」 本当に疲れていた彼女は、受付嬢の忠告をあまり聞かずに宿屋へと向かっていった。 受付嬢の言葉がどういう意味を持つのか、考えることもなく。 「いらっしゃい。泊まっていかれますか?それともご休憩?」 「休憩の方でお願い。お代金は先?後?」 「後で結構ですよ。お部屋の鍵はこちらです」 速やかに手続きを済ませ、部屋のベッドに飛び込む。 外せない鎧が鬱陶しくはあるが、それでもふかふかの布団に身を委ねるのは心地良い。 戦いの疲れと緊張から解放された時、アイシャはぶるりと身震いする感覚に襲われた。 その原因は出発して以来一度もする暇のなかった、生理現象にある。 「……寝る前にトイレ行っとこう」 朝方に街を出て、戦い続けること数時間。正午を過ぎる時間まで済ませていないそれはアイシャの下腹部をぢくぢくと苛む。 旅慣れしているのでこれでもまだ我慢の余地は大いにあるが、それでも寝る前にはしておかないと気分が悪い。 個室の扉を開き、汲み取り式の便器に腰をおろそうと鎧に手をかける。 だが、アイシャは忘れていた。今の自分の置かれた状況がどのようなものなのかを。 「……あ、あれ?あれっ?」 腰周りを覆う鎧を外そうと手をかけるが、びくとも動かない。それも当然である。 この鎧は、呪われていて外すことができないのだから。 呪われていて外せないのはなにも戦いの時だけの事ではなく、年がら年中外せないということである。 トイレの時だけ都合よく外れるなど、あるはずがないのだ。 (こ、このことだったんだ……!さっき言ってたこと……!) そして今になってやっと、受付嬢の言っていた意味を理解した彼女は、すぐさま宿を出てギルドの待合へと飛び出していった。 「あ、やっぱり戻ってきましたね、アイシャさん」 「あんたね……!ああいう大事なことは先に言ってよ!」 「言いましたよ。ただ人が多いところで皆まで言うわけにいかなかっただけです」 「わかんないわよあんなの、普通は……!」 「それで、どうしますか?通常は装備が呪われた場合、教会へ行くこと以外には装備を破壊したり……あとは装備ごとしちゃうというのも手ですが」 「そ、それは絶対にイヤ!」 「となると早く教会に行くか、破壊するかですね。でも教会に行くにはまる一日……」 「そ、そんなの……」 話しながら顔を赤らめ、腰をもじつかせるアイシャ。明らかにまる一日は耐えられそうもない。 「無理そうですね。となるとやはり装備の破壊でしょうか」 「は、破壊ってどうするの……?」 「鍛冶屋さんに頼んで溶断してもらうか、他の冒険者さんに力づくで破壊してもらうかですね」 「こ、ここの……鎧を……?」 「……まあ、ここまで密着する鎧でそれをやるのは私も初めて見ますね」 「危なくない……?」 「……無事を祈ります、アイシャさん」 「ていうかこの鎧のせいで下着も消滅してるんだけど、これが外れたら、その……」 「ずっと外せないままでいるのと、どっちがいいかですね」 「う、うう〜〜〜…………!!」 カウンターの前でうんうんと唸りながら迷うこと数分、女の子として当然の悩みの果てアイシャが下した結論は…… 「こ、壊すことにする……」 _________ 「さてアイシャさん、準備はいいですか?」 アイシャが決意を固めてから暫くの後、受付嬢がギルドから寄りすぐった豪腕が集っていた。 身の丈が優に2メートルを超えていそうな体躯に、その巨体すら上回る超巨大な斧を携えた巨漢。 それと引けを取らない大柄な体格に、今度は大槌を構えた巨漢。 いずれ劣らぬ大男に囲まれる、160センチにも満たない少女のアイシャ。 (あれ、これ私……生きて帰れる……?) 冒険者ランクも、実力もアイシャの方が上ではある。 しかしそれはスピードや魔法力など総合的に見た場合の話であり、純粋なパワーではこれら巨漢に叶うべくもないのは明らかだ。そして彼女はこれから、そのパワーを自身の鎧で受け止めなくてはならない。 少しでも手が滑ってしまえば、両脚がお釈迦になりかねない危険な作業。それを前にしてアイシャは顔を引き攣らせる。 「さて皆さん。ここに居られる美少女冒険者アイシャさんの呪われた鎧を引き剥がすことができたら彼女がご褒美をくれますので、奮ってご参加くださいね」 「誤解を招くようなことを言うなぁぁ!!」 