⑥ しばりしばられ 11
Added 2022-07-07 11:13:11 +0000 UTCpart⑤ → https://nobe.fanbox.cc/posts/3990024
ツカツカツカ…
深夜の住宅街に縄原の革靴の音が響きわたっていた。スーツ姿の縄原の後方に私とお姉ちゃんは居た。私たちは厚手のコートとマスクを着させられ、“連行”されていた。
「むぅ…(縄が…。もっとゆっくり歩いてよ…)」
歩くたびに全身の縄が擦れ、敏感になった身体が否応なしに反応してしまう。
「んむぅ…」
どうやらお姉ちゃんも縄の縛に苦しんでいるようだった。
私たちは自宅で縄原に縛られた後、コートと大きめの不織布マスクを着用されてしまった。そして股縄に括り付けられた透明のリードを縄原に引かれて住宅街を歩いていた。
コートの下には厳重な縛りが施されているため私たちは大人しく連行されるしかなかった。
「うふふ、沙希ちゃんたちを縛るのも楽しみねぇ。」
縄原は上機嫌に呟いた。私たちじゃ飽き足らず、今度は沙希さんと友梨さん…そして光姫さんまで縛ろうとしている。そんなことは絶対に許してはいけない。幸いにも大人しく連行されていることで縄原の注意は散漫になっている。狙うなら今しかない。
「んぐ……(お姉ちゃん…。)」
「むぅ…!」
お姉ちゃんの方に目配せをすると、静かに頷いていた。どうやら考えていることは同じらしい。
「♪」
縄原が最も油断したタイミングで私たちは仕掛けた。
シュバッ……
私は右側から、お姉ちゃんさ左側から縄原に仕掛けた。縛られた状態でもできる攻撃、それは“蹴り”だった。回し蹴りを力を込めて縄原にぶつけた。
ドカッ…
私たちの思惑通りに縄原はまともに蹴りを……喰らうことはなかった。
バシッ……
縄原は両手で私たちの攻撃を受け止めた。
「むぐ…(嘘でしょ……)」
「お行儀が悪い姉妹ね。」
縄原は私たちの軸足を払った。
「ん!?」
「むぐぁ!?」
当然、身体の支えを払われた私たちは受け身を取ることなくその場に倒れ込んだ。縄原はそんな私たちを見下ろしながらポケットの中からローターのスイッチを取り出した。
「むぐ…(いや……)」
「んーー!!むーーー!!」
私は恐怖に震え、お姉ちゃんは首を横に振って弱々しく抵抗していた。
「せっかくお情けで起動させないであげたのにねぇ。そんなことされたら調教するしかないわよ。」
カチッ
ブィィィィン
「んぐぅ!?(強すぎ…)」
「ん……!」
股間の中でローターが振動を始めた。敵とも呼べる憎い相手による非情な責めなのにどうして快楽を感じてしまうのだろう。秘部を的確に刺激する卵状の玩具。初めて装着させられた時は不快感で堪らなかったのに、今となっては快楽の方を感じてしまう。
「ん……ぅ…!(こんな縄なんかなかったら…)」
なんとかローターを外そうと試行錯誤するものの身体に巻き付いた縄が許してくれない。そして股縄はキツく締まり、ローターと秘部を密着させていた。
「あらぁ?もしかしてローターを使って欲しくて抵抗したのかしら?」
縄原は挑発するように言った。
「んぐ…(そんなことないでしょ!)」
私が抵抗すると、縄原は私の耳元まで顔を寄せて小さく呟いた。
「安心しなさい。光姫ちゃんとは一緒に連縛してあげるから。」
「むぐぅ……(この人は……)」
どこまで私を挑発すれば気が済むのだろう。それでも光姫さんと一緒に縛られるところを妄想したら顔が火照ってしまった。
「さぁ、行くわよ。」
縄原は再びリードを持ち歩き始めた。」
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「あら?これは沙希ちゃんたちの鞄よね」
縄原の視線の先にはお姉ちゃんの学校指定のバッグがあった。縄原が仲間を確認すると中には勉強道具と自縛道具が入っていた。
