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② しばりしばられ 11

「「お邪魔しました〜」」


結局、話し合いはまとまることなく終わった。夜も更けてきたので解散することになった。優奏ちゃんは「送っていきますよ!」と言っていたが「それよりも和奏の縄を解いてあげて」と断った。



3人で暗い夜道を歩いていると、ふと沙希が口を開いた。


「いや〜この時間帯は誘拐にもってこいだね〜」


「まったく…何を言い出すかと思ったら……」


私は頭を抱えた。コイツの脳内には“緊縛”しかないのだろうか。


「あはは、こんな夜中に女子高生が3人で歩いてたら即誘拐緊縛コースかもね〜」


「もう、友梨までやめてよ。」


友梨もノリノリで相槌を打っていた。その言葉がフラグにならないことを祈った。


「あれ?」


そこで沙希が何かを見つけたように小走りで駆けた。


「どうしたの?」


私と友梨も沙希の後を追った。




「ん…やめ……離して…!」


「「!?」」


追いかけた先には黒いハイエースの側で男に手を引かれている女子高生の姿があった。私たちとは違う学校の制服を着た少女は必死に抵抗していた。

私たちは考えるよりも先に体が動いた。


「何してるんですか!」


私と沙希は男を取り押さえた。相手は成人男性といえども私たち2人の力を合わせれば何とか女の子から引き離すことができた。


「早く逃げて!」


私が叫ぶと女の子は涙を流しながら逃げていった。

これで一安心…あとはこの男を警察に突き出せば……。


「動くな!」


早計だった。これまでにたくさんの修羅場を乗り越えた私たちならこの誘拐犯を撃退できると過信していた。


「ごめん…沙希ちゃん……光姫ちゃん…」


ハイエースから降りてきたであろう新たな男が友梨の首筋に果物ナイフを当てていた。


「友梨ちゃん!?」


「嘘…やめて…!」


私と沙希は男から手を離し、友梨を助けるために駆け寄ろうとした。


「動くなと言っているだろう。」


「っ……!」


男はナイフをさらに強く押し当てて言った。その迫力に私と沙希の足は止まった。


「お友達を助けたければ大人しくハイエースに乗り込め。」


「そんな…大人しく誘拐されろってこと…?」


沙希が恐る恐るか尋ねる。


「早くしろ!」


男はナイフの角度を変えながら急かした。


「(沙希…ここは言う通りにしよう…)」


「(うん……。)」


私たちは小声で話し合った。


「分かりました…。言う通りにします。」


沙希が後部座席のドアを開け、私たちはハイエースに乗り込んだ。


________________________


「なによ…これ…」


思わず口を開いてしまった。

ハイエースの後部座席は従来のものとは異なり改造が施されていた。腰をかける座席は取り除かれ、まるで小さな囚人部屋のような無機質な何もない空間となっていた。もちろん後部座席の窓はマジックミラー仕様で外から中の様子を確認することは不可能だった。


「あれで縛るんだよね……」


「たぶん……。」


そしてその後部座席には無造作に麻縄の束が置かれていた。


「奥まで行け。」


友梨を人質にとっている男が急かすので私たちは大人しく従う。

私たちと男が後部座席に乗り込んだタイミングで先程まで私と沙希が取り押さえていた男が運転席に乗り込み、口を開いた。


「手短に頼むぞ。長居するのは危険だ。」


「了解した。」


友梨を捕まえた男は麻縄を拾い上げ私たちに向かって言った。


「後手に組んで大人しく待て。抵抗したらわかってるな。」


男はナイフを少し動かし、私たちに三度警告した。

もちろん私たちは抵抗することなどできない。沙希とアイコンタクトを交わし、2人で静かに頷いた。


「………//」


「っ……!」


私たちは男に背を向け、縛りを乞うように両手を後ろ手に組んだ。


「よし、お前も並べ。」


男は友梨を解放し、私たちと同じように並べた。


「ごめん……私のせいで…」


「友梨は悪くないよ。」


「大丈夫、きっと和奏ちゃんたちが助けてくれるよ。」


「うぅ…ありがとう…。」


そして友梨も後ろ手を組んだ。


「手早く簡易的な縛りで良いからな。」


「承知だ。」


そうして男は私たちに縄をかけていった。


_________________________


「く……」


「…解けない……」


「……この縛り…シンプルなのに…」


3分もしないうちに私たちの身体は拘束された。手首に縄を巻いただけの拘束だったが動きを封じるには十分すぎた。

そして男は更なる拘束を施しはじめた。


「ん…苦しいって……」


男は私たちに首輪を嵌めた。

そしてその首輪から伸びる縄のリードをアシストグリップに結びつけた。これにより私たちがハイエースから逃げ出すことは不可能に近くなった。


「これも付けてもらうぞ。」


最後に目隠しを付けられた。


「見えない……」


私たちは車に造られた小さな牢獄に監禁されてしまった。


「ふ…相変わらずの手つきだな。女は3人に増えちまったが問題はない。むしろ好都合ってもんだ。」


運転席から声がかけられた。そしてエンジンがかかりハイエースは動き出した。私たちを乗せたハイエースは新たな牢獄へと進み始めた。


「(和奏…優奏ちゃん……助けて…)」


私は祈るように心の中で思った。

Comments

ありがとうございます! 縛りを待つ姿は最高ですよね…

のべ

緊張感のある誘拐シーンでした!女の子が後ろ手に組んで待機してるのに興奮します!

セノジ


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