『うおおおおおおおおお!!!』 「ねえ待ってやる気出さないで!!せめて、せめて優しく……!優しくしてぇぇぇ!!」 奮起した男たちが一斉にアイシャへ飛びかかり、下半身の鎧を引きちぎろうとその大きな手をかける。 鎧とはいえ全てが金属な訳ではなく、腰の部分などは丈夫な繊維でできている。 アイシャの腕力では歯が立たないが、これら巨人ならばあるいは。 バチィッッッッ!! 『うおおおおおっ!?』 しかし、男たちが鎧を引き裂こうとした瞬間、その巨体は見えない力に弾かれるようにして吹き飛んでいった。 何が起こったのか理解できないでいる一同に、受付嬢が事態を分析する。 「こ、これは……!信じがたいことですが、加護に近い何かで鎧が保護されているようです」 「か、加護って……女神様とか精霊が装備に付与してくれるものよね?」 「はい。強い念や魔力を込めることで、物理を超えた力を装備に宿すもの……それがこの呪われた鎧に宿っているようです」 「でも待って。加護って普通は聖なる装備とかに着くものじゃない?なんで呪いの装備に……」 「これは推測に過ぎませんが、さっきも言いました通り加護とは強い念や魔力によって成り立つもの。それ自体に良いも悪いもないのです」 「というか良い効果のものを一般的に加護というだけで、呪いも力の性質としては似たようなものなんです」 「っていうと……どういうこと?」 『つまり加護レベルの力を持つとんでもない呪いがかかっていて、壊すこともできねぇってことか……』 「恐らくですが、その通りかと」 「頭の良さでゴリラに負けたぁっ!?」 知恵比べで巨漢に敗北した事実にショックを受けるアイシャ。しかし本当にショックを受けるのはこれからである。 素手での破壊が不可能となったならば、もうひとつの案を実行するしかないのだから。 がば…… 「……ふぇ?」 いつの間にか後ろに回っていた男に抱えあげられ、両脚を広げた恥ずかしい体勢を取らされてしまう。 そしてそんな彼女の前には、大斧を振りかぶるもう1人の巨漢。 「ね、ねぇちょっと待って、それはさすがにヤバいって。ねぇ死んじゃうから、ね?死んじゃうから」 冷や汗を垂らすアイシャの股間目掛けて、大斧が振り下ろされる。 「ひぎゃああ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーー!!し゛に゛た゛く゛な゛い゛ーーーーー!!!」 バチィッッッッ!! 汚い悲鳴を挙げるアイシャの股間めがけて振り下ろされた斧は、これもまた呪いの力によって弾き飛ばされた。 2度にわたる試行の末導き出された結論は、この呪いがある限り鎧の破壊は不可能と言うことだ。恐らくこれは鍛冶師が行ったとしても同じことだろう。 「あー、やっぱり駄目でしたかー……こうなってしまうともう、教会に行くしかありませんねアイシャさん。……アイシャさん?」 「あぇ……えへへぇ……」 「あら、気絶してる……よっぽど怖かったんですねぇ。無理もないですけど……」 恐怖のあまり気絶したアイシャを、受付嬢は男たちに医務室へと運ばせる。 この時アイシャの身に起きていることに誰も気づくことなく、全身を弛緩させぐったりとした彼女は医務室で眠るのだった。 _________ 「…………………………」 「そろそろ機嫌を直してください。結果として無事だったんですから」 「逆に呪いが強烈だったからよかったけど、そうでなかったらどうなってたと思う?」 「私からは一応、皮一枚で止めるとか避けるとかしてもらうようにオーダーはしてましたよ」 「手元がブレたら死ぬでしょうがぁ!!あんた私の(ピーーー)が使いもんにならなくなったらどうする気だったのよ!!」 「落ち着いてくださいアイシャさん。音響魔法で伏せてなかったら危ない単語が出てますよ」 「股間ぐらい伏せんでもええわ!……まあそれはもういいから、街に行くわよ。馬車はどこに行ったら乗れるの?」 「大丈夫です。あなたが寝ている間に手配しておきましたから。待合所を出てすぐ乗れますよ」 「なんだ、そうだったの」 アイシャが気絶していること1時間。その間に受付嬢が手配した馬車に乗り込みアイシャは街へと向かう旅路に出発した。 