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ザ・ドッグトレーナー #65『ソフィアと出迎え』(⇔64)

#65 「ソ~~フィ~~~ア~~ちゃ~~~ん♥ 私が会いに来たわよぉ~~♪」  扉が開き、視界にソフィアの姿を捉えるなり彼女に飛び込むように抱きついて来たルルシア嬢をソフィアは苦々しい表情を浮かべつつ腰を少し屈めて受け止める。  ルルシア嬢はいつも通り縦ロールに髪を結い真っ赤なドレスを纏った格好で玄関先に立っていたが、折角結ったその髪もソフィアへの抱きつきによって若干ほどけてしまい……縦ロールに枝毛が生えているかのように乱れを見せてしまっていた。 「あ、あの……ルルシア様? 抱きつかれるのは大変光栄なのですが……今日はその……私ではなく……隣のリサの引き取りの方を……」  大人と子供ほどの体格差があるとも言えるソフィアとルルシア嬢だがソフィアはあくまでもルルシア嬢を目上の客人として認識しており、抱き付いてきた嬢を無理に引き離そうとはせず優しく言葉で本来の目的を彼女に諭すのだった。 「分ぁ~~かってるぅ~~~! でもほら、私の大好きなソフィアちゃんが出迎えてくれてるんだから~~挨拶の一つでもしたくなるじゃない?」  抱きつきながらもムゥと口を膨らませてその様に返すルルシア嬢は、その格好のまま辺りを見回し宿敵のエリナが居ない事を確認する。 「あら? 今日もあの“乳デカお化け”はお迎えに来てないのね?」 「あ、えっと……エリナは……その……」 「確か……私が“前”来た時も居なかったわよね? 私を避けて出てこないつもりなのかしらぁ? 良い度胸してるじゃない♥」 「いえ……エリナは……体調を崩してまして……。今は安静に寝かせているところなんです……」  ソフィアはその様にフォローを入れたが、実際はあの最後の調教で体力を使い果たしたため寝入っているだけで……今回は“ワザと”姿を隠していた訳ではない。  ワザとではないが……しかし、報酬を貰う前に要らぬ喧嘩の火種を生むリスクを避けたいあなたにとっては、彼女が寝入ってくれているのは安堵せざるを得ない状況だと言える。本来であれば、従者が顔を見せないのは失礼極まりない行為であるのは理解しているが、今回ばかりは実際に寝込んでいるという免罪符がある為、後ろめたくなくあなたも説明が出来る。 「そう? まぁ、ソフィアちゃんが居てくれるんだったらあんな奴別にどうでも良いけど……(でも、出てこないんだったら来ないで張り合いがないのよね)」  ルルシア嬢はその様に零しながらもソフィアの腰から手を緩め……今度は、このやり取りをどう見ていて良いか理解出来ていないっと言った困惑の表情を浮かべているリサの方を向き直して、おもむろに歩を寄せ始める。 「ふぅ~~ん? 競り場で見た時より……物怖じせずに堂々と立つようになったじゃない? あの時は係員に手を掴まれないと立てないくらい怯えていた癖に……この短期間で随分成長したものね?」  最初に着ていた奴隷衣を再び着せられたリサをルルシア嬢は一回りして見渡しその様に感想を呟く。そして、実際に腕や太腿を触ってリサの感触を確かめながら誰に向ける訳でもない頷きを入れていく。 「あ、あの……貴女が……私の……その……ご主人様……?」  身体を触られる度にビクリビクリと反応を返すリサ。その反応の仕方が“怯え”から来るものではなく、触られの“期待感”から来るものだと表情を見て察したルルシア嬢は、ニヤリと口元に笑みを浮かべリサの腰に手を回して身体を引いて自分のもとへと呼び寄せた。 「そうよ。私が貴女の身を買い取った……ルルシア=ライラック。私の事は今日からルルシア様とお呼びなさい?」  リサの肩付近に頭のてっぺんが来るくらいには身長差のある二人だが、ルルシア嬢はその様な差など気にも留めない様子に鋭い目でリサを見上げ、自分に服従するよう重い言葉を彼女にかける。 「は、はい……ルルシア……様……。今日から……その……宜しくお願い……します……」  言葉の重さに緊張を強いられたリサだったが、5日間の調教によって培われた従順性が彼女にその様な素直な言葉を零させる。