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① しばりしばられ 12

「ん…よいしょ……」


「ふぅ…」


福音寺咲椋は自室でストレッチをしていた。学校は休みだが、外はあいにくの空模様、こんな日は自宅にこもって身体を動かすのが彼女の日課だった。


「ふー……」


息を吐きながら前屈をすると膨らみかけの小ぶりな胸が床のマットにペタッと着いた。

柔軟、腹筋、背筋……雨の日の特別メニューをこなしていった。


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「汗かいちゃったな」


タオルで汗を拭いながら咲椋は呟いた。Tシャツとスパッツだけのラフな格好だった。汗の匂いも混じり合い、フェチにはたまらない蒸気が漂っていた。


「お風呂入ろっ」


その掛け声と共に自室の扉が勢いよく開いた。


ガチャ…!


「動かないで!」


咲椋の部屋に入ってきたのはサングラスをかけた女の子、横河原沙希だった。

これは本物の泥棒ではない。いわば泥棒ごっこだった。お互いの共通の癖を満たすための寸劇。臨時休校で家に誰もいない平日昼間が最高のチャンスだった。


「ひぃ…」


咲椋は怯えたように後退りをした。口では怯えたフリをしているが憧れのシチュエーションに置かれたいま、その顔は少しだけニヤけていた。


「大人しくなったね。それじゃ両手を上げて。身体チェックするよ」


「はい…」


沙希の指示に従い、咲椋は両手を上げた。


「うーん…ここには何も隠してないかな?」


沙希は咲椋の上半身をペタペタと触って縄抜けの道具がないか執拗に確認した。


「ん……そんなとこに何も隠せませんよ…」


「どうかな〜?知り合いのくノ一は胸の谷間とかにクナイとか隠してたりするんだよ〜」


「くノ一って…そんな人いるんですか……あ、そこダメです…!」


「えへへ、咲椋ちゃん可愛いよ〜」


沙希は咲椋の全身を触って身体チェックを終わらせた。咲椋の初心な反応を楽しんだ沙希はウキウキ気分で麻縄の束を取り出した。


「っ…その縄で私をどうするつもりですか……!」


この先、自分がその麻縄でどうされるのか分かっているはずなのに気持ちを昂らせるために咲椋は沙希に告げた。


「私は泥棒さんだよ。お仕事の邪魔になるキミは縛るに決まってるよ!」


「っ……!」


「抵抗するならお好きにどうぞ?」


「私を舐めないでください…!」


咲椋は沙希に戦いを挑んだ。始めこそは力が拮抗していたが、決着は一瞬だった。


「抵抗したからギチギチに縛ってあげるね。」


沙希が咲椋の耳元で囁く。


「っ…ギチギチ…!?」


咲椋はわざと力を抜いて、沙希に組み伏せられた。沙希はそのまま咲椋の両手を後ろに捻り上げて縄をかけていった。


ギチギチ…


咲椋の手首に麻縄が巻かれていく。


「やだ…縛らないで……」


口では抵抗しているものの、咲椋の表情は綻んでいた。


「抵抗してごらん?もう、手は動かせないよ。」


「え…うそ……全然痛くないのに…動かせない…!?」


沙希の縛りに咲椋は驚愕した。簡単な縛りかつ痛みを生じない完璧な縛り。そして縛った箇所は完全に動きを拘束されていた。


「もっともっと縄化粧をしてあげるね。」


「うぅ……」


すっかり咲椋は抵抗するフリをするのを辞めて、沙希の縄に身を委ねていった。


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