先ほどの巨漢たちや受付嬢に見送られて、広大な草原へと飛び出していく。 (結局、こうなるのかぁ……) 揺れる馬車の中で、アイシャは下腹部を撫でる。 まだ緊急という訳では無いが、既に硬く張り詰めつつある水風船の感触。 朝からおよそ半日の間解放できていないそれが、彼女の身体を苛む。 冒険者として慣れているとはいえど、これからあと一日も耐えねばならないとなると気が遠くなる。 (まあいいや。起きててもしょうがないし、寝よ……) 暗い思考に囚われそうになるのを断ち切り、アイシャは気絶とは違う本当の休息を得るべく瞳を閉じた。 冒険者としての必須技能、寝られるときには速やかに寝るという技能を実践していた。 討伐の際に寝ることなどは当然出来ないため、安全なところにいるうちに寝ておくことは大事なことなのだ。 肝心の戦闘に、疲れを残さぬように。 そしてここは馬車の中。馬車の通る道は何度も人間が通る道であるため魔物の行動範囲外であることが多く、ほとんどの場合安全が保証される。 事故、あるいははぐれ魔物や猛獣による襲撃を受ける可能性は、数字にするなら1割にも満たないだろう。 しかし今日のアイシャは呪われているためか、あるいは生来持つ運によるものか、不運にもそれに遭遇してしまうことになる。 アイシャが寝付いてから2時間ほどが経ち、馬を休ませようと馬車の速度を御者が緩めたその時だった。 ドォンという爆音と共に、空から無数の火の玉が飛来してきたのだ。 そしてその火焔球は馬車の荷台に直撃し、その車体を燃やし始めた。 「ふぁえ!?ちょっ、なに、なに!?」 疲れていたためか、一流に名を連ねる冒険者でありながら出遅れてしまうアイシャ。 寝ぼけ眼を擦りながら外へ飛び出すと、目に飛び込んできたのは空を舞う何匹ものワイバーンたち。 そして焼け焦げる馬車と馬の姿だった。 すんでのところで逃げられたのか御者は健在だが、状況は最悪と言っていい。 「なんて事……!いくらなんでもこんなのの接近に気づかないなんて……」 自分の迂闊さをアイシャは悔いるが、しかしそれだけで現状は打破できない。 ぐるぐると上空を旋回するワイバーンの群れ。これをなんとかしなくては。 しかしワイバーンは通常、弩弓や魔法職の技によって撃ち落とすのが基本戦略となる。 冒険者の中でも剣での攻撃を得意とするアイシャにとって、相性の良い相手ではない。 そして守るべき馬車ももうない。そうなると、無理に戦うよりも効率的なアイデアは自ずと浮かび上がってくる。 「……よし、逃げよう!」 御者を担ぎあげ、アイシャは一目散に逃げ出す。 相性の悪い相手とは無理に戦わない。これもまた生き延びる知恵であり、冒険者には必須の心構えである。 得意でないとはいえ魔法も人並み程度に使えるアイシャは、それでもって敵の脚を止めつつ逃げていく。 そうしてひたすら走り続けて、なんとか敵を撒くことに成功するのだった。 _________ ワイバーンの群れから逃げ切った後、アイシャは草原をひたすら歩き続けていた。 生き残った御者から得た情報によると、ここから隣街に向かう馬車は破壊されたものひとつだけしかないためだ。 御者はその修繕のため戻ることにしたが、アイシャにそれを待っている余裕はない。 徒歩だと3日はかかるとのことだが、しかしここはある程度開拓された道。もしかすると行商の馬車などが通りかかる可能性もある。 その馬車に乗せてもらえば、あるいは早く着くこともあるかもしれない。 そんな一縷の望みと、それが叶わずとも進んだ方がいいという判断によりアイシャは徒歩を選択した。 (しかし、状況は芳しくないわね……水と食料は最低限。まあこれは野草や川を見つければなんとかなるとしても……) 考え込みながらお腹をさすると、ぽこりとした膨らみが感じられる。 張り詰めたお腹の中には、半日かけて溜め込まれた老廃物が詰め込まれているのだ。 (ほ、ほんとにこのままだと……やばい……!3日なんて当然無理だし、1日だってもう……だ、だとしたら……) ちらりとちょうど良さげな木を見やり、思考をフル回転させる。 運が良くてもまる1日、悪ければ3日の間できないというのは、今の彼女にはあまりにも辛すぎる。 何より冒険者として、身のこなしに差し支えるのは致命傷だ。