SamuZai
シカク
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悪の種を植える -2-

スグルはひと通り自分の体や能力を確認すると進化したことで生まれた野望を叶えるべく行動を始める。 「動画はもういいや。それよりも、まずは同士を増やさないとな。でもあまり目立つといけないし、まぁまだ若いし慌てずだな。折角生き延びたんだ。大事にしないと」 スグルは研究施設を出てどこに向かおうかと考えていると、裏手で声が聞こえてくる。 「さすがはお坊ちゃん。羽振りがいいねぇ」 「もうそれで十分だろ。いい加減にしてくれ」 「俺新品の練習着が欲しくてさ。まだ少し足らないんだよね」 「全国一のチャンピオンがそんな訳ないだろ」 「おっ!言うねぇ。全国模試トップさん。でも改めて思うと意外だよなぁ。まさかお前が万引きなんて」 「つい…出来心だ…分かったからもう言うな。これで満足か?」 「あぁ。ありがとさん」 スグルは声が聞こえてきた方へ近づくと二人の男がいた。二人は高校生で一人は詰襟制服でもう一人の制服は地元でも有名な進学高の制服だった。そしてその会話から全国模試トップが何かしらの全国チャンピオンに強請られているようだ。 (なるほどね。ほんとオレは運がいい。初っ端からこんないい人材が見つけられるなんて。周りに人もいないし最高のシチュだな) スグルは笑みをこぼしながら二人の前に姿を見せた。 「あまりこういうことは良くないよ」 スグルが姿を表すと二人は揃って怪訝な表情をする。 「あんた誰だ?」 「まぁ通りすがりです」 「助けようとしてくれてるのなら大丈夫です。俺は困ってませんから」 「だとよ」 「いや、助けようなんてさらさらないよっ!」 そう笑顔で言い放つとスグルは手を木のムチへと変形させる。自在に伸びるムチはチャンピオンと呼ばれていた青年の体に巻き付き、その自由を奪った。 「なっ!?異能かっ!?クソっ!!」 「異能じゃないよ。すぐに分かる。お前もオレと同じく進化するんだから」 スグルは逆の手も同じくムチに変形さすと、今度はその先端を捕らえた青年の額へと突き刺した。 「グぁア"っ!!」 すると青年は白目を剥いて全身が痙攣し始める。額からムチは抜かれたがその刺した箇所からは血管が浮き上がり、何かが注入されていた。その様子を確認したスグルは青年をムチから解放して今度はゆっくりと気付かれないようにこの場から逃げようとしてたもう一人の青年を捕らえた。 「やっ!やめろっ!!やめろっ!!」 ムチで巻かれた青年はじたばた暴れるがただの人間にそこから抜け出せる事は出来ず体力だけが失われていく。すると額を刺され先程まで痙攣を起こしていた青年がムクリと起き上がる。手をグーパーとさせて自分の体を動かしてニヤリと怪しく笑った。その様子を見たスグルは満足そうな表情で青年に声を掛ける。 「どうだ気分は?」 その問いに青年はスグルの方を向いて膝を折る。スグル向ける表情には忠誠心が宿っていた。 「最高の気分っす。プラント人間にしていただきありがとうございます、我が王」 青年の額に刺したムチの先端にはスグルが作り出した種が付いていた。体内に打ち込まれた種は脳に取り付くと、根をのばしてすぐに発芽する。そして宿主と一体化してその人間をプラント人間へと改造する。プラント人間へと生まれ変わった人間は王であるスグルに絶対の忠誠心が芽生え、服従する事となる。更にプラント星人が手にしたダークマターの力が宿った種はプラント人間に変えた宿主に邪心をも植え付ける。道徳心のブレーキを緩め、欲に忠実な存在へと変える。これによってスグルから論理感がない命令をされても抵抗なく遂行する事が出来るようになる。また欲にも忠実になったプラント人間は同時に性対象も変わりゲイになっているので仲間同士での交わりにも一切躊躇いも無くなる。これは元々のプラント星人として一面が出たのではなくスグル本来の一面だ。スグルの性対象は男。種を植え付けられた人間も王のスグルと同じく性対象は男へと変わってしまう。だが、その事に対してスグルは寧ろ仲間が増える事に喜びを感じている。プラント人間を増やすことは同士を増やすこと。プラント星人とスグルはそういった面も相性が良く、適合があったのだ。 スグルに跪く青年を見て、ムチで捕らえられた青年は恐怖の表情を浮かべる。先程まで自分を脅し、チャンピオン故に誰にも従わないような強者のオーラを纏っていた人物が、今恍惚の表情を浮かべて得体の知れない男に跪く現状に。 「さて、こっちも済ませるか」 スグルはそう言うと暴れることを止めて青ざめる青年の額にも種を植え付けた。 「小林透(コバヤシトオル)です」 「尾上典(オノウエツカサ)です」 初めての同士となった2人がオレの前に跪く。細身黒髪で顔がそこそこ整っているのが秀才のトオル。同じ細身でも筋肉質で男性的な顔立ちの方がチャンピオンのツカサか。中々いい人材を進化させる事が出来た。プラント人間だけの楽園を作るのに大きな一歩だ。 「改めて2人ともよろしく。