その返事を聞いたルルシア嬢はリサにニコリと子供の様な笑みを返し、腰に回していた手を無造作に服の中へと入れ込むと服の中でリサの脇腹をサワサワと撫で上げ始めた。 「フフ……そんなに緊張しなくて良いわ♥ 今日からたっぷり可愛がってあげるつもりだから……貴女も他の奴隷ちゃん達同様リラックスして私の“可愛がり”を受け入れなさい? ね?」 「はひゃ♥ あにゃあははははははははははは、る、る、ルルシア様ぁ? ちょ、脇腹に手がぁははははははははははははは、入ってますぅぅふふふふふふふふふ!!」  服の中でモゾモゾと動き回るルルシア嬢の手にこそばゆさを感じたリサだが、彼女は決して嬢の手に反抗するような事はしなかった。嬢が本気で触っていた訳では無いという事もあるだろうが……その手に抵抗してはいけないとリサ自身が感じてそういう所作を取ったのだろう。その一場面を見ただけでも……リサの奴隷としての成長が伺え、あなたやソフィアは思わず顔を見合わせ頷きを入れ合ってしまう。 「……うん。良いわ♥ これだけ反応が良いのであれば……プレイのし甲斐もありそうね。さぁ、さぁ……早く帰って続きをしましょう? 今日はリサの歓迎パーティを開くつもりでメイドたちに腕を振るわせているんだから♪ 屋敷に着くのを楽しみにしていなさい?」 「にゃはっっははははは、ひぃひぃ♥ はいぃぃ……ルルシア様ぁ♥ あっ♥ ひぃぃ♥ イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、く、くしゅぐったいぃぃ♥」  脇腹をくすぐりながらリサを誘導し玄関から出て行こうとするルルシア嬢……ソフィアはそんな彼女に深々とお辞儀をし、あなたもそれに倣って彼女よりも浅いお辞儀を並んで行う。  ルルシア嬢はリサを玄関の外へと誘導すると、そのまま付き人のメイドにリサをリムジンに乗せるのを手伝わせ、屋敷の階段を下りながらたあなたの方を振り返る。  そして、これからのプレイを楽しみにするかのように頬をピンク色に染め上げたまま…… 「今回の調教……ご苦労様。かなり無茶な条件だったとは思うけど……あなたは見事にこれをやり遂げてくれたわ。報酬は後日約束通り倍の額を振り込ませて頂くのと……私からもちょっとしたサプライズを送ると思うから、今度はそれを“見て”自分の調教した奴隷がどんな活躍をしているか……楽しむなりなんなりして頂戴?」  と、お嬢様らしいスカートの裾を持ち上げた挨拶をして見せ、リサの隣へと乗り込んでいった。  リムジンの扉が閉められ車が発車すると同時にその扉の窓が自動で下がっていき、そこから再び顔を出したルルシア嬢が最後に我々へ言葉を零す。 「あ、そうそう! 新しい奴隷を買ったらまたあなた達に依頼をするつもりだからっ! その時はよろしく頼むわね~♥ あと、エリナにも……寂しいからたまには顔見せろって言っておいてちょうだい? それじゃあ~~ご機嫌よう~~~♪」  車は庭の円形に敷かれた道路をゆっくりと旋回しながら、出口の門まで進んでいった。  ルルシア嬢の顔は引っ込み窓が閉めらたが、車の中からは今度はリサのけたたましい笑い声が遠くに離れていても漏れ聞こえるようになった。  きっと我慢出来なくなってルルシア嬢がリサをくすぐっているのだろう……  その笑い声は車が見えなくなっても残響音の様に耳に残り、あなたとソフィアの頬を緩ませた。  やがて、リサの声も完全に届かなくなると……ソフィアが屋敷の扉を閉め、あなたに向けてボソリと言葉を紡ぐのだった。 「良かったですね……マスター。ルルシア様……喜んでくださったようで……」  その言葉に静かに頷きを入れ、あなたとソフィアは屋敷の奥へと戻っていくのだった。  あなたの口元には、達成感に満ち足りた笑みが自然と浮かんでいる。  普段無表情なソフィアの口元にも……同じ笑みが浮かんでいた。  あなたはその達成感を噛みしめながら、自分の部屋へと帰っていくのだった。  →#66へ……エピローグ(ルルシア嬢の贈り物A)へ


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