身体が重くなれば攻撃を避けるのが難しくなってしまう。 先ほどのように攻撃を受ける可能性もある以上、今のうちから手を打っておく必要がある。 (やっぱり、するしかない……!) 冒険者として、どうしてもできない時に耐え忍ぶ必要はある。敵地に忍び込む時などのように。 だがそれ以上に大切なことは、できる内にしておく事だ。だからアイシャも冒険者として、ある程度そうしたことの経験はある。 それでも年頃の女の子として、それへの抵抗がなくなるわけではない。ましてや装備を着けたままとなればなおのこと。 (に、臭いとかしないよね……黄ばんだりとかも……鎧だもんね……) ほとんどお漏らしと変わらないことをしようとしている自分を必死になだめながら、アイシャは木かげに向かってしゃがみこむ。 少しでも脚に伝わないよう最大の注意を払いながら、お腹にぐっと力を込める。その瞬間。 バヂヂヂィィィィ!!! 「ひぎぃっっっっ!!?!」 突如として全身に激痛が走り、身体中をぎゅ、と硬直させる。 それによって開かれた尿口も閉じられ、アイシャの排泄は始まることさえなく寸断された。 「い、いったい、なにが……?」 いきなり発生した痛みに戸惑い混乱し、思わず身体に妙な力を込めてしまうアイシャ。 それは数秒前まで排泄の準備を整えていた尿口を僅かながら押し開き、そこから少量だけ尿水を漏らしてしまう。その瞬間。 バチバチバチィィッ!! 「ひぎゅうぅぅぅ!!?」 (こ、これ、まさか、まさかぁっ……!?) 再び走った激痛に、アイシャはその原因を理解した。 痛みが走った時に共通しているのは、その直前に彼女が放尿をしようとしたこと。それが反射によるおちびりなのだとしても。 そして出発前に見た、巨漢を跳ね飛ばすほど強力なエネルギー。 この痛みが呪いによるものだということは、すぐにわかった。 (や、やっとわかった……!破壊しようとした時にこの鎧は抵抗する。破壊すること、傷つけること、損傷させること、そして汚すことも……) 痛みが落ち着き、冷静さを取り戻したアイシャの分析により、その理由が明らかとなった。 鎧は自身を傷つけるものに対して反撃する。破損、損害、損傷、そして汚損。 この鎧はアイシャが鎧ごとしようとしたのを汚損と判断し、自分が汚されないためにそれを阻止したのである。 そしてそれは、ひとつの事実を意味する。 この鎧が外れるまで、アイシャは一切排泄ができないということ。 (そ、そんなの、絶対耐えられない……!でもこれだけの呪い、無理に出そうとしたら……ちょっと出ただけでもこんなに痛いのに……) 少し出しただけでもこれだけの痛みをもたらすのに、もしも呪いを無視して出そうとしたり漏らしたりすればどうなるかわからない。 もしかすればこの力場を全身に打ち込まれ、身体がバラバラになってしまうかもしれない。 ぞくりと身を震わせるアイシャだが、しかし彼女はまだこの呪いの持つ真の恐怖を知らない。 先ほど彼女が「恐怖のあまり気絶した」時、この鎧が何をしたのかを、彼女はまだ。 それでも彼女は街に向かって歩き出し、かくして呪われた装備を外すための冒険は幕を開けるのだった。 アレクサンドラ・エクステール(通称アイシャ) ステータス HP 587/680 MP 314/460 状態 ふつう 尿意 680/850 そうび うで 鉄のつるぎ うで ライトバックラー からだ びきにあーまー(呪) あし 装備なし あたま よくない スキル フレイム ブリザード サンダーボルト かまいたち 火炎斬り 氷雪斬り 雷電斬り 疾風斬り 超奥義属性網羅カラミティソード 寒い地方で産まれ、才能を見込まれ中央にやってきたA級冒険者。剣技を得意とするが魔法も使える万能型。中でも彼女をA級たらしめるのは魔法と剣の合わせ技である魔法剣であり、世界でもこれを使える者は少ない。しかも彼女は全属性を網羅しているので相手の苦手属性を突くことができる。つよい。 ネーミングセンスは壊滅的な17歳。 _________ (さ、さすがに……そろそろキツい……) 襲撃から数時間が経ち、すっかり夜も更けてくる時間。 魔物たちの活動時間を迎え、人間が野原を往くリスクが跳ね上がる時間帯である。 