「これは……」
すると縄原はパチンッと指を鳴らした。
シュバッ…
すると何処からともなく黒忍が現れた。
「パソコンお願いできる?」
「御意。」
黒忍はノートパソコンを縄原に手渡した。縄原はノートパソコンをカタカタと操作する。私とお姉ちゃんはその画面を覗き込んでいた。
「……(監視カメラの映像?)」
そこに映されていたのは私たちがいる場所だった。だが私たちの姿が確認できないということは過去の映像だろう。
縄原は操作を続けた。
「っ!?」
すると沙希さんたちの映像が映し出された。その映像の中で沙希さんたちは黒いハイエースに乗せられて、誘拐されていた。
「これは只事では無さそうね。」
縄原はそういうと目にも止まらぬ速さで私たちの拘束を解いた。
「え……。」
「どうして……。」
私たち姉妹は呆気に取られる。縄原が私たちの拘束を解くなんて考えられないことだった。
「見て分からないの?沙希ちゃんたちが誘拐されたのよ。」
「でも…それって貴方の差金じゃ?」
「残念ながらこの件に至ってはノータッチよ。私たちとは別のグループに誘拐されたようね。」
「そんな……。」
縄原は真剣な表情で続けた。
「さすがに私一人だと骨が折れるわ。手伝ってちょうだい。」
「誰が貴方となんか…。私たちだけで十分だよ!そうだよね、お姉ちゃん!」
「え……は、はい。」
縄原は少しだけ表情を崩しながら口を開いた。
「協力できないなら貴方たちが縛られて気持ち良くなってる映像を貴方たちの学校に配布するわよ。」
「く……」
「それは…やめてください…。」
「それじゃ、一緒に沙希ちゃんたちを助けに行くわよ。」
「うぅ…わかったよ。でも協力したら動画は消してよね……」
「そういう契約でいきましょうね。」
そういうと縄原は再び指を鳴らし、黒忍を呼び寄せた。
「ほら、これがないと力が出せないんでしょ?」
縄原はお姉ちゃんに忍び装束と髪留めのゴムを渡した。
「…ありがとうございます。」
「どうかしたの?」
「あの…どうして沙希さんたちを助けるのを手伝ってくれるのですか?」
お姉ちゃんは縄原に気になっていることを聞いてくれた。
「可愛い市民を守るのは市長の役目よ。」
「そんな可愛い市民を毎回縛ってるのは何処の誰だよ…」
私は横槍を入れた。
「緊縛は緊縛でも力で屈服させる緊縛は興味がないの。力で強制的に従順にさせるのは“調教”とは呼べないわ。」
「縄原……。」
「貴方たちみたいに縄の快楽に溺れて自ら縄を求めるようにならないとつまらないのよねぇ」
「うぅ…貴方って人は……!」
お姉ちゃんは顔を真っ赤にしていた。縄原がお姉ちゃんのことを可愛いと言うのもわかる気がする。
「分かったのならさっさと着替えなさい。助けに行くわよ。」
「はいです!」
そういうとお姉ちゃんは着替え始めた。
そして縄原は黒忍に命令を始めていた。
「この子たちを縛っていた縄とローターを片付けてくれる?それと個々の監視カメラの映像を改竄してくれるかしら?」
「仰せのままに。」
そういうと黒忍は消えていった。
「たかだか市長がそんなことまでしても良いのかな?」
「あら聞いていたの?」
「こんなことをバラしたら貴方の立場はどうなるのかな?」
「ふ〜ん。」
私の脅しに縄原が動じることはなかった。
「それじゃ護衛を言い訳にストーカーまがいのことをしてるくノ一ちゃんのことも公になるかもねぇ。」
「っ……!?」
うそ…全部監視されてたの…!?
「自縛して深夜のランニングとか〜〜」
「わーーーわーーー!ごめんなさい!協力します!」
「解ればいいのよ。」
そうこうしている間にお姉ちゃんの着替えも終わったようだった。
「それじゃ行きましょうか。」
「はい!」
「うん!」
私たち姉妹と縄原は同じ方向を向いて走っていった。