さあ、進化のお祝いに俺直々にコーティングしてあげよう」 俺の言葉に2人は歓喜の表情を見せて上半身を露わにする。俺は2人の胸に手を置いて樹液をその肌へとコーティングしていく。 「あっ…♡んっ、んあっ♡」 「はぁん、ん"っ…♡あっ♡」 この樹液のコーティングをする事でその身は銃弾すらを通さない体となり、更に快感をも倍増させるプラント人間にぴったりのアーマーだ。真っ黒な樹液は全身にピッタリと張り付いて2人の第2の肌となった。もちろん俺自身もコーティング済みだ。 「あっ…♡ありがとうございます♡」 「んあっ、ありがとうございますっ♡」 コーティングが終わると2人は改めて制服を纏う。だが股間は膨らみシャツの首元からはスポーツマンがアンダーを覗かせるように黒い樹液を覗かせている。 「我が王、改めてプラント人間にしていただきありがとうございます…!そしてコーティングまでしていただき感激です!」 「オレも改めてありがとうございます!これから先プラント人間として一生王に仕えさせていただきます!」 2人は歓喜の表情で改めて宣誓する。その光景に同士が久しぶりに増えた事にプラント星人としての部分が溢れて感動してしまう。しかも2人はオレを王と拝める下僕。こんな嬉しい事はない。だが、王と言われることに恥ずかしさを感じ少し小っ恥ずかしい気持ちになる。 「トオル、ツカサ、これからよろしく。だけど王は止めてくれ。出来ればこれからは名前で」 『はっ!スグル様っ!』 「じゃあこれからだけど、まずは同士を増やすことだ。最終的にはプラント人間の楽園を作りたいと思ってる。そのために多くの男にはプラント人間になってもらうつもりだけど、まだオレたちは始まったばかり。プラント人間という存在が表に出るには早いから慎重に動かないといけない。ジワジワと同士を増やし気付いた時にはってのが理想かな」 2人はオレのさっき組み立てた大雑把な計画を真剣な眼差しで聞いてくれる。 「お任せください。周りにある程度優秀なやつは何人かいます。まずはそいつらから」 「オレも期待してて下さい。スグル様の役に立ちそうなつえーヤツら片っ端から同士にしてやりますよ」 2人はワクワクと自信満々な様子を見せてくれる。 「あとは拠点や資金かな。ここ使えたらそれが1番なんだけど」 「それならお任せ下さい」 トオルが凛とした姿勢で口を開く。 「投資である程度お金はあるのでそれを使えばココなら購入は出来るかと。こんな郊外でポツンと壊さずあると言うことは恐らく持ち主も持て余してるのでしょう。安く買えそうです」 そう言ってトオルがニッコリと笑う。でも、マジか…。だからといって大きい建物だ。それに土地もあるだろう。確かにツカサがお坊ちゃまと言っていたけど本物の金持ちだったとは。しかも投資。頭の良さも本物のようだ。それにしても鉄骨造2階建の建物。広さも学校の体育館よりも少しありそうだ。ここを拠点に出来るとは長年居たオレも感慨深い。 「ありがとうトオル。頼むよ」 「そんな!お礼なんて不要です!当たり前の事ですよっ!」 素直に感謝を述べるとトオルはあたふたとした表情を見せる。さっきまでの凛とした表情とは違いこういった顔も中々可愛いくそそられる。それにしてもオレも王という立場に慣れないとな。そういえば2人はカツアゲの加害者と被害者。すっかり忘れていた。仲良くまではいかないかケンカばかりしていると今後に支障が出てくるし上手くやっていけるのか心配になってきた。 「2人は色々と複雑な関係そうだけど今はオレの配下となった訳だからそこらへん上手く折り合い付けてやっていけそうか?」 そう問うと2人は一瞬目を合わせて仲良く返事をする。 『もちろんですっ!』 「むしろ最高のパートナーっすよ」 ツカサはそのままトオルに照れくさそうに話しかける。 「オレ頭悪いからよ、トオルにも色々と相談するかも知れねぇからそん時はよろしくな。あと、悪かった…金返すからよ、許してくれねぇか?」 「許すに決まってるだろ?オレたちは唯一の同士なんだ。金なら返さなくていい。まだあるしツカサの役に立ててくれ。それにオレもお前に頼るかも知れないしその時はよろしくな。それよりオレたち仲直り記念に後でもっと仲深めようぜ」 「もちろんだ、後でたっぷりとな」 プラント人間同士仲間意識が高くなったみたいだ。それ以上に仲良くやっていけそうで安心した。だけどそのまま2人の世界に入ってもらっては困る。 「話はまとまったか?」 『すっ!すみません!』 オレの言葉に慌てて2人はこちらに体を向ける。 「とりあえず、行動するのは明日からだ。たっぷりと仲深めるんだろ?もちろんオレも混じってもいいよな?」 「もっ、もちろんですっ!!」 「ぜひっ!スグル様も!嬉しいですっ!」 2人の顔は今日1番赤くなり満面の笑みを見せる。そんなに喜ばれると嬉しくなってくる。オレは愉悦の親交タイムを過ごすため2人を自分の家に連れてひとまずここから離れるのだった。


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