むろん冒険者の心得として野宿の知識はあるし経験もあるが、それ故にその危険性を熟知もしていた。 とはいえ数時間、それも尿意を耐えたまま歩き続けた疲労は激しく、このまま強行するというのはできそうもない。休息は必須だった。 魔物避けの陣を張り、その中に草を集めた簡易的な寝床を敷く。冒険者にはよくある即席キャンプである。 そこで火を炊き、道中で調達した獣の肉を焼いて英気を養う。 「うっ……ぷ」 (そろそろお腹……苦しい……けど出したら死んじゃうかもしれないし……我慢しなきゃ……) 食べ物で胃が膨れたためか、もうひとつの膨らみが圧迫される感覚に気持ち悪さを覚える。 一刻も早く開放されたいが、しかしそれをすれば死んでしまうかもしれない恐怖がある限りそれはできない。 とっくに限界を超えた膀胱を抱えて、アイシャは葉っぱで作った布団に横たわる。 依頼を終えた後もほとんどまともに休むことなく、これだけの長旅をこなした身体をくつろげると、すぐさま睡魔に襲われる。 重い瞼を閉じると、深い眠りに誘われていく。 旅の疲れを癒すための、深い深い眠りに…… じゅ…… しかし寝付いてすぐ、彼女の身に悲劇が起こる。 眠っているゆえに、無意識である故に我慢を放棄した尿口から零れた極わずかな水滴。それがもたらすものとは…… バチバチバチィィィ!! 「ぎゃひぃぃぃぃぃ!!??」 「なっ、え、なに!?なにっ、が……!」 バヂヂヂヂヂ!!! 「い゛い゛い゛い゛い゛!?!!なに゛っ!?な゛に゛っ、こ゛れ゛ぇ゛っ!?」 眠りに落ちて、緩んだ尿口からは絶え間なく尿が噴き出そうとし、それを食い止める度に激痛が全身を駆け抜ける。 寝ぼけたままにこんな仕打ちを受けて、混乱の極みに陥る。 それからしばらく電撃を受け続けて、ようやく目が覚めたアイシャの心には、絶望が過ぎっていた。 (だ、だめ……だ……寝たら……寝たら、出ちゃう……!そしたら私、私……!) (わたし、もう……寝られもしないの……?) 寝ることで我慢の力が緩めば、今のようにお仕置が待っている。 長旅に疲れたアイシャに、我慢に疲れた一人の少女に、もはや休息すらも許されることはないのだ。 つつ、と涙が頬を伝うが、しかし彼女が開放される手段はたったひとつしかない。 それを求めて彼女は、疲れた身体を引きずるようにして夜の草原を進み始めた。 アイシャステータス HP 350/680 MP 289/460 状態 寝不足、我慢 尿意 1320/850 そうび うで 鉄のつるぎ うで ライトバックラー からだ びきにあーまー(呪) あし 装備なし あたま ぼんやり スキル フレイム ブリザード サンダーボルト かまいたち 疲労と尿意でぼろぼろのA級冒険者。 ぱんぱんに張ったお腹は動く度にギリギリと痛みを訴え、彼女から素早い身のこなしを奪う。 歩き続けたことによる疲労も相まり、剣技はほとんど封じられている。魔法剣など以ての外。 弱体化は著しく、今の状態ではコボルト1匹を倒すのがやっと。魔法でちまちま削るしかできない。よわい。 _________ 「はっ……ひ、はひっ……」 広々とした草原を朝日が照らす、麗らかな朝。 そんな中を、ぽこりとお腹を膨らませたずたぼろの少女が歩いていく。 脚にはもはや力が入っておらず、ふとした風のそよぎでふらつくほどの有様で、なおも止まることなく進み続ける。 休むことさえできない彼女には、どれだけ辛くとも進むしかないのだ。 しかしそんな彼女を追い打つように、黒い電撃がその身を駆け抜ける。 もう我慢の限界などとうに過ぎた身体が勝手に排泄を始めようとし、その度に電撃を浴びる。 寝られもしない苦痛の中で、いつしかアイシャの心は凍りついていった。 (た……すけて……だれか……) 排泄、睡眠。人として当然の欲求2つが満たされない苦しみを味わいながら、アイシャの旅は続く。 アイシャステータス HP 120/680 MP 289/460 状態 寝不足、尿意限界 尿意 2150/850 そうび うで 鉄のつるぎ うで 装備なし からだ びきにあーまー(呪) あし 装備なし あたま ねかせて スキル 前押さえ 疲労と尿意でぼろぼろのA級冒険者。 ぱんぱんに張ったお腹はさらに肥大化し、誰が見てもわかるレベルになった。 