SamuZai
シカク
シカク

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コンプレッション、コンプレッション、コンプレッション

この国はおかしくなってしまった。 俺は今、C.Sと呼ばれる者たちが町を徘徊している様子を観察して、また思い出してしまう。出来れば、考えたくはないがそうもいかない。俺の命、いや、尊厳に関わる事だから。 突然現れたコンプレッション・ソルジャー、C.Sと呼ばれる存在。それが現れてからこの国は徐々に侵食され始めた。 C.Sとは何者か。 彼らの正体は元は普通の人間だった男だ。C.Sは全身を黒いタイツに覆われた人間で顔の下半分だけが人間である肌色が確認出来る。彼らはその纏った黒を自由に操り、顔を外部に晒すことも、それをムチのように操る事も可能だ。その中でも1番厄介なのが、その黒を他人に感染させる事だ。彼らの黒に捕らわれると瞬く間にその黒は皮膚を覆って彼らの仲間になってしまう。そう、パンデミックのようにその黒は広がり、まるでゾンビ映画のようにC.Sは増殖していった。理由は分からないがC.Sは男性しか狙わない。じゃあ女性は無害なのか。そう上手い話はなく、女性は彼らに見つかると抹殺される。例えそれが友達であろうと、恋人であろうと、家族であろうと。更に厄介なのがC.Sになったとしても彼らには自我が残っている事だ。だがC.Sとして侵されたその体は脳にも及んでいて、彼らは元々の記憶が残っていたとしてもC.Sとして植え付けられた本能のまま動く。これによってミイラ取りがミイラになってC.Sはどんどんと増えていった。そうやって増えたC.Sを殲滅しようともちろん国も動いた。だが、彼らの黒いタイツには銃弾もナイフの刃も通らず、逆に軍隊や警察も彼らに飲み込まれていった。 そしてその侵食は遂に俺が住む街にもやってきた。逃げる最中、そこで初めて俺は間近でC.Sを見た。それは俺の中で今でもトラウマとして残っている。 C.Sに追われ逃げる途中で俺は、C.Sがどこかに行くまでやり過ごそうと廃ビルに駆け込んだ。ビルに逃げ込んだことはバレておらず、周辺を徘徊する様子をビルの屋上から覗いていた。そんな時、俺と同じく逃げていたのか、男性が運悪く曲がり角でC.Sとかち合ってしまった。 「ははっ、こんな所にも。お前も仲間にしてやるよ」 「なっ!?クソっ!」 男性はすぐに振り返って逃げるが、逃げれる距離もなく出会ったしまった為、すぐに追い詰められる。 「もう逃げれないぜ!すぐに仲間にしてやるからな」 「いやだ!!こんなのになりたくないっ!」 じりじりと男性はC.Sに迫られるが、俺は黙って見ることしか出来ない。ここで俺が出ていったところで、それこそ今まで逃げてきたのが水の泡だ。じりじりと近付くC.S。だが、その足が止まる。 「あれ?お前天か?成宮天だろ?」 「なんで俺の名前を…」 C.Sが嬉しいそうな声を出した後、顔を覆うタイツが解除されてその素顔を晒した。すると天と呼ばれた男性は唖然とした。 「瑛二…お前…」 「久しぶりだなぁ、高校の卒業式ぶりか?嬉しいわ、また仲良く連もうぜ」 「つるむわけねーだろ!目を覚ませよ!分かってるんだろ?自分が異常だってことは!?それにこのままだと…っ!」 そう言って天という男性は自ら瑛二と呼ばれるC.Sに近付き、その肩を掴んで揺らした。その行為に俺は思わず声をあげそうになった。だってC.Sに触れると言うことは… 「嬉しいよ、自分から仲間になりにきてくれて」 「あっ…」 気付いた頃にはもう遅く、肩を掴んだ手から黒が感染して、徐々に天を侵食し始めていた。 「いやだっ…!取れろっ!離れろっ!イヤだイヤだっ!!」 天は必死に引き剥がそうとするが掴むことは出来ずに両手はすぐに真っ黒になり、もう肩にまで侵食されていた。するとさっきまで絶望した表情で必死に抗っていた天の様子が何かのスイッチが入ったように変貌して侵食を受け入れ始めた。 「あっ…コンプ…レッション…きもち…イイ…コンプレッション…おれ、つつまれて…あっ…♡」 「気持ちヨクなってきただろ?これは俺たちの表面だけじゃなく、皮膚からも浸透してすぐに中も変えてくれるんだぜ。もうこの快感を理解出来たならお前も俺たちの仲間だ」 「コンプレッション…♡気持ちイイ…♡コンプレッション…♡」 「俺らにはもうこんな服も要らねぇぜ」 そう言って瑛二は天の服を破り黒く占領されていく肌を露にさせる。天はすっかり蕩けた表情をさせて天へと抱きついて、更にその侵食を加速させ、自らをC.Sとして完成させた。 「すげぇ似合ってるぜ。コンプレッション♡コンプレッション♡」 「ンっ…♡あ…っ♡コンプレッション♡コンプレッション♡」 2人はそのまま唇を重ね合って快楽に身をまかせていった。俺はその隙にビルを降りてこの場から離れようとしたが、そこで瑛二が動きを止めてキョロキョロと周りを確認しだした。 「コンプレッション…♡んんッ…んあっ…♡んっ…?どうしたんだ?」 「オスの匂いがしねぇか?天、お前以外に誰かいなかったか?」 「いや、俺ひとりだったぜ。誰かいるのか?なら、そいつも仲間にしてやらねぇと♡」 すっかりC.Sに洗脳されてしまった天の言葉に俺は再びビルの入口で息を潜めた。 「どこだ?一瞬香ったんだけどな。匂いしねぇか?」 「ん…?わかんねぇ…。瑛二の匂いしかしねぇよ」 「気のせいか?お前の残り香か?」 「気のせいなら早く続きしよう♡早く教えてくれよ先輩♡瑛二のその真っ黒なちんぽで俺の穴突っ込んでくれよ♡」 「そうだな。後でまたお前と一緒に獲物探すか♡」 その言葉の後に2人は再び行為を再開したので、俺は気配を消して慎重にその場を後にした。 これが俺のトラウマ。人がC.Sへと変貌する光景を初めて見た記憶。絶対にああなりたくは無い。俺は今もC.Sから逃げ続けている。それと同時にあの日からC.Sからの打開策を見つけるべく調査も始めた。今や国はまともに機能していないが、C.Sに対抗する組織はいくつもある。俺は絶対に俺のままで生き続ける。そうして俺は今日もC.Sを遠くから観察する。自分の股間が黒に反応している事にいつか絶望する事も知らずに。


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