片方の手は前を押さえるのに塞がれ、もう戦闘どころではない。 剣はまだ装備しているもののほとんど杖の代わりに等しく、振り回す体力はもうない。 寝不足と尿意に阻害され、もはや魔法を使うだけの集中力も消え去った。コボルトどころか子犬と戦っても負けかねないほど弱っている。哀れ。 _________ アイシャが旅を始めてから、体感としては永劫に等しいほどの時間が流れた。 実際には日が3回ほど沈んで登っただけなのだが、拷問並みの苦痛のただ中にいる彼女にはそう感じられた。 (ここ……ここ……こえたら……きっと……) だが、もうそれも終わる。 最初の町を出てから今日で3日。受付嬢の言う通りならば今日で街に着くはずなのだ。 そして今アイシャがいるのは小高い丘の中腹。これを登りきったなら辺りに遮蔽物はなく、街が見えてくるはずだ。 そんな一筋の希望を胸に抱く彼女だが、しかし彼女は大切なことを忘れていた。 徒歩なら3日というのが、普通に歩いた場合の話であることを。 「え…………」 丘を登りきった彼女の視界に映るのは、ただ何も無い草っ原。どこにも街の影など見当たらない。 休みを取らず、特大の重りを抱えたまま進むアイシャの歩みはとても遅く、普通の人間が歩くのの半分以下程度の速さしかない。 そのため3日が経過してなお、道のりとしては最初の日に稼いだ分を加味しても3分の2程度しか進んでいなかったのだ。 見渡す限りどこまでも続く平原。これから先もずっと、この苦痛に塗れた旅を続けるということ。 その事実は、疲れ果てたアイシャの心をへし折った。 「あ……ああ……」 へなへなと地面にへたりこみ、そのまま彼女はお腹に力を込めていく。 もうすべてがどうでも良くなって、ただただこの辛い尿意から解き放たれたくて、彼女はここでしてしまおうとする。 実の所彼女はもう絶え間なくちびり続けており、電撃ももう一日中浴び続けている。だからかもうその痛みにも慣れ、ちょっとやそっとでこの排泄を止めることはできない。はずだった。 しかし彼女は気づいていなかった。一日中ちびり続けているのに少しもお腹が楽になっていないことの理由に。 「ぇ……?で……ない……?」 いくらいきんでも、いくらおしっこをしようとしても、出口からは一滴たりともそれが出てくる様子はない。 バチバチとしつこい程に電撃が走り、尿道を熱い小便が満たしている感覚はあるのに、それが外に出ていくことだけはない。 なぜならそれは、この鎧が阻止しているからである。 この鎧の持つ力場は、大男の攻撃を弾く程に強い。 物理攻撃をも弾くほどの力場。それはこの鎧が傷ついたり汚されたりすることに対して発動する。 すなわちこの鎧は攻撃を弾くほどの力場を以て、アイシャの放尿をできないよう堰き止めていたのである。 実の所アイシャが自分の我慢でこれまで耐えていた訳ではなく、数多の局面において「無理やり堰き止められていた」からこそこれまで漏らさずにいられたのだ。それが良いにしろ悪いにしろ。 待合所で恐怖のあまり気絶した時も、これがなければ漏らしていただろう。 初日に寝ようとした時もこれがなければ、いくら途中で起きたとはいえおねしょを止めることは出来なかっただろう。 それが今、最悪の方向に働いているだけのことなのだ。 「なん……でっ……!でないっ……!でないっでないでないでないよぉぉぉぉぉ!!!」 「おしっこ、おしっこしたいのにぃぃぃぃ!!おしっこでないっ、でないよぉぉぉぉおおお!!」 麗らかな朝の草原で、極限状態にある少女が悲鳴を挙げる。 その身に着いた鎧を掻きむしり、叩きつけ、ごろごろとのたうち回りながら。 爪が剥がれるほど鎧を掻き、いつしか暴れる体力すら失った彼女は草原に横たわり、乾いた笑いを零す。 「あは……!あはは、あはっ……あははは……」 呪いを解くまで彼女はこの苦しみから逃れることはできない。 この内蔵が押し潰されるような尿意も、寝不足からくる脳を掻き回されるような頭痛も。 そして食料調達や水分補給の余裕さえもないことからくる飢えと渇き。 睡眠欲も排泄欲も食欲も、すべてに飢えた少女の地獄はまだ続く。 流す涙も枯れ果てて、絶望のあまり笑うしかできなくなっても、彼女には進むしかないのだ。 アイシャステータス HP 1/680 MP 289/460 状態 寝不足、尿意極限、脱水、空腹、瀕死 尿意 4780/850 そうび うで 木の杖 うで 装備なし からだ びきにあーまー(呪) あし がくがく あたま おしっこさせてくださいおねがいしますおしっこしたいおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこ スキル 前押さえ 野ション 土下座 懇願 疲労と尿意と空腹でぼろぼろのA級冒険者。 ぱんぱんに張ったお腹はさらに肥大化し、妊娠中期の妊婦レベルになった。 もはや戦いどころか、歩くことさえお腹が揺れて苦しいほど。 ずっと歩き続けた脚はほとんど感覚を失っており、亡者のような歩きをするしかできない。 頭の中はほとんどおしっこで埋め尽くされており、呪いさえ解けたならどこででもすぐ放尿することができるくらい恥を捨てている。 おしっこできるなら土下座も辞さない。もうゆるしてあげて。 _________ それからまた、幾日かの時が過ぎた。 脱水と空腹と尿意と疲労とに阻まれ、特に日増しに重くなる下腹部の膨らみが歩くのを阻害。 どんどんと歩みは遅くなり続け、ずりずりと脚を引きずりながら何十kmもの道のりを進む。 呪いによる電撃ももはや一日中絶え間なく受け続ける中での強行軍。そんな地獄の苦しみをアイシャは1週間にも渡って続けてきた。 水分摂取をしていないとはいえ着々と膀胱に溜まり続ける尿水はもはや臨月の妊婦と見まごうほどにまで膨れ上がり、少女の身体を変形させる。 いくら呪いによって排泄を封じられていようと、普通ならここまで溜められるはずはない。 ここまで溜まる前に膀胱が破裂してしまうはずである。 それでも人間の限界を超えて尿が蓄積されているのには、これまた呪いの影響があった。 加護にも等しい呪いの力。それは装備そのものの強度のみならず、アイシャの肉体にも影響を及ぼしていたのだ。 例えばアクセサリーを身につけると毒に耐性が付いたり、身体能力が上がるように、装備品によって身体そのものが強化されることはそう珍しくない。 そしてこの鎧にとっても、装備者であるアイシャが死んでしまうことは望ましくない。だからこそ鎧は彼女を生きながらえさせようとしているのだ。その加護にも匹敵する呪いによって。 しかしそれがアイシャにとって望ましいかどうかはまた別の問題である。 アイシャステータス HP 1/680 MP 289/460 状態 寝不足、尿意極限、脱水、空腹、瀕死 尿意 9852/850 そうび うで 木の杖 うで 装備なし からだ びきにあーまー(呪) あし がくがく あたま おしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこ スキル おしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこおしっこ ころして だが、旅立ちから1週間を経た今になってようやく、彼女に救いの手が差し伸べられることになる。 「……ぁ……!あ、あぁ…………!」 死んでこそいないものの、受け続けてきた電撃と過度の疲労により、目が霞むほど瀕死のアイシャ。 見晴らしのいい草原でも百メートル先が見えるかどうかという超近眼になった彼女の目に、あるものが映ったのだ。 それはしばらくぶりに見る、人が造った建造物の影。 待ち望み待ち焦がれた、目的地への到着だった。 もう彼女の渇望を止めることなどできはしない。 「お、おしっ……おしっこ!おしっこ、おしっこぉぉぉぉっ!!!」 感覚などとうに消え果てたはずの両脚がいつしか走り出し、街中に駆け込んでいく。 1週間も旅し続けたみすぼらしい風貌で、露出度の高い妊婦のような腹の少女に街の人々も困惑するが、もはや彼女にそんなものを気にするだけの理性はない。 街の中でもひときわ目を引く大きな建物。十字架を誂えた建物へと駆け込んでいく。もはや今の彼女には、そこがトイレにしか思えなかった。 礼拝を終えて、集まった人々がまだ教会内に多くいる中で彼女はこう言い放った。 「おしっこ、おしっこさせてぇぇぇ!!させてくださいぃぃぃぃ!!!」 _________ 「……これは、凄まじい呪いですね……私でも解呪できるかどうか」 アイシャの乱入によって騒然となった教会。神父の計らいによって参拝客が帰され、後にはシスターと神父とアイシャだけが残された。 医師が診察をするように鎧を診る神父は、その呪力の強さに目を剥く。 「成功率は五割あるかと言ったところでしょう。そしてこの解呪にはここの全エネルギーを集中しなくてはならないようです」 「おっ、お゛ぢっ……おち゛っこ゛、しだぃぃぃ……!!!おち゛っこ、おち゛っこぉぉぉぉ……!!」 「……一刻を争うようです。この教会内にある主より賜りし祝福の力。その全てを集約しこの呪いを解きます……!」 「わ、私はどうすれば……?」 「解呪が成功したなら彼女をすぐお手洗いに連れて行ってあげてください。……おそらく大変なことになるでしょうから」 シスターに指示を出すと神父はさっそく解呪の儀に取り掛かる。 聖書を手に祝福の詩を歌い、神への信仰を示す。 それに応えるように神を象った像が光を放ち、教会に蓄積された祝福の力がアイシャの元に集う。そして…… 「……AMEN!!」 呪いの力と祝福とがぶつかり合い、白い光と黒い光とがせめぎあう。 バチバチと轟音が鳴り響く中、白い光が黒い光を包み込んでいった。 神の力が、呪いに打ち勝ったのである。 そしてそれは、待ちに待った解放の瞬間がついに訪れたことを意味していた。 「………………あ」 それはアイシャにも感覚としてわかった。蓋が外れたような、つかえが取れたような感覚。 それと共に彼女の、1週間にも渡って溜め込まれたおしっこがついに解放された。 アイシャステータス HP 1/680 MP 289/460 状態 寝不足、尿意極限、脱水、空腹、瀕死 尿意 10340/850 ぶっっっっっっっっしぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!! じゅびししししししししっっ、びぢぢぢぢぢぢぢぢっっっっ!!! 「はっ……!ぁ、はぁぁ……っ!」 解き放たれた1週間分のおしっこ。それは鎧が外れると同時にその凄まじい水圧で壁まで鎧を跳ね飛ばした。 壁が欠けるほどの勢いで打ち付けられた鎧はそのまま、小便まみれの姿で床へと落ちていく。 広々とした教会の真ん中で、数メートル先の壁まで一直線に伸びるほどとてつもない勢いの大爆尿が、神の御前で放たれる。 その水勢は、彼女をトイレに連れて行こうとしていたシスターも神父も、思わず見入ってしまうほどの凄まじさで教会を黄色く染め上げていく。 びしゅぅっっしぃぃいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーー!!!! びゅしぃっ!ぶっしゅぅう!ぶしっ、ぶしゅしゅうぅ! 「あっ、あっぁ、あはっ……♡」 1週間ぶりの放尿。みるみるうちに軽くなるお腹。超極太尿が尿道を押し広げ、その上に座すクリトリスの根を震わせる感覚。 それらが圧倒的な快感となって、少女をエクスタシーに押し上げる。 放尿しながらびくびくと身体を跳ねさせ、その痙攣と収縮が断続的に放尿を寸断する。 もぞもぞと身体を揺すぶる度出口の向きが変わり、爆尿の射線があちらこちらに向けられる。乱れ飛ぶ黄金の雫が彼女の我慢と快感を物語っていた。 「ぁはあぁぁぁ…………♡」 放尿開始から1分が経つ頃には妊婦のようだったお腹もずいぶんとしぼみ、青ざめていた顔に血の気が戻ってくる。 疲れ果てた少女へのご褒美とも言うべき至福の時間は、お腹の中身がなくなるまで長く長く続いた。 脱水状態のまま長くいたため、体内で凝縮された濃い黄色の臭い立つおしっこをそこら中に撒き散らして、神のおわす教会に異臭を立ちのぼらせながら。 最終的に彼女の放尿が落ち着くまでには、噴射の時間が約5分。その後の絞り出しに5分の計10分もの時間を要し、その間に教会は彼女のおしっこに濡れていないところが無いほどの惨状となっていた。 しかしそれでもようやく苦しみから解放されたアイシャは、1週間ぶりの安息に身を委ねるのだった。


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